モバイルオーダーシステムの活用について

モバイルオーダーのメリットとデメリットを正直に整理

こんにちは、ハワードジョイマンです。

モバイルオーダーを入れたら注文点数は増えた。でも、手元に残る利益は思ったほど増えていない——そんなことが起こり得ます。

注文が増えているのに、利益が増えていない。この"ギャップ"こそが、今日のテーマの核心部分です。

今回は、モバイルオーダーのメリットとデメリットを「利益構造」という軸から正直に整理していきます。システムの機能比較ではなく、「なぜ原価率が上がっているのに、原因を特定できないのか」という経営者が実際に直面している問題に正面から答える内容です。

📋 この記事でわかること

  1. モバイルオーダーで注文点数が上がっても利益が増えない理由
  2. 「売れ筋=儲け筋」という思い込みが原価率悪化を招くメカニズム
  3. ABC分析の4軸(出数・売上・粗利・リピート率)でメニューを再評価する手順
  4. モバイルオーダーのデメリットを「仕組みで補う」考え方

こんな方におすすめ

  • ✅ モバイルオーダーを導入したが、利益の改善が実感できていない方
  • ✅ 原価率が上がっているが、どのメニューが原因か分からない方
  • ✅ 売れているメニューと儲かっているメニューの違いを把握したい方
  • ✅ 感覚ではなく数字でメニュー戦略を判断したい飲食店経営者の方
  • ✅ 複数店舗を運営していて、店ごとに原価率のバラつきが出ている方
モバイルオーダーのメリットとデメリットを正直に整理 | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

「モバイルオーダーを入れたら注文は増えた。でも原価率も上がった」はなぜ起きるのか

「注文点数が増えて、売上も少し伸びた。でも月末に数字を見ると、手元に残るお金が以前とあまり変わらない。むしろ原価率が上がっている気がする」——こうした状況は珍しい話ではありません。

モバイルオーダーを導入すると、お客様が自分のペースで追加注文をしやすくなります。モバイルオーダーの導入を支援したお店からも「注文点数がアップした」という声をいただいています。

ただ、ここに落とし穴があります。注文されやすいのは、安くて頼みやすいメニュー、つまり粗利が薄いメニューであることがあるのです。

たとえば、導入後に最も注文が増えたのが唐揚げやポテトフライのような手軽な一品で、それらの原価率が店の平均より高かったとします。これらが売上全体に占める比率が上がれば、全体の原価率は静かに押し上げられてしまいます。

「注文点数は増えているのに、なぜ手元に利益が残らないのか」——その問いに、まだ答えが出ていないなら、まずメニューの原価率と粗利を数字で整理するところから始めてみてください。無料登録で使えるレシピ原価管理ツールと、増益繁盛プランナー(AI対話形式)で、感覚ではなく数字でメニューを判断する環境が整います。メールアドレス1つで登録でき、すぐに使い始められます。

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「売れ筋=儲け筋」という思い込みが、利益を静かに削っている

整理すると、問題の構造はシンプルです。

❌ よくある判断パターン

  • 注文数が多い=良いメニューと判断してしまう
  • 売上トップのメニューを「看板商品」として強化・プッシュし続ける
  • 原価率の変化を「全体の数字」でしか見ていないため、どのメニューが原因か特定できない

✅ 利益構造を改善するための見方

  • メニューを「出数・売上・粗利額・リピート率」の4軸で評価する
  • 「よく出るが粗利が薄いメニュー」「あまり出ないが粗利が厚いメニュー」を分類する
  • モバイルオーダーの表示順・おすすめ設定を、粗利構成比の改善に活用する

「POSの売上ランキングだけ見ていると、儲かっているメニューと売れているメニューを混同してしまいます。この2つは、意外と一致しないことがある。そこを分けて見るだけで、打ち手がまったく変わるんです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

私がモバイルオーダーの種類と選び方でも触れているとおり、モバイルオーダーはあくまで「注文の受け方を変えるツール」です。何をどの順番で見せるか、という設計が伴わなければ、注文が増えても利益に直結しません。

✓ ここまでのポイント

  • モバイルオーダーで注文点数が増えても、粗利の薄いメニューが増えれば原価率は上がる
  • 「売れ筋」と「儲け筋」は別物。商品別の粗利構成比を見ていないと、原因は特定できない
  • モバイルオーダーの表示設計を粗利改善と連動させることで、ツールが利益に貢献し始める

「Aグループ(出数多・粗利厚)のメニューを特定したいが、そもそも自店の原価データが整理されていない」という方もいるでしょう。電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」も含め、原価管理と販促設計の土台を無料で整えられるコンテンツをまとめて受け取れます。登録後すぐにダウンロードできます。

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ABC分析の4軸でメニューを見直す——3つのステップ

メニュー見直し STEP 1

全メニューの「出数・売上・粗利額・リピート率」を一覧化する

POSやモバイルオーダーの商品分析機能を使い、月間の全メニューのデータを出します。「売上金額のランキング」だけでなく、粗利額・粗利率・リピート率(そのメニューを2回以上注文した客の比率)まで一覧で確認できる状態を目指します。

⚠️ よくある失敗:「レシピ原価を正確に入力していない」まま分析すると、粗利の数字がまったく当てにならなくなります。まず原価の棚卸しから始めることが前提です。

メニュー見直し STEP 2

4つのグループにメニューを分類する

出数×粗利の2軸でメニューを4分割すると、大まかに次のグループに分かれます。

  • Aグループ(出数多・粗利厚):本当の稼ぎ頭。モバイルオーダーで最上位に表示すべき
  • Bグループ(出数多・粗利薄):売れているが利益を削っている。価格見直しか原価圧縮が必要
  • Cグループ(出数少・粗利厚):知られていないだけの隠れた稼ぎ頭。プッシュ強化の余地あり
  • Dグループ(出数少・粗利薄):廃止またはリニューアルを検討する

⚠️ よくある失敗:「長年の看板メニューだから」という感情でBグループのメニューを聖域にしてしまうケース。数字で判断する習慣が大切です。

メニュー見直し STEP 3

モバイルオーダーの表示順・おすすめ設定をAグループ中心に組み直す

たとえば、Aグループに入った粗利の厚いメニューをトップ画面に固定し、これまで最上位にあった粗利の薄い一品を後ろのページへ移す、といった組み直しです。注文点数が同じでも、注文の中身が変われば、手元に残る利益は変わります。

⚠️ よくある失敗:一度設定したら放置してしまうこと。季節ごとの原価変動(特に生鮮食材)に合わせて、3か月に1回は見直しのサイクルを設けることをおすすめしています。

モバイルオーダーのデメリットを正直に話す

ここからは、デメリットの部分も正直にお伝えします。

モバイルオーダーには、明らかに不向きな場面があります。たとえば、回転率を最優先する業態では逆効果になることもある。この点については回転重視の業態でモバイルオーダーが効かない理由で詳しく書いていますので、業態が当てはまる方はそちらも読んでみてください。

また、モバイルオーダーを入れれば自動的に利益が上がる、という幻想も持ってほしくない。ここまで見てきたとおり、表示の設定をそのままにしていると、原価率がむしろ悪化することもあります。

ツールは、正しく設計してはじめて機能します。

私が飲食店経営者の方に必ず最初に聞く質問があります。「今、再来店率は何%ですか?」という問いです。この数字を把握していない状態でモバイルオーダーを入れても、何を改善すべきか判断する軸がないまま、ツールだけが動き続けることになります。

飲食店を中心に833件以上を支援してきましたが、「効果が見込めない店には導入を勧めない」というのが私のスタンスです。ツールを売るのではなく、利益が残る仕組みをつくることが目的だからです。

また、居酒屋にモバイルオーダーが合うかどうかの判断基準についても整理していますので、業態で迷っている方は参考にしてみてください。

「モバイルオーダーは万能ではない。でも、正しく使えば『何が売れているか』ではなく『何で儲かっているか』が見えるようになる。その視点の転換が、経営の土台を変えます」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

まとめ:変えるべきは「何を売るか」の設計

モバイルオーダーを入れただけでは、利益構造は変わりません。分析の軸を変え、表示の設計を変えて、初めてツールが利益のために働き始めます。売上を大きく変えなくても、「何を売るか」の設計を変えることで、手元に残る利益は変えられる可能性があります。

業界経験21年のコンサルタントとして言えるのは、飲食店の利益改善は「がんばる量を増やすこと」ではなく、「判断の精度を上げること」から始まる、ということです。

今まさに原価率の悪化に悩んでいる方、どのメニューが原因か分からない方は、まず「売れているメニュー」と「儲かっているメニュー」を分けて見ることから始めてみてください。その一歩が、利益構造を変える最初のポイントになります。

「表示設計を変えれば利益が変わる」とわかっていても、実際にモバイルオーダーをどう設定すればいいか、自店の場合にどう当てはめるかは、一人では判断しにくい部分があります。モバイルオーダーなどの導入支援をしている当事務所では、導入・初期設定代行から90日間の定着支援まで行っています。現状の数字と業態を聞いた上で、効果が見込めるかどうかを正直にお伝えします。

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