こんにちは、ハワードジョイマンです。
6月に入ってから、静岡は一気に蒸し暑くなってきました。サウナ好きとしては「外がサウナだな」と思えるくらいなら良いのですが、さすがに真夏日になるとランニングシューズを履く気が失せます。それでも朝5時台に走り出すと、まだ涼しい空気の中で頭が整理されていくので、やめられない。今日もその流れでこの記事を書いています。
今回お話したいのは、「2号店のスタッフが集まらない」という壁についてです。
ここ最近、増益繁盛クラブの会員さんや新規のご相談者から、まったく同じ悩みを続けて聞いています。「求人を出しても応募が来ない。だから出店を止めているんですが、どうすれば良いですか」という問いかけです。
この問いには、前提そのものを疑うところから始める必要があります。今日はわたしのある一日の仕事の流れを通じて、その考え方をお伝えしていきます。
📋 この記事でわかること
- 「人が集まるまで待つ」という発想が、なぜ今は通用しないのか
- 出店計画を「採用前提」から「仕組み前提」に組み直す具体的な手順
- 2号店で1号店の成功を再現するために、出店前に何を言語化すべきか
- 人手不足の環境下でも動ける状態をつくるための実践的なアプローチ
こんな方におすすめ
- ✅ 2号店・3号店を考えているが、スタッフ採用がネックになっている方
- ✅ 求人を出しても応募が集まらず、出店計画が止まっているオーナー
- ✅ 1号店の成功を2号店で再現できるか不安を抱えている方
- ✅ 人を増やさずに売上・利益を伸ばす方法を知りたい方
- ✅ 多店舗展開を「仕組み」で実現したいと考えている経営者

朝5時台のランニング中に浮かんだ、ある問いかけ
今朝も静岡・清水のいつものコースを走っていました。巴川沿いを抜けて折り返してくる約8キロ。この時間帯に考えていたのは、前日の夜にいただいたあるオーナーからのメッセージです。
「スタッフが集まりません。2号店の計画を白紙に戻すしかないかもしれません」
正直に言います。このメッセージを見た瞬間、「計画を止めるのは待ってください」と返したくなりました。ただ、走りながら考えてみると、問題はもっと根っこにあると気づいた。
「スタッフが採れたら出店する」という前提自体が、もう成立しにくい時代になっている。それなのに、多くのオーナーがまだその前提で出店計画を立てている。
走り終えてシャワーを浴びながら、今日一番最初にやるべき仕事が決まりました。この問いに、ちゃんと答えを出すこと。
午前中:「人を採ってから出店する」という方程式が壊れている現実
事務所に着いて最初にするのは、コーヒーを淹れながらその日のメールとメルマガの反響を確認することです。メールマガジンの読者は現在17,800人超。毎朝、何かしらの返信やご相談が届いています。
今日のメールの中にも、スタッフ採用に関する悩みが複数ありました。居酒屋オーナー、焼肉店のオーナー、うどん店の経営者。業種はバラバラでも、悩みの構造は同じです。
ここで少し、現実のデータを見てみましょう。
政府は外食業分野での特定技能1号の受け入れを、2026年4月13日から原則停止すると発表しています。「外国人スタッフで補う」という選択肢も、じわじわと狭まっています。構造的な人手不足は、一時的な話ではない。
にもかかわらず、多くの出店計画は「〇人採れたら開店する」というスケジュールで組まれています。採用が遅れれば計画が遅れ、計画が遅れれば機会を逃す。その繰り返しです。
「人を増やしてから動く、ではなく、人が少なくても動ける状態を先に作る。その順番を変えるだけで、出店計画の景色はがらりと変わります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
午前中のコンサルティング業務では、この話を軸に出店計画の見直しを一緒に行います。今日は実際に、ある焼肉店オーナーとオンライン面談がありました。
昼:焼肉店オーナーとのオンライン面談から見えてきたこと
そのオーナーは、1号店を月商520万円まで育てた実力者です。2号店の物件も決まっていた。ところが、採用活動を始めてから半年近く経っても、ホールスタッフが2名しか確保できていない。
「このままだと契約を解除しないといけないかもしれない」と、かなり追い詰められた様子でした。
わたしが最初に聞いたのは、「今の1号店は、1日に何件の予約電話を取りこぼしていますか?」という質問です。
「……正直、分かりません」という答えでした。
これは珍しいことではありません。飲食店の平均電話不応答率は約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」の予約データ、利用店舗100店平均)。10件かかってきたら2件は出られていない。しかしほとんどのオーナーは、その実数を把握していない。
次に聞いたのは「自社ホームページやGoogleから、直接予約が入っていますか?」です。答えは「ほとんど入ってこない」でした。食べログとホットペッパーがほぼすべて。
ここで問題の構造が見えてきます。
❌ よくある出店計画の組み方
- 採用が揃ってから物件を探す、あるいは物件が決まってから採用を急ぐ
- 1号店の集客はグルメサイト任せのまま、2号店も同じ構造で出そうとする
- 人が足りないからオーナーが現場に入り、経営判断の時間が削られる
- 採用コスト・手数料・広告費が膨らみ続け、利益が残らない
✅ 仕組みを先に整えた出店計画の組み方
- 電話対応・予約管理・配席をシステムに置き換え、少ない人数で回せる状態を先に作る
- 1号店の自社集客率を高め、グルメサイト手数料が利益を圧迫しない構造に変える
- 顧客情報・配席ルール・接客の基準を言語化し、2号店スタッフがゼロから学べる形にする
- オーナーがスマートフォンから各店の状況をリアルタイムで把握できるようにする
✓ ここまでのポイント
- 「スタッフが採れたら出店する」という前提は、構造的な人手不足の時代にはすでに機能しにくくなっている
- 1号店で電話不応答・グルメサイト依存・自社集客の弱さを放置したまま2号店を出すと、問題が複製される
- 出店の前にやるべきことは、採用の強化より「少人数で回せる仕組みを先に作ること」
午後:出店計画を「仕組み前提」で組み直す、4つのステップ
面談の後半では、具体的な組み直しの手順を話し合いました。わたしが普段お伝えしているのは、以下のような流れです。
出店計画の組み直し STEP 1
1号店の「取りこぼし」を金額で把握する
まず、今の1号店で毎月いくら逃しているかを数字にします。電話不応答率・グルメサイト手数料・自社集客率の3つを計測するだけで、現状のロスが可視化されます。「まだまだ1号店に余白がある」と気づくオーナーが多い。
⚠️ よくある失敗:「うちは大丈夫」と感覚で判断し、数字を計測しないまま2号店に進む。問題が2倍になって発覚する。
出店計画の組み直し STEP 2
電話対応・予約管理をシステムに置き換える
AIが当日予約・翌日以降の予約・確認・キャンセルまで対応し、遅刻連絡などの個別対応のみ店舗に転送する仕組みがあります。ピークタイムに電話番がいなくても、予約が取れる状態になる。これは採用の代替ではなく、「少ない人数で高いサービスを維持する」ための土台です。
⚠️ よくある失敗:「うちはお客様との直接のやり取りを大事にしているので」とシステムを敬遠し、不応答のまま放置する。感情論と機会損失を混同しないことが重要。
出店計画の組み直し STEP 3
1号店の「勝ちパターン」を言語化する
2号店が伸びない一番の理由は、立地でも競合でもありません。1号店の成功要因がオーナーの頭の中にしかなく、スタッフが再現できないことです。配席の判断基準、常連客の好みやアレルギー、繁忙時のオペレーション——これを言語化してシステムに落とし込むことで、初めて「持ち出せる」ようになります。
⚠️ よくある失敗:「自分がいれば何とかなる」と2号店でもオーナーが現場に入り続け、結局どちらも中途半端になる。
出店計画の組み直し STEP 4
「何人採れたら開店」ではなく「何の仕組みが整ったら開店」に判断基準を変える
採用は引き続き進めて構いません。ただし開店の判断基準を、人数ではなく仕組みの完成度に置く。電話対応・予約管理・配席ルール・顧客台帳が整った状態で開店すれば、スタッフが少なくても回りやすくなります。そして回りやすい店には、自然と人が集まりやすくもなる。
⚠️ よくある失敗:仕組みを整える前に採用人数だけで見切り発車する。スタッフが疲弊して早期離職、また採用コストがかかるという悪循環に入る。
「2号店がうまくいかない原因のほとんどは、立地でも景気でもない。オーナー自身の才能や判断を、仕組みとして翻訳できていないことです。才能はコピーできないが、仕組みはコピーできる。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
夕方:会員さんの変化を聞いて、改めて思うこと
午後の後半は、増益繁盛クラブの会員さんからのレポートに目を通す時間にしています。今日届いたレポートの中に、嬉しい報告がありました。
「グルメサイトに頼り切っていたころは、月商350万円で手元に残るお金がほとんどなかった。自社集客の仕組みを整えてから月商620万円になり、何より利益の感覚が全然違います。」
飲食店オーナー(40代・男性)
この方も、最初は「集客媒体を切ったら客が来なくなる」という恐怖を抱えていました。ただ、先に受け皿を作ってから、数字を見ながら媒体を整理していった。恐怖は、数字で上書きできます。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円からスタートして年商2億5,000万円規模へと成長した方もいます。一足飛びに大きくなったのではなく、仕組みを一つひとつ整えながら、着実に積み上げてきた結果です。
まとめ:スタッフが集まらないときこそ、計画を「止める」のではなく「組み直す」
走りながら考えていた問いへの答えが、今日一日の仕事を通じてまとまりました。
2号店のスタッフが集まらないとき、多くのオーナーは「採用ができるまで待つ」か「計画を諦める」の二択で考えます。でも、もう一つの選択肢があります。
「人を増やさずに動ける状態を先に作って、それから出店する」という順番に変えること。
仕組みが整った店は、少ない人数でも回りやすい。回りやすい店にはスタッフも定着しやすく、口コミも広がりやすい。結果として、採用にも良い影響が出てくる。
今日、焼肉店のオーナーには「2号店の計画を白紙にする前に、1号店の現状診断を一緒にやりましょう」と伝えました。そこから見えてきたものを基に、計画を組み直すのが次のステップです。
もし今、同じような壁にぶつかっているオーナーがいれば、まずは現状を数字で見ることから始めてみてください。わたしたちが提供している無料の現状診断では、グルメサイト依存度・電話不応答率・自社集客率などを可視化し、「どこから手をつければ利益が伸びるか」を一緒に整理します。
出店の判断は、感覚ではなく数字で。それが、後悔のない多店舗展開への第一歩だと思っています。
気軽にご相談ください。お待ちしています。