多店舗展開事例

多店舗展開が止まった経営者の本音

こんにちは、ハワードジョイマンです。

8月も終わりに差し掛かり、夏の繁忙期を駆け抜けてきた経営者の方から、最近こんな話をよく聞きます。「売上は悪くないはずなのに、気づいたら資金繰りが苦しくなっていた」「3店舗目を開けたところで、なぜかブレーキがかかった気がする」——。

多店舗展開が止まる理由は、資金不足でも立地でも、ましてや商品力でもないことが多い。多くの場合、根っこにあるのは「数字が見えていない」という一点です。

「先月何を間違えたのか」を翌月中旬に知る——この体験、思い当たりませんか。1店舗のときはオーナー自身が現場にいるから、感覚で補えた。でも2店舗、3店舗になったとたん、感覚が届かなくなる。その瞬間に、展開は静かに止まります。

📋 この記事でわかること

  1. 多店舗展開が止まる経営者に共通する「数字の死角」の正体
  2. 月次決算から日次把握へ切り替えることで何が変わるか
  3. 来月の売上着地を予測してから打ち手を決める具体的な方法
  4. 数字が読める経営者になるための診断チェックポイント

こんな方におすすめ

  • ✅ 2〜5店舗を経営しているが、全店の数字をリアルタイムに把握できていない方
  • ✅ 「売上は悪くないのに利益が残らない」状況から抜け出したい方
  • ✅ 月次の数字が出るのが翌月中旬で、打ち手がいつも後手に回っていると感じる方
  • ✅ 来月の売上や利益着地を自分で予測できる経営者になりたい方
  • ✅ 次の出店を検討しているが、今の店の数字管理に自信がない方
多店舗展開が止まった経営者の本音 | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

多店舗展開が止まった経営者に共通する「数字の死角」

よくあるのは、3店舗目を開けたタイミングで「感覚が届かなくなった」と感じるパターンです。1店舗目はオーナー自身が毎日レジを締めて、食材のロスを目で確認して、スタッフの顔色まで読んでいた。でも店舗が増えると、物理的にそれができなくなる。

そこで多くの経営者が頼るのが「月次の試算表」です。ところがこれが曲者で、月末に締めて、顧問税理士から数字が届くのが翌月15日前後。つまり、問題が起きてから2〜6週間後に「何かがおかしかった」と気づく構造になっています。

この遅れが積み重なると、どうなるか。

「先月のA店で原価率が3ポイント上がっていました」と知っても、もうその月は終わっている。廃棄なのか、仕入れ価格の変化なのか、それとも特定メニューの売れ筋変化なのか——原因を特定して手を打てる期間は、すでに過去のものになっています。

結論から言うと、多店舗展開が止まる経営者の「数字の死角」は情報の遅延にあります。打ち手が後手に回り続けると、資金繰りに余裕がなくなり、次の出店に踏み出せなくなる。これが止まる大きな理由です。

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「感覚経営」から「日次把握」へ——何がどう変わるか

では、日次で数字を把握できるようになると何が変わるのか。具体的に整理します。

❌ 月次でしか数字を見ていない経営(よくあるパターン)

  • 問題の発見が常に1〜2ヶ月遅れる
  • 「なぜ利益が減ったか」の原因特定に時間がかかり、仮説も立てにくい
  • 店長への指示が「とにかく原価を下げろ」という曖昧なものになりがち
  • 月末着地の予測ができないため、翌月の仕入れや採用判断も感覚頼みになる

✅ 日次で利益を把握している経営(推奨アプローチ)

  • 「今月このままいくと月末に利益がいくら残るか」を週単位で予測できる
  • 原価率の異常値を3〜5日以内に察知して、原因を特定しやすい
  • 店長への指示が「今週の◯◯メニューの注文数を確認して」と具体的になる
  • 翌月の販促・仕入れ・シフト計画を、根拠を持って組める

「数字が読める経営者になりたい」という理想は、実は「来月の売上が予測できる状態になりたい」と同じ意味です。予測できるということは、今日の数字が見えているということ。そしてそれは、日々の記録を仕組みとして回すことでしか実現できません。

「月次の試算表を見ていると言う経営者でも、『今月の着地どうなりそうですか』と聞くと、答えられない方が少なくありません。見ているのは『過去』であって、『今』ではないんです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

月次の数字に振り回されなくなった店長の事例も参考になりますが、変化の起点は「月に1回見る」から「毎日5分確認する」への切り替えです。

✓ ここまでのポイント

  • 多店舗展開が止まる根本原因は「情報の遅延」。月次では打ち手が常に後手に回る
  • 日次で利益を把握することで、月末着地の予測と先手の打ち手が可能になる
  • 「来月の売上が予測できる経営者」になるには、日々の数字を仕組みで回すことが前提

店舗ごとに数字の差がある理由を説明できない、システムの月額総額を把握できていない——診断チェックで複数当てはまった方は、まず数字を整理する場所が必要です。無料登録後すぐ使えるハワードジョイマンAIへの経営相談で、自店の状況を言語化するところから始められます。

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多店舗経営者のための自己診断——あなたの「数字の見え方」はどこにある?

ここで、自店の状態を確認してみてください。

チェックポイント①:月末着地を自分で予測できるか

「今月末、利益はおよそいくらになりそうか」を今すぐ答えられますか。売上の着地は感覚でなんとなくわかっても、利益の着地まで答えられる経営者は意外と少ない。原価率・人件費率・固定費の動きを日次で追っていないと、利益の着地は翌月まで分かりません。

✅ ポイント:月末残り10日の時点で「このままいくと利益はいくら」と言える状態をつくることが目標。そこから逆算して、今週何をするかが決まります。

チェックポイント②:店長ごとに数字が違う理由を説明できるか

A店とB店で原価率が2〜3ポイント違う。これは「よくあること」で片付けていませんか。店長の管理能力の差と感じるかもしれませんが、実態はメニュー構成・提供ロス・仕入れルートの違いが原因であるケースが多い。説明できないまま放置していると、次の出店で同じ問題が再現されます。

✅ ポイント:店舗間の数字の差を「なぜ」と問えるかどうかが、多店舗展開の再現性を左右します。差の原因が特定できれば、再現性のある標準化が可能になります。

チェックポイント③:2回目の来店率を把握しているか

新規集客に費用をかけながら、2回目の来店率を測っていない——これは多店舗経営者に特に多いパターンです。1店舗のときはオーナーが直接お客様の顔を覚えていたから気づけた。でも複数店舗になると、そのアンテナが機能しなくなります。

✅ ポイント:リピーター売上比率を把握することで、「集客費用を増やすべきか、リテンションに投資すべきか」の判断軸が生まれます。お客さまの本音を集めた結果から見えてくることも、この判断を補強する材料になります。

チェックポイント④:システムのコストを全店合算で把握しているか

POS・勤怠・予約・販促のシステムが店舗ごとにバラバラで、月額の総額を把握していないケースは少なくありません。3店舗で5種類のシステムを入れていて、月々の費用が経営者自身も把握できていない——これは「コストの死角」です。

✅ ポイント:システムの棚卸しをすると、重複機能のコスト削減と、データ連携による意思決定の高速化が同時に実現できることがあります。

「多店舗展開の再現性は、マニュアルや店長教育よりも先に、数字が見える仕組みをつくることで生まれます。何店舗開けても、数字の構造が同じなら、同じ打ち手が効く。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

日次で利益を見て、月末着地を予測する——具体的な進め方

利益可視化 STEP 1

「今日の売上・原価・人件費」を毎日記録する仕組みをつくる

日次把握の入口は、毎日3つの数字を記録することです。売上・食材原価・人件費。この3つが揃えば、その日のFLコストが把握できます。難しいシステムを導入する前に、まずこの習慣をどの店長にも定着させることが先決です。

⚠️ よくある失敗:「売上だけ毎日見ている」ケース。売上が見えても、原価と人件費が見えないと利益の着地は計算できません。3つセットで記録する仕組みが必要です。

利益可視化 STEP 2

週次で着地予測を計算し、月末の利益を「今から動いて変えられる範囲」で把握する

毎日の数字が積み上がったら、週単位で「このペースが続いたら月末の利益はいくらか」を試算します。目標利益と比較して乖離があれば、残り日数で何ができるかを考えます。これが「先手の打ち手」です。

⚠️ よくある失敗:週次計算を始めても、「着地を見るだけ」で終わるケース。着地予測は「現状把握」ではなく「行動のトリガー」として使うことが目的です。

利益可視化 STEP 3

モバイルオーダーのデータをリピーター戦略と連動させる

日次の利益把握と並行して取り組みたいのが、客単価とリピート率の改善です。モバイルオーダーの導入を支援したお客様からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。

客単価が上がると、同じ来客数でも売上総額が変わります。さらに多店舗展開の飲食店に必要なシステムの全体像を整理すると、モバイルオーダーのデータをCRMと連携させることで、「誰がいつ来店し、何を注文したか」をもとにしたLINE配信が可能になります。これがリピーター比率の向上、ひいては利益の安定につながります。

⚠️ よくある失敗:モバイルオーダーを「注文受付ツール」として使うだけで終わるケース。データをCRMや販促に連携させて初めて、経営の意思決定に使える情報資産になります。

まとめ——展開が止まった経営者が最初に取り戻すべきもの

多店舗展開が止まる理由は、多くの場合「数字が見えていないこと」に集約されます。それは経営者の能力の問題ではなく、情報が届く仕組みができていないというオペレーションの問題です。

今日から始められることは、シンプルです。毎日3つの数字(売上・原価・人件費)を記録する。週次で月末着地を試算する。その積み上げが「来月の売上が予測できる経営者」への最短ルートです。

飲食店を中心とした支援実績833件以上、業界経験21年の現場から言えることは、「数字が読める経営者は、展開のペースを自分でコントロールできる」ということ。感覚で動く経営から、根拠を持って動く経営へ——その転換点が、多店舗展開の再起動につながります。

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