こんにちは、ハワードジョイマンです。
「ホールが1名欠員のまま。求人を出し続けているのに応募が来ない。このままだと今いるスタッフへの負荷が心配で、辞められてしまったらどうしよう」
飲食店経営者の方から、こうしたお悩みをよく聞きます。求人広告を変えてみた、時給を少し上げてみた、それでも応募がゼロ。そのループから抜け出せずにいる方は少なくありません。
ただ、結論から言うと——これは「募集の仕方」の問題ではありません。そもそも採れない構造があります。だとすれば、採用を前提にした戦い方をやめる必要があります。この記事では、海鮮居酒屋を例に「1名欠員のまま回る仕組み」をどう作るか、考え方と手順を紹介します。
📋 この記事でわかること
- 地方の飲食店で「応募ゼロ」が続く本当の理由
- 海鮮居酒屋でモバイルオーダーを導入するときの手順
- 導入後に注文点数・スタッフ負荷がどう変わりやすいか
- 省人化オペレーションを定着させるための注意点
こんな方におすすめ
- ✅ 求人広告を出しても応募が来ず、欠員が埋まらない飲食店経営者の方
- ✅ 今いるスタッフへの負担が増え、離職リスクを感じている方
- ✅ モバイルオーダーが海鮮居酒屋のような業態に合うか知りたい方
- ✅ 採用コストを削減しながら売上を維持・改善したい方
- ✅ 過去にITツールを入れたが定着せず、また失敗したくないと思っている方

「採れないのは努力が足りないからではない」——構造問題を直視する
売上自体は落ちていないのに、ホールスタッフが1名欠けた状態が何ヶ月も続く。そんなお店は珍しくありません。
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」によると、2026年8月の有効求人倍率は、飲食物調理従事者が2.21倍、接客・給仕職業従事者が2.31倍でした(職業計は1.06倍、パート含む原数値)。つまり、求職者1人に対して2件以上の求人が存在する状態。募集を出しても「選ばれる側」に回ることが非常に難しくなっています。時給を少し上乗せした程度では、大手チェーンや条件の良い隣の業種(ドラッグストア、コンビニなど)に流れていく。
「求人への投資を増やす前に、一度聞かせてください。今の営業で、何名いれば本当に回りますか?その数字、計算したことありますか?」
ハワードジョイマン(中小企業診断士 / IT導入支援事業者)
話を進めると見えてくることが多いのが、「ホール3名が理想だが、2名でも回せる設計になっていない」という現実です。注文を取る、料理を運ぶ、会計をする、この3つがすべてスタッフの手作業に依存していると、1名減っただけで現場が回らなくなります。
「応募がゼロ」「欠員のまま数ヶ月」——これは募集方法の問題ではなく、業務設計の問題だという話をここまで読んでいただきました。でも「じゃあ自分の店は何から変えればいいのか」という部分は、1記事では書ききれません。無料登録後すぐ使えるレシピ原価管理ツールや、ハワードジョイマンAIへの無料相談を使えば、自店の状況に合わせた具体的な整理ができます。メールアドレスを入力するだけで、すぐに使えます。
採用ではなく「業務の移管」を選ぶという考え方
私がおすすめしている方針は、シンプルです。「採用ゼロを前提に、今の人数で今より良く回る仕組みを作る」。
具体的には、ホールスタッフが担っていた業務のうち、オーダーテイクと会計をお客さまのスマートフォンに移管するというアプローチです。モバイルオーダーを導入することで、「呼ばれて伺ってメモを取る」という往復作業をゼロにする。会計は席でQRコード決済が完結するため、レジへの誘導もなくなる。
海鮮居酒屋という業態ならではの懸念もあります。「うちのお客さん、年配の方が多いから、スマホで注文できないんじゃないか」というものです。モバイルオーダーで常連さんは離れるかという点は、実は多くの経営者が最初に気にされるポイントです。
ただ、思い込みで判断せず、導入前に実際のお客さまの年齢層を確認してみてください。曜日や時間帯で客層が違うことも多いものです。不安があるなら、「紙の短冊メニューも残しつつ、スマホで頼めるお客さんには使ってもらう」という並行運用からスタートする方法もあります。
チェックポイント1:本当に欠員が問題なのか、業務設計が問題なのか
スタッフが1名減って困っているとき、真っ先に「補充しなければ」と考えるのは自然な反応です。ただ、欠員前の業務量が適正だったかどうかを確認することが先決です。注文取り・料理提供・会計・清掃のどこに時間が偏っていたかを洗い出すと、「オーダーテイクと精算に多くの動線が消費されていた」と分かることがよくあります。
✅ ポイント:スタッフの動きを30分単位でタイムスタディしてみると、削減できる動作が可視化されます。まずここから始めることをお勧めしています。
チェックポイント2:モバイルオーダーはアプリが必要か
「お客さんにアプリをダウンロードさせるのは難しい」という声もよく聞きます。モバイルオーダーには、アプリのダウンロードが不要なQRコード読み取り型のものがあります。お客さまはテーブルのQRを読むだけで注文画面が開きます。この一手間の少なさは、海鮮居酒屋のような幅広い客層のお店では大事な選定ポイントです。
✅ ポイント:「うちの客層にスマホは無理」と決めつける前に、実際の客層データと操作の手軽さを確認することが重要です。
✓ ここまでのポイント
- 地方飲食店の人手不足は「募集方法」の問題ではなく、構造問題。採れないことを前提に設計を変えることが本質的な解決策。
- オーダーテイクと会計をお客さまのスマホに移管することで、ホール1名分の動線を削減できる。
- アプリ不要のQRコード型モバイルオーダーなら、年配客も含めた幅広い客層への導入ハードルが低い。
業務の移管を自店で形にするには、初期設定の精度と定着支援の有無が結果を分けます。有限会社繁盛店研究所では、モバイルオーダーなどの導入・初期設定代行から90日間の定着支援までをセットで行っています。まず相談だけでも、という方でも窓口から内容を確認できます。
導入から定着まで——90日間の流れ
ここからは、海鮮居酒屋でモバイルオーダーを導入・定着させるときの流れを順番に紹介します。
導入 STEP 1
メニューのデジタル化と写真撮影
海鮮居酒屋のメニューは、刺身盛り合わせや焼き魚など「見た目で選んでもらえる商品」が多い。モバイルオーダーの注文画面に写真を入れることで、スタッフが口頭でおすすめを説明しなくても、料理の魅力が伝わるようになります。初期設定の段階で、主力メニューの写真を撮影・登録しておきましょう。
⚠️ よくある失敗:写真なしでテキストだけで登録してしまうと、注文点数が増えないどころか「使いにくい」という印象になりがち。写真の有無で、料理の魅力の伝わり方が大きく変わります。
導入 STEP 2
スタッフへの説明と並行運用期間の設定
現場スタッフが「自分たちの仕事が減る=クビになるかも」と不安を感じないよう、オーナーから丁寧に説明することが重要です。たとえば「オーダー取りと会計の時間が減った分、料理の提供とお客さまとの会話に集中してほしい」というメッセージを伝えます。また、最初の数週間は紙の短冊メニューも残し、スタッフもお客さまもどちらも慣れていく期間として設けるのがおすすめです。
⚠️ よくある失敗:いきなり全面切り替えにすると、現場が混乱してスタッフから「やっぱり元に戻してほしい」という声が出やすい。段階的な移行が定着率を高めます。
導入 STEP 3
データを見ながら運用を微調整する
導入から数週間たったら、注文データを確認します。たとえば「刺身盛り合わせを頼んだテーブルは追加注文が多い」という傾向が見えたら、刺身メニューのページにペアリング提案として「本日のおすすめ地酒」を表示する、といった設定ができます。スタッフが口頭でおすすめを言わなくても、画面が訴求してくれる仕組みです。
⚠️ よくある失敗:導入して「入れた」で満足してしまうと、せっかくのデータが眠ったまま。月1回でいいので、注文データを見て商品配置やおすすめ設定を見直す習慣が利益に直結します。
定着すると現場はどう変わるか
当事務所がモバイルオーダーの導入をお手伝いしたお店からは、「注文点数がアップした」という声をいただいています。お客さまがメニューの写真を見ながら、自分のペースで追加注文できるからです。
変化が出やすいのは、金曜・土曜のピーク時間帯です。オーダーテイクで手が埋まり、料理提供が遅れることが常態化していたお店でも、注文がキッチンに自動で飛ぶようになればホールの往復が減り、その分を料理提供のスピードに充てられます。
人が増えたわけではなくても、スタッフに余裕が生まれる。これは数字に出にくいけれど、スタッフ定着に直結する変化です。
また、居酒屋業態にモバイルオーダーが向いている理由のひとつとして、「グループ客の自己完結型注文」があります。海鮮居酒屋も、グループが卓を囲んで自分たちのペースで追加注文していく使い方がそのまま当てはまります。お客さんにとっても、スタッフを呼ぶ手間がなくなります。
また、欠員の補充に使っていた求人広告費を見直し、その分をモバイルオーダーのシステム費用に充てるという考え方もあります。採用コストを運用コストに置き換える、という感覚に近いです。
飲食店経営者へ伝えたいこと
人が採れない状況は、努力や熱量でどうにかなる問題ではなくなっています。有効求人倍率が高いエリアほど、求人媒体への投資を増やすのは消耗戦です。
採用ゼロを前提にした業務設計に切り替えると、今いるスタッフの負担が減り、お客さんの体験も上がり、注文点数の伸びも期待できます。省人化は、お客さんに不便を強いる手段ではありません。設計次第で、むしろ体験の質が上がります。
「私がよく使う言葉に『採用費は一度きりだが、仕組みは毎日働く』というものがあります。スタッフが1名増えれば、その人件費は毎月かかり続けます。同じコストで仕組みを作れば、翌月以降もずっと動き続けます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士 / IT導入支援事業者)
今すぐ人を採らなくても店が回る設計——それを考えるきっかけとして、この記事が参考になれば幸いです。
採用できないことへの焦りから解放されると、経営の視点がガラリと変わります。何から手をつければいいかわからない方は、まず現状の業務設計を一度棚卸しするところから始めてみてください。
採用コストを仕組みのコストに変える考え方、いかがでしたか。欠員が埋まらないまま現場を回し続けている状態は、今いるスタッフへの負荷が積み重なり、次の離職リスクを生みます。モバイルオーダーなどの導入・設定代行と90日伴走支援について、具体的な費用感や自店への適性も含めて確認できます。