こんにちは、ハワードジョイマンです。
「原価が上がってるのは分かってる。でも値上げしたら客が来なくなりそうで怖い」
「仕入れ価格が全部上がっているのに、メニュー価格だけ据え置いたまま3年が経った」
「原価率を計算するたびに頭が痛くなる。でも、どこから手をつければいいか分からない」
こういう声、本当によく聞きます。特に3〜10店舗規模の居酒屋オーナーの方に多い。売上は大きく落ちていないのに、なぜか手元に利益が残らない。その正体のひとつが、「原価率の構造的な問題」です。
結論から言うと、原価率が高い状態から抜け出せない居酒屋には、共通する構造があります。それは「価格を上げる以外の方法で売上を変える手段を持っていない」という状態です。今日はその構造を解説しながら、具体的に何から変えればいいかをお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 原価率が高いまま固定化してしまう構造的な原因
- 値上げ以外で客単価を上げるための具体的な手順
- モバイルオーダーと写真・動画メニューで注文点数を伸ばす方法
- 原価率を「下げる」のではなく「許容できる水準に保つ」発想の転換
こんな方におすすめ
- ✅ 原価率が30%を超えているが、どこで上がっているか特定できていない方
- ✅ 値上げが客離れにつながりそうで踏み切れずにいる居酒屋オーナーの方
- ✅ 客単価を上げたいが、スタッフの声かけに頼るだけでは限界を感じている方
- ✅ モバイルオーダーの導入を検討中、または導入済みでもまだ使いこなせていない方
- ✅ 多店舗展開を見据えて、利益構造の改善から始めたい方

「値上げしたら客が離れる」は本当か? 問題の本質はそこではない
多くの居酒屋オーナーが「値上げ=客が減る」と信じています。確かに、価格に敏感な客層が多い立地ではそのリスクは実在します。ただ、私がよく聞く相談を深掘りしていくと、多くのケースで実は違う問題が根っこにあることが見えてきます。
それは、「売上を動かせる変数が価格しかない」という構造です。
売上は「客数 × 客単価」で決まります。客単価は「注文点数 × 商品単価」に分解できます。ここで考えてほしいのは、「商品単価」を上げることだけが客単価向上の手段ではないということです。注文点数を増やすという選択肢がある。そしてこれが、多くの居酒屋でほとんど手つかずのまま放置されています。
原価率が高い状態から抜け出せない店の多くは、「安い商品がよく売れている」か「追加注文が少ない」か、その両方です。つまり、原価率の問題は仕入れ価格だけの問題ではなく、何がどれだけ売れているか=商品ミックスの問題でもあります。
参考として、居酒屋の原価率が上がる原因としてよくある5つのパターンもあわせて読んでおくと、自店のどこが問題かを絞り込みやすくなります。
「原価率は高いと分かっているが、どこで上がっているか特定できない」——そのモヤモヤは、手元にデータがないまま動こうとしているから起きています。食材費計算ツールやメニュー工学の資料など、数字を整理するための道具を無料でまとめて配布しています。メールアドレスの登録だけで受け取れます。
注文点数が増えれば、値上げしなくても単価は上がる
「たとえば300円のドリンクをもう1杯頼んでもらえれば、それだけで客単価は300円変わる」——これは当たり前のことですが、実際にそのための仕組みを持っている居酒屋はどれくらいあるでしょうか。
スタッフが口頭で「お次は何になさいますか」と聞く。それだけが追加注文を生む手段になっている店は、実は少なくありません。でも、それには限界があります。繁忙時はスタッフが回りきらない。声かけのタイミングが遅れる。新人スタッフはそもそも言い出しにくい。
ここで登場するのが、視覚的なメニュー訴求とモバイルオーダーの組み合わせです。
写真や動画が使えるデジタルメニューは、「見て、欲しくなる」という消費者行動を店内で自然に引き出します。「お肉が焼き上がる動画」「季節のデザートの断面写真」——これらはスタッフが声をかけなくても、お客さんが自分から「これも頼もうか」と動くきっかけになります。さらに、モバイルオーダーはその衝動をすぐ注文に変換できる仕組みです。
実際に、モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、注文点数がアップしたという声をいただいています。
仮に注文点数が1人あたり0.5品増えれば、客単価は数百円単位で変わります。これが全テーブル・全日で積み重なれば、原価率が同じでも粗利は大きく変わってくる。
✓ ここまでのポイント
- 原価率が高い状態は「仕入れ価格の問題」だけでなく、「何が売れているか(商品ミックス)の問題」でもある
- 値上げをしなくても、注文点数を増やすことで客単価は変えられる
- 写真・動画メニューとモバイルオーダーの組み合わせが、スタッフなしで追加注文を生む仕組みになる
写真メニューの作り方・オプション設計・モバイルオーダー活用と説明してきましたが、「具体的に何から始めればいいか」で止まってしまうケースがほとんどです。割引ゼロで客単価を上げる販促100事例(32ページ)や、メニュー工学・原価管理ツールを無料で使えるようにしています。登録はメールアドレスのみ、1分以内で完了します。
「何を売れば原価率が下がるか」を数字で見る——ABC分析の使い方
ここからが実務の話です。注文点数を増やすとして、「何を売ればいいか」を感覚で決めていませんか?
原価率の高い商品がよく売れていれば、当然ながら全体の原価率は上がります。逆に、原価率が低くて粗利の高い商品が売れる構造にできれば、仕入れ価格を変えなくても利益は改善します。これを整理するのがABC分析です。
チェックポイント1:原価率の高い商品と低い商品を分けて把握できているか
全メニューを「売上構成比」と「粗利率」の2軸で並べ直すと、今の売上をどの商品が作っているかが見えてきます。よく売れているのに原価率が高い商品は「稼いでいるようで実は利益を食っている商品」です。
✅ ポイント:まずはPOSのデータからメニュー別売上を抽出し、原価率別に3グループ(高・中・低)に分ける。それだけで見えてくるものがあります。
チェックポイント2:追加注文が生まれやすいのは何番テーブルか、何時台か
モバイルオーダーのデータがあれば、テーブルごと・時間帯ごとの追加注文率も確認できます。追加注文が少ない時間帯にプッシュ通知やおすすめ表示を出すだけで、注文点数は変わります。
✅ ポイント:データを見る習慣がない場合、まずは週次で「1テーブルあたりの平均注文点数」を出すことから始めてください。これが上がれば正しい方向に進んでいます。
チェックポイント3:オプション設計があるか
「この唐揚げ、ガーリックバターソースにしますか?(+200円)」というオプション訴求は、スタッフが言うと押しつけに感じることもありますが、メニュー画面から提案すると「お客さんが自分で選ぶ」体験になります。
✅ ポイント:原価率の低いトッピング・ソース・サイズアップ系のオプションを3〜5種類設計し、モバイルオーダーのメニュー画面に埋め込む。これが「値上げせずに単価を上げる」最も再現性の高い手段のひとつです。
「原価率を下げようとして仕入れを絞った結果、料理の質が落ちてリピーターが減った、という相談を何度も受けました。原価率の問題は、コストを切るより売り方を変える方向で解くのが正解です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/飲食店経営コンサルタント)
写真・動画メニューで「見せて売る」仕組みをつくる手順
具体的な実装の流れをお伝えします。
メニュー設計 STEP 1
「売りたい商品」と「見せたい商品」を分けてリストアップする
すべてのメニューを写真・動画で見せる必要はありません。粗利率が高くて、かつ「視覚で食欲が刺激される」商品に絞る。具体的には、炙り系・盛り付けに特徴がある料理・季節限定メニューあたりが候補になります。
⚠️ よくある失敗:すべてのメニューに力を入れようとして、どれも中途半端になる。まず5〜8品に絞って完成度を上げることが先決です。
メニュー設計 STEP 2
写真撮影の質を上げる(スマートフォンで十分)
プロに頼まなくても、自然光+白い皿+斜め45度のアングルで驚くほど映える写真が撮れます。重要なのは「湯気が立っている」「断面が見える」「鮮度感が伝わる」の3点です。動画は15〜30秒のループで十分です。
⚠️ よくある失敗:暗い店内でそのまま撮影した写真をメニューに使う。これは逆効果で、料理が安く見えてしまいます。
メニュー設計 STEP 3
モバイルオーダーのメニュー画面に組み込み、おすすめ順位を設定する
写真・動画が揃ったら、モバイルオーダーの画面で「おすすめ」「スタッフイチオシ」のタグをつけて上位表示させます。ここで重要なのは、粗利率の高い商品が自然と目に入る配置にすること。お客さんは基本的に上から順番にメニューを見ます。
⚠️ よくある失敗:紙メニューをそのままデジタル化しただけで、配置の最適化をしていない。モバイルオーダーは「売りたい順番に並べ直せる」ツールだと理解して使うことが大事です。
原価率を「下げる」のではなく「許容できる利益構造をつくる」という発想
最後に、少し視点を広げた話をします。
原価率を「下げなきゃいけない数字」として見ていると、どうしても仕入れを絞る・メニューを減らすという方向に思考が向かいます。でも実際のところ、原価率は「何を何円で売ったか」の結果として出てくる数字です。つまり、売り方を変えれば結果として原価率は変わる。
注文点数が増えて、粗利率の高い商品が売れる構成になれば、仕入れ価格を一切変えなくても原価率は改善します。そしてそのための仕組みを、スタッフの頑張りに頼らずシステムで動かせるようにすることが、今の時代の「省人化オペレーション」の本質です。
3店舗から始めた居酒屋チェーンがモバイルオーダーで標準化を進めた事例では、こうした仕組みを実際にどう展開していったかをまとめています。多店舗展開を考えている方には特に参考になると思います。
飲食店を中心に支援実績833件以上の現場を見てきた経験から言えるのは、「原価率が高い店」の多くは、数字の把握が遅い・商品ミックスを把握していない・客単価の変数を持っていないという3点が重なっています。逆に言えば、この3点を整理するだけで、手を打てる場所がはっきり見えてきます。
「値上げせずに原価率を改善した店の多くは、"何がどれだけ売れているか"を正確に把握していました。データがなければ、正しい判断もできません。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/IT導入支援事業者)
まとめ:原価率の問題は「仕入れ」より先に「売り方」を見直す
今回お伝えしたことを整理します。
- 原価率が高い状態から抜け出せない居酒屋には、「価格以外で客単価を変える手段を持っていない」という構造的な問題がある
- 注文点数を増やすことが、値上げをしないまま客単価を上げる最も現実的な道
- 写真・動画メニューとモバイルオーダーの組み合わせで、スタッフなしで追加注文を生む仕組みがつくれる
- ABC分析で「何を売れば利益が増えるか」を数字で把握し、メニュー配置と優先順位を最適化する
- 原価率は「下げる」より「許容できる利益構造をつくる」発想で取り組む
「自分の店の原価率、どこから手をつければいいか分からない」という方は、まず現状の数字を整理するところから始めてみてください。データを見れば、問題の場所はかなりはっきりします。
個別に話を聞きたい方は、お電話でも受け付けています。
📞 0543518655(有限会社繁盛店研究所/月〜金 10:00〜12:00・13:00〜15:00)
注文点数を増やすための写真メニュー・オプション設計・モバイルオーダー活用——これを一気通貫で仕組みとして動かすには、導入後の定着まで面倒を見てくれる相手が必要です。当事務所では、初期設定代行から90日間の伴走支援までをパッケージで提供しています。過去にITツールの導入で失敗した経験がある方に、特に向いています。