「今期は売上が悪くなかったはずなのに、気づいたら資金繰りが苦しくなっていた」——そんな経験、ありませんか?
こんにちは、ハワードジョイマンです。
2024年、飲食業の倒産件数が過去最多水準を更新しました。コロナ禍の助成金が途切れ、原価・人件費・光熱費の三重苦が直撃した結果です。ただ、同じ環境の中で着実に店舗を増やしている経営者もいる。その差はいったいどこにあるのか——今日はその「違い」を、比較しながらはっきりお伝えしたいと思います。
結論から言うと、倒産する店と生き残る店の一番の違いは「オーナーがいないと回らない店かどうか」です。3店舗を超えたあたりで全店を自分の目で見られなくなる。これは誰もが通る壁です。そこをデータと仕組みで乗り越えられるかどうかが、分岐点になっています。
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は悪くないのに利益が残らず、原因がつかめていない方
- ✅ 3店舗以上を経営していて、全店を把握しきれなくなっている方
- ✅ 現場を離れると数字が崩れる、と感じている方
- ✅ 店長に任せたいが、任せられる状態になっていない方
- ✅ 倒産ラッシュの中でも「選ばれ続ける店」を作りたい方
📋 この記事でわかること
- 飲食業の倒産が増えている本当の理由(表面的な原因の裏にあるもの)
- 「消える店」と「生き残る店」の経営構造の具体的な違い
- オーナー不在でも店が正しく動く仕組みを作るための実践ステップ
- リピーターを資産化することで倒産リスクを下げる考え方

飲食業の倒産が過去最多になった「本当の理由」
帝国データバンクの調査によれば、2024年の飲食業倒産件数はバブル崩壊後でも類を見ない水準に達しています。コロナ禍よりも多い、というデータに驚いた方も多いでしょう。
表面的な原因は「原材料費の高騰」「人件費の上昇」「客足の戻り鈍化」として語られます。ただ、私がこれまで飲食店610件以上の経営を支援してきた経験から言うと、倒産した店の多くに共通する「構造的な問題」があります。
それは、「何が起きているか、オーナーだけが把握していた」という状態です。
1〜2店舗の間は問題になりません。オーナーが毎日現場に立ち、レジを見て、スタッフの顔を見れば、異変に気づけます。しかし3店舗を超えた瞬間、物理的に全店を見ることは不可能になる。そのとき、店長の判断に任せるしかない——でも店長が「何を根拠に判断すればいいか」分かっていない。この構造的な空白が、売上が落ちても気づくのが1ヶ月後、資金繰りが詰まって初めて数字と向き合う、という悪循環を生み出します。
「倒産した店の多くは、ある日突然潰れたわけではありません。3〜6ヶ月前から数字に異変が出ていた。ただ、それを誰も読んでいなかっただけです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
「消える店」と「生き残る店」——経営構造を比較する
同じ商圏、似たような業態でも、片方が閉店してもう片方が2店舗目を出しているケースを何度も見てきました。その違いを、具体的に比較してみます。
❌ 消えていく店のパターン
- 月次の数字が出るのが翌月中旬で、打ち手がいつも後手に回る
- 原価率が上がっているが、どのメニューが原因か特定できない
- 店長によって成績にばらつきがあるが、その理由を説明できない
- 新規集客に費用をかけているが、2回目の来店率を一度も測ったことがない
- POS・勤怠・予約・販促がバラバラで、月額システム費用の総額を把握していない
✅ 生き残っている店のパターン
- 日次で売上・原価・粗利を確認し、月末の着地を月の半ばで予測できる
- ABC分析でメニューごとの収益貢献度を把握し、不採算品を定期的に見直している
- QSCをスコア化し、店長会議で「感覚」ではなく「数字」で話し合える
- 来店を会員化し、再来店率をKPIに置いて販促を設計している
- システムを1つのプラットフォームに集約し、経営管理の手間を減らしている
一言で言えば、「オーナーの勘」で動いている店と、「仕組みとデータ」で動いている店の差です。
✓ ここまでのポイント
- 飲食業の倒産増加の背景には、「オーナー依存の経営構造」という根本問題がある
- 消える店は数字の把握が遅く、生き残る店は日次・週次で経営指標を追っている
- 3店舗を超えたとき、「仕組みとデータ」に判断の根拠を移せるかどうかが分岐点
「自分がいなくても回る店」を作る3つのステップ
では具体的にどう動けばいいか。私が支援の現場で繰り返してきたプロセスをお伝えします。
仕組み化 STEP 1
数字の「見える化」——日次で利益を追える状態を作る
まず手をつけるべきは、売上・原価・人件費を1つのデータ基盤に統合することです。POS・勤怠・原価管理が別々のシステムで動いている場合、集計作業に時間がかかり、結果として翌月中旬まで先月の利益が分からない状態が続きます。これでは異変を発見したときにはすでに手遅れです。日次で「今日時点の粗利はいくらか」が分かるだけで、打ち手のスピードがまったく変わります。
⚠️ よくある失敗:「ツールを入れればすぐ解決する」と思って導入だけして終わり。データの読み方・意思決定のルールを設計しないと、画面を誰も見なくなります。
仕組み化 STEP 2
店長の「判断の根拠」を標準化する
オーナー不在で店が崩れる最大の原因は、「優秀な店長の判断が属人化していること」です。その店長が休んだ瞬間、または辞めた瞬間に数字が落ちる。これは人の問題ではなく、仕組みの問題です。アンケートを自動回収してQSCをスコア化し、「なぜあの店だけ客単価が高いのか」「なぜあの店だけリピート率が低いのか」を数字で語れるようにする。精神論ではなく、根拠のある議論ができる環境が、店長の自走を生みます。
⚠️ よくある失敗:QSC評価を「店長に自己申告させる」形にすると、数字が実態を反映しません。顧客アンケートの自動回収など、第三者視点のデータを組み合わせることが重要です。
仕組み化 STEP 3
リピーターを「資産」に変える——来店客を会員化する
倒産リスクを下げる最も確実な方法の一つは、売上の基盤をリピーターに移すことです。新規集客は広告費が固定費化し、グルメポータルへの依存度が上がるほど利益が薄くなります。一方、既存顧客が定期的に戻ってくる構造を作れば、売上の予測精度が上がり、経営判断が格段に安定します。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、LINEを活用したリピーター施策を整えた結果、こんな声をいただいた方がいます。
「LINE友だちが増えて、再来店客数も含めた来店者総数が伸びました。新規を追いかけるより、ずっと費用対効果がいいと実感しています。」
増益繁盛クラブ会員(居酒屋経営・40代)
来店した瞬間に会員登録してもらい、再来店率をKPIに置く。このシンプルな設計が、売上の積み上がり方をまったく変えます。
⚠️ よくある失敗:LINE登録の導線を作っただけで終わるケース。登録後に「誰が何回来ているか」を追跡し、来店間隔が開いた顧客に自動でアプローチする仕組みまで設計しないと、友だち数が増えても再来店には繋がりません。
「仕組みを持つ店」が倒産しにくい、もう一つの理由
ここまで読んでいただいた方の中には、「データだの仕組みだのと言っても、うちは小さい店だし…」と感じた方もいるかもしれません。ただ、私が支援してきた中で、月商300万円台から年商2億5,000万円規模まで成長した会員さんに共通していたのは、「早い段階でデータに基づく経営に切り替えた」という点でした。
仕組みを持つ店が倒産しにくいのは、売上が高いからではありません。「異変を早期に発見し、手を打てる」からです。3店舗、5店舗と展開していくほど、この差は広がります。
「経営者の仕事は、正しい判断を素早くすることです。データがなければ、判断の速度も精度も上がりません。勘を否定しているのではなく、勘を裏付けるデータが必要だということです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
モバイルオーダーの導入が「省人化」だけでなく客単価の向上や注文点数のアップにつながったという声も複数いただいています。注文業務をお客さまのスマホに移すことで、スタッフがお客さまとの会話に集中できるようになり、それがリピートに繋がるという好循環が生まれています。こうした一石二鳥の仕組みを、段階的に重ねていくことが「消えない店」を作る近道です。
まとめ——倒産ラッシュの今こそ、「仕組みで動く店」に切り替える
飲食業の倒産が過去最多を記録している今、経営環境が厳しいのは全員に共通した条件です。その中で生き残る店と消える店の違いは、シンプルに言えばこの一点に集約されます。
「オーナーがいなくても、正しい判断ができる仕組みがあるかどうか。」
日次で利益を追える状態を作り、店長の判断に根拠を与え、リピーターを資産化する。この3つを順番に整えていくだけで、経営の安定度はまったく変わります。「先月何を間違えたか」を翌月中旬に知るのではなく、今週何が起きているかをリアルタイムで把握できる経営者になる——それが、この倒産ラッシュを乗り越える最も現実的な方法だと、私は21年間のコンサルティング経験から確信しています。
もし「自分の店が今どの段階にあるか確認したい」「仕組み化の何から手をつければいいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。静岡・清水を拠点に全国対応しておりますので、オンラインでも気軽にお声がけいただけます。