こんにちは、ハワードジョイマンです。
突然ですが、ひとつ数字をお伝えします。
飲食店における電話の平均不応答率は、約20%です。つまり10件かかってきた電話のうち、2件は誰も出ていない。株式会社エビソルの「ebica」予約データ(利用店舗100店平均)が示したこの数字を、初めて聞いたオーナーのほとんどは「そんなに多いのか」と驚かれます。
では、その不応答の多くはいつ起きているのか。ピークタイム——つまり厨房もホールも全員が手一杯の時間帯です。「人が足りないから電話が取れない」と多くの方は言います。でも本当にそうでしょうか。人を増やせば、この問題は解決するのでしょうか。
今回の記事では、私が21年のコンサルティング経験の中で見てきた「採用以外の人手不足対策」を、3つの選択肢として整理してお伝えします。採用活動に疲弊しているオーナーの方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
こんな方におすすめ
- ✅ 求人を出しても応募が来ず、採用活動に疲れているオーナー
- ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃している実感がある方
- ✅ 人手不足を理由に、出店計画や営業時間の見直しを迫られている方
- ✅ スタッフを増やさずに売上・利益を改善したいと考えている経営者
- ✅ 2026年以降の外食業界の人材環境の変化に備えたい方
📋 この記事でわかること
- 「採用で解決しようとすること」の構造的な限界
- 電話・予約・配席という「業務の仕組み化」で取りこぼしを減らす方法
- 人を増やさずに店を増やすための考え方と具体的な入口

「採用すれば解決する」という前提が、すでに崩れている
先日、福岡で焼肉店を3店舗展開されているオーナーの方と話す機会がありました。「ジョイマンさん、正直なところ求人に使ったお金を計算したら、この1年で相当な額になっていました」とおっしゃっていた。採用コストを積み上げてみたら、広告費より大きかった——そういう話は、増益繁盛クラブの会員さんの中にも珍しくありません。
さらに、2026年4月13日から政府は外食業分野での特定技能1号の受け入れを原則停止する方針を発表しています。これまで「外国人スタッフに頼る」という選択肢を持っていた店舗も、この流れには影響を受けます。
つまり「人を採れば問題が解決する」という方程式は、すでに成立しにくくなっています。ではどうするか。私が提案するのは、「人を前提にしない店のつくり方」です。
「採用活動を否定しているわけではありません。ただ、人が来ない前提で仕組みを整えることと、採用活動を続けることは、同時にできる。順番を間違えなければいいんです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
選択肢①:「電話対応」を仕組みに置き換える
最初に手をつけるべきは、電話です。
先ほどの不応答率20%という数字、あなたの店ではどうでしょうか。月間の入電数が100件だとして、そのうち20件が繋がっていない。予約電話の割合が70%なら14件、1グループ平均3名、客単価3,000円とすると——月間の機会損失額は約12万6,000円になります。年間では150万円超です。
この計算をしたことのあるオーナーは、ほとんどいません。「忙しい時間帯だから仕方ない」と思っていたことが、実は毎月かなりの金額を逃していたと気づく瞬間です。
チェックポイント1:自店の電話不応答率を把握しているか
月に何件電話がかかってきて、何件に出られていないかを数字で把握していますか。感覚ではなく、データで確認することが最初の一歩です。
✅ ポイント:不応答数が分からない場合は、まず計測できる仕組みを整えることが先決。「取れていない前提」で対策を考えることで、機会損失の全体像が見えてきます。
解決策として有効なのが、AIが電話を自動応対する仕組みです。当日・直前の予約受付、翌日以降の予約、キャンセル対応まで対応し、遅刻連絡やイレギュラーな問い合わせのみ店舗に転送する。スタッフが目の前のお客様に集中できる状態を、採用なしで実現できます。
予約管理システム「ebica」のAIレセプション機能は、この仕組みを低いハードルで導入できるサービスです。
選択肢②:「予約・配席の管理」をルール化・自動化する
次に手をつけるべきは、予約と配席の管理です。
多くの店では、配席の判断はベテランスタッフかオーナー自身がやっています。経験と勘で「この時間帯にこのテーブルを空けておく」と判断している。でも、その勘は言語化されていないから、新しいスタッフには伝わりません。
ここでよく起きる問題を整理しましょう。
❌ よくあるパターン:ベテラン頼りの配席管理
- 配席の基準が属人化しており、新人スタッフが判断できない
- 「とりあえず先輩に聞く」が常態化し、ベテランが常に呼ばれる
- オーナーが不在の日に配席ミスが起き、翌日報告を受けて初めて知る
✅ 推奨アプローチ:配席ルールをシステムに登録する
- 「4人以上はこのテーブル」「アレルギーありの予約はこのポジション」などのルールをあらかじめ登録
- 新人スタッフでもシステムの指示通りに動けるため、判断ミスが減る
- オーナーはスマートフォンで各店の予約状況をリアルタイムで確認でき、必要な時だけ介入できる
これは「人を信頼しない」のではなく、「人に頼りすぎない仕組みをつくる」ということです。スタッフが動きやすい環境を整えることが、結果として定着率の改善にもつながります。
✓ ここまでのポイント
- 電話の不応答率20%は「仕方ない」ではなく、毎月金額で換算できる機会損失
- 配席・予約管理の属人化を解消することで、採用に依存しない運営体制が作れる
「月商350万円が620万円になった会員さんも、最初から売上アップを狙ったわけじゃないんです。取りこぼしをなくして、ようやく自分の力が数字に反映されるようになった——そういう変化でした」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
選択肢③:「グルメサイト依存」を見直して、管理コストを圧縮する
3つ目の選択肢は、少し視野を広げた話です。
人手不足の原因のひとつに、「管理業務が増えすぎていること」があります。食べログ・ホットペッパー・ぐるなびと複数のグルメサイトを掲載していれば、それぞれの在庫管理・予約確認・返信対応が発生します。これは、スタッフの時間を静かに蝕んでいる作業です。
チェックポイント2:複数サイトの管理に費やしている時間を把握しているか
「なんとなく毎日やっている作業」に、1日何分かかっているか。スタッフの時間コストに換算したことはありますか。
✅ ポイント:在庫を一元管理するシステムを導入すれば、複数サイトへの手動入力は不要になります。管理の手間が減れば、その時間をお客様対応に充てられます。
チェックポイント3:自社集客率を月次で追えているか
予約全体に占める「自社経由の予約(ホームページ・Google・LINE)」の比率を把握していますか。
✅ ポイント:自社集客率を指標として設定し、月次で追い始めることが、グルメサイト依存からの出口を作る最初のステップです。媒体を「切る」判断も、この数字があれば根拠を持ってできます。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、ebicaとMEO対策を組み合わせることで自社集客率37%を達成し、広告費を大幅に削減できたケースもあります。
「人を前提にしない」——3つの選択肢をつなぐ考え方
ここで改めて、3つの選択肢を整理します。
飲食店の人手不足対策 STEP 1
電話対応の自動化:「取りこぼし」をゼロに近づける
AIレセプションで電話不応答をなくし、採用しなくても予約を取れる状態をつくる。まず自店の不応答率と機会損失額を試算することから始めましょう。
⚠️ よくある失敗:「うちはそんなに不応答はないはず」と感覚で判断して対策を後回しにしてしまうこと。実測してみると想定より多い、というケースが大半です。
飲食店の人手不足対策 STEP 2
予約・配席のルール化:属人化した判断を仕組みに変える
オーナーやベテランスタッフの「勘」をルールとして言語化し、システムに登録する。これにより、新人でも同じ水準のオペレーションができるようになる。
⚠️ よくある失敗:「うちはお客様によって対応が違うから、ルール化できない」と思い込むこと。汎用ルールを整えるだけで、例外対応の頻度は大幅に減ります。
飲食店の人手不足対策 STEP 3
グルメサイト管理の一元化:間接業務のコストを削る
複数サイトの在庫を一括管理し、手動更新の工数を削減する。浮いた時間とコストを、接客・料理・採用に再投資する。
⚠️ よくある失敗:サイトを「全部続ける」前提で管理ツールを入れること。一元化はあくまでも「どの媒体が本当に機能しているかを測るため」の手段として使うのが正しい順序です。
「月商300万円の飲食店が、年商2億5,000万円規模へ成長できたのは、売上を追いかけたからではありません。取りこぼしをなくし、仕組みを整え、利益の出る体制をひとつずつ作っていったからです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
「最初は半信半疑でしたが、電話の自動応対を導入してから、ホールスタッフがお客様に集中できるようになりました。リピート率も気づいたら上がっていて、今は38%から71%になっています」
飲食店オーナー(40代・男性)
まとめ:採用の前に、「取りこぼしをなくす」から始める
人手不足に悩む飲食店オーナーのほとんどは、「もっと人がいれば」と考えます。その気持ちはよく分かります。でも、採用に先立って整えるべき仕組みが、まだ手つかずのままになっていることが多い。
電話不応答率20%を放置したまま新しいスタッフを採用するより、その20%を拾える仕組みを先につくる方が、確実に利益に直結します。
静岡市清水区を拠点に、飲食店610件以上の支援をしてきた私が一貫してお伝えしてきたのは、「がんばらない経営」という考え方です。人を増やすことに全力を注ぐのではなく、今ある力が最大限に発揮できる仕組みを整える。その結果として、利益が残り、出店もできるようになる。
もし「自分の店が今どこを取りこぼしているか」が気になった方は、まず現状を数字で把握するところから始めてみてください。当研究所では、予約と集客の現状診断を無料でお受けしています。どの媒体に依存しているか、電話不応答でどれだけ損失が出ているか、自社集客率はどの水準か——4つの指標でご自身の店を客観的に見る機会にしていただければと思います。
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