こんにちは、ハワードジョイマンです。
「新規集客にお金をかけているのに、売上が積み上がらない」「グルメサイトの掲載料が毎月引き落とされるけど、正直なところ費用対効果が見えていない」——こういう話、本当によく聞きます。
しかも、来月も同じように広告を出し続けないと怖くなってくる。気づけばグルメサイトへの掲載料が固定費になっている。これ、静岡のお店だろうが北海道のお店だろうが、規模を問わずあちこちで起きていることです。
新規客を追いかけ続ける経営から抜け出して、常連さんに支えられる店にしたい。そう思っているなら、まず最初に測るべき数字があります。それが「再来店率」です。
📋 この記事でわかること
- 再来店率の定義と、なぜ飲食店経営で最優先されるKPIなのか
- グルメサイト依存が経営体力を削り続けるメカニズム
- 来店を「会員化」する仕組みの具体的なつくり方
- 再来店率を改善した店舗の実例と、最初に踏む一歩
こんな方におすすめ
- ✅ グルメサイトの掲載料が毎月かかっているが、効果を測れていない方
- ✅ 新規集客は頑張っているのに売上が積み上がらないと感じている方
- ✅ 常連客を増やして安定した経営基盤をつくりたい方
- ✅ 再来店率という言葉は聞いたことがあるが、どう測ればいいか分からない方
- ✅ 来店客データの活用(CRM)に興味があるが何から始めていいか迷っている方

再来店率とは何か?
再来店率とは、ある期間内に来店した新規客のうち、一定期間以内に2回目以降の来店をした割合のことです。たとえば、ある月に初来店した100人のうち、翌月末までに再び来店した人が38人なら、再来店率は38%になります。
「そんな数字、うちでは測っていない」という声が返ってくることが多いのですが、そこが問題の核心です。測っていないということは、打ち手を考える根拠がないということ。感覚で「最近リピーターが減ってきた気がする」と言っても、どの層が離れているのか、いつ離れたのかが分からない。
結果として、とりあえず新規集客に予算を投じる——という行動を繰り返すことになります。
再来店率は、いわば「お店が来店客にどれだけ選ばれ続けているか」を示すバロメーターです。売上高や客数よりも先に、この数字を把握することが、安定経営への入り口になります。
なぜ再来店率を最初に測るべきなのか?
結論から言うと、新規客を1人獲得するコストは、既存客に再来店してもらうコストの5倍以上かかると言われているからです(いわゆる「1:5の法則」)。
グルメサイトに月額数万円を払い続けて新規客を呼んでも、そのお客さまが2回目に来てくれなければ、永遠に同じ出費が続きます。しかも、グルメサイトから来たお客さまは「サイトのファン」であって「お店のファン」になっているとは限らない。次回はクーポンのある別の店に行くかもしれない。
一方で、再来店率が高い店は、来店客の一定割合が自然と繰り返し足を運んでくれます。新規集客の予算を大きく使わなくても、売上が積み上がっていく構造ができている。これが「常連さんに支えられる店」の実態です。
支援実績610件以上の飲食店を見てきた中で感じるのは、再来店率を把握していない店は、どんなに繁盛しているように見えても、経営の足元が砂の上に建っているということです。
「新規客を追いかけるのをやめろ、とは言いません。でも、来てくれたお客さまを次につなぐ仕組みがないなら、バケツに穴が開いたまま水を注ぎ続けているのと同じです。まず穴を塞ぐ。それが先です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
グルメサイト依存は、なぜ「固定費化」するのか?
グルメサイトへの掲載をやめると客が来なくなるかもしれない、という不安——これが「やめられない理由」になっているケースがほとんどです。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。グルメサイトの掲載料を払っている間、そこから来た新規客の何%が2回目に来ていますか?その数字を追いかけていますか?
追いかけていないなら、掲載料が「投資」なのか「ただの出費」なのか、判断できていないことになります。
❌ よくあるパターン:新規集客コストを増やし続ける
- グルメサイトへの掲載料が毎月自動引き落とし
- 来店客が「誰か」分からず、再来店を追いかけられない
- 新規が来ても2回目につながらず、集客コストが永続する
- 売上が上がっても利益が手元に残らない
✅ 推奨アプローチ:来店を会員化し、再来店率をKPIにする
- 来店のたびに顧客データを自動取得(会員化)
- 再来店率をモニタリングし、改善の打ち手を決める
- リピーターへのLINE配信で集客コストを大幅に圧縮
- 常連客の来店頻度が上がることで、売上が積み上がる構造に変わる
✓ ここまでのポイント
- 再来店率とは「初来店客のうち再び来た割合」であり、経営の安定度を測る最重要KPI
- 新規集客コストはリピート獲得コストの5倍以上。まずバケツの穴を塞ぐことが先決
- グルメサイト依存から抜け出すには、来店客を「会員化」する仕組みが必要
来店を「会員化」する仕組みは、どうやってつくるのか?
来店した人を会員化する——とはいっても、紙のスタンプカードを渡すだけでは不十分です。誰が来たのか、何を注文したのか、いつ最後に来たのか。このデータが残らなければ、「次にどんなアプローチをするか」を考えられません。
ここで鍵になるのが、モバイルオーダーとCRM(顧客管理)の連携です。
お客さまがスマホで注文する際にLINE連携を済ませると、そのお客さまの来店・注文履歴がデータとして蓄積されます。次の来店時には「前回も頼んでいたメニュー」が分かるし、一定期間来ていないお客さまにはLINEでメッセージを送ることもできる。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、こうした仕組みを導入したことで、
「LINE友だちが増えて再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」
モバイルオーダー導入店舗オーナー
という声をいただいています。LINEのつながりができると、来てほしいタイミングで直接アプローチできるようになる。これがグルメサイトに頼る構造との一番大きな違いです。グルメサイトはあくまで「プラットフォームのフォロワー」ですが、LINE友だちは「自分の店のファン」になっていく。
チェックポイント①:来店客の何%を会員化できているか
スタンプカードや予約時の電話番号だけでは、来店客全体のごく一部しか把握できていません。モバイルオーダーでのLINE連携など、来店のたびに自動で会員化される導線があるか確認してみてください。
✅ ポイント:会員化率が低い場合、まず「来店の瞬間に接触できる仕組み」を設計することが先決です。
チェックポイント②:再来店率を定期的に集計しているか
「なんとなく常連が増えた気がする」では経営の意思決定に使えません。月次で再来店率を計算し、前月・前年比でモニタリングできる状態になっているかを確認してください。
✅ ポイント:POS・顧客管理データを連携させることで、手作業なしに再来店率を自動集計できる環境を目指しましょう。
チェックポイント③:リピーターへの配信と来店が紐づいているか
LINEでクーポンを送っているけど、それが来店につながっているか確認していない——という店は少なくありません。配信→開封→来店の流れを追跡できているかが重要です。
✅ ポイント:配信と来店データを連携させることで、「どのメッセージが効いたか」が分かり、PDCAが回るようになります。
再来店率の改善は、どこから始めればいいのか?
業界経験21年、飲食店支援610件以上を経て言えるのは、「仕組みより先に、まず現状を測ること」です。
今の再来店率が38%なのか、60%なのかによって、打ち手はまったく変わります。現状が分からないまま「とりあえずLINE公式アカウントをつくろう」と動いても、それがボトルネックの解消につながるとは限りません。
再来店率改善 STEP 1
現状の再来店率を測定する
POSデータや予約台帳を使って、過去3ヶ月の新規来店客数と、そのうち再来店した人数を洗い出してみてください。ざっくりとした計算でも、現状の水準は見えてきます。
⚠️ よくある失敗:「測定する仕組みがないから後回し」にしてしまい、いつまでも感覚論で議論が続く。まず今あるデータで概算を出すことを優先してください。
再来店率改善 STEP 2
来店を会員化する導線を1本つくる
モバイルオーダー導入時にLINE連携を促す、テーブルにQRコードを置いてLINE友だち追加を案内するなど、「来店のその場で会員化できる」動線を1つ設計します。
⚠️ よくある失敗:導線はつくったが、スタッフへの周知がなく、誰も案内しないまま終わる。現場への定着設計が必須です。
再来店率改善 STEP 3
再来店率をKPIに置き、月次でモニタリングする
売上・原価・人件費と並べて、再来店率を月次の経営指標に組み込みます。数字が動けば原因を探せる。動かなければ施策を見直せる。これがPDCAの起点になります。
⚠️ よくある失敗:指標は設定したが集計が手作業のため翌月中旬にしか出ず、打ち手がいつも後手に回る。自動集計の仕組みと一体で設計することが重要です。
「再来店率50%を超えると、経営者の表情が変わります。新規に振り回されなくなるから、判断に余裕が生まれる。グルメサイトの更新を焦って頼む必要もなくなってくる。そこを目指してほしいんです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
まとめ:常連さんに支えられる店は、「測ること」から始まる
再来店率は、飲食店経営において最初に測るべき数字です。この数字を把握していないと、新規集客への出費が永続し、グルメサイトへの依存から抜け出せないまま固定費だけが積み上がっていきます。
逆に言えば、再来店率を軸に経営を組み直すことで、常連客が売上の土台をつくってくれる構造に変えることができます。新規を追いかけることをやめるのではなく、追いかけ続けなくても回る仕組みをつくることが目標です。
まず今日やること。それは「先月の新規来店客のうち、今月また来た人は何人いたか」を数えてみることです。その数字が、すべての出発点になります。
再来店率の測定・改善、モバイルオーダーやCRMの活用について、もう少し具体的に話を聞いてみたいという方は、お気軽にご相談ください。静岡・清水を拠点に、全国のオーナーさんをオンラインでも対面でも支援しています。