飲食店DX

飲食店の人手不足対策、採用より先に整えるべきオペレーションの話

「また同じことを、ゼロからやっている」——そう気づいた瞬間、どんな気持ちになるでしょうか。

2店舗目、3店舗目と出店するたびに、メニューの登録、オペレーションの組み立て、スタッフへの説明。毎回それに1〜2ヶ月を費やして、ようやく軌道に乗り始めるのが3ヶ月後。その間、人手が足りないと感じて、また求人を出す。この繰り返しに疲れていませんか?

こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、飲食店の利益構造改善と店舗DX導入を専門にコンサルティングをしています。飲食店を中心に支援の実績は833件以上、創業から21年になります。

今日お伝えしたいのは、「人手不足は採用で解決する前に、オペレーションを整えることで緩和できる」という話です。とくに、多店舗展開を進めている経営者の方には、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

📋 この記事でわかること

  1. 新店立ち上げに3ヶ月かかる本当の原因
  2. 既存店の設定・データを複製して初日から仕組みを動かす方法
  3. モバイルオーダーが多店舗展開のオペレーション標準化にどう機能するか
  4. 採用より先に整えるべき「仕組みのコピー」という発想の具体的な手順

こんな方におすすめ

  • ✅ 新店を出すたびにオペレーション構築に時間がかかっていると感じている方
  • ✅ 人手不足を採用費で解決しようとしているが、根本的な改善を模索している方
  • ✅ 3〜30店舗規模で多店舗展開を進めているか、これから計画している方
  • ✅ 店長によって数字や動き方がバラバラで、その原因を特定できていない方
  • ✅ 新店の黒字化までに時間がかかりすぎると感じている飲食店経営者の方
飲食店の人手不足対策、採用より先に整えるべきオペレーションの話 | 有限会社繁盛店研究所

人手が足りないのか、仕組みが足りないのか

正直に言います。新店の立ち上げが遅い飲食店の多くは、「人手が足りない」のではなく「仕組みが足りない」のです。

僕は独立直後、仕事がなく、全財産が底をついた時期がありました。食欲もなくなって病院に行ったら、医師から「体には問題ありませんが、商売はうまくいっていますか」と言われたんです。帰り道、号泣しました。

飲食店の経営者の方がよく言うのが、「新しい店長が育たないから出店できない」という言葉です。でも実際に現場を見てみると、育っていないのは人ではなく「その人が使える仕組み」だということが多い。メニューの登録方法、オペレーションのフロー、スタッフへの指示の出し方——これらがすべて属人化しているから、新店を出すたびに経験豊富な誰かが1〜2ヶ月張り付かなければならない。

結論から言うと、採用より先に整えるべきは「既存店の仕組みをそのままコピーできる状態にすること」です。

新店を出すたびに「またゼロからか」と感じているなら、オペレーション構築の手間そのものを減らす方法を先に知っておく価値があります。飲食店コストダウンガイド(63ページ)や、割引ゼロで成果が出る販促100(32ページ)など、立ち上げ期の経営判断に使える資料を無料で受け取れます。メールアドレスを登録して本人確認URLをクリックするだけです。

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「毎回ゼロから」が招く3つのロス

新店のオペレーション構築を毎回ゼロから行うと、3つのロスが生まれます。

チェックポイント1:立ち上げ期間のロス

メニュー登録ひとつとっても、既存店で動いているものをゼロから打ち直すと、それだけで数日から1週間かかります。さらにホールのオペレーション、キッチンとのコミュニケーションのルール化、レジの設定——積み上げると1〜2ヶ月が消えます。

✅ ポイント:既存店のデータや設定を「複製」できる仕組みを持てば、この期間を大幅に短縮できます。POSやモバイルオーダーのシステムが複数店舗への展開を前提に設計されているかどうかが、ここで差を生みます。

チェックポイント2:人件費のロス

立ち上げが長引くということは、その間ずっと人件費が先行して出ていくということです。売上が安定する前に人を動かし続けるわけですから、FLコストのバランスが崩れます。「人が足りない」と感じるのは、この時期に無理な人員配置をしているからという場合も多い。

✅ ポイント:立ち上げ期間を短縮すること自体が、人件費の抑制につながります。「採用してから整える」ではなく「整えてから採用規模を決める」という順序の逆転が重要です。

チェックポイント3:売上機会のロス

オープン直後の集客力が最も高いことは、多くの経営者の方がご存知です。にもかかわらず、その時期にオペレーションが整っていないと、せっかく来てくれたお客様に満足な体験を提供できない。初来店のお客様が「また来よう」と思う基準を超えられないまま、ピーク期を逃してしまいます。

✅ ポイント:初日からオペレーションが動いている状態をつくることが、リピーター獲得の起点になります。新店での再来店率を最初から測る視点を持ってください。

✓ ここまでのポイント

  • 人手不足の前に「仕組みのコピーができる状態か」を確認することが先決
  • 毎回ゼロからのオペレーション構築は、立ち上げ期間・人件費・売上機会の3つのロスを生む
  • 立ち上げ期間を短縮すること自体が、採用コストと人件費の最適化につながる

「客単価がアップした」という声の裏側には、スタッフの経験値に依存しないシステムの設計があります。その設計を複数店舗に展開する具体的な方法は、1記事では書ききれません。メニュー工学ツールや原価管理ツールなど、多店舗展開の数字を整えるための計算ツールも無料で使えます。

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仕組みをコピーするとはどういうことか

「既存店の仕組みをコピーする」というと、マニュアルを作ることだと思われる方が多いのですが、それだけでは不十分です。紙や動画のマニュアルは「読んで理解するもの」ですが、現場で求められるのは「初日から動けるシステム環境」です。

具体的には、次のような要素がコピーできる状態になっていることが理想です。

立ち上げ標準化 STEP 1

メニュー・価格・写真の設定データを既存店から複製する

モバイルオーダーシステムの中には、複数店舗での展開を前提に設計されていて、既存店の設定をそのまま新店に複製できる機能を持つものがあります。メニュー名、価格、写真、カテゴリの並び、おすすめ設定——これを一から打ち直すのではなく、既存店の設定を複製したうえで新店固有の変更だけを加えるという考え方です。

⚠️ よくある失敗:「どうせ新店は別メニューにするから」と言って全部作り直すケース。実際には共通するメニューが多いことも少なくなく、差分だけ変更する方が早い。

立ち上げ標準化 STEP 2

ホールオペレーションをシステムに乗せる

テーブルへの案内からオーダー受付、提供、会計までの流れを、スタッフの経験値に頼らずシステムが補完する形にします。モバイルオーダーが導入されていれば、お客様自身がスマートフォンから注文するため、「オーダーを取る」という動作そのものがなくなります。新人スタッフが多い立ち上げ期でも、注文ミスや取り忘れが発生しにくくなる。

⚠️ よくある失敗:システムを入れたのに「接客の感じが変わる」と心配して、スタッフが手書きでも併用するという二重運用になるケース。最初のルール設計が曖昧だと、かえって混乱します。

立ち上げ標準化 STEP 3

日次の数字確認フローを初日から動かす

売上・客単価・注文点数などのデータが、店長やオーナーがすぐ確認できる状態になっていることが重要です。新店の数字が出るのが翌月中旬では、判断が常に後手に回ります。初日から数字を見て、翌日の動き方を変えられる環境を整えることが、立ち上げ期の黒字化スピードに直結します。

⚠️ よくある失敗:最初の1ヶ月は「慣れるまで」と数字を見ない経営者のケース。立ち上げ期こそ、毎日の数字から学ぶ密度が最も高い時期です。

「新店がうまく立ち上がらない理由を聞くと、みんな人の話をする。でも現場を見ると、人じゃなくて仕組みがない話なんです。仕組みがあれば、経験の浅いスタッフでも初日から動ける。仕組みがなければ、どれだけ優秀な人を採っても毎回ゼロスタートになる。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士 / 飲食店経営コンサルタント)

モバイルオーダーが多店舗展開の「複製ツール」になる理由

モバイルオーダーが多店舗展開で役立つ背景には、単に「お客様がスマホで注文できる」という話だけでなく、オペレーションの標準化とデータの一元管理という側面があります。

また、モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声もいただいています。

客単価のアップは、スタッフが「おすすめを口頭で勧める」スキルに依存していた部分を、システムが補完することで起こりやすくなります。モバイルオーダーの画面上でおすすめメニューや追加注文の提案ができるため、スタッフの経験値に左右されず、新店でも既存店と同等の提案ができるようになる。

これは多店舗展開において非常に重要な意味を持ちます。飲食店のDXツールをオーダー・POS・CRMで一括導入すべきかどうかという判断も、この「複製できるか」という視点から考えると答えが見えやすくなります。

また、飲食店の日報集計をデジタル化するとどう変わるかという観点でも、複数店舗のデータをまとめて確認できる環境は、多店舗展開の経営判断の質を変えます。店長に数字を聞かなくても、オーナーが自分でリアルタイムに見られる状態は、立ち上げ期の不安を減らします。

❌ よくあるパターン:新店を出すたびに異なるベンダーのシステムを導入する

  • 店舗ごとに操作方法が違うため、スタッフの教育コストが積み上がる
  • データが分断されて、複数店舗の横比較ができない
  • 立ち上げ期に複数のシステムを同時に覚えさせると、現場が混乱する

✅ 推奨アプローチ:最初から複数店舗への展開を前提にシステムを選ぶ

  • 既存店の設定を複製できるため、新店の立ち上げ準備期間が短縮される
  • 操作方法が統一されているため、スタッフが別店舗でもすぐに動ける
  • 複数店舗のデータを一画面で比較でき、経営判断のスピードが上がる

なお、飲食店のシステム乗り換えで失敗しないための注意点についても別記事でまとめていますので、現在複数のシステムを併用している方は参考にしてください。

「ツールを売るのではなく、仕組みを売る——これが私のスタンスです。どのシステムを入れるかより、そのシステムが複数店舗でどう機能するかを先に設計しないと、導入してから後悔することになる。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士 / IT導入支援事業者)

まとめ:採用の前に「初日から動ける仕組み」を手元に置く

新店の立ち上げに時間がかかる根本原因は、人手ではなく仕組みの欠如です。毎回ゼロからオペレーションを構築するのではなく、既存店の設定・データ・フローをそのまま複製できる状態にすること——これが、採用コストを増やさずに立ち上げ期間を短縮し、黒字化を早める一番の近道です。

モバイルオーダーは「注文を取るツール」ではなく、「標準化されたオペレーションを新店に即日展開するためのインフラ」として機能します。その視点で導入の是非を判断していただくと、「また同じことをゼロからやっている」という繰り返しを断ち切れるはずです。

もし今、新店出店の準備をしながら「今回もまた時間がかかりそうだ」と感じているなら、まずオペレーションの複製ができる環境が整っているかどうかを確認するところから始めてみてください。

直接話を聞きたい方は、お電話でも受け付けています。
📞 054-351-8655(有限会社繁盛店研究所 / 平日10:00〜12:00・13:00〜15:00)

既存店の設定を複製して新店に展開する——この仕組みが実際に動くかどうかは、使うシステムの設計次第です。モバイルオーダーなどの導入・初期設定代行から90日間の定着支援まで、有限会社繁盛店研究所が一体で対応します。過去にIT導入で失敗した経験がある方も含め、まず現状をヒアリングするところから始められます。

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