先日、静岡市内の居酒屋チェーンを4店舗経営されているオーナーさんからこんなご相談をいただきました。
「グルメサイトへの掲載料が毎月20万円以上かかっているのに、売上が一向に積み上がらないんです。新しいお客さんは来てくれるんですが……2回目に来てもらえているかどうかも、正直わかっていなくて」
この言葉、すごくリアルだと思いました。「2回目に来てもらえているかどうかもわかっていない」——これが、リピーターが増えない飲食店の本質的な問題です。こんにちは、ハワードジョイマンです。
飲食店でリピーターを増やすには、「来店した人を会員化し、再来店率をKPIとして追いかける仕組み」を作ることが最初の一歩です。集客施策を増やす前に、まずこの仕組みがあるかどうかを確認してください。
📋 この記事でわかること
- リピーターが増えない本当の原因(「測定していない」という盲点)
- 来店=会員化の仕組みとは何か、その具体的な作り方
- 再来店率をKPIに置いたときの運用ステップ
- 実際にLINE友だちを増やして来店者総数が伸びた事例
こんな方におすすめ
- ✅ 新規集客に費用をかけているのに売上が積み上がらない方
- ✅ グルメサイト依存から脱却したいと考えている飲食店経営者の方
- ✅ 来店客が2回目に来てくれているか把握できていない方
- ✅ リピーター比率を高めて安定した売上基盤を作りたい方
- ✅ 顧客管理(CRM)を何から始めればいいか迷っている方

リピーターが増えない本当の原因はどこにあるのか?
結論から言うと、多くの飲食店でリピーターが増えない最大の原因は「集客力の弱さ」ではなく、「来店客が誰か分からず、2回目に来たかどうかを測定していない」という構造問題です。
先ほどのオーナーさんのケースで言えば、グルメサイト経由で月に200組の新規客が来ていたとします。そのうち何組が翌月また来たか——この数字を把握していなければ、いくら集客を強化しても「ざるで水を汲む」状態が続くだけです。
飲食業では、一般的に新規客を獲得するコストはリピーター客を維持するコストの5倍以上かかると言われています。それでも新規集客に投資し続けるのは、リピーターを「資産」として積み上げる仕組みがないからです。
問題は「来てくれた人」を認識できていないこと。顔は覚えていても、連絡先も来店回数も手元にないのでは、再来店を促すアクションを何も打てません。
「新規集客の費用対効果を高めたいなら、まず再来店率を測ることです。測っていないものは、改善できません」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
「来店=会員化」とはどういう仕組みですか?
来店=会員化とは、お客さまが来店した瞬間に、何らかの形で「誰が来たか」を記録し、その後も継続的につながれる状態を作ることです。
一番シンプルな形は、モバイルオーダーやQRコードを経由してLINE公式アカウントに友だち登録してもらう仕組みです。注文や会計のタイミングで自然に登録を促せるため、スタッフが声をかけなくても会員化が進みます。
大切なのは「ポイントカードを発行する」だけで終わらせないこと。来店回数・最終来店日・注文履歴・利用金額——これらのデータが蓄積されて初めて、再来店を促すコミュニケーションが可能になります。
具体的な流れを整理すると、こうなります。
来店会員化 STEP 1
QRコードまたはモバイルオーダーでLINE友だち登録を促す
テーブルのQRコードやモバイルオーダーの画面に「LINE登録で次回使えるクーポンをプレゼント」などの導線を設置します。注文・会計のタイミングに自然に組み込むと登録率が上がります。
⚠️ よくある失敗:スタッフが口頭で案内するだけで終わるパターン。忙しい時間帯ほど案内が抜け、登録数が増えません。仕組みとして動く設計が必須です。
来店会員化 STEP 2
来店データを自動で蓄積する
会員化できたお客さまの来店日・注文内容・利用金額が、POSや顧客管理システム(CRM)に自動で記録される状態を作ります。スタッフが手入力するモデルは続きません。
⚠️ よくある失敗:Excelや紙で管理しようとすること。更新が滞り、すぐにデータが形骸化します。
来店会員化 STEP 3
「来店していない人」に自動でアプローチする
最終来店から30日・60日・90日が経過したお客さまに自動でメッセージを配信する仕組みを設定します。「最近来てないな」と感じているお客さまへの一押しが、再来店を生みます。
⚠️ よくある失敗:全員に同じ内容を一斉配信すること。「また来てほしい人」に絞ったパーソナライズされたメッセージの方が開封率・来店率ともに高くなります。
✓ ここまでのポイント
- リピーターが増えない根本原因は「誰が来たかを把握していないこと」
- 来店=会員化の仕組みは、スタッフに頼らず自動で動く設計にすることが大前提
- データが蓄積されて初めて、「来ていない人へのアプローチ」が可能になる
再来店率をKPIに置くとはどういうことですか?
多くの飲食店経営者の方が追いかけているKPIは「売上」「客数」「客単価」です。これらは重要な指標ですが、リピーター戦略を動かすには「再来店率(2回目以降の来店率)」を独立したKPIとして設定することが必要です。
再来店率とは、ある月に初来店したお客さまのうち、翌月以降に再度来店した割合のこと。仮に再来店率が30%から50%に改善すると、同じ新規集客コストで得られるリピーター数が1.6倍以上になります。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、この数字を意識し始めてから「グルメサイトへの出稿費用を半分に減らしても売上が維持できた」という方もいらっしゃいます。
再来店率をKPIにするときの具体的な設定例はこうです。
❌ よくあるパターン:売上目標だけを追いかける
- 新規客が増えても、翌月また来ているかどうかを確認しない
- 「忙しかった」「暇だった」という感覚だけが残り、原因分析ができない
- グルメサイトへの依存が続き、固定費が増え続ける
✅ 推奨アプローチ:再来店率を月次KPIに設定する
- 初来店から30日以内の再来店率を毎月集計する
- 再来店率が下がった月は「配信内容」「来店体験」のどちらに問題があったかを検証する
- リピーター売上比率を上げることで、新規集客コストへの依存を徐々に下げていく
実際にLINE友だちを増やして来店者数が伸びた事例はありますか?
「そんなにうまくいくの?」と思われた方のために、実際の声をご紹介します。
「LINE友だちが増えて再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」
モバイルオーダー導入後のお客様の声
この方のケースでポイントだったのは、「LINE友だちを増やすこと」を目的にしなかったことです。来店客を会員化し、その会員に向けてタイミングよくアプローチした結果として、再来店が増え、来店者総数が伸びた——この順番が大事です。
「友だち数」はあくまで手段です。その先にある「再来店したお客さまの数」「リピーター売上比率」が本当のゴールです。
私が支援させていただく際は、導入前に必ず「現在の再来店率は何%ですか」とお聞きします。この数字がないと、改善の出発点が定まらないからです。飲食店支援実績610件以上の経験から言うと、この質問に即答できる経営者の方は非常に少ない。逆に言えば、ここを整えるだけで他店との差別化になります。
リピーター戦略を始めるには何から手をつければいいですか?
「やりたいのはわかったけど、何から始めればいいかわからない」——これが一番多い反応です。順番で言うと、以下の3点を最初に確認することをお勧めしています。
チェックポイント①:現状の再来店率を把握しているか
POSデータと顧客データが連動していれば、コホート分析で月別の再来店率を出せます。データがない場合は、まず「来店客を識別する仕組み」から着手が必要です。
✅ ポイント:まず「測れる状態」を作ることが最優先。測っていないものは改善できません。
チェックポイント②:来店客への連絡手段を持っているか
お客さまのLINEIDや連絡先を保有していなければ、再来店を促すアクションが何も打てません。モバイルオーダーやQRコード経由のLINE登録フローが最も摩擦が少ない方法です。
✅ ポイント:「次回来たら登録してもらおう」ではなく、来店中に自然に登録が完結する設計にすること。
チェックポイント③:配信内容と来店が紐づいているか
LINE配信を「しているかどうか」ではなく、「配信→来店→売上」のどこで切れているかを把握できているかが重要です。配信数・開封率・来店転換率の3つをセットで追ってください。
✅ ポイント:効果測定できない配信を続けても、PDCAが回りません。計測の仕組みを先に設計する。
まとめ:リピーターを増やす前に「見える化」を
飲食店でリピーターを増やす方法は、新しいSNS施策でも、ポイントカードの刷新でもありません。「来店した人を会員化し、再来店率を測り、来ていない人に自動でアプローチする」——このシンプルな仕組みを回すことです。
グルメサイトの掲載料を払い続ける前に、今来てくれているお客さまが2回目に来ているかどうかを確認してみてください。もしその数字がないなら、まずそこから始めましょう。
私は静岡市清水区を拠点に、全国の飲食店経営者の方の支援をしています。リピーター戦略の設計から、来店会員化の仕組み作り、顧客管理(CRM)の導入・定着支援まで、一体でサポートしています。
「自分の店の再来店率を把握したい」「会員化の仕組みを一から作りたい」という方は、まずお気軽にご相談ください。
仕組みの全体像を先に把握したい方はこちらからどうぞ。無料でモバイルオーダーシステムの活用方法をご確認いただけます。