飲食店の集客策

居酒屋の集客は、実は予約導線で決まります

こんにちは、ハワードジョイマンです。

結論から言うと、居酒屋の集客力を決めているのは「どれだけグルメサイトに露出しているか」ではなく、「お客様が予約しようと思った瞬間に、迷わず予約できる導線があるかどうか」です。

先日、静岡から少し離れた地方都市で居酒屋を3店舗展開しているオーナー・Kさんと話す機会がありました。月商は3店舗合計で約1,500万円。数字だけ見ると立派なものです。ところがKさん、「売上は伸びているのに、手元に金が残らない」と首をひねっていました。

話を聞いてみると、答えはすぐに出ました。食べログとホットペッパーグルメに両方課金し、送客手数料も発生。さらに電話不応答率を調べてみると、ピークタイムで約22%。10件に2件以上の予約電話を、取れていなかったんです。

「集客できていないんじゃない。予約を受け取る設計が壊れているんですよ」——そう伝えたとき、Kさんはしばらく黙っていました。

こんな方におすすめ

  • ✅ 食べログ・ホットペッパーの掲載費と手数料が利益を圧迫していると感じている居酒屋オーナー
  • ✅ 電話を取りきれず、予約の取りこぼしが気になっている方
  • ✅ 自社ホームページに予約フォームはあるのに、ほとんど使われていない方
  • ✅ 2号店・3号店を考えているが、1号店の成功を再現できるか不安な多店舗オーナー
  • ✅ 広告費を削っても客数を維持する方法を知りたい方

📋 この記事でわかること

  1. 居酒屋の集客がグルメサイトの露出よりも「予約導線」で決まる理由
  2. 電話不応答・在庫分割・自社フォーム放置が生み出す機会損失の実態
  3. グルメサイト依存から自社集客へ移行するための具体的なステップ
  4. 多店舗展開時に予約導線の設計が果たす役割と、再現性の作り方
居酒屋の集客は、実は予約導線で決まります | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

「集客できていない」のではなく「予約を受け取れていない」が正確な診断

居酒屋のオーナーさんと話をすると、集客の悩みを「認知」の問題として捉えている方が多いです。「もっとグルメサイトの点数を上げなければ」「写真をきれいにしなければ」と。

でも実際に数字を掘り下げてみると、問題の所在が違うことがほとんどです。

Kさんのケースで試算してみました。

月間入電数200件 × 不応答率22% × 予約電話割合70% × 平均3.5人 × 客単価3,500円。これを計算すると、月間の機会損失額は約37万円。年間にすると440万円以上です。広告費を増やす議論をしている場合じゃない。穴の開いたバケツに水を注ぎ続けている状態でした。

Kさんは驚いていました。「ピークに電話取れないのは仕方ない、と思っていた」と。でも「仕方ない」を放置したまま出店を重ねると、機会損失も比例して膨らみます。

「集客の問題だと思っているうちは、答えが見つかりません。予約導線の問題だと気づいた瞬間に、具体的な打ち手が見えてきます」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

在庫分割という「見えない敵」——なぜ自社フォームに予約が入らないのか

Kさんにはもう一つ、気になる点がありました。自社ホームページにも予約ボタンを設置していたのに、ほとんど機能していなかったことです。

これはよくある構造です。食べログとホットペッパーに席在庫を振り分けているため、自社フォームにはわずかな枠しか残っていない。枠が少なければ「空席なし」と表示されるか、「リクエスト予約」という曖昧な状態になります。お客様の側から見れば、「使いにくい」どころか「予約できない店」に見えてしまいます。

つまり構造的に、自社フォームは最初から負け戦をしている。

チェックポイント1:在庫分割の有無を確認する

食べログ・ホットペッパー・自社フォームそれぞれに、別々の席在庫を割り当てていませんか?

✅ ポイント:在庫を一元管理し、全チャネルへフル公開する仕組みを導入することで、ダブルブッキングを防ぎつつ自社フォームの競争力を取り戻せます。

チェックポイント2:Googleビジネスプロフィールの予約導線を確認する

「居酒屋 ◯◯◯(店名)」でGoogle検索したとき、「席を予約」ボタンはありますか? その先はグルメサイトに飛んでいませんか?

✅ ポイント:最も予約意欲が高い「店名検索」の導線を有料媒体に明け渡していると、自分の店の名前で来たお客様の予約にも手数料が発生します。自社の予約フォームへ直結させましょう。

チェックポイント3:電話不応答率を把握しているか

月間何件の電話が入り、何件取れているかを把握していますか?

✅ ポイント:飲食店の平均電話不応答率は約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」利用店舗100店平均)。まず自店の実数を測定することが、改善の出発点です。

✓ ここまでのポイント

  • 居酒屋の集客問題の多くは、認知不足ではなく「予約を受け取る設計の欠陥」が原因
  • 電話不応答率20%は月間で数十万円規模の機会損失になりうる
  • 在庫分割を続ける限り、自社フォームは構造的に機能しない

グルメサイト依存から自社集客へ——Kさんが歩んだ3つのステップ

Kさんと一緒に、予約導線を組み直していきました。順を追って紹介します。

予約導線の見直し STEP 1

「1予約あたり、実質いくら払っているか」を計算する

掲載料(固定費)と送客手数料(変動費)を合計し、グルメサイト経由の月間予約件数で割ります。Kさんの場合、1予約あたりの実質コストを出したとき、ご本人が「これは怖い数字だ」と言っていました。

⚠️ よくある失敗:「掲載料は払っているが、手数料は別枠で考えている」という分断した見方をしてしまうこと。合算しなければ実態が見えません。

予約導線の見直し STEP 2

手数料のかからない「自社予約の受け皿」を先に作る

グルメサイトを削る前に、受け皿を整えます。在庫を一元管理するシステムを入れ、自社ホームページ・Googleビジネスプロフィール・LINEに同じ在庫で予約を受け付けられる状態にします。Kさんはこの段階で、自社フォームへの予約が初めてコンスタントに入り始めました。

⚠️ よくある失敗:受け皿を作る前にグルメサイトを止めてしまい、一時的に予約数が急落してパニックになること。順番が命です。

予約導線の見直し STEP 3

媒体別の予約比率を月次で計測し、効いていない媒体から順番に整理する

自社集客率(有料媒体に頼らず獲得できている予約の比率)という指標を設定し、毎月追います。この数字が上がってきたら、依存度の低い媒体から掲載を見直す判断ができます。「切ったら怖い」は、数字がないから感じる恐怖です。

⚠️ よくある失敗:全媒体を一気に止めようとすること。「切っても大丈夫な媒体」と「まだ効いている媒体」を数字で分けてから、一つずつ判断してください。

Kさんはこの3ステップを半年かけて実行しました。グルメサイトへの依存度を下げながら自社集客率を高め、結果として広告費・手数料コストが圧縮され、売上規模は変えずに手残りが増えました。

「売上を上げることより、お金が残る構造を作ることが先です。構造が変われば、売上はあとからついてきます」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

多店舗展開するなら、予約導線の設計こそが「再現性」の核心

Kさんの話にはもう一つ続きがあります。「4店舗目を出したい」という相談です。

このとき私が最初に確認するのは、立地でも業態でも資金でもありません。「いまの3店舗で、予約がどこから来ているかを数字で説明できますか」という一点です。

1号店が繁盛している理由をオーナー自身が言語化できていなければ、2号店・3号店はオーナーの直感を薄めてコピーするしかありません。薄まったコピーは、繁盛しません。

増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円の飲食店から出発して、年商2億5,000万円規模まで成長した方もいます。その方に共通しているのは、「勝ちパターンを言語化し、仕組みとして持ち出せる状態を作ってから出店している」という点です。

「月商350万円が620万円になりました。リピーターが明らかに増え、グルメサイトに頼らなくてもお客様が来てくださるようになりました」

居酒屋オーナー(40代・男性)

予約導線の設計は、1店舗の集客改善にとどまりません。顧客台帳に蓄積されたデータ、配席ルール、電話応対の仕組み——これらが整っていれば、新店スタッフでも同じおもてなしができます。オーナーの勘が、再現可能な「設計」になるんです。

❌ よくある多店舗展開のパターン

  • グルメサイト依存の集客構造のまま出店を重ねる
  • 送客手数料が店舗数に比例して膨らみ、利益が消える
  • オーナーが現場を離れると、接客の質が落ちる

✅ 推奨アプローチ

  • 1店舗で自社集客率を高め、利益が残る構造を確立してから出店する
  • 予約・顧客情報を一元管理し、新店にそのまま展開できる状態にしておく
  • オーナーはスマートフォンで各店の予約状況をリアルタイム把握し、必要なときだけ介入する

まとめ——「集客を増やす」前に、「予約を受け取る設計」を見直す

居酒屋の集客を語るとき、多くの人は「どのグルメサイトに載るか」「点数をどう上げるか」を考えます。でも私が21年間・飲食店だけで610件以上の支援をしてきた経験から言えるのは、「予約しようと思ったお客様を取りこぼしていない店が、集客できている店だ」ということです。

電話不応答率、在庫分割による自社フォームの機能不全、Googleの予約導線の放置——これらは今日から数字で確認できます。確認できれば、打ち手は決まります。

Kさんとの対話は、単なるシステム導入の話ではありませんでした。「どこから手をつければ利益が伸びるか」を一緒に考える時間でした。それが私のコンサルティングのスタイルです。

もし「うちの予約導線、実際どうなんだろう」と気になった方は、まず現状を数字で確かめることからはじめてみてください。どこで取りこぼしているか、どの媒体が本当に機能しているか——それが見えた瞬間から、経営の景色が変わります。

お気軽にご相談ください。一緒に数字を整理するところからはじめましょう。

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