飲食店の弱点

シフトが回らない店の、当てはまったら要注意チェック

こんにちは、ハワードジョイマンです。

結論から言うと、「シフトが回らない」という問題の本質は、人手不足ではなく、仕組みの欠如です。その理由と、具体的な対処法を今日はお伝えします。

「また今週もシフトが埋まらなかった」「ピークタイムに人が足りなくて、電話すら取れない」——そういう相談が、増益繁盛クラブの会員さんから増えています。採用媒体に何万円も出しても応募が来ない。来ても定着しない。そして気づけばオーナー自身が毎週のように現場に立っている。

でも、少し立ち止まって考えてほしいのです。「人が足りない」のは本当に採用数の問題でしょうか。私が21年間で600件以上の飲食店を支援してきた経験から言うと、シフトが崩壊している店には、共通した「構造的な問題」があります。

今日はそれをチェック形式でお伝えします。いくつ当てはまるか、正直に確認してみてください。

📋 この記事でわかること

  1. シフトが回らない店に共通する7つの危険サイン
  2. 「人を増やす前提」を捨てるべき理由と、今の飲食業界の現実
  3. 人を増やさずにシフトの負荷を下げる具体的な打ち手
  4. 仕組みで解決できる課題と、経営判断で解決すべき課題の見分け方

こんな方におすすめ

  • ✅ シフトが毎週ギリギリで、オーナー自身が現場に出続けている方
  • ✅ 採用しても定着せず、また一から教えるループに疲れている方
  • ✅ 2号店を出したいのに、今の店のシフトすら安定しない方
  • ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約の取りこぼしが気になっている方
  • ✅ 「人を増やせば解決する」と思ってきたが、なかなか上手くいかない方
シフトが回らない店の、当てはまったら要注意チェック | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

チェック①:ピークタイムに電話が取れていますか?

チェックポイント1:電話の不応答率を把握しているか

「ランチのピークに電話が鳴っても、手が離せなくて取れないことがある」——これ、当たり前のこととして流していませんか。

飲食店の平均電話不応答率は約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。つまり、10件かかってくる電話のうち2件は取れていない。しかも多くのオーナーは、その件数を正確に把握していません。

月間の入電数 × 不応答率 × 予約電話の割合 × 平均グループサイズ × 客単価——この計算をしたことがあるオーナーは、ほとんどいません。でも試算してみると、毎月数万円から数十万円の機会損失が出ていることも珍しくないのです。

✅ ポイント:「取れなかった電話」は記録に残りません。だからこそ意識的に計測する仕組みが必要です。まず自店の不応答率を調べることから始めてください。

チェックポイント2:「電話番」のためにスタッフが動けなくなっていないか

電話が鳴るたびにホールスタッフが手を止める。客席の対応が途切れる。これはシフトの問題ではなく、業務設計の問題です。

✅ ポイント:予約電話・確認・キャンセル対応をスタッフが担っている限り、ピークタイムの負荷は下がりません。この業務を仕組みに置き換えることで、シフトの実質的な余裕が生まれます。

チェック②:「属人化」していませんか?

チェックポイント3:常連客の情報が自分の頭の中にしかない

「あのお客様はアレルギーがある」「この方はいつも奥のテーブルを好まれる」——この情報、誰かに引き継げますか?

属人化した接客は、オーナーが現場に立っている間は機能します。でも休んだ瞬間に品質が落ちる。スタッフは「自分には無理だ」と感じて離職するか、萎縮して動けなくなる。

✅ ポイント:顧客情報を「記憶」から「記録」に移すことが、スタッフが自信を持って動ける環境の第一歩です。来店履歴・好み・アレルギーを台帳に蓄積していくだけで、現場の属人依存度は大きく下がります。

チェックポイント4:配席のルールが「なんとなく」になっている

「どのテーブルに誰を案内するか」——これ、スタッフ全員が同じ判断できますか?ベテランスタッフは感覚でできる。でも新人は毎回オーナーや先輩の顔を見て確認する。

✅ ポイント:配席のルールが言語化されていないと、新人の独り立ちが遅れます。「勘」をルールに翻訳することが、スタッフの育成スピードを上げる最速の方法です。

「任せたつもりがいつも自分に戻ってくる——それは信頼の問題ではなく、判断基準が明文化されていないからです。基準がなければ、どんなに優秀なスタッフでも動けません。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

✓ ここまでのポイント

  • 電話不応答はシフト不足ではなく業務設計の問題。まず自店の不応答率を計測すること。
  • 属人化した接客・配席ルールが、スタッフの育ちを遅らせてシフト崩壊の温床になっている。
  • 「人を増やせば解決する」という前提を一度疑うことが、構造的な改善の出発点になる。

チェック③:採用・定着の前提が崩れていませんか?

チェックポイント5:「人を増やして出店する」という計画になっていないか

2026年4月13日、政府は外食業分野での特定技能1号の受け入れを原則停止すると発表しました。これは「人を採って増やす」という従来の外食業の方程式が、制度的にも崩れ始めていることを意味しています。

採用難は一時的な景気の問題ではなく、構造的・制度的な変化です。この現実を出発点に置かないと、出店計画も人員計画も砂の上に建てたものになります。

✅ ポイント:「人が揃ったら出店する」から「今の人数で回せる仕組みを作ってから出店する」へ、発想の順番を逆にしてください。

チェックポイント6:スタッフが「なぜ離職したか」を分析したことがあるか

「また辞めてしまった」で終わっていませんか。離職理由を拾えていない店は、同じ理由で同じように人が抜けていきます。シフトが足りない→残ったスタッフに負荷が集中→また辞める、という連鎖が止まりません。

✅ ポイント:退職者に話を聞くのが難しければ、在職者のヒアリングから始めてください。「どこが一番きついか」を聞いて、その一点だけでも仕組みで改善できると、定着率は変わります。

チェック④:情報が「見える化」されていますか?

チェックポイント7:各店の状況を、リアルタイムで把握できているか

2号店・3号店を持っているオーナーに多いのが、「店長の報告でしか状況がわからない」という状態です。数字が事後的にしか届かないと、打ち手は常に遅れる。人員の過不足も、売上の動きも、後追いになります。

✅ ポイント:各店の予約状況・空席・混み具合がスマートフォンから確認できる状態を作ることで、オーナーは必要な時だけ介入する経営に移行できます。

「シフトが回らない、の本当の意味は『現場の情報が見えていない』ことが多い。見えていれば、対処できる。見えていないから、毎回ギリギリで動くことになる。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

「人を増やさずに解決する」という発想への転換

ここまで7つのチェックポイントを見てきました。いくつ当てはまりましたか。

3つ以上当てはまった方は、採用より先に「仕組みの整備」が急務です。

❌ よくあるパターン:「人が足りない → 採用する → 教育コストがかかる → また辞める」

  • 採用費がかかり続ける
  • 育成の負荷がベテランに集中する
  • 属人化が解消されないまま人数だけが増える

✅ 推奨アプローチ:「電話・配席・顧客管理を仕組みに置き換える → スタッフの実質負荷が下がる → 今いる人数で回せる状態を作ってから、出店・採用を検討する」

  • 取りこぼしていた予約を拾えるようになる
  • スタッフが目の前のお客様に集中できる
  • 新人でもルールに沿って動けるようになり、育成が早まる

増益繁盛クラブの会員さんの中には、こうした仕組みの整備から始めて、リピート率が38%から71%に改善した方もいます。また月商350万円から620万円へ伸びた事例も出ています。人を増やしたわけではなく、今いるスタッフが本来の接客に集中できる環境を作った結果です。

「月商350万円から620万円になりました。スタッフが動きやすくなったことで、お客様への対応が変わったと思います」

飲食店経営者(40代・男性)

まとめ:シフトを「採用で解決しようとする店」が先に潰れる

シフトが回らない本当の原因は、多くの場合、電話・配席・情報管理の属人化と、仕組みの欠如にあります。採用に投資する前に、今ある業務の中で「仕組みに置き換えられるもの」を一つずつ特定することが先決です。

電話不応答による機会損失がいくらか、自社の予約導線がきちんと機能しているか——こうした現状を数字で把握することが、次の打ち手の精度を上げます。

当事務所では、予約と集客の現状を無料で診断するメニューを用意しています。「うちのシフトの問題が採用なのか仕組みなのか、整理して考えたい」という方は、まずお気軽にご相談ください。

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