こんにちは、ハワードジョイマンです。
たとえば、3店舗を運営する居酒屋のオーナーが、こんな悩みを抱えていたとします。
「土曜の夜に外国人のお客さんが4人で来てくれた。でも英語が話せるスタッフがシフトに入っていなくて、注文を取るのにずいぶん時間がかかってしまった」
売上は悪くなかった。でも、そのテーブルにかかった時間と労力、そして他のお客さんへの影響を考えると、「儲かった」とは言いにくい夜です。
これ、決して特別な話ではないんです。インバウンド需要が回復した今、同じような経験をしている居酒屋は少なくないはずです。問題は「英語ができるスタッフがいるかどうか」という属人的な問題に、無策のまま向き合ってしまっていることです。
今日は、「人手不足で回らない夜」によくある場面を時間帯ごとに追いながら、省人化オペレーションへの切り替え方を具体的にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- インバウンド対応が属人化してしまう構造的な原因
- 外国語メニューの作成・更新負担を仕組みで解消する方法
- 多言語モバイルオーダーへの切り替えの具体的な手順と注意点
- 省人化の先で、LINEとの連携をリピートにつなげる考え方
こんな方におすすめ
- ✅ インバウンドのお客さんへの対応に時間がかかって困っている方
- ✅ 外国語メニューを作ったものの更新が止まっている方
- ✅ 英語対応できるスタッフのシフトに左右されている方
- ✅ 省人化オペレーションに興味はあるが、どこから手を付けていいかわからない方
- ✅ 人手不足の中でインバウンド需要をきちんと取りにいきたい方

17:30 開店前 ── 「今日、英語できる子、入ってますか?」
よくあるのは、開店前、仕込みが終わりかけた厨房の横でホールスタッフのシフト表を確認しながら、オーナーがこう聞く光景です。
「今日、英語できる子、入ってますか?」
英語対応できるアルバイトが1人しかおらず、週に数日しか入れない。残りの日は「何とかなる」で回している——こうしたお店は珍しくありません。
インバウンド対応が属人化している居酒屋には、共通する構造があります。
- 外国語メニューは「作った時のまま」で価格も料理名も古い
- 翻訳ができるスタッフが1〜2人しかおらず、その人がいない日は対応が落ちる
- 注文のやり取りに時間がかかり、回転率が下がる
- 外国人客のテーブルに時間を取られ、他のお客さんへの接客が手薄になる
これは「英語が話せるスタッフを採用する」で解決する問題ではありません。採用できても、定着するとは限らない。仮に定着しても、その人が辞めればまた振り出しに戻る。根本の構造が変わっていないからです。
「英語対応できるスタッフが今日いるかどうか」で、当日のオペレーションの質が変わってしまう──この構造的な問題に、まだ具体的な手が打てていないという方は少なくないはずです。無料で受け取れる特典資料の中に、グルメポータル依存からの脱却や独自集客網の作り方など、省人化の先のリピート設計に使える情報が含まれています。メールアドレスの登録だけで、すぐに受け取れます。
19:00 ピーク前 ── 外国人4人組のテーブルが、オペレーションを止めた
英語対応スタッフがいない日に、外国人の4人グループが来店したとします。笑顔でメニューを開いたものの、日本語のメニューを見てすぐに困った顔になる。ホールの若いスタッフが必死にスマホの翻訳アプリを使いながら対応しても、注文が確定するまでにかなりの時間がかかります。
その間、隣のテーブルでは呼び出しのサインが出ている。厨房から料理が上がったまま置かれている。ドリンクの追加注文も取れていない。週末のたびにこれが起きている、というお店もあるはずです。
問題は「英語ができないこと」ではなく、「注文プロセスそのものが人手に依存していること」です。ここを変えない限り、採用を増やしても、研修を増やしても、同じことが繰り返されます。
なお、この課題は人手不足のオペレーション全般とも重なります。採用より先に整えるべきオペレーションの話でも詳しく書いていますが、「人を増やす前に仕組みを変える」という順番が、省人化の出発点です。
✓ ここまでのポイント
- インバウンド対応が属人化している店では、英語対応スタッフの有無が当日のオペレーション品質を左右する
- 注文に時間がかかると、そのテーブルだけでなく店全体の回転・接客に影響が出る
- 「採用で解決しようとする」ではなく、「注文プロセスそのものを変える」が省人化の本筋
「注文プロセスをスマホに移す」という切り替えを実際にどう進めるか、自店のオペレーションに当てはめて考えると、どこから手を付けるかで悩む方が多いです。多言語オペレーション構築とモバイルオーダー導入を一体で支援している繁盛店研究所への相談窓口では、導入前の現状確認から定着支援まで対応しています。
20:30 ピーク中 ── 「仕組みで対応する」への切り替え方
では、具体的にどう切り替えるのか。私が提案しているのは、お客さんのスマホの言語設定に応じて自動翻訳される注文画面への移行です。
仕組みはシンプルです。テーブルにQRコードを置き、お客さんが自分のスマホで読み取ると、そのスマホの言語設定(英語・中国語・韓国語など)に自動で合わせた注文画面が表示される。スタッフが翻訳する必要がない。英語ができるスタッフがいなくても、注文プロセスは回ります。
切り替えのポイント1:メニューの管理を「一元化」する
日本語メニューと英語メニューを別々に作っていると、価格改定や品切れ対応のたびに二重の手間が発生します。モバイルオーダーに切り替えると、日本語のマスターデータを1回更新するだけで、多言語の注文画面にも自動反映されます。
✅ ポイント:メニューの更新漏れが「言語ごとの二重管理」から生まれていた場合、一元管理への移行で根本から解消できます。
切り替えのポイント2:スタッフへの「説明コスト」を下げる
多言語対応が属人化するもう一つの原因は、新しいスタッフへの引き継ぎコストです。「外国人のお客さんが来たらどうする?」という対応マニュアルは言語化しにくい。でも、スマホで注文してもらうというフローに統一すれば、スタッフへの説明は「このQRコードを案内してください」の一言で済みます。
✅ ポイント:属人的な対応をシステムに置き換えることで、スタッフ教育の時間も削減できます。
切り替えのポイント3:導入の「順番」を間違えない
よくある失敗は、システムを入れることを目的化してしまうことです。まず「現状の注文フローのどこに時間がかかっているか」を特定する。次に「その部分をシステムで代替できるか」を検証する。この順番を守らないと、導入しても現場に定着しません。
✅ ポイント:「何を解決したいか」が明確でないまま導入すると、使われないまま解約になります。導入前の現状分析が省人化の成否を分けます。
「英語ができるスタッフを探し続けることに、いつまでエネルギーを使いますか。お客さんが自分のスマホで注文できる仕組みにしてしまえば、スタッフの語学力に頼らなくていい。人に依存したオペレーションは、その人が抜けた瞬間に崩れます。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
現場が変わるまでには一定の「定着期間」が必要です。システムを入れた翌日から完璧に回るわけではない。この点は事前に理解しておくことが大切です。
22:00 閉店後 ── 省人化の先にある「リピート」の話
省人化の目的は、単に「楽になること」ではありません。オペレーションの余白を作ることで、スタッフが本来やるべき「接客」に集中できるようになる。そしてその先に、リピートの仕組みが機能し始めます。
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「LINE友だちが増えて、再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」という声をいただいています。
インバウンドのお客さんは、来日のたびにリピートしてくれる可能性がある「高価値顧客」です。でも、今の属人的なオペレーションでは、そのお客さんが「また来たい」と思っても、次の来店につながる接点がない。
モバイルオーダーからLINE登録への導線を整えておくと、国籍を問わずリピートの仕組みを働かせやすくなります。スタッフが英語で声をかけなくても、注文完了後に「次回使える特典を受け取る」という動線をスマホ上で案内できるからです。
省人化は「コスト削減」で終わらせず、「売上の再来店比率を上げる仕組み」とセットで設計するのが、私がいつも強調していることです。
「省人化した分のコストを削減として計上するだけでは、半分しか活かしていない。空いた時間とスタッフの余力を、リピート導線の設計に使う。そこまで設計して、初めて省人化が『投資』になります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
私は飲食店を中心に833件以上の支援実績をもとに、こうした多言語オペレーション構築とモバイルオーダー導入を一体でサポートしています。業界経験21年の中で言えるのは、システムと経営の両方を同時に変えないと、現場には定着しないということです。
また、居酒屋にモバイルオーダーが向いているかを業態別に整理した記事も参考にしてみてください。「うちの業態でも使えるのか」という疑問に、具体的な条件で答えています。
まとめ ── 「その夜限り」の対応から、仕組みへ
目の前の夜を何とか回すことに精一杯で、構造を変えることを後回しにしてしまう。その気持ちは、よくわかります。でも「その夜限りの対応」を続けていると、英語ができるスタッフが辞めるたびに同じ穴に落ちることになります。
省人化オペレーションへの切り替えは、大がかりなリニューアルである必要はありません。「注文を取るプロセスをスマホに移す」という一点から始めるだけで、現場の風景はかなり変わります。
まずは現状のオペレーションのどこに時間が吸われているかを、一度棚卸しするところから始めてみてください。その棚卸しのお手伝いをするのが、私の仕事です。
電話でのご相談も受け付けています:054-351-8655(有限会社繁盛店研究所/平日10:00〜12:00・13:00〜15:00)
記事を読んで「うちも同じ状況だ」と感じた方は、まず現状のオペレーションを一度整理してみることをお勧めします。当事務所の導入相談窓口では、効果が見込めない店には導入を勧めないというスタンスで、現状確認から始める形で対応しています。初期設定の代行から90日間の定着支援までをセットで提供しています。