飲食店DX

居酒屋のメニュー改定で利益率を改善する手順|粗利で判断する4軸ABC分析

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「原価率が高くなってきた気がする……でも、どのメニューが問題なのかまったく分からない」
「売上はそこまで落ちていないのに、月末に手元に残るお金が減っている」
「とりあえず単価の高そうなメニューを増やしてみたけど、利益はほとんど変わらなかった」

こういう悩みを持つ居酒屋オーナーは少なくありません。食材費・光熱費・人件費と、あらゆるコストが上がる中で「どこを削ればいいか」「何を変えればいいか」が見えない。だから打ち手がいつも後手になる。

この記事では、「メニュー改定」という一点に絞って利益率を改善する手順を、ステップ形式で解説します。大規模な設備投資も、全品入れ替えも必要ありません。必要なのは「どのメニューが本当に儲かっているか」を数字で見るプロセスです。

📋 この記事でわかること

  1. 「売れ筋=儲け筋」という思い込みがなぜ危険なのか
  2. ABC分析4軸(出数・売上・粗利・リピート率)でメニューを評価する方法
  3. 分析結果をメニュー改定に落とし込む具体的なステップ
  4. 分析結果を組み合わせた改定の進め方の例

こんな方におすすめ

  • ✅ 原価率が上がっているが、原因のメニューを特定できていない方
  • ✅ 売上は維持しているのに手元利益が減っている居酒屋・ダイニングの経営者
  • ✅ メニューを感覚や人気で決めていて、数字で判断したことがない方
  • ✅ 過去にメニュー変更を行ったが、利益への効果が不明だった方
  • ✅ 3〜30店舗規模で、店舗ごとに原価率のバラつきが気になる経営者
居酒屋のメニュー改定で利益率を改善する手順 | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

「あのメニューが売れてるから大丈夫」が最も危険な思い込み

メニューの見直しを相談されると、多くの経営者がこう言います。「〇〇は毎日よく出るから看板メニューです」と。でも、よく出るメニューが、店の利益に貢献しているかどうかは別の話です。

たとえば、1日30食出る人気メニューの粗利が200円だとすると、粗利合計は1日6,000円。一方、1日10食しか出ない別のメニューの粗利が800円なら、粗利合計は8,000円。「売れ筋」を守るために原価交渉を繰り返すより、「儲け筋」を育てた方が、はるかに利益は伸びます。

この「売れ筋と儲け筋の混同」が、原価率悪化の根本原因になっているケースが非常に多い。売れているから変えられない。変えたら売上が落ちそうで怖い。この感覚的な判断が、積み重なって利益を削り続けているのです。

「売上を追いかけると、利益が逃げていく。利益から逆算してメニューを設計した方が、結果として売上も安定する。これが数字で判断できる店と、感覚で動く店の一番の違いです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

居酒屋の客単価を上げる5つのポイントでも触れていますが、客単価を上げるためには「何を売るか」だけでなく「どのメニューがどれだけ利益を生んでいるか」の視点が欠かせません。

「原価率は上がっているのに、どのメニューが原因か分からない」——この記事を読んで、その原因が「粗利構成比を見ていないこと」だと気づいた方も多いと思います。無料アカウントを作成すると、レシピ原価管理ツールとハワードジョイマンAIへの無料相談が使えます。メールアドレスの登録だけで、すぐに使い始められます。

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STEP 1:4軸ABC分析でメニューの実力を数値化する

メニュー改定 STEP 1

全メニューを「出数・売上・粗利・リピート率」の4軸で評価する

一般的なABC分析は「売上の高い順に並べる」だけですが、これだと粗利の低い高回転メニューが上位に来てしまいます。ここで使うのは4軸評価です。

  • 出数:どれだけ注文されているか(回転率)
  • 売上:実際に売上に貢献している額
  • 粗利:1品あたりの粗利額 × 出数で算出する粗利合計
  • リピート率:そのメニューを注文した客が再来店しているか

この4軸で全メニューを評価すると、「出数は多いが粗利が低いメニュー」「出数は少ないが粗利が高く、リピートにも寄与しているメニュー」など、それぞれの位置が明確になります。

⚠️ よくある失敗:「原価率」の数字だけを見て判断するケース。原価率30%でも1品の売価が安ければ粗利額は小さい。逆に原価率40%でも高単価なら粗利額は大きくなる。大切なのは「粗利の額」です。

メニュー改定 STEP 2

メニューを4象限に分類し、改定の優先順位をつける

4軸の評価が揃ったら、各メニューを次の4象限に分けます。

  • A(育てる):粗利が高く、リピートへの寄与も大きい → 積極的に推す
  • B(改良する):出数は多いが粗利が低い → 原価を下げるか、価格を上げるか検討
  • C(検討する):出数も粗利も平均以下 → 継続の理由を問い直す
  • D(廃止候補):出数が少なく、粗利への貢献もほぼゼロ → 食材ロスの温床になっている可能性

⚠️ よくある失敗:「常連さんが頼む」という理由でDカテゴリのメニューを残し続けること。他のメニューで満足してもらえることも少なくありません。

✓ ここまでのポイント

  • 「よく出るメニュー=儲かるメニュー」ではなく、粗利額で判断することが原価率改善の入口
  • ABC分析は出数・売上だけでなく、粗利とリピート率を加えた4軸で行うと精度が上がる
  • メニューを4象限に分類することで、「育てる」「改良する」「廃止する」の優先順位が明確になる

4軸ABC分析の考え方は理解できても、「実際に自分の店のメニューデータをどう集めるか」で止まってしまう方が多くいます。増益繁盛プランナー(5ステップのAI対話)とレシピ原価管理ツールを使えば、自店のメニュー構造を整理しながら次のアクションが見えてきます。無料で登録でき、すぐに使えます。

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STEP 3:分類結果をメニュー改定の「アクション」に変換する

分析が終わったら、次は実際の改定作業です。ここが多くの経営者が「分析したけど何をすればいいか分からなかった」と止まるポイントです。

メニュー改定 STEP 3

Bカテゴリ(出数は多いが粗利が低い)への対処を先に決める

最初に手をつけるべきは、出数の多いBカテゴリです。ここを改善すると、全体への影響が大きくなります。アクションの選択肢は3つ。

  • ① 仕入れ先・食材の見直しで原価を下げる
  • ② 価格を据え置いたまま量・盛り付けを調整する
  • ③ 段階的に価格を引き上げる(一度に大きく上げず、少しずつ)

ここで重要なのは、「①だけ」「③だけ」と決めつけないこと。メニューごとに状況が違うので、1品ずつ判断します。

⚠️ よくある失敗:全メニューを一斉に値上げして、常連客の離脱を招くケース。段階的に、かつ価値を説明できる形での改定が鉄則です。

メニュー改定 STEP 4

Aカテゴリ(儲け筋)をメニュー表の「見える位置」に移動する

粗利が高くリピート寄与も大きいAカテゴリは、現状「頼んでもらえていない」ことが多い。メニュー表の右上・見開き最初のページ・QRメニューのトップに配置するだけで、出数が変わります。

これは追加投資ゼロの改定です。メニュー表のレイアウトを変えるだけで、儲け筋を自然に売れるようにする。居酒屋DXの手順でも解説していますが、モバイルオーダーを活用すると、メニューの表示順・特集バナーをデジタルで自由に変えられるため、このアクションが格段にやりやすくなります。

⚠️ よくある失敗:AカテゴリとDカテゴリを同じページに並べること。視線が分散し、儲け筋に誘導できない。

メニュー改定 STEP 5

改定後30日・60日・90日でデータを再取得し、効果を検証する

改定は「やって終わり」ではありません。30日後に再び粗利構成比を見て、Bカテゴリが改善されているか、Aカテゴリの出数が増えているかを確認します。60日、90日と追いかけることで、改定が利益に結びついているか数字で確認できます。

⚠️ よくある失敗:改定直後の1〜2週間だけ確認して「効果があった」「なかった」と判断するケース。顧客の行動変化には時間がかかります。

「メニュー改定の本当の目的は、お客さんに新しいメニューを食べてもらうことではなく、儲け筋を自然と選んでもらえる状態をつくること。その設計ができれば、スタッフが頑張って売り込まなくても利益は上がっていきます」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

分析結果を改定にどう落とし込むか(進め方の例)

4軸分析をしてみると、「看板として推しているメニューが、粗利ベースでは下位だった」ということも珍しくありません。分析結果からは、たとえば次のような改定の組み合わせが考えられます。

  • Bカテゴリの上位メニューの価格を、段階的に少しずつ引き上げる
  • Aカテゴリのメニューをメニュー表の「おすすめ」欄に移動し、モバイルオーダーの画面上でもトップ表示に設定する
  • Dカテゴリのメニューを廃止し、食材ロスを減らす

売上を大きく変えなくても、儲け筋の出数が増えれば手元に残る利益は変わります。また、モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声も届いています。

モバイルオーダーは「注文を受けるツール」ではなく、「儲け筋を売れる順番に並べるツール」でもあります。メニュー改定とモバイルオーダーを組み合わせることで、設計した動線がそのままデジタル画面の上で機能するようになります。

飲食店のIT化、最初の1歩の手順も参考にしながら、自分の店のデータが取れる環境を整えることが、このプロセスを繰り返せる土台になります。

まとめ:原価率の改善は「削る」ではなく「設計する」

原価率が上がっているのに原因が分からない——その状態を抜け出すために必要なのは、コスト削減の努力ではなく「どのメニューが利益を生んでいるか」を可視化することです。

今回の手順を整理すると、

  1. 4軸(出数・売上・粗利・リピート率)でメニューを評価する
  2. A〜Dの4象限に分類し、改定の優先順位をつける
  3. Bカテゴリの原価・価格を見直す
  4. Aカテゴリをメニュー表とデジタル画面の目立つ位置に移動する
  5. 30日・60日・90日で効果を検証し、次の改定サイクルに入る

このサイクルを回せる店は、感覚ではなく数字で判断できる店になっています。支援実績飲食店を中心に833件以上、21年の経験から言えるのは、利益が改善している店は「頑張り方」が変わっているということです。売上を増やすより先に、今あるメニューの利益構造を整える。これが「がんばらない経営」の出発点です。

メニュー改定の手順は理解できた。でも「自分の店のデータをどう取るか」「モバイルオーダーと組み合わせてどう設計するか」が具体的に見えていない方は、店舗DX導入の相談窓口から直接話してみてください。導入・初期設定代行から90日間の定着支援まで、繁盛店研究所が並走します。

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