こんにちは、ハワードジョイマンです。
10月に入ると、涼しさの中にどこか「忘年会の足音」が聞こえてくる季節になってきますね。居酒屋にとっては、これから年末にかけてが稼ぎどきの本番です。ただ、この時期に相談が増えやすいテーマがあります。それが「ドリンクが出ない時間帯が生まれている」という問題です。
「卓上のベルを押しても誰も来ない」「生ビールを頼んだのに10分待った」——お客さんにとってはストレスですが、経営者側から見ると、これは単なるサービスの問題ではありません。ドリンクが出ない時間帯=客単価が下がる時間帯であり、回転が詰まる時間帯でもある。つまり、利益がじわじわ蒸発している瞬間です。
この記事では、ドリンクの遅延がなぜ起きるのかを原因から整理し、改善の進め方を順を追ってお伝えします。特に「新店を出すたびにオペレーションをゼロから作り直している」という状況にある飲食店経営者の方には、後半が刺さる内容になっていると思います。
📋 この記事でわかること
- 居酒屋でドリンクが出ない時間帯が生まれる、構造的な3つの原因
- 注文の取りこぼしをデータで見つけ、オペレーションを改善する流れ
- 新店立ち上げのたびにオペレーションをゼロから作るリスクと、複製設計の考え方
- モバイルオーダーを活用して「初日から仕組みが動く」状態をつくる手順
こんな方におすすめ
- ✅ 繁忙時間帯にドリンクの提供が遅れ、客単価が伸び悩んでいる方
- ✅ 新店を出すたびに立ち上げが遅く、黒字化まで3ヶ月以上かかっている方
- ✅ ホールスタッフの動きが属人化していて、店長交代のたびに崩れる方
- ✅ 「仕組みをつくりたい」と思いつつ、毎回現場に引っ張られている方
- ✅ モバイルオーダーの導入を検討しているが、導入後の定着に自信がない方

ドリンクが「遅い」のではなく「頼まれていない」ケースが多い
ドリンク提供の遅延というと、真っ先に「スタッフの数が足りない」という答えが返ってきます。確かにそれも一因ですが、現場を見ていると、実態はもう少し違うところにあることが多いです。
結論から言うと、「ドリンクが出ない」ではなく「ドリンクが注文されていない」という状況が混在しているケースが、想像以上に多い。
居酒屋の現場でよく起きるのは、次のような流れです。
- テーブルにお客さんが着いた
- スタッフが最初の注文を取りに来るまでの間、お客さんはメニューを見ながら待っている
- 「追加で何か頼もう」と思ったタイミングでスタッフが来ない
- 結果、2杯目・3杯目を頼むタイミングを逃す
これは「提供が遅い」のではなく、「注文機会そのものが生まれていない」状態です。追加注文のタイミングをお客さんの側に委ねてしまうと、声をかけにくい雰囲気のテーブルや、スタッフが少ない時間帯には注文数が自然と落ちていきます。
この問題を数字で可視化できていない店は、「今日は客が少なかったから単価が低かった」という説明で終わってしまいます。でも実際は、客数に関わらず注文機会のロスが発生しているわけです。
「ドリンクが出ない時間帯があるのはわかっているが、何から手をつければいいか」という段階でこの記事を読んでいる方に、まず手元に置いておいてほしい資料があります。飲食店コストダウンガイド(63ページ)や、割引ゼロで成果が出る販促100(32ページ)など、仕組みを作るための具体的なツールが揃っています。メールアドレスの登録だけで、無料で受け取れます。
原因を3つに分けて整理する
チェックポイント1:ホールスタッフの動線が「フロア全体を見る」設計になっていない
ドリンクが出ない時間帯が生まれる第一の原因は、ホールスタッフの動き方が場当たり的になっていることです。「呼ばれたら行く」という受け身の動線設計では、繁忙ピーク時に必ず穴が空きます。特定のテーブルに集中して他が放置される、という状況はどの店でも起きています。
✅ ポイント:フロアを「エリア割り」にして担当範囲を決め、巡回タイミングをルール化する。スタッフ個人の判断に任せるのではなく、動線そのものを仕組みにする。
チェックポイント2:メニューと注文オペレーションが属人化している
新店を出すたびに「現場で経験のあるスタッフが口頭でメニューを覚えさせる」という立ち上げをしている店では、スタッフの習熟度にばらつきが生じます。メニューの説明が弱いと、お客さんはドリンクの追加を迷って頼まない、ということが起きます。
✅ ポイント:メニューの説明文・おすすめコメント・売りたい商品の順序を、システムに組み込む。スタッフが覚える前の段階でも、お客さんが自分で判断できる情報をテーブルに置く。
チェックポイント3:新店立ち上げのオペレーションをゼロから作り直している
3〜10店舗以上を展開している経営者の方から、よく聞く話があります。「2号店・3号店を出すたびに、メニュー登録・オペレーション設計・スタッフへの落とし込みを最初からやり直している」という状況です。これが立ち上げに3ヶ月かかる最大の原因になっています。
✅ ポイント:既存店で機能しているメニュー設定・オペレーションのルールを「複製できる形」で保持する。新店は既存店の設定をそのままコピーし、現地の調整だけで初日から動かせる状態にする。
✓ ここまでのポイント
- ドリンクが出ない時間帯の原因は「人手不足」だけでなく、「注文機会が生まれていない」ことにある
- ホールの動線・メニューの属人化・新店立ち上げのゼロスタート、この3つが絡み合っている
- スタッフが変わっても崩れない仕組みをつくることが、利益を守る最短ルート
「注文点数が上がった」という声の裏には、メニュー設計とオペレーションの設定変更がセットになっています。その具体的な手順を自分の店に当てはめるために、メニュー工学ツールや食材費計算ツールを含む無料資料が役立ちます。登録はメールアドレスのみ、本人確認のクリック1回で完了します。
改善の流れ:注文点数を上げるまでの進め方
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、注文点数がアップしたという声をいただいています。
その裏側でどんな変化が起きるのか、流れを整理してみます。
まず、ホールスタッフが注文を取りに行くタイミングが遅れると、その分だけドリンクの追加注文は落ちます。ただ、経営者自身はその事実をつかめていないことがほとんどです。モバイルオーダーを導入すると注文ログが残るので、「何時台に・どのテーブルで・注文が止まっていたか」が見えるようになります。
たとえば、スタッフが手薄になる時間帯だけテーブルあたりのドリンク注文数が落ちていれば、「スタッフが少ないからお客さんが頼めていない」という状況がデータで見えたことになります。
そこで打てる対策は、モバイルオーダーに「ドリンクのおすすめ」を表示し、お客さん自身が目にする流れをつくること。そしてスタッフの巡回タイミングを「呼ばれたら行く」から「○分おきに全テーブルを確認する」に変えることです。
人を増やすのではなく、注文機会の取りこぼしを減らす。同じ客数でも売上を変えられるのは、この考え方です。
関連して、居酒屋が人手不足で回らない夜の省人化オペレーションへの切り替えでも、ホール動線の設計が変わると同じ人数でも機能するオペレーションになる考え方を紹介しています。あわせて参考にしてください。
新店立ち上げのゼロスタート問題をどう解消するか
注文点数の改善と並行して、もう一つ根深い問題があります。それが「新店を出すたびにオペレーションをゼロから構築している」という問題です。
「新店の立ち上げに3ヶ月かかる、とおっしゃる経営者の方に共通しているのは、1号店で積み上げた設定・ルール・データが、2号店に引き継がれていないことです。頑張って作ったのに、次の店では使えない。これは資産の無駄遣いです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)
ドリンクの注文点数が上がるためには、メニュー設計・おすすめの見せ方・スタッフが動く仕組みのすべてが整っている必要があります。これを新店ごとにゼロから組み直していると、どれだけ優秀な店長がいても3ヶ月はかかります。
解決の方向性は、1号店で機能した設定を「複製できる形」にしておくことです。モバイルオーダーシステムでは、メニューの構成・おすすめの表示順・ドリンクのカテゴリ分け・価格設定などをデータとして保持できます。新店を出すとき、この設定をそのままコピーし、現地の調整(価格の微修正・地域限定メニューの追加など)だけで初日から動かせる状態にする。
これが実現できると、立ち上げ初日から「注文が取れる仕組み」が動いています。スタッフがまだメニューを覚えていない段階でも、お客さんが自分でモバイルオーダーからドリンクを追加注文できる。これが立ち上げ期の客単価を守ることに直結します。
新店立ち上げ改善 STEP 1
既存店のメニュー設定・オペレーションルールを「複製可能な形」で整理する
まず1号店で機能しているモバイルオーダーの設定(メニュー構成・おすすめ表示・ドリンクの並び順など)をデータとして保存し、新店に展開できる状態にします。「あの店でやっていたこと」を口頭で伝えるのではなく、システムの設定としてそのまま持ち込む。
⚠️ よくある失敗:既存店の設定を「口頭マニュアル」として引き継ごうとするケース。担当者が変わると伝わり方が変わり、2号店のオペレーションが1号店とずれていくことになります。
新店立ち上げ改善 STEP 2
初日から「お客さんが自分で注文できる」環境をつくる
スタッフが習熟する前の段階でも、お客さんがモバイルオーダーからドリンクを追加注文できる状態にしておくことで、立ち上げ初期の注文取りこぼしを防ぎます。特にドリンクの追加注文は、スタッフが来なければ発生しません。この機会損失を防ぐだけで、立ち上げ期の客単価が安定します。
⚠️ よくある失敗:「モバイルオーダーを導入したが、スタッフへの説明が間に合わず、最初の2週間はほぼ使われなかった」というケース。導入と並行してスタッフへの落とし込みを設計することが必要です。
また、飲食店の人手不足対策として採用より先に整えるべきオペレーションの話でも触れていますが、採用を増やす前にオペレーションを整えることが、持続可能な店づくりの順番です。
まとめ:「ドリンクが出ない時間帯」は仕組みの問題として解ける
居酒屋でドリンクが出ない時間帯が生まれるのは、スタッフが悪いのでも、客が少ないのでもないことがほとんどです。注文機会が生まれていない、動線が設計されていない、新店のたびにゼロスタートしている——この3点が重なって、利益が取りこぼされています。
飲食店を中心に833件以上の支援をしてきた経験から言うと、ドリンクの提供遅延を「人の問題」として片付けている限り、次の店でも同じことが起きます。仕組みの問題として設計し直すと、同じ人数でも結果が変わる。それがデータで見えてくるのが、モバイルオーダー導入後の大きな変化です。
これから年末に向けて繁忙期が始まる前に、一度自店のオペレーション設計を見直してみてください。「注文点数が変わった」という声は、仕組みを変えた先にある話です。
電話でのご相談は 0543518655(有限会社繁盛店研究所)までお気軽にどうぞ。月〜金の10:00〜12:00 / 13:00〜15:00で対応しています。
「新店を出すたびにゼロから作り直している」という状況を、今の店舗の設定を複製する形で解消したい場合、システムの導入と経営設計は一体で動かす必要があります。当事務所では、モバイルオーダーなどの導入・初期設定代行から90日間の定着支援まで一括で対応しています。まず現状のオペレーション設計を見せてもらい、再現性のある仕組みになるかを一緒に確認するところから始められます。