「今日は新人が配席を担当したら、クレームが来てしまった」——そんな経験、一度や二度ではないオーナーさん、いませんか?
こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、飲食店経営者の利益改善を専門に支援して21年になります。
配席って、地味に見えて、じつはお店の売上と満足度を左右する重要な業務なんです。ベテランのオーナーや店長は「感覚でわかる」と言う。でも、その感覚が言語化されていないと、新人には絶対に再現できない。そして1号店では回せても、2号店・3号店では確実に破綻します。
この記事では、「オーナーの頭の中にしかない配席の勘」をルールとして言語化し、新人スタッフでも同じ判断ができる仕組みの作り方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- なぜ配席が「属人化」してしまうのか、その構造的な原因
- 新人でも再現できる配席ルールの具体的な作り方と手順
- 配席の仕組み化が多店舗展開の成否を分ける理由
- 配席をシステムに落とし込んで、オーナーが現場から離れられるようになる方法
こんな方におすすめ
- ✅ 配席を自分や特定のスタッフに頼りっぱなしで不安を感じているオーナー
- ✅ 2号店・3号店を考えているが、1号店と同じ接客品質を保てるか心配な方
- ✅ 新人が配席を担当するとクレームや機会損失が出てしまうと感じている方
- ✅ 店長に現場を任せたいが、配席だけは自分が入らないと不安という方
- ✅ 採用が難しい中で、少ない人数で高いサービス品質を維持したい方

「配席の勘」は才能ではなく、言語化できていないルールの塊
ベテランのオーナーや店長が無意識にやっている配席判断を、少し分解してみましょう。
「2人組のカップルは窓際へ」「大人数の宴会グループは奥の個室へ」「常連のAさんはいつもカウンターの端の席を好む」——こういった判断、毎日何十回と繰り返していませんか?
じつはこれ、ランダムに行われているわけじゃない。「客層」「人数」「来店目的」「席の特性」「当日の予約状況と残り在庫」——この5つの変数を瞬時に組み合わせて、最適解を出しているんです。
問題は、それを「勘」と呼んでしまっていること。勘は教えられない。でも、ルールにすれば教えられる。
「才能はコピーできない。でも、ルールはコピーできる。1号店が成功したのは、オーナーの才能だけじゃなくて、その才能を支えていた判断の積み重ねがあったからです。それを言葉に落とすことが、再現性の第一歩です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
配席が属人化してしまう、3つの構造的な原因
「新人が配席を間違える」という問題、原因は新人の能力不足ではありません。仕組みの側に問題があります。
チェックポイント①:配席の優先順位が明文化されていない
「満席に近い状況で2人組と4人組が同時に来た。4名テーブルに2人組を通すべきか?」——この判断、あなたのお店では誰が、どんな基準で決めますか?
多くのお店では「その場の感覚」で決めている。感覚は個人によってバラバラになります。
✅ ポイント:「4名テーブルに2名を通せるのは、残り予約が〇席以下の場合のみ」のように、条件付きのルールとして明文化することで、新人でも同じ判断ができるようになります。
チェックポイント②:顧客の好みや来店履歴が共有されていない
常連客のAさんが来るたびに「いつもの席へどうぞ」と案内できるのは、それを知っているスタッフがいるからです。担当が変わった日、その情報は消えます。
✅ ポイント:来店履歴・好みの席・アレルギー情報を顧客台帳に蓄積し、電話や予約受付の時点で参照できる状態にすることで、新人スタッフでも同じおもてなしが実現します。
チェックポイント③:予約状況と席在庫がリアルタイムで見えていない
「あと何席空いているか」が一目でわからない状態では、配席の判断を正確にすることは不可能です。紙の台帳や口頭確認では、情報に必ずタイムラグが生まれます。
✅ ポイント:予約状況をリアルタイムで可視化できれば、経験の浅いスタッフでも「今、どの席にどのグループを通せるか」を正確に判断できるようになります。
✓ ここまでのポイント
- 配席の「勘」は才能ではなく、言語化できていないルールの集まり
- 配席が属人化する原因は「優先順位の未明文化」「顧客情報の非共有」「席在庫の非可視化」の3つ
- これらは仕組みで解決できる課題であり、新人でも再現できるようになる
新人でも同じ判断ができる、配席ルールの作り方
では具体的に、どう作るか。順を追って説明します。
配席ルール化 STEP 1
自分が無意識にやっている判断を、声に出して書き出す
まず1週間、配席のたびに「なぜその席にしたか」を口に出して言ってみてください。「カップルだから静かな窓際」「予約が3時間後まで空いているから奥の個室で」——この言語化作業が、ルール化の素材になります。
⚠️ よくある失敗:「忙しくて書き出す時間がない」と後回しにしてしまうこと。5秒で言えることを録音アプリで残すだけでもOKです。完璧なメモより、荒削りでも素材が揃うことを優先してください。
配席ルール化 STEP 2
「客層×人数×来店目的」の3軸で、パターンを分類する
書き出した判断を並べると、似たパターンが見えてきます。「カップル×2名×デート目的→窓際・半個室優先」「ファミリー×4名以上→子ども椅子設置可能なテーブル優先」「ビジネス×2〜4名→比較的静かなゾーン優先」——こういった形で整理します。
⚠️ よくある失敗:細かく分けすぎて、スタッフが覚えられないルールになること。パターンは最大10〜12種類を目安に絞り込みましょう。
配席ルール化 STEP 3
「例外ルール」と「優先順位」を明記する
ルールを作っても、例外が出た瞬間に現場は止まります。だから「このルールが適用できない場合は〇〇を優先する」という上位ルールを必ず加えてください。たとえば「窓際が満席の場合は、カップルでも中央テーブルへ案内し、仕切りがあるかどうかを案内時に説明する」など。
⚠️ よくある失敗:例外ルールを口頭でしか伝えないこと。新人は「例外の存在」を知らなければ、例外に気づけません。
「増益繁盛クラブの会員さんの中には、配席ルールを1枚のチェックシートにまとめてホールに貼り出したことで、新人が初日からクレームゼロになった、というお店もあります。大事なのは完璧さより、スタッフが迷わないこと」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
配席の仕組み化が、2号店・3号店の成否を分ける
❌ よくあるパターン:「同じことをやっているはずなのに、2号店が伸びない」
- 1号店の成功はオーナーが現場にいたから成立していた
- 配席・顧客対応・予約管理がすべてオーナーの頭の中にある
- 2号店のスタッフに「同じことをやれ」と言っても、何が「同じこと」なのかわからない
✅ 推奨アプローチ:配席ルール・顧客台帳・予約管理を仕組みに落とし込んでから出店する
- ルールが明文化されているから、新店スタッフでも同じ接客品質を再現できる
- 顧客情報が台帳に蓄積されているから、常連対応がスタッフ間で共有できる
- 予約状況がリアルタイムで見えるから、本部からスマートフォン1台で各店を把握できる
支援実績610件以上の飲食店を見てきて思うのは、2号店が失敗する理由のほとんどが立地でも業態でもなく、「1号店の勝ちパターンが言語化されていなかった」ことにある、ということです。
「月商350万円から620万円へと成長したお客様のケースでも、最初の一手は売上を増やすことではありませんでした。まず、自分のお店が何で勝っているのかを言葉にすること。それが全部の始まりでした」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
「配席ルールをシステムに登録したことで、ホールスタッフが変わっても同じ案内ができるようになりました。新人を入れるのが怖くなくなった、というのが正直な感想です」
飲食店オーナー(30代・男性)
「配席のコツ」よりも先に整えるべきこと
配席のルール化は、じつはそれ単体で完結する話ではありません。ルールが機能するためには、前提として「今の予約状況がリアルタイムで見える状態」が必要です。
たとえば、配席ルールで「4名テーブルへの2名案内は予約残数〇以下の場合のみ」と決めても、その「予約残数」が正確にわからなければ、ルールは使えません。紙の台帳でグルメサイトごとに在庫を分割管理している状態では、全体の空き状況が把握できないのが現実です。
私が飲食店向け予約管理システム「ebica」の正規代理店として支援している理由のひとつも、ここにあります。在庫を一元管理し、配席ルールを登録すれば、新人スタッフでも今日の空席状況と優先すべき席の組み合わせを、画面を見ながら判断できるようになる。オーナーはスマートフォンで各店の状況を確認し、必要な時だけ介入できるようになる。
「店長に任せたいけど、任せきれない」という声を本当によく聞きます。多くの場合、その原因は店長の能力ではなく、判断の基準と情報が渡っていないことです。
まとめ:配席は「感覚」から「仕組み」に変換できる
配席の「勘」は、才能でも経験年数でもなく、言語化できていないルールの積み重ねです。それを言葉に落とし、顧客情報と予約状況をリアルタイムで共有できる環境を作れば、新人スタッフでも同じ判断ができるようになります。
そしてそれは、2号店・3号店への展開を考えているオーナーにとっては、出店前に必ず整えておくべき土台でもあります。
「うちの配席、ちゃんとルール化できているか?」「グルメサイトへの依存や電話取りこぼしも含めて、予約まわりの仕組みを一度見直したい」——そう感じた方は、まずお気軽にご相談ください。現状の予約・集客の構造を一緒に確認するところから始められます。
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