飲食店DX

利益が残らない飲食店に共通する5つの理由

こんにちは、ハワードジョイマンです。

結論から言うと、「売上は前年より良いのに利益が残らない」飲食店には、5つの構造的な原因があります。努力が足りないのでも、景気のせいでもありません。仕組みの問題です。その理由を、数字をもとに順番にお伝えします。

私はこれまで21年間・610件超の飲食店を支援してきました。居酒屋、焼肉店、ダイニング、カフェ、ラーメン店……業態は違っても、「利益が残らない」と相談に来るオーナーさんには、ほぼ例外なく同じパターンがあります。

📋 この記事でわかること

  1. 利益が残らない飲食店に共通する5つの構造的な原因
  2. 原価率・人件費・システムコストが「見えていない」ことの危険性
  3. 数字を日次で把握することで何が変わるか
  4. 仕組みで利益を残すための最初の一手

こんな方におすすめ

  • ✅ 売上は上がっているのに通帳の残高が増えない方
  • ✅ 原価率が悪化しているが、どのメニューが原因か分からない方
  • ✅ 月次の数字が出るのが翌月中旬になってしまっている方
  • ✅ 3〜30店舗規模で多店舗展開を進めている飲食店オーナー
  • ✅ 事業承継して経営数字の読み方から見直したい2代目経営者
利益が残らない飲食店に共通する5つの理由 | 有限会社繁盛店研究所(Dinii正規代理店:モバイルオーダーシステム)

理由①:売上・原価・人件費が「別々の場所」に存在している

利益が残らない飲食店の最大の原因は、データが分断されていることです。POSレジ、勤怠管理システム、仕入れ台帳——それぞれ別々のツールで管理されているため、「今月の利益」が月末にならないと計算できない構造になっています。

私が支援した月商350万円規模の居酒屋オーナーは、月次の損益が出るのが翌月の15日前後でした。つまり、問題が起きてから最長45日後に気づく状態です。これでは打ち手がどうしても後手に回ります。

FLコスト(食材費+人件費)の合計が売上の何%かを、今日の数字で答えられますか?ここが答えられない場合、まずこの構造から見直す必要があります。

チェックポイント①:FLコストをリアルタイムで把握できているか

一般的に飲食店のFLコスト比率の目安は55〜60%以内とされています。これが月末まで計算できない店舗では、着地を予測して手を打つことが構造上できません。

✅ ポイント:POS・勤怠・仕入れのデータを1つの基盤に統合し、日次でFLコストを確認できる状態を目指しましょう。

理由②:「売れているメニュー」と「儲かっているメニュー」を混同している

注文数が多い=儲かっている、と思い込んでいるケースが非常に多いです。実際には、出数が多いメニューほど食材ロスや仕込み工数が大きく、粗利率が低いことがあります。

ABC分析(出数・売上・粗利・リピート率の4軸評価)を行うと、売れ筋だと思っていたメニューが実は利益を圧迫していた、という事例は珍しくありません。増益繁盛クラブの会員さんの中には、上位3品を見直しただけで原価率が3〜5ポイント改善したケースもあります。

チェックポイント②:商品別の粗利構成比を分析しているか

「今月の原価率が上がった」と気づいても、どのメニューが原因かを特定できなければ対策が打てません。全体の原価率だけを見ていても、問題の所在は見えてきません。

✅ ポイント:商品ごとの粗利を可視化し、「売りたいメニュー」と「売れているメニュー」を一致させるメニュー設計が必要です。

理由③:人件費が「採用コスト込み」で計算されていない

スタッフが辞めるたびに求人広告を出す。その費用は月数万円から数十万円になることもあります。しかしこの採用コストが、固定費として人件費の中に正確に計上されていないケースが多いです。

厚生労働省の調査(令和5年版 労働経済の分析)によれば、サービス業における中途採用1人あたりのコストは平均で数十万円規模に上るとされています。時給を上げても辞めるのは、金銭的な報酬だけでは「報われている実感」を補えないからです。

採用コストを削減する最も確実な方法は、採用を前提としないオペレーション設計に切り替えることです。モバイルオーダーの導入でホール1名分の業務を仕組みに移管し、その原資を既存スタッフの処遇改善に充てる——このアプローチで定着率が改善した事例を、私は何十件と見てきました。

✓ ここまでのポイント

  • データが分断されていると、利益は月末まで「見えない」まま経営することになる
  • 売れているメニューと儲かっているメニューは別物。ABC分析で粗利構成を把握することが先決
  • 採用コストを人件費に含めて計算すると、実際のFLコストは想定より高いケースが多い

理由④:システム費用の総額を把握していない

POS、勤怠管理、予約システム、販促ツール、LINE公式アカウント——必要に応じて後付けで導入してきた結果、月額の合計を即答できない経営者が驚くほど多いです。

私がよく行う「システム棚卸し診断」では、経営者が把握していた月額費用の1.3〜1.8倍の支払いが実際に発生していたケースが少なくありません。しかも各システムが連携していないため、データを突合するために毎月スタッフが数時間を消費している——これも見えないコストです。

チェックポイント③:月額システム費用の総額を今すぐ答えられるか

POS・勤怠・予約・販促・決済のすべてを合計したとき、月にいくら払っているか。さらに各ツール間のデータ連携にかかっている人件費(作業時間×時給)を加算すると、実態コストはさらに膨らみます。

✅ ポイント:ベンダーを集約し、連携コスト・月額・対応窓口をまとめることで固定費を圧縮できます。まずは棚卸しから始めましょう。

「システムを入れること自体は問題ではありません。問題は、入れたシステムが点として存在していて、線でつながっていないことです。経営判断に使えないシステムは、コストでしかありません」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

理由⑤:再来店率をKPIに置いていない

新規集客に費用をかけているのに売上が積み上がらない——この悩みの根本は、誰が来たか分からないことにあります。来店客が会員化されていないため、2回目に来たかどうかを測定できていないのです。

仮に月100組の新規客が来店しても、再来店率が30%なら翌月のリピーターは30組。再来店率が70%なら70組です。この差は売上に直結しますが、測定していなければ改善しようがありません。

増益繁盛クラブの会員さんの中には、再来店率を38%から71%へ改善し、月商350万円から620万円へ伸ばした事例があります。やったことはシンプルで、来店=会員化の仕組みを作り、再来店率をKPIに設定しただけです。

「新規のお客様を追いかけることに必死になっている経営者さんは多いです。でも、来てくれたお客様が2回目に来たかどうかを測っていない店が、同じくらい多い。まずそこを測ることが、利益を残す経営の入口です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

「モバイルオーダーを導入してから、LINE友だちが増えて再来店客数も含めた来店者総数が伸びました。以前は新規ばかり追いかけていましたが、今は常連さんに支えてもらえている感覚があります」

居酒屋オーナー(40代・男性)

「モバイルオーダーの導入後、注文点数がアップして客単価も上がりました。スタッフへの負荷が減った分、接客に集中できるようになったのも大きいです」

ダイニング経営者(30代・女性)

まとめ:利益を残すのは「努力」より「仕組み」

利益が残らない飲食店に共通する5つの理由を整理すると、次のとおりです。

  1. データが分断されていて、利益が月末まで見えない
  2. 売れているメニューと儲かっているメニューを混同している
  3. 採用コストが人件費に含まれず、実態コストが過小評価されている
  4. システム費用の総額を把握していない
  5. 再来店率をKPIに置いておらず、売上が積み上がらない

どれも「頑張れば解決する」話ではなく、構造的な問題です。逆に言えば、構造を変えれば解決できます。

私は静岡市清水区を拠点に、北海道から沖縄、さらに海外の飲食店経営者まで21年間・610件超の支援を行ってきました。中小企業診断士として、そしてダイニーの正規代理店として、システム導入と経営コンサルを一体で提供しているのはそのためです。ツールを売るのではなく、利益が残る仕組みをつくることが私の仕事です。

「うちの店はどの理由が当てはまるのか」「何から手をつければいいのか」——そのご相談から始めていただいて構いません。効果が見込めないと判断した場合は、正直にお伝えします。

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