こんにちは、ハワードジョイマンです。
「売上は前年より上がっているのに、通帳の残高がちっとも増えない」
「月末に数字を締めてみたら、また赤字だった」
「どこでお金が漏れているのか、まったく見当がつかない」
こういったご相談、本当によくいただきます。特に3〜5店舗を超えたあたりから、「売上を追いかけているだけでは追いつかない」という感覚が出てくるんですよね。
原因を一言で言うと、利益の構造が見えていないことがほとんどです。売上という「収入側」は見えているのに、コストの内訳が月末まで分からない。これでは手を打てるタイミングがいつも1ヶ月以上ズレてしまいます。
この記事では、赤字体質から抜け出すための7ステップを順番に解説します。難しい会計の話は抜きにして、「明日から何をすればいいか」が具体的にわかる内容にしました。ぜひ最後まで読んでみてください。
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は悪くないのに手元に利益が残らないと感じている方
- ✅ 原価率が上がっている原因を特定できていない方
- ✅ 数字が出るのが翌月中旬で、いつも対応が後手になっている方
- ✅ 複数店舗を運営していて、店舗ごとの数字の違いを説明できない方
- ✅ 利益構造を改善して、経営の土台を安定させたい方
📋 この記事でわかること
- 飲食店が赤字体質に陥る構造的な原因
- 利益を日次で見える化するための具体的なアプローチ
- 原価・人件費・メニュー構成を見直す7つのステップ
- 仕組みを整えて利益が残る体質に変えるための方法

なぜ「売上好調なのに赤字」が起きるのか
まず前提として、赤字体質には大きく2つのパターンがあります。
ひとつはコストが売上の増加を上回っているケース。原材料費の高騰、人件費の上昇、光熱費の値上がり——これらが複合的に重なって、売上が伸びていても利益が消えていきます。
もうひとつは利益の構造が見えていないケース。こちらのほうが実は多い。POS・原価管理・勤怠がバラバラのシステムで動いているため、「今月どれくらい儲かっているか」が月末まで分からない。異変に気づいたときには、もう手遅れになっている状態です。
「利益が出ないのは努力が足りないからではなく、見る仕組みがないからです。月末まで数字が見えない状態で、正しい判断はできません」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
私がこれまで610件以上の飲食店を支援してきた中で、赤字体質の店に共通していたのは「数字を見ていない」ことではなく、「見る仕組みがない」ことでした。その仕組みを作るのが、以下の7ステップです。
赤字体質から抜け出す7ステップ
利益構造改善 STEP 1
今の利益構造を「見える化」する
最初にやることは、現状把握です。直近3ヶ月分の売上・原価・人件費・家賃・その他経費を1枚のシートに並べてみてください。「FL比率(食材費+人件費を売上で割った値)」が60〜65%以内に収まっているかを確認するのが最初のチェックポイントです。厚生労働省の調査でも、飲食業は他業種と比べてFL比率の変動が利益率に直結しやすいことが示されています。
⚠️ よくある失敗:「大体このくらい」という感覚値で動いているケース。まずは1円単位で把握することが先決です。
利益構造改善 STEP 2
原価率の悪化原因をメニュー単位で特定する
「原価率が上がっている」と分かっていても、「どのメニューが原因か」を特定できていない経営者の方が非常に多いです。売れ筋=儲け筋とは限りません。出数は多いけれど粗利が薄いメニューが、気づかないうちに利益を削っているケースがよくあります。ABC分析を使って、「出数・売上・粗利・リピート率」の4軸でメニューを再評価してみましょう。
⚠️ よくある失敗:人気メニューを削ることへの抵抗感から、分析結果を活かせないまま放置するケース。「売れている」と「儲かっている」は別の話です。
利益構造改善 STEP 3
人件費の構造を時間帯・曜日単位で分解する
「人件費が高い」という問題も、合計額だけを見ていても解決しません。ランチとディナー、平日と週末、各時間帯のシフトと売上を照合してみると、「この時間帯は明らかに人が多すぎる」というポイントが必ず見えてきます。シフト最適化だけで月10〜20万円のコスト改善につながったケースも、増益繁盛クラブの会員さんの中には珍しくありません。
⚠️ よくある失敗:勘でシフトを組んでいるため、繁閑に関係なく同じ人数が入っている状態になっているケース。
利益構造改善 STEP 4
数字が出るタイミングを「月末」から「日次」に変える
これが最も重要なステップです。月末に数字が出ても、その時点でできることは限られています。日次で売上・原価・人件費を確認できる状態にすると、「今週の原価率がいつもより高い」「この店舗だけ数字がおかしい」という異変を早期に察知できます。
❌ よくあるパターン(旧来の管理方法)
- 各店から日報が紙・メール・LINEで届き、本部で手作業集計
- 原価の確定が翌月中旬。問題が発覚しても「先月の話」になる
- 打ち手がいつも後手に回り、改善サイクルが回らない
✅ 推奨アプローチ(日次可視化)
- POS・原価・勤怠を1つのデータ基盤で管理し、自動集計
- 当日〜翌朝には主要指標が確認できる状態にする
- 月末を待たずに着地予測を立て、先手を打てる経営に変わる
⚠️ よくある失敗:システムを入れただけで終わり、誰も数字を見なくなるケース。「見る文化」を定着させる設計が必要です。
利益構造改善 STEP 5
客単価を「値上げなし」で引き上げる
原価や人件費が上がっているのに、価格だけで対応しようとすると客離れのリスクが生まれます。値上げ以外の方法として、写真・動画メニューによる視覚的訴求、サイドメニューのオプション化、追加注文のタイミングをオペレーションで仕組み化する——こうした施策で客単価を上げていく方法があります。モバイルオーダーを活用した店舗では、「頼み忘れていたメニューをお客様自身がスムーズに追加注文するようになった」という声もよく届きます。
「モバイルオーダーを入れてから、注文点数が明らかに増えました。スタッフが声かけをしなくても、お客様が自分から追加を頼んでくれるんです」
飲食店オーナー(40代・男性)
⚠️ よくある失敗:追加注文の声かけをスタッフの「やる気」に依存しているケース。人に頼む施策は再現性がありません。
利益構造改善 STEP 6
リピーターの割合を測定し、売上の土台を作る
新規集客にコストをかけ続けているのに売上が積み上がらない——これは、来てくれたお客様が誰で、また来てくれたかどうかを把握していないことが原因です。再来店率をKPIとして設定し、来店を会員化する仕組みを作ることで、毎月の売上予測が格段に立てやすくなります。
「LINE友だちが増えて再来店客数も含めた来店者総数が伸びました。毎月の数字が安定してきた実感があります」
居酒屋経営者(50代・男性)
⚠️ よくある失敗:グルメポータルへの掲載を続けているが、その効果を再来店率で測っていないケース。費用対効果が不明なまま固定費化します。
利益構造改善 STEP 7
改善サイクルを「仕組み」として定着させる
ここまでの6つのステップは、1回やれば終わりではありません。毎月・毎週のルーティンとして組み込んではじめて「利益が残る体質」になります。週次で原価率を確認する、月次で店舗ごとのQSCスコアを比較する、四半期でメニュー構成を見直す——こうした定期的なサイクルを、できれば仕組みとしてオートメーション化することが理想です。
⚠️ よくある失敗:改善施策を単発で終わらせてしまうケース。経営改善は筋トレと同じで、継続してはじめて体質が変わります。
✓ ここまでのポイント
- 赤字体質の根本原因は「数字が見えるタイミングが遅い」ことが多い
- 原価・人件費は合計額ではなく、メニュー別・時間帯別に分解することで改善箇所が見えてくる
- 客単価の向上は値上げではなく、オペレーションの仕組みで実現できる
利益構造改善で「ありがちな落とし穴」
ここで、改善に取り組む際によく見落とされるポイントをいくつか整理しておきます。
チェックポイント1:システムが分散していないか
POS・勤怠・予約・販促がバラバラの会社から導入されているケースでは、データを突合する作業だけで数日かかります。月額費用の総額を即答できない経営者も実は少なくありません。
✅ ポイント:まずシステムの棚卸しをして、統合できる領域を1社にまとめることで、コストと管理工数の両方を削減できます。
チェックポイント2:改善施策が「属人化」していないか
優秀な店長が一人いれば回る店は、その店長が辞めた瞬間に崩壊します。利益構造の改善は、特定の個人の能力に依存しない「仕組み」として作る必要があります。
✅ ポイント:判断の根拠をデータに移し、誰でも同じ水準で経営判断ができる環境を整えることが、多店舗展開の前提になります。
チェックポイント3:補助金を活用できているか
システム投資やDX推進には、IT導入補助金・省力化投資補助金が活用できるケースがあります。「申請が面倒」という理由で諦めている方が大半ですが、IT導入支援事業者との共同申請で対応できます。
✅ ポイント:対象要件を確認し、採択されやすい申請書を一緒に作ることで、自己負担を抑えた投資が可能になります。
まとめ:利益構造改善は「見える化」からはじまる
赤字体質から抜け出すための7ステップを振り返ると、すべての起点は「利益の構造を見える化する」ことです。
経営歴21年、支援実績610件以上を通じて実感しているのは、頑張り方を変えるより、見る仕組みを変えるほうが早いということです。日次で数字が見えるようになると、経営者の判断スピードと精度が劇的に上がります。
「うちの店が7ステップのどこにいるか分からない」という方は、まず無料診断から始めてみてください。現状のシステム環境・数字の見え方・原価管理の状況をヒアリングした上で、どこから手をつけるべきかをお伝えします。
モバイルオーダーの導入によって客単価や注文点数の改善を実現した事例、CRM活用で再来店率を高めた事例など、具体的なご支援内容についても詳しくご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。