こんにちは、ハワードジョイマンです。
夏の終わりって、なんとなく気持ちの区切りになりますよね。「今年の夏、どうだったか」を振り返りたくなる季節です。
ただ、飲食店の場合、その「振り返り」が厄介なことが多い。繁忙期の売上は悪くなかったのに、なぜか手元に残っていない。スタッフの動きは忙しそうだったのに、何が足りなかったのか言語化できない。そういうモヤモヤを抱えたまま、気づけば秋の仕込みに突入——という方が少なくないはずです。
今日は、そのモヤモヤを生み出している「本当の原因」について、私がずっと考えてきたことをお話しします。テーマは、「悪いスコアこそ、見せるべきだ」という話です。
📋 この記事でわかること
- 「悪いスコアを隠す文化」が、常連客を遠ざけている理由
- QSCの数値を公開することで、店長会議と現場がどう変わるか
- 再来店率をKPIに置き換えると、グルメサイト依存からどう抜け出せるか
- モバイルオーダーとCRM設計を組み合わせた「常連づくりの仕組み」の考え方
こんな方におすすめ
- ✅ グルメサイトへの掲載料が固定費化していて、やめるに踏み切れない方
- ✅ 売上は悪くないのに、常連客が増えている実感が持てない方
- ✅ 店舗ごとに数字がバラついていて、その理由を説明できない方
- ✅ 新規集客に疲れ、リピーターに支えられる店づくりを目指したい方
- ✅ QSCや再来店率を「感覚」ではなく「数字」で把握したい方

「いい話だけ報告する文化」が、店を弱くする
店長会議の資料に並ぶ数字は、「良かったこと」中心になりがちです。たとえば売上前年比105%、客単価アップ、クーポン利用率が増加……といった具合です。
でも、私が聞きたいのはそこじゃない。「リピート率は何%ですか」「再来店した客が全体の何割を占めていますか」——そう聞くと、答えに詰まる経営者・店長は少なくありません。測っていないからです。
良い数字しか並ばない会議資料は、ある種の「経営のファンタジー」です。現状の課題が見えない状態で、次の手が打てるわけがない。
ここで私が伝えたいのは、「悪い数字が出ても、正直に直視しよう」という単なる精神論ではありません。悪いスコアこそ、経営の宝だということです。なぜなら、そこにこそ「次の常連客を生む施策の種」が埋まっているからです。
「再来店率を聞かれて答えられない店は、新規を追いかけ続けるしか生き残る方法がなくなる。それは体力勝負であって、仕組みじゃない。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
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グルメサイトの掲載料が「固定費」になっていませんか
「グルメサイトの掲載をやめたいけど、やめたら客が来なくなりそうで怖い」——そう感じている居酒屋のオーナーは少なくないはずです。
月に数万円の掲載料を払い続け、クーポンを設定し、予約を受ける。その繰り返しです。でも、そこから来るお客さんの何割が2回目に来てくれているか——その数字を持っている方は多くありません。
グルメサイトが悪いわけじゃないんです。問題は、「グルメサイトから来た人をそのまま流してしまっていること」です。来てくれた方を会員化する仕組みがなければ、毎月お金を払って新規客を買い続けるしかない。
常連客比率が高い店ほど、新規を集めるための広告費に頼らずに済みます。当たり前の話ですが、自店の数字で一度確かめてみると、その意味を実感できるはずです。
では、どうすれば新規客を「次も来てくれる人」に変えられるのか。その答えの一つが、来店の会員化と、再来店率をKPIに設定することです。
✓ ここまでのポイント
- 「良い数字だけを報告する文化」は、課題の発見を遅らせる
- 再来店率を測っていない店は、新規集客コストを永遠に払い続ける構造になりやすい
- グルメサイト依存から脱するには、来店を「会員化する仕組み」が必要
QSCスコアの共有が現場を変えるという話を読んで、「じゃあ自分の店はどこから始めればいい?」と思った方は多いはず。ハワードジョイマンAIへの無料相談や、みんなの経営相談DBで、自店の状況に合わせた整理ができます。登録は無料で、メールアドレスと本人確認だけで完了します。
悪いスコアを「見せる」と、現場が動き始める
私がQSCの数値化をすすめるのは、スコアを共有すると現場が動き始めるからです。
たとえば、全店舗のQSCスコアを一覧にして、毎月の店長会議で全員に見せるようにしたとします。最初、店長たちは嫌がるでしょう。「うちの点数が低いのを他の店長に見られたくない」という反応です。
でも、慣れてくると、低いスコアの店の店長が、高いスコアの店長に「何をやっているの?」と聞きに行く、ということが起こり得ます。横のつながりで、店が改善される。これは、スコアを「隠す」文化では起きにくいことです。
QSCスコアを数値化することで店長会議がどう変わるかについては別の記事でも詳しく書いていますが、要点は一つです。「見えないものは、改善できない」。
そして、QSCスコアと再来店率は、連動しやすいものです。品質・サービス・清潔感が安定している店には、また来たいと思う人が増える。当たり前のようで、この「当たり前」を数字で確認できている店は少ない。
チェックポイント1:再来店率を測っているか
「なんとなく常連さんが多い気がする」という感覚ではなく、来店者のうち何%が30日以内に再来店しているかを数値で把握していますか。
✅ ポイント:モバイルオーダーやLINE連携を使って来店履歴を紐付けることで、再来店率をコホート単位で確認できる仕組みが作れます。感覚をデータに変えることが第一歩です。
チェックポイント2:QSCスコアを全店で比較できているか
複数店舗を運営している場合、店長によって数字がバラつくのは当然です。問題は、「なぜバラつくのか」を説明できるかどうかです。
✅ ポイント:QSCをスコアリングして全店比較できる状態にすると、「どこに手を打つべきか」の優先順位が明確になります。低スコアの店が「問題」ではなく「改善の機会」として見えてきます。
「いいスコアを見て安心するより、悪いスコアを見て動く方が、店は育つ。悪い数字は責める材料じゃなくて、次の一手を考えるための地図です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
モバイルオーダーが「常連づくりの入口」になる理由
増益繁盛クラブの会員さんの中には、モバイルオーダー導入後に「客単価がアップした」と報告してくださった方がいます。
これ、単純に「便利になった」という話じゃないんです。
モバイルオーダーが常連づくりに直結する理由は、来店データと購買行動が紐付くことにあります。「この方は月に2回来てくれている」「この方はビールより日本酒の注文が多い」——そういう情報が蓄積されると、LINE配信やDMの内容がガラッと変わります。全員に同じクーポンを送るのではなく、その人の行動に合わせたメッセージを送れるようになる。
これがCRM(顧客関係管理)の本質です。リピーター売上比率50%を目指すなら、まず「誰が来ているか」を記録する仕組みから始めることが必要です。グルメサイトに頼り続けているだけでは、その記録が手元に残りません。
❌ グルメサイト依存の集客パターン
- 毎月一定額の掲載料が固定費化している
- 来た客がリピーターになっているか追えない
- 広告をやめると集客が止まる構造になっている
✅ 来店を会員化するCRM設計パターン
- 来店ごとに顧客データが蓄積される
- 再来店率をKPIとして月次でモニタリングできる
- LINE配信等で「また来たい」と思わせる接点を作れる
まとめ——「悪いスコアを見せる」ことが、常連客への道を開く
今回お伝えしたかったことを、最後に整理します。
悪いスコアを隠す文化は、経営判断を遅らせます。現場の課題が見えなくなり、結果として新規客を追いかけ続けるしか手がなくなる。グルメサイトへの掲載料が固定費化していくのも、その一つの現象です。
逆に、QSCスコアを全店で共有し、再来店率をKPIに設定する店は、だんだん「仕組みで常連を増やす」方向に変わっていきます。そしてその仕組みの土台になるのが、モバイルオーダーを起点とした来店データの蓄積と、LINE等を使ったCRM設計です。
私が21年間、飲食店経営者の方と並走してきて思うのは、常連さんに支えられている店ほど「数字を正直に見ている」ということです。良い数字も悪い数字も、両方を経営の材料にしている。
「今月の再来店率は何%ですか」——この一問から始めてみてください。答えられない状態が、今日からの出発点です。
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