飲食店DX

原価率が30%を超えていませんか?診断してみてください

こんにちは、ハワードジョイマンです。

先日、増益繁盛クラブの会員さんから、こんな連絡が来ました。

「ジョイマンさん、売上は去年よりいいんですよ。なのに、なぜか手元に残らなくて……」

そこで一緒にメニューの数字を見てみると、原価率が気づかないうちに31%を超えていました。しかも「どのメニューが原因か」を聞いても、本人には全く思い当たる節がない。

これ、実はかなり多くの飲食店経営者の方が直面している状況です。食材費の高騰が続く中で、「なんとなく原価率が上がっている気がする」という感覚はあっても、どのメニューが足を引っ張っているのかが特定できない——そのまま放置して、ジワジワと利益を削られていく。

この記事では、自分の店の原価率をセルフ診断するためのチェックポイントを整理しました。「当てはまるかも」と感じた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

こんな方におすすめ

  • ✅ 原価率が上がっているのに、どのメニューが原因か分からない方
  • ✅ 売れているメニューが多いのに、利益が残らないと感じている方
  • ✅ FLコスト管理はしているが、商品別の粗利を把握していない方
  • ✅ 3〜30店舗規模で、店舗ごとの原価率のばらつきが気になる方
  • ✅ メニュー改定を検討しているが、何をどう変えればいいか迷っている方

📋 この記事でわかること

  1. 原価率悪化の「見えない原因」がどこに隠れているか
  2. 売れ筋メニューが実は利益を食っているケースの見抜き方
  3. 出数・売上・粗利・リピート率の4軸でメニューを診断する方法
  4. 診断結果をもとに打ち手を決めるための具体的なステップ
原価率が30%を超えていませんか?診断してみてください | 有限会社繁盛店研究所(Dinii正規代理店:モバイルオーダーシステム)

「売れているから大丈夫」——その思い込みが原価率を押し上げる

結論から言うと、原価率が悪化している店の多くは、「売れ筋=儲け筋」という思い込みを持ったまま営業しています。

たとえば、注文数が一番多いメニューに注目してみてください。それは確かによく出ている。でも、その1品の原価率が38%だったとしたら? 出れば出るほど、利益が削られていきます。

一方で、あまり注文されないけれど原価率が18%という商品もある。そっちをもっと売った方が、店全体の利益は改善します。

飲食店の現場では、「売上ランキング」でメニューを評価することが多い。でも売上高と粗利額は、まったく別の話です。

「売上が増えているのに利益が減るのは、矛盾じゃありません。売れているものが、儲かっていないだけです。まずそこを分けて考えることが、原価率改善の第一歩です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

原因の多くは、商品別の粗利構成比を見ていないことにあります。月次の原価率を計算しているお店は増えましたが、それを「どのメニューが引き上げているか」まで落とし込んでいるお店は、正直まだ少ない。

セルフ診断:あなたの店の原価率は今どこにある?

以下のチェックポイントに照らして、自分の店の状況を確認してみてください。

チェックポイント①:月間の原価率を「メニュー別」に把握しているか

多くのお店が把握しているのは、店全体の月次原価率です。「今月は28%だった」という数字は出せても、「どの商品が28%を引き上げているか」が見えていない場合、改善の打ち手を出しようがありません。

✅ ポイント:まず売上上位10品の原価率を個別に算出してみましょう。そこに30%超の商品が複数あれば、そこが改善の起点です。

チェックポイント②:「よく出るメニュー」と「粗利が大きいメニュー」を混同していないか

出数が多い=儲かる、は正しくありません。出数が多くて原価率が高い商品は、売れれば売れるほど利益率を下げます。逆に、出数は少なくても粗利額が大きい商品は、積極的に売るべき商品です。

✅ ポイント:「出数ランキング」と「粗利額ランキング」を並べて見てみてください。順位が大きく違う商品こそ、見直しの候補です。

チェックポイント③:原価率が上がった時期を特定できるか

「最近なんとなく原価率が上がった気がする」という感覚は、ほぼ正しいことが多い。ただ「気がする」だけでは対処できません。いつから、何をきっかけに上がったかを特定することで、原因に近づけます。新メニューの追加タイミングと重なっていないか、食材の仕入れ先を変えた時期と一致していないか——そこを掘ります。

✅ ポイント:原価率の変化を月別に並べて、変化点を探してください。メニュー改訂・食材変更・季節変動のどれが重なっているかを確認します。

チェックポイント④:リピーターが多く注文するメニューを把握しているか

原価率の改善を考えるとき、見落とされがちな視点が「リピート率」です。原価率が多少高くても、そのメニューが再来店のきっかけになっているなら、単純に削るのは危険です。一方、リピーターがほとんど注文しない高原価メニューは、見直しの優先度が高い。

✅ ポイント:常連客がよく頼むメニューを把握していますか? そこには下手に触れないことも、立派な経営判断です。

✓ ここまでのポイント

  • 原価率悪化の原因は「全体の数字」では見えない。メニュー別に落とし込むことで初めて特定できる
  • 「よく売れる=儲かる」は思い込み。出数・粗利額・リピート率の3つで商品を評価し直す必要がある
  • 原価率が上がった「時期」と「きっかけ」を特定することが、改善の入り口になる

4軸で商品を診断する——ABC分析の活用

改善に向けた具体的な方法として、私がよく使うのが「4軸ABC分析」です。通常のABC分析は売上高だけで商品をA・B・Cに分類しますが、そこに原価・粗利・リピート率を加えた4軸で評価します。

具体的には、各商品を以下の4つの観点でスコアリングします。

  • 出数:どれだけ注文されているか(販売数量)
  • 売上:その商品が生み出す売上額
  • 粗利:売上から原価を引いた利益額
  • リピート率:その商品を注文した客が再来店しているか

この4軸で評価すると、商品は大きく3タイプに分かれます。

❌ 「売れているが、儲からない」商品

  • 出数・売上は高いが、粗利が低い
  • 原価率が高く、売れるほど利益を圧迫する
  • リピートに貢献していない場合は、思い切った見直しが必要

✅ 「売れていないが、儲かる」商品

  • 出数は少ないが、粗利率が高い
  • モバイルオーダーのおすすめ表示やトップへの掲載で出数を上げるだけで利益改善につながる
  • 「隠れた優等生」として積極的に押し出す戦略が効果的

✅ 「売れて、かつ儲かる」商品

  • 出数・売上・粗利・リピート率がすべて高い
  • これが「本当の看板メニュー」。この商品を軸にメニュー構成を再設計する

この分析、手作業でやろうとすると大変ですが、ダイニーのような飲食店向け管理システムを活用すると、POSの売上データと連動して自動的にこうした分析ができるようになります。「どのメニューをどう動かすか」という判断を、勘ではなくデータで行えるようになります。

「LINE友だちが増えて再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」

増益繁盛クラブ会員(居酒屋オーナー)

この方の場合、来店データが顧客情報と紐づいたことで「どのメニューがリピートに貢献しているか」が初めて見えるようになり、メニュー構成の見直しと販促の方向性が一致してきた、とおっしゃっていました。原価率の改善と集客の改善は、実は同じデータ基盤の上にあるんです。

診断結果をもとに動くための3ステップ

原価率改善 STEP 1

「儲からないのに売れている」商品を特定する

前述のチェックポイントと4軸分析を使って、まず「要注意商品」をリストアップします。全体の中で原価率が突出して高く、かつリピートへの貢献度が低い商品が優先対象です。

⚠️ よくある失敗:売上ランキング上位の商品に手をつけることへの心理的抵抗があり、見て見ぬふりをしてしまうケースが多い。「売れているから安心」という感覚が判断を鈍らせます。

原価率改善 STEP 2

「隠れた優等生」を前面に出す

粗利が高いのに出数が少ない商品を、メニューの目立つ場所・トップへの配置・スタッフのおすすめトークで積極的に押し出します。これだけで、全体の粗利構成比が変わることがあります。

⚠️ よくある失敗:「おすすめメニュー」の設定を一度やって終わりにしてしまい、季節や仕入れ状況に応じた更新ができていないケース。

原価率改善 STEP 3

月次ではなく「週次」で原価率をモニタリングする

月末に原価率を確認して「高かった、まずい」では、すでに手遅れです。週単位で商品別の粗利を確認し、変化があれば翌週に打ち手を打つ。このサイクルを作ることが重要です。

⚠️ よくある失敗:システムを入れても確認する習慣がなく、結局月末まで放置してしまうパターン。仕組みを入れたら「確認のルーティン」も同時に設計することが大切です。

まとめ:原価率の問題は「見えていないこと」が本当の問題

原価率が30%を超えていても、それ自体は状況によって許容できる場合もあります。問題は「なぜ超えているのか」「どの商品が原因か」が分からないまま営業を続けていることです。

今回お伝えしたチェックポイントを使えば、多くの場合「原因の仮説」まではたどり着けます。そこから先——仮説を数字で検証し、メニュー構成を変え、出数をコントロールする——という段階になると、データが自動で集まる仕組みがあるかどうかで、スピードが大きく変わります。

飲食店の支援実績610件以上、業界経験21年の中でずっと感じてきたのは、「気づくのが遅い」ことで失われる利益の大きさです。翌月中旬に先月の原価率を見ても、そのロスはもう取り戻せない。

自分の店のメニューを4軸で診断してみたい、あるいは今のシステムでどこまで分析できるか確認したい——そういった方は、お気軽にご相談ください。現状のメニュー構成や原価管理の状況を聞いた上で、何から手をつけるべきかをご提案します。

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また、モバイルオーダーを活用してメニューの出数をコントロールし、客単価と粗利を同時に改善する方法については、こちらで詳しくまとめています。無料でご覧いただけますので、参考にしてみてください。

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