こんにちは、ハワードジョイマンです。
「値上げはしたくない。でも原価は上がっている。手元に残る利益がどんどん薄くなっている」——こういう悩みを、最近本当によく聞きます。
メニュー価格を1品50円上げるだけで、常連さんが「なんか高くなった?」と顔をしかめる。だから値上げに踏み切れない。一方で、コストは静かに確実に上がり続けている。この板挟みは、居酒屋でも焼肉店でも、規模に関わらず今の飲食業が抱えている構造的な問題です。
今日は、焼肉業態の客単価を、値上げをせずに改善するための考え方と進め方を解説します。結論から言うと、価格を変えずに1組あたりの売上を引き上げる鍵は、「仕組みの問題」にあることが多いのです。
📋 この記事でわかること
- 値上げなしで客単価を改善するアプローチの考え方
- モバイルオーダーのおすすめ表示・オプション訴求が客単価にどう効くか
- 焼肉店の客単価改善をコンサルに依頼した場合の進め方
- 「追加注文の声かけ」を自動化することで省人化と客単価向上を同時に目指す方法
こんな方におすすめ
- ✅ 値上げをせずに1組あたりの売上を底上げしたい飲食店経営者の方
- ✅ 焼肉・居酒屋など複数業態を運営しており、業態ごとの数字の差に悩んでいる方
- ✅ ホールスタッフの「おすすめ」や「追加注文の声かけ」が属人的になっていると感じる方
- ✅ モバイルオーダーを導入済み、または検討中で、客単価への効果を知りたい方
- ✅ コンサルを依頼した場合に実際どういう進め方をするのか知りたい方

「焼肉業態だけ客単価が伸びない」はなぜ起きるのか
複数の業態を展開しているお店で、「席数も回転数も変わっていないのに、焼肉の店だけ月商が横ばい」という悩みが出てくることがあります。
こうした場合、問題が価格設定や立地ではないことも少なくありません。焼肉という業態の特性として、お肉を頼んで食べ終わったら「次は何にしますか?」とスタッフが追加注文を取りに来るタイミングが難しい。焼いている途中に声をかけると邪魔になる。かといって焼き終わって少し経つと、お客様がもう満足して「いや、いいです」となってしまう。
つまり、追加注文の声かけのタイミングが体感と感覚に依存していて、スタッフによってバラバラになりやすいのです。うまく追加注文を取れるスタッフと、取れないスタッフで、1テーブルあたりの注文数に差が出てしまいます。
これは、焼肉店の経営コンサルを依頼した場合の進め方と優先順位でも詳しく触れていますが、「属人的なホールオペレーション」が客単価を不安定にする典型的なケースです。
「追加注文が取れているかどうか、実は数字で見たことがない」——そう気づいた方は少なくないはずです。注文データの読み方やレシピ原価の整理など、客単価改善の土台となる情報を無料で使えるツールにまとめています。メールアドレスだけで登録でき、すぐに使い始められます。
「声かけの自動化」という発想の転換
こうした悩みに対して私がまず検討するのは、メニュー改訂でも価格改定でもありません。「追加注文の声かけを、システムに任せる」という方法です。
モバイルオーダーのシステムには、画面上でおすすめ商品やオプションを訴求する機能を持つものがあります。お客様自身がスマートフォンやテーブル端末から注文するとき、「このお肉と一緒によく頼まれています」「サイドメニューはいかがですか」という表示が自動で出る。スタッフが口頭で言わなくても、注文画面の中で次の注文が誘われるわけです。
焼肉店では特に、お客様が注文するタイミング(お肉が減ってきたとき・追加を考え始めたとき)に自分からシステムを操作します。そこに合わせておすすめが表示される。スタッフが声をかけるより、むしろ邪魔にならないタイミングなのです。
「客単価が上がらない原因を、メニューや価格の問題だと思っているお店は多い。でも実際は、追加注文を引き出す『声かけの設計』が抜けているケースも少なくありません。まず設計を見直してから、価格の話をすればいいんです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
注文導線を設計すると何が変わるか
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。
具体的に設定するのは、注文画面でのおすすめ表示に加えて、ドリンクのオプション訴求(アルコールのグレードアップや追加トッピング)、デザートや〆メニューの誘導表示などです。スタッフが毎回口頭で案内しなくても、注文画面の中でお客様が自然に「あ、これも頼もう」と思える導線を作ることが狙いです。
値上げをしなくても「1組あたりの売上」は、注文導線の設計次第で変えられる余地があります。
✓ ここまでのポイント
- 焼肉・居酒屋業態での客単価低下は、追加注文の「声かけ設計」が属人的になっていることが原因のひとつ
- モバイルオーダーのおすすめ表示・オプション訴求機能を活用することで、スタッフ依存なしに追加注文を引き出しやすくなる
- 価格を変えなくても、注文導線の設計を整えることで1組あたりの売上を改善できる余地がある
おすすめ表示やオプション訴求の「設計」を実際にどう組むか、記事だけでは伝えきれない部分があります。増益繁盛プランナーで自店のターゲット客層と現状を整理すると、どこに手をつければいいかが見えてきます。無料登録後すぐに使えます。
コンサルの進め方——「設計して終わり」にしない理由
客単価改善の取り組みで、私が特にこだわっているのは「導入後の定着フェーズ」です。
モバイルオーダーを入れたはいいが、スタッフが使い方を理解していない。おすすめ表示の中身が古いまま更新されていない。こうした理由で、せっかくの機能が死んでいるお店は少なくありません。
客単価改善コンサル STEP 1
現状の数字を把握する(FL分析・客単価の構造分解)
まずは現在の客単価の内訳を分解します。ドリンク比率、フード追加注文率、デザート・〆注文率など、「どこで取れていないか」を数字で特定します。感覚ではなく、実際の注文データから分析します。
⚠️ よくある失敗:「客単価が低い」という認識はあっても、どの品目で低いのかを見ていないケース。全体を上げようとするより、伸び代のある1点に絞るほうが効果が出やすいです。
客単価改善コンサル STEP 2
注文導線の設計(おすすめ表示・オプション訴求の設定)
モバイルオーダーの画面上で、どのタイミング・どの商品の後に・何を表示するかを設計します。ここは「とりあえず全商品にレコメンドをつける」ではなく、利益率と注文転換率の高い商品を選んで絞り込みます。
⚠️ よくある失敗:おすすめ表示の設定を「初期設定のまま放置」してしまうこと。季節や在庫の変化に合わせて定期的に見直すことが前提です。
客単価改善コンサル STEP 3
スタッフへの浸透と定着確認
システムを入れてもスタッフが「これ何ですか」と知らない状態では機能しません。ホールスタッフが、モバイルオーダーの導線とリアルの声かけをどう組み合わせるかを理解していることが重要です。導入後90日間は定期的に数字を確認しながら設定の微調整を行います。
⚠️ よくある失敗:「システムを入れれば自動で上がる」と思い込んで、設定後にノータッチになること。運用の見直しが止まると効果は落ちていきます。
居酒屋の客単価アップを相談される前に経営者が知るべき3つのポイントでもお伝えしているように、「何を改善するか」の前に「今どの数字がどう動いているか」を押さえることが先決です。
「値上げかどうか」より先に問うべきこと
値上げをするかしないかという議論は、実は「今の注文導線で最大限取れているか」という問いに答えた後でするべきものです。
❌ よくあるパターン:値上げを先に検討する
- 客離れのリスクを考えると踏み切れず、判断が先延ばしになる
- 仮に値上げしても、追加注文が取れない構造のままでは限界がある
- 原価上昇に対して「売値を上げる」という反射的な対処になりやすい
✅ 推奨アプローチ:注文導線を整えてから数字を見直す
- 現在の注文データで「取れていないはずの追加注文」を可視化できる
- 価格を据え置いたまま、1組あたりの注文点数・金額を引き上げる余地を先に探る
- 改善した後の数字を見て、それでも足りなければ値上げの判断をする、という順序が取れる
また、こうした仕組みは一度整えると複数店舗に横展開しやすい。焼肉業態で作った設計を居酒屋業態にも応用すれば、グループ全体の客単価を見直す取り組みに広げられます。居酒屋と焼肉店、モバイルオーダーの効果の違いについても参考にしてみてください。
「『値上げしたら客が来なくなる』と心配する前に、『今来ているお客様から、取れるはずの売上を取れているか』を確認してほしい。そこに手がついていないお店は少なくありません」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
まとめ
今回のポイントを整理すると、こうなります。
- 焼肉業態の客単価が伸びない原因のひとつは、追加注文の「声かけ設計」が属人的になっていること
- モバイルオーダーのおすすめ表示・オプション訴求で、スタッフ依存なしに追加注文を引き出す導線を作れる
- 価格を変える前に、注文導線の設計で1組あたりの売上を改善できる余地を探る
- 導入後の定着フェーズまで伴走することで、システムが「死んだ機能」にならないようにする
飲食店経営において、客単価の改善は値上げだけが手段ではありません。今の注文導線の中に、まだ手つかずの余地が残っているケースは少なくありません。
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