こんにちは、ハワードジョイマンです。
「うちみたいな居酒屋にモバイルオーダーって、本当に合うんですか?」——この質問、モバイルオーダーの導入相談をお受けするとき、よく最初に出てきます。もう少し掘り下げると、こんな声が続きます。
- 「求人を出し続けているけど、もう3ヶ月応募がゼロ」
- 「ホールが1人足りないまま、今日も回している」
- 「繁忙時間帯に注文を取り切れていないのはわかってるけど、どうにもならない」
人手不足が慢性化している居酒屋にとって、モバイルオーダーは「便利な機械」ではなく「そもそもの経営構造を変える手段」です。結論から言うと、居酒屋はモバイルオーダーと相性が良い業態です。ただし「なぜ合うのか」と「何を変えることになるのか」を理解したうえで動かないと、せっかく導入しても定着しません。この記事では、よく聞かれる質問に正直にお答えしていきます。
📋 この記事でわかること
- 人手不足の居酒屋にモバイルオーダーが合う理由と、向かないケース
- 「オーダーテイクをお客様のスマホへ移管する」という発想の転換
- モバイルオーダー導入で注文点数が上がるメカニズム
- 導入前に確認しておくべき実務上のポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 求人を出しても応募が来ず、ホールが慢性的に人手不足の居酒屋オーナー
- ✅ 「モバイルオーダーは若いお客さん向け」と思って敬遠していた方
- ✅ 過去にタブレット端末などを導入したが定着しなかった経験がある方
- ✅ 注文が取れずに機会損失していると感じている3〜10店舗規模の経営者
- ✅ 採用コストをかけ続けることに限界を感じている方

そもそも居酒屋にモバイルオーダーは合うのか?
合います。むしろ、飲食業態の中で最も恩恵を受けやすいジャンルのひとつです。
理由は単純で、居酒屋は「複数回注文が発生する業態」だからです。ランチの定食屋なら1回注文して終わり、というパターンが多い。でも居酒屋は、来店してから退店するまでの間に、ドリンクとフードを合わせて何度も注文の機会があります。
この「注文の回数が多い」という特性が、モバイルオーダーとの相性を生み出しています。お客様が手元のスマホからいつでも追加注文できる環境になると、「スタッフを呼ぼうとしたけど捕まらなかったから、まあいいか」という機会損失を減らせます。
詳しくはなぜ居酒屋こそモバイルオーダーに向いているのか、その理由でも掘り下げていますので、あわせて読んでみてください。
ホールが1人欠けたまま数ヶ月、という状況が「採用問題」ではなく「構造問題」だとわかっても、次に何から手をつければいいか迷いますよね。無料登録すると、レシピ原価管理ツールや増益繁盛プランナー(AI対話でビジョン・課題を整理)など、数字で現状を把握するための道具がすぐ使えます。メールアドレスだけで登録できます。
「人が採れない」のは募集方法の問題ではないのか?
正直に言います。募集方法の問題ではなく、構造問題です。
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」によると、2026年8月の有効求人倍率は飲食物調理従事者で2.21倍、接客・給仕職業従事者で2.31倍(職業計は1.06倍)。求職者1人に対して2件以上の求人がある状態です。この状況で「掲載媒体を変えれば応募が増える」というアドバイスは、本質を外しています。掲載費を増やしても、時給を100円上げても、母数そのものが足りないんです。
まず考えてほしいのは、「何人採用できたら、今の課題が解決しますか?」という問いです。答えが「ホール1人」なら、次に考えたいのは「そのホール1人が担っている仕事の中で、お客様のスマホに移せるものはいくつありますか?」という問いです。
オーダーテイクと会計の2つを客のスマホへ移管するだけで、ホール1人分の作業量の大半をカバーできることが多い。採用を前提とせず、オペレーションの設計を変えるという発想の転換が、この問題の出口です。
「人が来ないなら、人が来なくても回せる仕組みに変えればいい。採用は解決策じゃなくて、あくまで手段のひとつです。手段が使えなくなったなら、別の手段を探せばいい。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・IT導入支援事業者)
✓ ここまでのポイント
- 居酒屋は注文回数が多い業態のため、モバイルオーダーとの相性が高い
- 地方の人手不足は構造問題であり、募集方法の改善では解決しにくい
- オーダーテイクと会計をお客様のスマホへ移管することで、採用なしでオペレーションを成立させられる
「注文点数が上がった」という声の裏側には、導入前のオペレーション設計と定着支援がセットであることが多いです。モバイルオーダーなどの導入支援をしている当事務所では、初期設定代行から90日間の定着伴走まで一体で対応しているので、「入れただけで終わる」という失敗を防ぎやすい体制になっています。相談は無料で受け付けています。
モバイルオーダーを入れたら注文点数は本当に増えるのか?
増えるケースが多いです。
なぜ増えるかというと、「注文したいけど、スタッフが来ない」という状況がなくなるからです。居酒屋でよく起きる場面があります。盛り上がってきた頃合いで「もう1杯頼もう」と思っても、スタッフが忙しそうで声をかけにくい。少し待っているうちにタイミングを逃して、「もういいか」になる。この見えない機会損失が、モバイルオーダーの導入で解消されます。
実際に、増益繁盛クラブの会員さんから次のような声をいただいています。
「モバイルオーダーの導入により注文点数がアップした」
モバイルオーダーの導入を支援したお店の経営者
これは客単価の話でもあります。注文点数が増えるということは、同じ席数・同じ客数でも売上が上がるということ。採用を増やさずに、オペレーションの変更で売上が動く——これが「がんばらない経営」の考え方と一致するところです。
「常連さんが離れるんじゃないか」という心配は正しいか?
この不安はよく聞きます。が、心配しすぎなくてよいケースが多いです。
理由は2つあります。ひとつは、モバイルオーダーは「スタッフと話さない仕組み」ではなく「注文の手間を省く仕組み」だから。常連さんがスタッフと会話を楽しむ時間は、むしろ増えます。オーダーテイクとドリンクの補充確認に使っていた時間が空くぶん、スタッフが「話す時間」に使えるようになります。
もうひとつは、操作方法のサポート体制の問題です。高齢の常連さんが多い店では、スタッフが最初の1回だけ丁寧にサポートするオペレーションを作れば、2回目以降は自分で操作してくれるようになります。この点についてはモバイルオーダーで常連さんは離れますか?よくある質問に答えますで詳しく解説しているので、心配な方はそちらも確認してみてください。
❌ よくある誤解:「デジタルに不慣れな常連さんはモバイルオーダーを使えない」
- QRコードの読み取りを過大評価しすぎている
- 一度使ってもらえれば、シニア層でも操作できる方は多い
- 「使えない人がいたら紙で対応する」という二段構えで解決できる
✅ 実際の運用:「最初の1回だけスタッフがサポートする」という設計にする
- 来店直後の案内タイミングでQRを一緒に読み込んで見せる
- 常連さんが「自分でできた」という体験を作ることで、次回以降は自走する
- スタッフの手が空いた分を、会話・接客の質に回せる
導入前に確認しておくべきことは何か?
導入の前に、3つのポイントを確認しておくことをお勧めします。
チェックポイント1:現在のホール業務の何割がオーダーテイクと会計対応か
スタッフの動線を1日分だけ記録してみてください。「呼ばれる→注文を聞く→キッチンへ伝える」という動作が、どのくらいの頻度で発生しているか。ここが全体の40%以上を占めているなら、モバイルオーダーの省人化効果は大きくなります。
✅ ポイント:割合が低い店は、業務フローのどこに詰まりがあるかを先に整理する必要があります。
チェックポイント2:Wi-Fi環境が店舗全体をカバーしているか
モバイルオーダーはお客様のスマホがインターネットに接続できる環境が必要です。席によって電波が届かない死角がある場合、先にWi-Fi環境の整備が必要になります。導入コストのシミュレーションには、この費用も含めて考えてください。
✅ ポイント:IT導入補助金を活用すればシステム費用の一部を補助できるケースがあります。IT導入補助金でモバイルオーダーが対象になるかを確認しておくと、資金計画が立てやすくなります。
チェックポイント3:「再来店率」を把握しているか
モバイルオーダーはオペレーションの道具だけでなく、CRM(顧客管理)とも連動します。新規客が何%リピートしているかのデータを持っていない状態でシステムだけ入れても、効果を測れません。「再来店率は何%ですか」という問いに即答できない状態なら、まずそこを整理することをお勧めします。
✅ ポイント:再来店率のデータがあれば、モバイルオーダー導入後の改善幅を数字で比較できます。「入れたら良くなった気がする」ではなく、「入れた結果○%変わった」と言えるようになります。
「効果が見込めない店には、正直に『今は導入のタイミングではない』と伝えます。ツールを売るより、そのお店の数字が動くことの方が大事だから。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・IT導入支援事業者)
まとめ:居酒屋のモバイルオーダー導入は「採用問題の出口」になりうる
人が採れない——この問題を「採用の問題」として解き続けている限り、答えが出ません。地方の有効求人倍率が高止まりしている構造の中で、求人媒体を増やしても時給を上げても、限界があります。
居酒屋にモバイルオーダーが合うのは、「おしゃれ」だからでも「デジタル化のトレンド」だからでもなく、ホール1人分の作業を仕組みで代替できるからです。注文点数が増えて売上が動き、採用コストが減り、残ったスタッフが本来の接客に集中できる——この3つが同時に起きるのが、居酒屋とモバイルオーダーの組み合わせの強さです。
飲食店を中心に833件以上の支援をしてきた立場から言えば、注意したいのは「モバイルオーダーが合わない」ことよりも、「導入のタイミングと順序を間違える」ことです。導入を検討しているなら、まずオペレーションの現状と再来店率の把握から始めてみてください。
チェックポイント3つを読んで「再来店率を把握できていない」「Wi-Fi環境が不安」など、具体的な引っかかりが出てきた方は、それをそのまま相談の出発点にしてください。効果が見込めない場合は正直にお伝えするスタンスで対応しています。まず現状を整理する場として使ってもらえれば十分です。