こんにちは、ハワードジョイマンです。
焼肉店の経営者の方からよく聞くのが、「原価率が上がっているのは分かってる。でも、どのメニューが原因か特定できない。値上げしたくても、競合に客を取られそうで踏み切れない」というお悩みです。
この悩み、すごくリアルだと思うんです。原材料費が上がっているのに、「どこを直せばいいか分からない」という状態が続いている。値上げという選択肢は頭にあるけれど、それだけが唯一の出口ではないし、むしろ問題の本質に触れないまま値上げだけしても、お客様が離れるリスクだけが先行します。
今日は、焼肉店が値上げに踏み切れない本当の理由と、それ以外の選択肢で客単価を上げていく考え方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 焼肉店が値上げに踏み切れない「本当の原因」とは何か
- 「売れ筋=儲け筋」という思い込みが原価率を悪化させる仕組み
- ABC分析4軸(出数・売上・粗利・リピート率)を使った商品の再評価法
- 値上げに頼らずに客単価を上げる、現場で実践できる具体的な手順
こんな方におすすめ
- ✅ 原価率が上がっているが、どのメニューが原因か特定できていない方
- ✅ 値上げを検討しているが、客離れが怖くて踏み切れない焼肉店オーナー
- ✅ 売上は維持できているのに手元に利益が残らないと感じている方
- ✅ 月次の数字が翌月中旬にしか出ず、打ち手がいつも後手に回っている方
- ✅ 商品ごとの粗利構成を一度も整理したことがない飲食店経営者の方

値上げできない本当の理由は「どこが問題か分からない」こと
値上げに踏み切れない理由を飲食店経営者の方に聞くと、「競合が怖い」「お客様に申し訳ない」という言葉が返ってくることが多い。でも、正直に話を掘り下げていくと、多くの場合に出てくるのはこの一言です。「どのメニューが原価率を押し上げているか、正直よく分かっていない」。
これが本当の問題の核心です。原因が特定できていないから、値上げという手段でしか解決策が思い浮かばない。逆に言えば、原因が分かれば、値上げ以外の選択肢が見えてくる。
焼肉店の場合、特に起きやすいのが「売れているメニュー=儲かっているメニュー」という思い込みです。たとえば、ランチの人気No.1セットが毎日よく出ているとする。でも実際に原価を計算してみると、そのセットの粗利率が他のメニューと比べてかなり低い、ということは珍しくありません。
売上を押し上げているように見えるメニューが、実は利益を削っている。この逆転現象が、原価率の悪化として月次の数字に現れてくる。でも月次レポートが翌月中旬にしか出てこない状況では、その時点でもう1ヶ月以上が経過しています。問題に気づいた頃には、損失がさらに積み重なっている。
「原価率が上がっているのは分かるが、どのメニューが原因か分からない」という状態のまま読み進めてきた方も多いと思います。その判断に使える「メニュー工学ツール」や「食材費計算ツール」など、商品別の収益性を整理するための計算ツールを無料で配布しています。メールアドレスを入力して本人確認URLをクリックするだけで、すぐに使い始められます。
「売れ筋=儲け筋」という思い込みの正体
なぜこの思い込みが起きるか。理由はシンプルで、ほとんどの飲食店が「出数(何皿出たか)」と「売上」しか見ていないからです。出数が多くて売上に貢献しているメニューを「稼ぎ頭」と認識してしまう。
でも経営において本当に見るべきは「粗利額」です。そのメニュー1皿を出すことで、実際にいくら手元に残るか。焼肉店でよくあるのは、看板メニューのカルビやロースが出数・売上の上位にあるけれど、食材の歩留まりや仕込みコストを含めると粗利率が低く、実は単品の唐揚げや玉子スープのほうが粗利額が大きい、というケースです。
さらに一歩踏み込むと「リピート率」という4つ目の軸があります。そのメニューを注文した客が、また来店しているか。出数が多くて粗利もそれなりにあるが、そのメニュー目当ての客がリピートしていないなら、そのメニューは「集客の道具」であって「利益の源泉」ではない。この4軸で商品を評価して初めて、本当の意味での「儲け筋」が見えてきます。
✓ ここまでのポイント
- 原価率の悪化原因が分からないまま値上げだけしても、問題の本質には触れない
- 「売れ筋=儲け筋」は思い込みで、出数・売上だけでなく粗利額とリピート率で評価することが重要
- 月次レポートが遅いと打ち手も遅れる。日次での数字の可視化が先決
出数・売上・粗利・リピート率の4軸分析を「自分の店でやってみたい」と思った方に、すぐ使えるレシピ原価管理ツールと在庫管理ツールを無料で用意しています。63ページの飲食店コストダウンガイドも一緒に受け取れるので、数字の整理から始めたい方に役立ちます。メールアドレスの登録だけで受け取れます。
ABC分析4軸で商品を再評価する具体的な手順
では実際にどう動くか。ここでは自動ABC分析の考え方を使って、商品を「出数・売上・粗利・リピート率」の4軸から評価する手順をお伝えします。
チェックポイント1:出数と売上だけで判断していないか
まず現状の把握です。自店のメニューを出数順・売上順に並べたとき、上位10品がどのメニューか確認してください。次に、そのメニューそれぞれの仕入れ原価と粗利率を計算する。これだけで、「出数の上位=粗利の上位ではない」という実態が見えてくることが多いです。
✅ ポイント:粗利額(売上×粗利率)を計算し直すことで、本当の「稼ぎ頭」が浮かび上がる
チェックポイント2:仕込みコスト・廃棄ロスが原価に入っているか
焼肉店では特に、歩留まり(使える部位の割合)や仕込みにかかる人件費が原価計算に反映されていないケースがあります。表面的な仕入れ単価だけで原価率を計算すると、実態より楽観的な数字が出てしまう。
✅ ポイント:仕込み後の実可食量ベースで原価を再計算することで、本当の粗利率が出る
チェックポイント3:リピート率を商品単位で見ているか
「あのメニューが好きでまた来た」という客行動は、CRMデータや注文履歴から追うことができます。特定のメニューを注文した客の再来店率を追うと、「集客効果が高いメニュー」と「利益に直結するメニュー」を分けて考えられるようになります。モバイルオーダー導入後に客単価が上がる仕組みをデータで見ると、この商品別リピート分析がどう機能するかが具体的に分かります。
✅ ポイント:リピート率が高いメニューは「次回来店の動機」になる資産。低いメニューは販促予算を絞る判断材料になる
値上げに頼らず客単価を上げる「別の選択肢」
ここまで整理した上で、値上げ以外で客単価を上げる方向性を考えます。結論から言うと、打ち手は大きく2つです。
❌ よくあるパターン:とりあえず全メニューを一律値上げ
- 値上げの根拠が曖昧なため、お客様に理由を説明しにくい
- 粗利の低いメニューも高いメニューも一律で上げるので、改善幅が薄まる
- 競合との価格比較で単純に「高い店」と判断されるリスクがある
✅ 推奨アプローチ:粗利の高いメニューを「頼みやすい状態」にして注文点数を増やす
- ABC分析で粗利の高いメニューを特定し、注文導線の上位に置く
- モバイルオーダーの画面設計で「おすすめ」として自動表示させる
- 追加注文のタイミング(来店後15〜20分)にプッシュ通知で訴求する
この「注文導線の設計」で客単価は変わります。モバイルオーダーの導入を支援したお店からも、客単価がアップしたという声をいただいています。
価格を上げなくても、「何を頼みやすくするか」という導線の設計だけで、お客様1人あたりの注文点数は変わります。焼肉店で客単価が上がる注文導線の具体的な仕組みについても、別記事で詳しく解説しています。
「値上げを迷っている経営者さんに私がまず聞くのは、『どのメニューの粗利が一番高いか、今すぐ答えられますか』という質問です。答えられない段階では、値上げの前にやることがある。粗利の構造を把握してから、戦略を立てる順番が正しい」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)
焼肉店のセルフオーダー導入では、回転率と客単価のどちらを優先するかという設計の問題も出てきます。焼肉店のセルフオーダーシステム比較で回転率と客単価の優先順位を考える視点も、併せて参考にしてみてください。
まとめ:値上げの前に、まず数字で「どこが原因か」を特定する
焼肉店が値上げに踏み切れない本当の理由は、「競合が怖いから」ではなく、「どのメニューが原価率を押し上げているか分からないから」です。分からないまま値上げしても、問題の構造は変わらない。
やるべきことは、出数・売上・粗利・リピート率の4軸でメニューを評価し直すこと。そこから「粗利の高いメニューを頼みやすい状態にする」という導線の設計に移る。これが値上げに頼らずに客単価を上げる、別の選択肢です。
弊社では飲食店を中心に833件以上の支援実績と、業界経験21年の知見をもとに、商品別の粗利構成分析とモバイルオーダーの導線設計を一体でサポートしています。「自分の店のどのメニューが問題か、数字で見てみたい」という方は、まずお電話でご相談ください。
📞 0543518655(有限会社繁盛店研究所/平日10:00〜12:00・13:00〜15:00)
「粗利の構造を整理した上で、導線設計まで一緒に進めたい」という方には、モバイルオーダーの導入支援と商品分析設定の代行を組み合わせた形でご相談を受けています。システムを入れて終わりではなく、ABC分析の設定から定着まで伴走する形で支援しています。導入効果が見込める店かどうかを含めて、まず相談だけでも構いません。