モバイルオーダー活用事例

利益率が18%になった居酒屋の事例|何を変えたのか

こんにちは、ハワードジョイマンです。

先日、増益繁盛クラブの会員さんから「ジョイマンさん、うちの利益率って普通どのくらいですか?」という質問をもらいました。その方、月商420万円。スタッフも育っていて、お客さまからの評判も悪くない。なのに手元にお金が残らない、と。

この質問、実はすごく多いんです。「売上は悪くないはずなのに、通帳の残高が増えない」という感覚。その答えを探す前に、今日はひとつ事例をお話ししたいと思います。

静岡県内で居酒屋を3店舗経営しているオーナーが、利益率を18%まで伸ばした話です。最初に会ったとき、利益率は4%台でした。何が変わったのか、順番に見ていきましょう。

こんな方におすすめ

  • ✅ 売上は伸びているのに利益が残らないと感じている居酒屋オーナーの方
  • ✅ 原価率や人件費がどこで悪化しているか特定できていない方
  • ✅ 利益率を改善した具体的な事例・プロセスを知りたい方
  • ✅ 3〜10店舗規模で多店舗展開を考えている飲食店経営者の方
  • ✅ モバイルオーダーや経営管理ツールの導入を検討中の方

📋 この記事でわかること

  1. 利益率4%台の居酒屋が18%を達成するまでに行った具体的な改善ステップ
  2. 「売上は良いのに利益が残らない」構造的な原因と見つけ方
  3. モバイルオーダー導入が利益率改善にどう直結したか
  4. 数字を日次で見る経営に切り替えるための実践的な方法
利益率が18%になった居酒屋の事例|何を変えたのか | 有限会社繁盛店研究所(Dinii正規代理店:モバイルオーダーシステム)

最初の診断でわかったこと——「利益が見えていない」という本質的な問題

最初にそのオーナーさんと話したとき、月次の損益を把握するのが翌月の15日前後だとおっしゃっていました。つまり、何かおかしいと気づいても、すでに1ヶ月半が経過している。打ち手が常に後手に回っていたんです。

さらにヒアリングを進めると、POSレジ・勤怠管理・予約システムがそれぞれ別のベンダーで動いており、集計はスタッフが手作業でExcelに転記していました。当然、ミスも出るし、時間もかかる。

チェックポイント1:月次の損益がいつ出ているか

翌月10日を過ぎても前月の損益が出ていないなら、「経営が後手に回る構造」が固定化しています。先手を打つには、遅くとも翌月5日までに数字が出る状態が必要です。

✅ ポイント:集計の自動化を検討する。POSと原価・勤怠を連携させ、日次で利益を確認できる体制に切り替えることが第一歩です。

チェックポイント2:原価率の悪化をメニュー別に追えているか

このオーナーさんは「原価率が上がっている気がする」とは言えても、「どのメニューが原因か」を答えられませんでした。売れているメニューが必ずしも儲かっているメニューとは限りません。

✅ ポイント:ABC分析で「出数・売上・粗利・リピート率」の4軸から商品を見直す。売れ筋と儲け筋は別物です。

チェックポイント3:人件費の中身を時間帯別・スタッフ別に見ているか

FLコスト(Food+Labor)の比率は知っていても、「どの時間帯でどのスタッフに何時間使っているか」まで見ていない方がほとんどです。ランチとディナーで人件費の構造がまったく異なる場合もあります。

✅ ポイント:勤怠データをPOSの売上データと重ねて、時間帯別の人件費効率を確認しましょう。

✓ ここまでのポイント

  • 利益率が低い居酒屋の多くは「利益が見えない構造」を抱えている。翌月中旬まで数字が出ない状況では、打ち手が常に後手になる。
  • 原価率の悪化は「全体の数字」ではなく「メニュー別の粗利」で追わないと原因が特定できない。
  • POSと勤怠・原価が別システムで動いている場合、まずデータの統合が改善の前提になる。

何を変えたか——改善の順番がすべてだった

結論から言うと、このオーナーさんが最初にやったことは「システムの統合」と「数字を日次で見る習慣づくり」でした。大きな投資や業態転換ではありません。

改善 STEP 1

POS・原価・勤怠を1つのプラットフォームに統合する

バラバラだったシステムを、ダイニーの経営管理機能に集約しました。これにより、売上・原価・人件費が自動で集計され、翌日には前日の利益が確認できるようになりました。「翌月15日問題」が解消されたのは、ここからです。

⚠️ よくある失敗:「システムを入れれば勝手に改善する」と思って放置するケース。数字が見えるようになっても、それを見て判断する習慣がないと意味がありません。最初の30日間は毎朝数字を確認することをルール化しました。

改善 STEP 2

メニューのABC分析で「損をしていた人気メニュー」を発見する

ABC分析を実施したところ、注文数1位のメニューが粗利ベースではワースト3位だったことが判明しました。原価率が42%に達していたんです。このメニューを売れば売るほど利益率が下がる構造になっていました。

対応策は2つ。仕入れ先の見直しと、ポーション(盛り付け量)の標準化です。レシピカードを作り直し、全店で統一しました。これだけで原価率が3ポイント以上改善しました。

⚠️ よくある失敗:人気メニューを変えることへの心理的抵抗。でも「売れている」と「儲かっている」は別の話です。お客さまに喜ばれながら利益も取れる形に設計し直すことが目的です。

改善 STEP 3

モバイルオーダーの導入でホール人員を再配置する

3店舗のうち1店舗で、モバイルオーダーを試験導入しました。注文取りと会計の一部をお客さまのスマホに移したことで、ホールスタッフの動き方が変わりました。浮いた時間をテーブルへの声かけや料理の説明に使うよう指示したところ——

「モバイルオーダーを入れてから、スタッフが料理の説明をする時間が増えて、追加注文が増えました。注文点数が上がって客単価がアップしたのは正直、予想外でした」

居酒屋オーナー(40代・男性)

注文取りに追われていたスタッフが、本来やるべき接客に集中できるようになった。結果として客単価が上がり、スタッフのやりがいも高まるという好循環が生まれました。

「利益率を上げようとすると、多くの方がまず値上げか原価削減を考えます。でも実際は、今の売上の中にまだ取りきれていない利益が眠っていることが多い。その構造を見つけるのが先です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

利益率18%を支えた「もうひとつの変化」——リピーターを意識した経営

数字の仕組みを整えたことと並行して、このオーナーさんが取り組んだのがリピーター戦略です。

実はそれまで、来店したお客さまが2回目に来てくれたかどうかを把握していませんでした。新規集客のためにグルメサイトに毎月数万円を払い続けていたのに、来てくれたお客さまをどう引き留めるかは「なんとなくの接客」に任せていた状態です。

モバイルオーダーの導入によってLINE連携が可能になり、来店した方に自然な形で友だち追加を促せるようになりました。

「LINE友だちが増えて、再来店客数も含めた来店者総数が伸びました。グルメサイトへの依存度が明らかに下がってきています」

居酒屋経営者(30代・男性)

新規客を集め続けることよりも、来てくれたお客さまに「また来たい」と思ってもらう仕組みを作ること。これが利益率の安定につながりました。新規集客のコストが下がれば、それだけ手元に残る利益が増えます。

❌ よくある集客の失敗パターン

  • グルメサイトへの掲載費が固定費化し、効果測定をしていない
  • 来店客が「誰か」分からないため、再来店率を測定できていない
  • 新規客を集めるたびにコストがかかり、利益率が下がる悪循環

✅ 利益率を守る集客の考え方

  • 来店を会員化し、再来店率をKPIに設定する
  • 既存客へのLINE配信で低コストに再来店を促す
  • 新規集客費を「再来店率」で評価し、効果のない媒体を整理する

「利益率18%」という数字の意味

飲食店の利益率は、一般的に5〜10%が「普通」とされています。18%という数字は、決して偶然ではありません。

このオーナーさんが変えたのは、次の3点です。

  1. 数字を見るタイミング——翌月15日から、翌日朝へ
  2. 原価の見方——全体の比率から、メニュー別の粗利へ
  3. 売上の作り方——新規集客一辺倒から、リピーター比率の向上へ

投資額は最小限でした。大きなリノベーションも、追加出店もしていません。「今あるお店の構造を変える」ことに集中した結果です。

「がんばって売上を増やすより、今の売上から利益を取りきる構造を作る方が、経営は安定します。材料は既にそろっている場合がほとんどです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

私はこれまで飲食店だけで610件以上の支援実績があります。その中で確信しているのは、「利益が残らない」問題の多くは、努力や根性の問題ではなく、「見えていない」「測っていない」という構造問題だということです。

まとめ:利益率を変えるのは、仕組みの順番

今回の事例でお伝えしたかったのは、「利益率は仕組みで変えられる」という事実です。

この居酒屋オーナーさんが最初にやったことは、「数字を日次で見られる環境を作ること」でした。それだけで打ち手のスピードが変わり、次にメニューの粗利構造を直し、モバイルオーダーで人員配置を見直し、リピーター戦略を整えた。この順番が機能したんです。

あなたのお店でも、まず「今月の利益が翌日に見えているか」という一点から確認してみてください。

もし「うちの場合はどこから手をつければいいか」が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。現状の数字を聞かせていただいた上で、どこに課題があるかを整理するところから始められます。

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