多店舗展開事例

飲食店が2店舗目を出すための資金調達、銀行融資の通り方

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「2店舗目を出したいけど、銀行に何を持っていけばいい?」
「融資の面談で何を聞かれるか、まったく想像できない」
「1店舗目は自己資金でなんとかなったけど、さすがに次は借りないといけない」

こういった声を、飲食店経営者の方からよく聞きます。特に2店舗目は「感覚と体力で乗り越えた1店舗目」とは違う。融資審査という、全く別のゲームが始まるんです。

結論から言うと、銀行が見ているのは「あなたの情熱」でも「立地の良さ」でもなく、「この事業が数字で語れるか」という一点です。そして、その数字を日常的に管理できている店は、融資の相談を進めやすくなります。

この記事では、21年間で飲食店を中心に833件以上を支援してきた経験をもとに、2店舗目の資金調達に必要な「数字の整え方」を具体的に解説します。

📋 この記事でわかること

  1. 銀行融資の審査で実際に評価されている数字と、その準備方法
  2. 「自分がいなくても回る店」を融資担当者に証明する方法
  3. 2店舗目を出す前に直視すべき1店舗目の経営指標
  4. 店長が自走できる環境とデータ経営が、多店舗展開の再現性を高める理由

こんな方におすすめ

  • ✅ 2店舗目の出店を検討していて、資金調達の進め方が分からない方
  • ✅ 銀行融資の審査に向けて、どんな資料を準備すればいいか知りたい方
  • ✅ 売上は出ているのに、数字を「説明できる形」にまとめられていない飲食店経営者の方
  • ✅ 自分が現場にいなくても店が回る体制を作りたいと考えている方
  • ✅ 多店舗展開を見据えて、1店舗目の仕組みを整備したい方
飲食店が2店舗目を出すための資金調達、銀行融資の通り方 | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

銀行融資の審査で「落ちる店」に共通する数字の問題

銀行の融資担当者が面談で最初に確認するのは、決算書の数字です。でも、見ているのは「売上が高いか低いか」だけではありません。

以下のような状況にある店は、審査で詰まることが多いです。

  • FL比率(食材費+人件費÷売上)が高止まりしている
  • 売上に波がありすぎて、月次の予測が立てられない
  • 直近6ヶ月の数字を聞いても、「おそらくこのくらい」としか言えない
  • 借入返済能力を問われたとき、「いつも現場にいるので何とかなります」という回答になる

銀行が怖いのは「返ってこないリスク」です。つまり「この経営者が現場を離れたとき、店は回るのか?」という問いに答えられない経営者には、2店舗目の融資を通しにくい。これは感情ではなく、リスク管理の問題です。

「融資が通らない経営者に足りないのは、実績ではなく"説明できる実績"です。店が儲かっているのに数字で語れない、これが最大の落とし穴なんです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

「融資のために数字を整えたいけど、何から手をつければいいか分からない」という状態のまま、申請時期だけが近づいている——そういう方は多いです。無料登録で使えるレシピ原価管理ツールや増益繁盛プランナーを使うと、今の1店舗目の数字を整理する出発点になります。メールアドレスだけで登録でき、無料で使えます。

原価率や利益を数字で整理できる無料ツールを使ってみる

「自分がいなくても回る店」を証明するための数字

2店舗目を出すということは、物理的に1店舗目から自分が離れる時間が増えます。銀行の担当者はそれを分かった上で、「オーナー不在でも1店舗目が安定して利益を出せるか」を見ています。

3店舗を超えると全店を自分の目で見られなくなる——これは多店舗展開した経営者が必ず通る壁です。でも、この壁を突破できる経営者には共通点があります。判断の根拠がデータにあること。

具体的に「証明できる数字」として準備したいのは、以下の4点です。

チェックポイント①:FL比率の月次推移(直近12ヶ月)

食材費と人件費が売上に対して何%かを、月単位で12ヶ月分提示できること。大きく上下せず安定していることが大切です。ここが安定していると「コスト管理ができている店」という評価につながります。

✅ ポイント:月ごとの原価率にバラつきがある場合は、その理由(季節食材の仕入れ変動など)を言語化してセットで持参すると信頼性が上がります。

チェックポイント②:店長の判断実績

「自分がいない日の売上と、いる日の売上」に大きな差がないことを示せると理想的です。特に週次・月次の売上管理を店長が主導していると証明できれば、「オーナー依存のビジネスではない」という評価が得られます。

✅ ポイント:POSデータや日報の記録をもとに、店長が数字を把握して動いていることをエビデンスとして提示しましょう。

チェックポイント③:客単価の傾向

客単価が安定しているか、あるいは上昇傾向にあるかは、銀行担当者が「この店は伸びしろがあるか」を判断する指標になります。たとえば2回目来店率が低い飲食店の共通点を把握した上でリピーター強化策を打ったなら、その取り組みの経緯と数字をセットで見せることが重要です。

✅ ポイント:「客単価が上がっている」という主張には、モバイルオーダー導入後の注文点数の変化など、操作可能な施策との紐付けがあると説得力が増します。

チェックポイント④:リピーター率(再来店率)

「新規ばかり追いかけている店」より「既存客が戻ってくる店」のほうが、売上の安定性を融資担当者に説明しやすくなります。顧客生涯価値(LTV)を計算して経営判断に活かす視点を持っているオーナーは、それだけで「数字を分かっている人」という印象を与えます。

✅ ポイント:「再来店率は何%ですか?」——これは私がコンサルを始めるときに必ず聞く質問です。この数字を即答できるかどうかが、データ経営ができているかの一つの目安になります。

✓ ここまでのポイント

  • 銀行融資の審査で見られるのは「売上の高さ」ではなく「数字で説明できる経営の安定性」
  • FL比率・店長の判断実績・客単価・リピーター率の4つが「自分がいなくても回る店」を証明する数字になる
  • 「説明できる実績」を積み上げるためには、日次・週次でデータを可視化する仕組みが必要

店長が自走できているか、リピーター率は追えているか——この記事で出てきた4つのチェック項目を自分の店に当てはめてみると、どこに穴があるか見えてきます。無料登録後すぐ読める電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」は、リピーター戦略の数字の作り方を整理するのに使えます。登録はメールアドレスのみ、無料です。

リピーター戦略の数字の作り方を電子書籍で確認する(無料)

融資審査に向けて、今すぐ整えておくべき経営数字の仕組み

「月次の数字が出るのが翌月中旬」「打ち手がいつも後手に回る」——この状態は、融資審査だけでなく多店舗展開の再現性という意味でも致命的です。

銀行に資料を提出するのは「ある時点の一枚写真」ですが、その写真を良く見せようとしても審査は通りません。日常的に数字が動いていて、それを経営判断に使っているというプロセスが評価されます。

私が支援する飲食店経営者の方には、次のような流れで数字管理の仕組みを整えることをお勧めしています。

整備 STEP 1

日次売上と原価率の可視化からスタートする

まず翌日に確認できる日次売上と、週次で追える原価率の仕組みを作ります。Excelでも始められますが、POSとモバイルオーダーが連動しているシステムがあると、集計ミスなく自動で数字が出ます。融資面談では「毎日数字を見ています」という姿勢そのものが評価対象になります。

⚠️ よくある失敗:「来月から始めます」と言って着手が遅れること。融資相談は「数字の蓄積期間」が必要なので、少なくとも6ヶ月前から動き出すことが理想です。

整備 STEP 2

店長が自分で数字を読める状態を作る

「店長が数字を出してくれるから大丈夫」ではなく、「店長が数字を読んで判断できる」状態を目指します。オーナーがいなくても店が回る証拠として最も強力なのは、店長が自律的に動いているエビデンスです。事業承継した飲食店の赤字体質を変える3つの判断でも触れていますが、数字の権限を現場に渡すことで、店長の自走力は大きく変わります。

⚠️ よくある失敗:オーナーが全ての数字を握り続けて、店長が「指示待ち」のままになること。これは2店舗目を出した後に最も深刻な問題になります。

整備 STEP 3

リピーター売上比率を測れるようにする

誰が何回来ているかを追えると、「この店の売上はリピーターに支えられている」と数字で主張できます。グルメポータル経由の新規客に依存していると、集客コストが高い上に再現性も低い——銀行担当者はそれも見ています。

⚠️ よくある失敗:来店者数しか追っていなくて、新規とリピーターの内訳が分からない状態のまま融資面談に臨むこと。

「2店舗目の融資を通したいなら、1店舗目を"誰でも説明できる店"にすることが先です。オーナーしか分からない経営は、銀行から見ると最もリスクが高い。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

「数字で動く店」が融資を引き寄せる理由

モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、客単価がアップしたという声をいただいています。これは単なる利便性の話ではありません。モバイルオーダーを入れると、注文データが自動で蓄積されます。「何時台に」「どのメニューが」「いくつ注文されたか」が日次で見えるようになる。この蓄積こそが、融資面談で「うちはこうやって客単価を上げました」と具体的に説明できる根拠になります。

「システムを入れたら何かが変わった」ではなく、「なぜ変わったか、数字で説明できる」——この違いが、次の資金調達の場面で大きく効いてきます。

また、飲食店の自動化がどこまで進んでいるかという視点でシステムを整えることで、人件費の適正化だけでなく、「属人的ではない店の運営」を証明できるようになります。これも融資審査の文脈では重要な要素です。

モバイルオーダーの中には、POSや経営管理ダッシュボードと一体になっているものもあります。そうした仕組みを使えば、「日次で利益が見える」「店長が数字で動ける」状態を早く作れます。当事務所がシステム販売で終わらせず、90日間の定着伴走をセットにしているのは、「ツールを入れただけで終わった」という失敗を繰り返させたくないからです。

まとめ:融資を通すための本質は「数字で動く店を作ること」

2店舗目の銀行融資を通すための準備は、申請書類を整えることではありません。「自分がいなくても、店が数字で動いている状態」を作ることです。

融資面談は、その結果を見てもらう場所に過ぎない。日々の経営管理がデータに基づいていて、店長が自走できていて、リピーターの数字が追えている——この状態が整っていれば、銀行も「この店は再現性がある」と判断しやすくなります。

逆に言えば、今の1店舗目でこれができていなければ、2店舗目を出した後に同じ問題が2倍になって返ってくる。多店舗展開は仕組みの掛け算だからです。

「売上は悪くないのに、手元に残らない」「数字は出ているけど、説明できない」——そこに課題を感じているなら、まず1店舗目の経営数字を整えることから始めてみてください。そのプロセスが、銀行融資だけでなく、あなた自身が「現場にいなくても安心できる経営」への道になります。

「客単価のデータ、リピーター率、店長の自走——このあたりが全部まとまって見える状態を作りたい」と思った方は、モバイルオーダーなどの導入相談が次の一手になります。システム販売だけでなく、90日間の定着伴走と経営管理ダッシュボードの設計まで込みで対応しています。導入から定着まで責任を持ってサポートします。

自社集客の仕組み化 無料相談はこちら

-多店舗展開事例