飲食店DX

飲食店の利益率を1年で改善した3つのポイント

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「売上は前年より上がっているのに、通帳の残高が全然増えない」
「新しいお店を出すたびに立ち上げに3ヶ月かかって、黒字化が遅い」
「物件の話が来ているのに、任せられる店長がいなくて踏み出せない」

こういった声、本当によく聞きます。3〜10店舗を経営しているオーナーさんに多いんですが、「売上は作れる。でも利益が残らない」という構造的な問題を抱えたまま、出店だけ先に進めてしまうケースが少なくありません。

今回の記事では、ある居酒屋グループのオーナーが1年間で利益率を改善した3つのポイントを、具体的な数字と手順を交えてお伝えします。「早く、失敗せずに新店を出したい」と考えている方には特に参考になると思います。

こんな方におすすめ

  • ✅ 売上は伸びているのに手元に利益が残らないと感じている方
  • ✅ 新店の立ち上げに時間とコストがかかりすぎていると感じている方
  • ✅ 店長が育つのを待っている間に物件を逃した経験がある方
  • ✅ 既存店の仕組みを横展開して出店スピードを上げたい方
  • ✅ 過去にIT導入を試みたが現場に定着しなかった経験がある方

📋 この記事でわかること

  1. 利益率が改善しない根本原因と、よくある「見えないコスト」の正体
  2. 新店立ち上げ期間を短縮するために既存店の仕組みをどう複製するか
  3. 注文点数・客単価を仕組みで上げた実際の事例と手順
  4. 補助金を活用してシステム投資の自己負担を抑える方法
飲食店の利益率を1年で改善した3つのポイント | 有限会社繁盛店研究所(Dinii正規代理店:モバイルオーダーシステム)

利益率が上がらない本当の理由——「売上の問題」ではなかった

まず最初に確認したいのは、「利益率が低い=売上が足りない」ではないということです。

私がこれまで21年・飲食店610件以上を支援してきた中で気づいたのは、利益率に悩んでいるオーナーの多くが、売上の問題ではなく「構造の問題」を抱えているということです。

具体的に言うと——

  • POS・原価管理・勤怠管理がバラバラのシステムで動いていて、月次の利益が翌月中旬まで出てこない
  • どのメニューが儲かっていてどのメニューが利益を食っているか、把握できていない
  • 新店を出すたびにメニュー登録・オペレーション構築をゼロから行っている

これらが重なると、打ち手がいつも後手に回ります。何かを改善しようにも、気づいたときにはすでに損失が積み上がっている。

「先月の失敗を翌月中旬に知るのでは、経営ではなく事後報告です。日次で利益が見える状態を作らない限り、何店舗出しても同じ問題を繰り返します」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

では、実際にどうやって改善するのか。3つのポイントに絞って解説します。

ポイント① 利益の「見える化」——日次データで打ち手を先手に変える

チェックポイント1:月次の利益はいつ確定していますか?

もし答えが「翌月の10日〜15日ごろ」なら、経営判断が常に1〜1.5ヶ月遅れています。この状態で3店舗以上を回すと、どこかの店で赤字が出ても気づいたときには拡大しているという事態が起きます。

✅ ポイント:POSと原価・勤怠を同一基盤に統合し、日次で「今月の着地予測」が出る状態を作ることが先決です。

チェックポイント2:どのメニューが利益を引き下げているか言えますか?

「売れているメニュー=儲かっているメニュー」は思い込みです。出数が多くても原価率が高いメニューは、売れるほど利益を削ります。ABC分析で「出数・売上・粗利・リピート率」の4軸から商品を評価すると、意外なメニューが「利益の足を引っ張っている」ことが浮かび上がります。

✅ ポイント:月1回のメニュー収益性レビューを習慣化するだけで、原価率の改善ポイントが明確になります。

✓ ここまでのポイント

  • 利益率の問題は「売上不足」ではなく「構造問題」であることが多い
  • 月次データが翌月中旬に出る体制では、打ち手が常に後手に回る
  • ABC分析で「売れているが儲かっていないメニュー」を特定することが改善の入口

ポイント② 注文点数を仕組みで増やす——スタッフの頑張りに頼らない

利益率改善の2つ目のポイントは「客単価」、もっと具体的に言えば「1組あたりの注文点数」です。

値上げをすると客が離れるリスクがある。でも原価も人件費も上がっている。そのジレンマを抱えているオーナーさんに試してほしいのが、注文の仕組み自体を変えるアプローチです。

モバイルオーダーを導入した店舗では、スタッフが口頭でおすすめを伝えなくても、注文画面の中でおすすめメニューやオプションが自動で表示されます。写真や動画で魅力が伝わり、「これも頼もうか」という行動が自然に生まれる。

「モバイルオーダーの導入により注文点数がアップした」

モバイルオーダー導入オーナー様

増益繁盛クラブの会員さんの中には、モバイルオーダー導入後に1テーブルあたりの注文点数が増え、結果として客単価が上がったというケースが複数あります。価格は据え置き、でも1組あたりの売上が伸びる——これが「値上げせずに客単価を上げる」というアプローチの実態です。

❌ よくあるパターン:スタッフの声がけに依存する

  • 繁忙時はおすすめの声がけが後回しになる
  • アルバイトのスキルによって注文点数にばらつきが出る
  • 人が1人欠けると売上も一緒に落ちる

✅ 推奨アプローチ:注文画面でおすすめ・オプションを自動表示する

  • スタッフのスキルに依存せず、全席・全時間帯で均一に訴求できる
  • お客様のペースで追加注文が生まれるため、押しつけ感がない
  • ホールスタッフは接客・コミュニケーションに集中できる

ポイント③ 新店立ち上げを「複製」に変える——出店スピードを上げる仕組み

3つ目のポイントが、今回の記事で最も伝えたい核心です。

「出店したいが、店長候補が育っていない」——この悩みを持つオーナーさんは多いです。でも正直に言うと、店長が育つのを待っている間に、いい物件は他社に取られます。

では、どうするか。答えは「店長の判断に依存しない仕組みを先に作る」ことです。

新店立ち上げ STEP 1

既存店のデータと設定を棚卸しする

メニュー構成・原価設定・オペレーション手順・スタッフ評価基準——これらを既存店でデータ化しておくことが、複製の前提になります。頭の中や紙の資料に残っているものをシステムに移す作業です。

⚠️ よくある失敗:「いつかデータ化しよう」と後回しにして、新店出店が決まってから慌てて準備を始め、立ち上げが3ヶ月遅れる。

新店立ち上げ STEP 2

既存店の設定を新店にそのまま複製する

システムが整っていれば、メニュー登録・価格設定・おすすめ表示・顧客管理の設定を既存店からコピーして新店に適用できます。ゼロから構築する必要がない。これだけで立ち上げ期間が大幅に短縮されます。

⚠️ よくある失敗:システムがバラバラで、新店に適用できるデータが存在しない。結局また手動で再構築することになる。

新店立ち上げ STEP 3

AIが異変を検知し、店長に改善案を提示する仕組みを稼働させる

経験豊富な店長がいなくても、数字の異変(原価率の上昇・特定時間帯の売上落ち込みなど)をAIが検知して通知・改善案を提示してくれる体制があれば、新店の店長は「判断」ではなく「実行」に集中できます。これが「属人化からの脱却」の具体的な形です。

⚠️ よくある失敗:ツールを導入したが現場の定着設計がなく、3ヶ月後には誰も使っていない。

支援実績610件以上・21年の経験から言えるのは、「仕組みが先、人材育成は後」という順番で進めたほうが、結果的に店長も早く育つということです。なぜなら、優秀な店長の判断パターンがデータで見えるようになり、それが教育の材料になるからです。

3つのポイントを実行するための現実的な入口

「分かった。でも、どこから手をつければいい?」という声をよくいただきます。

私がお勧めしているのは、まずシステムの棚卸し診断から始めることです。今使っているPOS・勤怠・予約・販促のシステムの月額総額を把握しているオーナーさんは、実はとても少ない。後付けで増えていったシステムを整理するだけで、月の固定費が数万円単位で下がることがあります。

その上で、IT導入補助金や省力化投資補助金を活用してシステムを統合・刷新する方法があります。対象要件を満たせば、投資額の一部を補助金でカバーできるため、自己負担を抑えながら仕組みを整えることができます。申請にはIT導入支援事業者との共同申請が必要ですが、私自身がIT導入支援事業者の認定を受けているため、申請から実績報告まで一貫してサポートできます。

「補助金の存在は知っていても、申請の手間で諦める方が大半です。でも実際にやってみると、思ったより複雑ではない。一緒に進めましょう」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

まとめ——利益率の改善は「売上を増やす前」に整える

今回お伝えした3つのポイントをまとめます。

  • ① 日次で利益が見える体制を作る——打ち手を先手に変えるためのデータ基盤の整備
  • ② 注文点数を仕組みで増やす——値上げに頼らず客単価を上げるオペレーション設計
  • ③ 新店立ち上げを「複製」に変える——既存店の仕組みをデータ化・横展開して出店スピードを上げる

「早く、失敗せずに新店を出したい」という理想は、店長が育つのを待つことでは実現しません。仕組みを先に整え、その仕組みの中で店長が育つ順番に変えることが、出店スピードと利益率を同時に改善する現実的な道です。

どこから手をつければいいか分からない、という方はまずお気軽にご相談ください。現状のシステム構成や店舗数を聞かせていただいた上で、具体的な改善の順番をご提案します。

Dinii導入相談・問合せはこちらから

また、モバイルオーダーを活用して注文点数・客単価・リピート率を改善した事例や活用法を詳しく知りたい方は、こちらの無料資料もご覧いただけます。

モバイルオーダーシステム活用法はこちら(無料)

静岡県静岡市清水区を拠点に、北海道から沖縄、さらに海外の飲食店経営者まで、オンラインでも対応しています。お待ちしております。

-飲食店DX