飲食店の集客策

飲食店の媒体の選び方、条件別の比較

こんにちは、ハワードジョイマンです。

先日、久しぶりに静岡・清水の商店街を歩いていたら、開店したてのランチ営業中の小料理屋さんの前で、スマホを片手にウロウロしているお客さんを見かけました。予約しようとしたのか、電話をかけている様子だったんですが、しばらく経っても繋がらなかったようで、そのまま別の店へ歩いていってしまいました。

「あぁ、もったいない」と思いながら、これは今日のテーマそのものだな、と感じました。

食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Google、自社ホームページ——飲食店の集客媒体は今や選択肢が多すぎて、「どれを使えばいいのか」と頭を抱えているオーナーさんは少なくありません。でも実は、媒体を選ぶ前に確認すべき「もっと根本的な問題」が多くの店で放置されています。

それが今回のテーマです。条件別の媒体の選び方と、その前に見直すべき「機会損失」の正体を、具体的に解説していきます。

こんな方におすすめ

  • ✅ 食べログ・ぐるなびなど複数の媒体に掲載していて、どれが効いているか分からない方
  • ✅ 媒体を整理したいが、切ると予約が消えるのが怖くて動けない方
  • ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃していると感じている方
  • ✅ 手数料のかからない自社予約を増やしたい方
  • ✅ 多店舗展開を考えていて、集客の仕組みを整えたい方

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店の平均電話不応答率と、毎月いくら機会損失しているかの試算方法
  2. 媒体の種類ごとの特性と、条件別にどれを選ぶべきかの考え方
  3. 媒体を整理するための「切り順」の判断基準
  4. 手数料ゼロの自社予約を増やすための最初の一手
飲食店の媒体の選び方、条件別の比較 | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

「媒体を選ぶ前」に9割のお店が見落としていること

媒体の比較をする前に、一度立ち止まって確認してほしいことがあります。

あなたのお店に、今この瞬間もかかってきている電話のうち、何割に応答できていますか?

株式会社エビソルの「ebica」予約データ(利用店舗100店平均)によると、飲食店の平均電話不応答率は約20%です。つまり10件に2件は繋がっていない。しかも、多くのオーナーさんはその実数を把握していません。

ランチやディナーのピークタイム、テーブルへの配膳と会計が重なる時間帯に電話が鳴っても、手が離せない。「折り返せばいい」と思っていても、かけ直してみると番号非通知や、すでに他の店に予約済みというケースが大半です。

媒体に広告費を払って集客しても、その窓口で予約を取りこぼしていたら、二重の損失です。媒体の「選び方」を考える前に、まずここを直視する必要があります。

チェックポイント①:自店の月間機会損失額を算出する

以下の式で、毎月いくら取りこぼしているかが分かります。

月間入電数 × 不応答率(約20%) × 予約電話割合 × 平均グループ人数 × 客単価 = 月間機会損失額

たとえば月間入電数が150件、不応答率20%、そのうち予約電話が70%、平均2.5名、客単価3,000円の場合——150 × 0.2 × 0.7 × 2.5 × 3,000 = 157,500円の機会損失が毎月発生している計算になります。

✅ ポイント:この金額は媒体の掲載料と比較して考えること。媒体を増やす前に、取りこぼしを塞ぐほうが先です。

媒体の種類と、条件別の選び方

では、媒体そのものの話をしましょう。主な選択肢を整理します。

❌ よくあるパターン:全媒体に掲載して「とりあえず広く網を張る」

  • 在庫をサイトごとに分割するため、どの媒体でも空席が少なく見える
  • 管理コストが膨らみ、スタッフの負担が増える
  • 媒体ごとに手数料が発生し、客数が増えるほど利益が圧迫される
  • どの媒体が本当に効いているか判断できなくなる

✅ 推奨アプローチ:目的と店舗の状況に応じて「使う媒体を絞り、自社導線を育てる」

  • 予約の流入経路を計測できる状態を先に作る
  • 数字を見て、効果の薄い媒体から順に整理する
  • 手数料のかからない自社予約の比率を月次で追う

具体的には、次の条件で考えると整理しやすくなります。

チェックポイント②:新規集客が目的か、リピート促進が目的か

食べログやホットペッパーグルメは、「まだあなたの店を知らない人」に届く媒体です。新規客の獲得という点では一定の機能を持ちます。ただし送客手数料がかかるため、新規客を呼び込んだあとにリピートへつなげる設計がないと、コストが増え続けるだけです。

✅ ポイント:新規獲得はグルメサイトが担い、2回目以降はLINEや自社ホームページの予約導線でつなぐ——この役割分担を設計しておくこと。

チェックポイント③:インバウンド客が来ているか

訪日外国人が来店しているお店なら、「Google で予約」の導線が有効です。ユーザーの使用言語に合わせて自動翻訳されるため、外国語対応の専用フォームがなくても予約を受け付けられます。Googleビジネスプロフィールから自社の予約ページへ直結させることで、手数料ゼロの予約が生まれます。

✅ ポイント:店名検索で来たお客様の予約に手数料を払っている場合、真っ先に見直すべき導線です。

チェックポイント④:多店舗展開を考えているか

店舗が増えると、グルメサイトの手数料は店舗数に比例して膨らみます。しかし集客力は比例しません。依存構造を直さずに出店することは、コスト構造ごとコピーすることと同じです。出店前に1店舗の「自社集客率」を設定し、月次で追える状態にすることが先決です。

✅ ポイント:何店舗目であっても、「1予約あたり実質いくら払っているか」を算出することが出発点です。

✓ ここまでのポイント

  • 飲食店の平均電話不応答率は約20%。媒体を増やす前に取りこぼしを塞ぐことが先決
  • 媒体は「新規 vs リピート」「インバウンドの有無」「店舗数の方針」で選ぶ軸が変わる
  • 流入経路が計測できない状態では、媒体を切る判断も増やす判断もできない

媒体を「切る順番」の考え方

「媒体を減らしたいが、切った瞬間に予約が消えるのが怖い」——これは多くのオーナーさんが抱える本音です。ただ、恐怖は情報がないから生まれます。

媒体を整理する手順はシンプルです。

整理 STEP 1

各媒体からの月間予約件数と、そこにかかっているコスト(掲載料+送客手数料)を書き出す

掲載料と送客手数料の合計を月間予約件数で割ると、「1予約あたりの実質コスト」が出ます。これが媒体の本当の価値です。

⚠️ よくある失敗:件数だけで判断して「一番予約が多い媒体」を残そうとすること。単価や利益率を考慮しないと、最も高コストの媒体を残すことになります。

整理 STEP 2

自社導線(ホームページ・Google・LINE)に予約ボタンを設置し、在庫を統合する

在庫を媒体ごとに分割しているかぎり、自社フォームには端数の枠しか割り当てられません。受け皿を整えてから媒体を絞る——この順番が重要です。

⚠️ よくある失敗:受け皿を作る前に媒体を切ること。自社予約の導線がない状態で切ると、予約が純粋に減ります。

整理 STEP 3

2〜3ヶ月間、流入経路ごとの予約数を計測し、数字で判断する

感覚ではなく、計測値をもとに「この媒体は自社集客率が上がった今、コストに見合っているか」を判定します。比率が下がった媒体から順に止める。これが最も安全な整理の進め方です。

⚠️ よくある失敗:「なんとなく怖い」という感覚で動けないまま、高コスト構造を続けること。

「媒体を切る勇気がない、というより、切っていい根拠が手元にないんです。だから私は最初に『測れる状態を作る』ことをお願いします。数字が出れば、判断は自然とできるようになります」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

電話の取りこぼしを防ぐ「24時間応対の仕組み」

媒体を整理して自社導線を育てる一方で、並行して取り組むべきなのが、冒頭で触れた「電話の取りこぼし」の解消です。

予約全体の32%は当日のもので、そのうち60分前が16%、30分前が14%を占めます(株式会社エビソル「ebica」予約データ、2023年11月〜2024年4月)。ピークタイムと直前予約が重なる、最も電話を取りづらいタイミングに、実は最も多くの予約の問い合わせが来ています。

この問題に対して有効なのが、AIが24時間365日応対する仕組みです。当日・直前の予約、翌日以降の予約、予約確認、キャンセルまでをAIが受け付け、遅刻連絡やその他の問い合わせのみ店舗に転送する——スタッフはその間、目の前のお客様に集中できます。

電話を取れないことで発生していた月間機会損失額が、そのまま利益として手元に残り始めます。

「月商300万円の飲食店から、年商2億5,000万円規模へ成長した会員も」

増益繁盛クラブ 会員(飲食店経営者)

この数字は一夜にして達成したものではありません。1件1件の予約の取りこぼしを塞ぎ、媒体依存から自社集客へと比率を移し、利益が残る構造に組み直してきた積み重ねです。

まとめ:媒体を選ぶ前に、まず「測る」ことから始める

飲食店の媒体選びは、「どれが一番集客できるか」を探す話ではありません。「どれが自分の店の利益に貢献しているか」を数字で判断できる状態を作ることが出発点です。

そのための最初の一手は、今月自店でいくらの機会損失が起きているかを算出すること。電話不応答率20%という平均値は、あなたの店でも起きているかもしれない現実です。

当事務所では、予約と集客の現状を4つの指標で可視化する「現状診断」を無料でお受けしています。グルメサイト依存度、電話不応答率、自社集客率、Google予約導線の状況——これを整理するだけで、「どの媒体を先に止めるか」「どこに受け皿を作るか」の判断軸が見えてきます。

媒体の整理を考えているオーナーさん、自社予約を増やしたい方、2号店・3号店の出店前に仕組みを整えたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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