飲食店DX

飲食チェーンの属人化を外す3つのポイント

こんにちは、ハワードジョイマンです。

複数店舗を運営する飲食店のオーナーさんから、よく聞くのがこんな悩みです。

「外国人のお客さんが来ると、英語ができるスタッフを呼びに行くんですが、その子がいない日は本当に困るんです。注文を指差しで何とかやり取りするんですけど、結局お客さんにあきらめられて、頼んでもらえないメニューが出てくる。回転も落ちるし、スタッフも気まずそうで…」

これ、インバウンドの話だけに聞こえますか? 実は違います。これは属人化の話です。

英語ができる一人のスタッフに、対応が集中している。その人がいる日といない日で、店の売上が変わる。これが属人化の典型的な形です。インバウンド対応は、属人化の問題を「見える化」してくれる、非常に分かりやすいケースなんです。

今回の記事では、飲食チェーンにおける属人化を外す3つのポイントを、インバウンド対応を入口にして深掘りします。「英語ができるスタッフがいないと回らない」という状態から抜け出すための、具体的な手順と考え方をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. なぜインバウンド対応が「属人化の見える化装置」になるのか
  2. 翻訳・注文対応の属人化が、チェーン全体の数字にどう影響するか
  3. スタッフのスキルに頼らず多言語対応を仕組み化する3つのポイント
  4. モバイルオーダーの自動翻訳機能が「注文点数」にどうつながるか

こんな方におすすめ

  • ✅ 英語対応できるスタッフの有無で、店の回転や売上が左右されている方
  • ✅ 外国語メニューの作成・更新が担当者任せになっていて、更新が追いついていない方
  • ✅ 多店舗展開を進めているが、店長・スタッフのスキル差が店舗間の数字の差に直結している方
  • ✅ インバウンド対応を「仕組み」で解決したいが、何から手をつければいいか分からない方
  • ✅ 過去にITツールを導入したものの、現場に定着しなかった経験がある方
飲食チェーンの属人化を外す3つのポイント | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

属人化は「インバウンドが来た日」にだけ起きているのではない

まず前提として確認しておきたいことがあります。

「英語ができるスタッフがいない日は困る」という話をすると、多くのオーナーさんは「これはインバウンドの問題だ」と思います。でも実際は違う。これは日常の業務設計の問題です。

例えば、こういうことは起きていませんか。

  • 外国語メニューを作ったのは3年前で、今は取り扱いのないメニューが載ったままになっている
  • 新メニューを追加するとき、和文メニューは更新するが、外国語版の更新を忘れる
  • 英語対応は特定のアルバイトが「何となくやってくれている」が、そのスタッフが退職したら誰もできない
  • 外国人客が来ると、他のテーブルへの対応が止まる

これらはすべて、「仕組みがない」ことから来ています。スタッフの善意と個人スキルで何とかしている状態です。

属人化の怖さは、問題が「見えにくい」ことにあります。英語ができるスタッフがいる日は店が回っているから、問題が表面に出ない。でもその人が辞めた瞬間、初めて穴の大きさが分かる。

飲食チェーンにおける属人化の問題は、POSレジの選定基準と同じく、「本部が仕組みとして管理できているか」という視点で見直すことが出発点です。

「英語ができるスタッフがいない日に外国人客が来ると、どうしても注文が少なくなる」という感覚があっても、その損失が月いくらかを数字で把握できていないケースは多いです。無料で使えるレシピ原価管理ツールや、ハワードジョイマンAIへの経営相談を活用すると、属人化コストを数字に落とし込む整理が自分でできます。メールアドレスだけで登録でき、届いたメール内のURLをクリックすれば即日使えます。

属人化コストを数字で把握するツールを無料で使う

「翻訳の属人化」が数字に与えるインパクトを直視する

ここからは少し数字の話をします。

インバウンド対応の属人化が、実際にどれだけ数字に影響しているか。体感ではなく、数字で把握できていますか。

仮に、次のような店があったとして計算してみます。

  • 外国人グループの来店:週に8〜10組
  • 英語対応スタッフが不在のシフト:週の約4割(=不在時に来る外国人グループは週3.2〜4組)
  • 英語対応不在時の一組あたりの注文点数:英語対応ありの時と比べて2〜3品少ない
  • その差額(単価800円として):週あたり約5,100〜9,600円の機会損失

月(4週)に換算すると約2〜4万円の機会損失になる計算です。これが5店舗あれば、月に約10〜19万円。年間に直すと約120〜230万円という数字になります。

「英語ができるスタッフがいない日は仕方ない」と思っていたことが、見過ごせない利益の穴になっているかもしれない。数字で見ると、これが属人化の本当のコストです。

「属人化の問題を感覚で語っても、現場は動かない。でも数字を出した瞬間に、オーナーの表情が変わる。『うちはそんなに損してたのか』と。その気づきが、仕組みを変えるエネルギーになる。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士 / 有限会社繁盛店研究所)

✓ ここまでのポイント

  • インバウンド対応の属人化は「英語スタッフがいない日だけの問題」ではなく、日常の業務設計の問題
  • 翻訳・注文対応の属人化は、注文点数・客単価・機会損失として数字に表れる
  • 属人化のコストは、月単位・店舗数で掛け算すると、経営判断に値する規模になることが多い

「自動翻訳のモバイルオーダーに切り替えたいが、設定や運用が現場に定着するか不安」という声は、過去にITツール導入で失敗した経験がある方からよく出てきます。当事務所では、モバイルオーダーなどの導入・初期設定代行から90日間の定着支援までをセットで行い、「入れたけど使われなかった」という結果を防ぐことを目指しています。まず相談だけでも受け付けています。

自社集客の仕組み化 無料相談はこちら

属人化を外す3つのポイント

では具体的にどう対処するか。インバウンド対応の属人化を外す観点から、3つのポイントを整理します。

ポイント 1:「対応できる人を増やす」ではなく「対応不要な状態をつくる」

まず思考の転換が必要です。

多くのオーナーさんが考えるのは「英語ができるスタッフをもっと採用しよう」「全員に英語研修をしよう」という方向です。でもこれは、属人化を「分散させる」だけで、根本的には解決しません。スタッフが辞めれば同じ問題が繰り返される。

属人化を「外す」とは、特定のスキルがなくても業務が回る状態をつくることです。

インバウンド対応で言えば、「スタッフが英語を話さなくても、お客さんが自分で注文できる状態」がゴールです。

✅ ポイント:「誰かのスキルを上げる」ではなく「スキルを必要としない動線をつくる」という発想に切り替えることが、属人化脱却の第一歩です。

ポイント 2:メニューの多言語対応を「静的な紙」から「動的なデジタル」に切り替える

外国語メニューの属人化が起きやすい原因のひとつは、「メニューが紙(または静的なPDF)で管理されている」ことです。

紙のメニューは、翻訳・印刷・差し替えというオペレーションが発生します。これが面倒だから後回しになる。結果として、和文メニューと外国語メニューの内容が乖離していく。

ここで有効なのが、お客さんのスマホの言語設定に応じて自動的に表示言語が切り替わるモバイルオーダーです。

お客さんが自分のスマホでQRコードを読み込むと、英語・中国語・韓国語など、スマホの設定言語で注文画面が表示される。スタッフが翻訳する必要はありません。製品によっては、和文でメニューを変更すれば翻訳も連動して更新されるものもあります。

✅ ポイント:外国語メニューは「作るもの」ではなく「常に最新の状態で存在し続けるもの」に変える。更新の手間を減らすことが、属人化脱却の鍵です。

ポイント 3:注文の「コミュニケーション」をデジタルで完結させる

外国人のお客さんとのやり取りで時間がかかるのは、実は「注文を取る場面」だけではありません。「これはどんな料理ですか」「アレルギーは?」「量はどのくらいですか」という確認のやり取りに、スタッフの時間が取られています。

モバイルオーダーの注文画面には、料理の写真・説明文・アレルギー情報などを表示できます。お客さんが自分で確認して自分で選べる。スタッフへの質問が減り、テーブルに足を運ぶ頻度も下がる。

これが客単価を上げることにも直結します。スタッフが呼ばれなくなることで、「追加注文のタイミングを逃す」という問題も解消されます。お客さんが自分のペースで追加注文できるからです。

✅ ポイント:注文のコミュニケーションをデジタルで完結させると、スタッフの負担が減るだけでなく、注文点数・客単価にもプラスの効果が出ます。

モバイルオーダーの導入を支援したお客様からは、「注文点数がアップした」という声をいただいています。スタッフに気を使って注文を遠慮していたお客さんも、自分のスマホからなら気軽に頼めるからです。

「仕組み化」で属人化を外した後に見えてくる数字

属人化を外すと、何が変わるか。結論から言うと、店長・スタッフの個人差が、数字の差になりにくくなります。

多店舗展開において、店舗間の数字のバラつきは経営上の大きな課題です。A店は好調なのにB店は振るわない、という状況の原因を辿ると、しばしば「A店には優秀な店長がいる」という話になる。これは属人化の典型です。

インバウンド対応をモバイルオーダーで仕組み化すると、英語ができるスタッフがいなくても外国人客に対応できる。メニュー更新も自動化される。注文のやり取りもデジタルで完結する。

つまり、スタッフの個人スキルに依存していた部分が、システムに移管される。これが「属人化を外す」ということの実態です。

私はこれまで21年間、飲食店を中心に833件以上の支援を行ってきました。その経験から言えることは、「仕組みを整えてから人を育てる」の順番が、多店舗展開には大切だということです。逆の順番だと、優秀な人が辞めるたびにゼロに戻ってしまいます。

人件費率を予算内に収めるための考え方とも共通しますが、属人化の解消は「人を減らす」ためではなく「人が活きる場所を正しく作る」ためのものです。スタッフには英語対応の代わりに、接客の質・リピーター対応・クレーム対応という、本当に「人が必要な場面」に集中してもらう。それが理想のオペレーションです。

まとめ:属人化は「誰かが頑張っている証拠」ではなく「仕組みの未整備のサイン」

今回の話をまとめます。

飲食チェーンの属人化を外す3つのポイントは、次のとおりです。

  1. 「対応できる人を増やす」ではなく「対応不要な状態をつくる」発想に切り替える
  2. 外国語メニューを静的な紙から、自動更新されるデジタルメニューに切り替える
  3. 注文コミュニケーションをデジタルで完結させ、スタッフの稼働を「人が必要な場面」に集中させる

インバウンド対応は、属人化の問題を非常に分かりやすく見せてくれる場面です。「英語ができるあの子が来てくれてよかった」という状況は、属人化が解消されていないサインです。

「うちの店のインバウンド対応、どこまで仕組みになっているか」を一度棚卸ししてみてください。そこから見えてくる数字が、次の手を教えてくれます。

「英語ができるスタッフの有無で、店の数字が変わっている」と気づいたなら、次のステップはその属人化を仕組みで外すことです。お客さんのスマホ言語設定に応じて自動翻訳される注文画面への切り替えから、多言語オペレーション全体の設計まで、当事務所で一体で支援しています。導入後の定着まで責任を持つスタイルなので、「またシステムだけ入れて終わり」にはなりません。

自社集客の仕組み化 無料相談はこちら

-飲食店DX