こんにちは、ハワードジョイマンです。
「原価も人件費も上がった。でも値上げしたら客が減るかもしれない」——そう悩んで、結局何も動けていないオーナーさんに、今日は正面からお伝えしたいことがあります。
値上げしなくても、客単価は上げられます。
「そんなこと言われても…」と感じる方、少し聞いてください。多くの居酒屋の場合、客単価が上がらない本当の理由は「価格設定」ではなく、「客単価を動かせる変数を持っていない構造」にあります。つまり、価格を変えることしか売上を伸ばす手段を知らない状態です。
原価高騰・人件費上昇が続く今、値上げと客離れのせめぎ合いは業界全体の課題です。でも、価格以外にも打てる手はあります。今回は、価格を据え置いたまま1組あたりの売上を伸ばすための5つのポイントを、具体的な手順で整理します。
こんな方におすすめ
- ✅ 原価・人件費の上昇で利益が圧迫されているが、値上げに踏み切れない居酒屋オーナーの方
- ✅ 客単価を上げたいが、何から手をつければいいかわからない方
- ✅ モバイルオーダーを導入済み、または導入を検討しているが活用しきれていない方
- ✅ 注文点数が伸びず、テーブルあたりの売上が上がらないと感じている方
- ✅ スタッフに追加注文の声かけをさせているが、再現性がなくバラつく方
📋 この記事でわかること
- 客単価が上がらない本当の構造的な原因
- 写真・動画メニューとオプション訴求で注文点数を増やす具体的な方法
- モバイルオーダーが客単価に与える影響と、その理由
- 追加注文の声かけを「仕組み」にして再現性を持たせるポイント

客単価が上がらない理由は「価格」ではなく「構造」にある
結論から言うと、多くの居酒屋で客単価が停滞している原因は、メニューの価格設定より前の段階にあります。
お客さまがどの商品をどのタイミングで注文するか——この流れを設計できているかどうかで、客単価は大きく変わります。
たとえば、こんなシーンを思い浮かべてください。来店したお客さまが、料理のことをよく知らないままとりあえず定番メニューを2〜3品頼んで、あとは飲み物だけで終わる。スタッフが忙しそうで、追加注文を言い出しにくい雰囲気がある。そのまま2時間が過ぎ、「ごちそうさまでした」と帰っていく。
このとき客単価を上げる変数はどこにありましたか?——実は、ほとんどどこにもありません。価格を変えなければ、売上は変わらない構造になっているんです。
客単価を動かせる変数は大きく3つです。
- 注文点数(1人あたり何品頼むか)
- 単価ミックス(利益率の高いメニューが選ばれているか)
- 滞在時間あたりの消費(追加注文が発生しているか)
この3つのどれか、あるいはすべてを動かす設計が「客単価向上の仕組み」です。値上げは、この設計をせずに数字だけを動かそうとする、言わば力技です。設計があれば、値上げをしなくても単価を上げる余地が生まれます。
「写真・動画メニューに切り替えたい、オプション訴求を自動化したい」と思っても、自分の店でどこから手をつければいいか、判断できる情報がないと動けませんよね。無料登録後すぐに使えるレシピ原価管理ツールと増益繁盛プランナーで、自店の儲け筋メニューの特定と注文フローの見直しポイントを整理することができます。メールアドレスだけで登録でき、無料です。
ポイント①:写真・動画メニューで「選ばれるきっかけ」を作る
お客さまが追加で注文しない理由のひとつは、「何があるかよくわからない」です。テキストだけのメニュー表では、想像力に頼るしかありません。特に居酒屋は品数が多く、見慣れていないお客さまほど迷って安全な定番に落ち着きます。
写真があるだけで、注文のハードルは大きく下がります。さらに動画があれば、料理の熱量・香り・シズル感が伝わり、「これ頼んでみよう」という衝動が生まれます。
モバイルオーダーのメニュー画面は、この点で紙メニューとは別次元の訴求力を持ちます。スマートフォンの画面上で写真・説明文・オプションが一体化して表示され、お客さまは自分のペースで、好奇心のまま注文できます。
当事務所が導入を支援したお店からも、「モバイルオーダーの導入により客単価がアップした」という声をいただいています。
写真・動画メニューの効果を最大化するには、「メニューの撮影品質」と「どのメニューをどの順番で見せるか」の2点が重要です。粗利率の高いメニューを上位に配置し、アイキャッチになる写真を用意する。この設計だけで、注文の分布は変わります。
ポイント②:オプション訴求で「1品の単価」を自然に引き上げる
オプション訴求とは、注文した商品に関連する追加選択肢をタイミングよく提示することです。
たとえば、焼き鳥を注文したお客さまに「タレ・塩のほかに、特製味噌だれ(+80円)もございます」と表示する。餃子を頼んだお客さまに「にんにく増し・チーズトッピング(+50円)」を案内する。こうした小さなオプションが積み重なると、1人あたりの消費金額はじわじわ上がります。
重要なのは、このオプション訴求を「スタッフの気遣い」に頼らない仕組みにすることです。スタッフが声をかけるかどうかで結果が変わる構造は、属人的で再現性がありません。モバイルオーダーであれば、注文フローの中に自動でオプション選択画面を挟むことができます。
スタッフが一言も言わなくても、画面がオプションを提示する。この「自動の声かけ」が、客単価を安定的に押し上げます。
なお、客単価向上の取り組みは居酒屋の利益率改善についての記事でも触れていますが、オプション訴求はその中でも即効性が高い打ち手のひとつです。
✓ ここまでのポイント
- 客単価が上がらない根本原因は「価格」ではなく「注文点数・単価ミックス・追加注文を動かす設計がない」こと
- 写真・動画メニューは「選ばれるきっかけ」を作り、注文のハードルを下げる最も即効性の高い手段のひとつ
- オプション訴求はスタッフの属人的な気遣いではなく、注文フローに組み込んで自動化することで再現性が生まれる
オプション訴求や追加注文の自動化は、仕組みを整えた後に「数字で確認できる状態」があって初めて機能します。ハワードジョイマンAIへの無料相談と経営相談DBでは、自店の客単価構造の棚卸しや、モバイルオーダー活用の相談ができます。登録は無料で、本人確認URLをクリックするだけで使い始められます。
ポイント③:追加注文の「声かけ」を仕組みに変える
追加注文の声かけは、多くの居酒屋でスタッフ任せになっています。「気の利くスタッフは自然に声をかけるが、新人や忙しい時間帯は抜けてしまう」——この状況、心当たりがある方は多いはずです。
声かけを仕組みにするための考え方は、「タイミング」と「きっかけ」を自動化することです。
チェックポイント1:追加注文が発生しやすいタイミングを特定しているか
追加注文が出やすいのは、たとえば「最初の料理が一段落したころ」や「料理が少なくなったとき」です。自分の店の注文データでタイミングを確かめ、そこに集中して仕組みを設計します。
✅ ポイント:モバイルオーダーの場合、テーブルに「おすすめ追加メニュー」のポップアップや告知を置くことで、このタイミングの追加注文を誘発できます。スタッフの巡回頻度に左右されない設計が鍵です。
チェックポイント2:「追加注文しやすい空気」を作っているか
スタッフが忙しそうにしていると、お客さまは「悪いから呼ぶのはやめよう」と遠慮します。この遠慮が、追加注文の機会損失になっています。
✅ ポイント:モバイルオーダーを導入すれば、お客さまがスタッフを呼ぶことなく自分のスマートフォンから注文できます。遠慮の心理を取り除くことが、追加注文のきっかけになります。
チェックポイント3:スタッフが声かけをしたかどうか、測定しているか
声かけの効果を測定せずに「もっとやれ」と言っても改善しません。どのテーブル・どの時間帯・どの担当者のとき追加注文が多いかを数字で把握することが、改善の出発点です。
✅ ポイント:POSデータやモバイルオーダーのログを使えば、テーブルごと・時間帯ごとの注文点数を後から確認できます。この数字を定例の店長会議で共有すると、スタッフの意識づけにつながります。
ポイント④:粗利の高いメニューを「選ばれる位置」に置く
客単価の話をするとき、見落とされがちなのが「何が売れているか」ではなく「何が売れると儲かるか」の視点です。
売れ筋メニューが必ずしも儲け筋メニューではありません。たとえば、看板メニューの唐揚げがたくさん売れていても、原価率が高ければ粗利への貢献は思ったより小さいことがあります。一方、ドリンクやちょっとしたサイドメニューは、原価率が低く粗利が大きいこともあります。
ABC分析(出数・売上・粗利の3軸で商品を評価する手法)を使って、自分の店の「真の儲け筋」を把握してください。そのうえで、粗利率の高いメニューをメニュー表やモバイルオーダー画面の上部・目立つ位置に配置する。これで単価ミックスの改善を狙えます。
メニューの収益性を数字で見直す際は、飲食店の利益率を1年で改善した3つのポイントも参考になります。
「客単価を上げようとすると、多くの方がまず値上げを考えます。でも私がまず聞くのは『あなたの店で一番粗利が高いメニューは何ですか』という質問です。それを答えられない経営者の店は、儲け筋が埋もれていることが多い。まず掘り出すことから始めましょう」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
ポイント⑤:客単価を「日次で見える化」して打ち手を早める
客単価向上の取り組みは、施策を打ったあとに「効いているかどうか」を確認する仕組みがないと、改善のループが回りません。
月次の数字が出るのが翌月中旬、という居酒屋は少なくありません。先月の客単価が分かったとき、すでに今月の半分が終わっています。これでは打ち手が常に後手に回ります。
理想は、客単価を日次で確認できる状態です。たとえば「昨日のテーブルあたり注文点数は平均4.2品だった。先週より0.5品少ない。何があったか」——この会話が翌日の朝礼でできる環境が、改善スピードを上げます。
POS・モバイルオーダー・勤怠が連携した環境であれば、日次の客単価・注文点数・時間帯別の注文分布がリアルタイムに近い形で確認できます。月末を待たずに着地を予測し、今週の声かけや特別メニューの見せ方を調整できます。
人件費とのバランスも含めた数字の読み方は、人件費率を予算内に収める4つのポイントで詳しく解説しています。あわせて確認してみてください。
まとめ:値上げしない客単価向上は「設計」で決まる
今回お伝えした5つのポイントを整理します。
- 写真・動画メニューで「選ばれるきっかけ」を作る——想像力に頼るテキストメニューから、視覚で伝えるメニューへ切り替える
- オプション訴求で「1品の単価」を自然に引き上げる——スタッフの気遣いではなく、注文フローに組み込んで自動化する
- 追加注文の声かけを仕組みに変える——タイミングと心理的ハードルの両方を設計する
- 粗利の高いメニューを「選ばれる位置」に置く——ABC分析で儲け筋を特定し、配置を変える
- 客単価を日次で見える化して打ち手を早める——月次の後追いから、日次の先手管理へ切り替える
値上げは最後の手段です。この5つの設計ができていない状態で価格を上げても、お客さまの不満だけが積み上がります。逆に言えば、設計ができれば、価格を変えなくても1組あたりの売上を動かす余地があります。
私自身、飲食店を中心に833件以上を支援してきた中で大切だと感じるのは、感覚や気合いではなく、注文フローと数字の設計で仕組みを作ることです。
もし今、「自分の店の客単価の変数がどこにあるか分からない」という状態であれば、まず現状の数字を棚卸しすることから始めてください。
「価格を据え置いたまま客単価を上げる設計」を自分の店に落とし込もうとすると、メニュー配置・オプション設定・注文フローの組み方を一から考える必要があります。初期設定代行から90日間の定着支援まで一体で動く当事務所の導入支援では、こうした客単価向上の設計も含めてサポートしています。まず現状のヒアリングから始めることができます。