「今月も売上はそこそこ出てるはずなのに、手元に残る金額がまったく読めない」
そんな感覚、覚えがありませんか。
こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、飲食店の利益構造改善とリピーター戦略を専門にコンサルティングをしています。
今日は、飲食店経営で「これが一番怖い問題だ」と私が考えている話をしたいと思います。テーマはメニューごとの原価把握です。でも、この記事で本当に伝えたいのは、原価計算のテクニックではありません。「原価が見えていない店には、リピーターが来なくなる構造がある」という、もう少し深い話です。
📋 この記事でわかること
- メニューごとの原価が見えていないと、なぜリピーター戦略が崩れるのか
- 「売上は出ているのに利益が残らない」状態の本当の原因
- 来店客を会員化し、再来店率をKPIにする仕組みの作り方
- 数字で判断できる店づくりへの最初の一歩
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は落ちていないのに、手元に利益が残らないと感じている方
- ✅ 新規集客に費用をかけているが、売上が積み上がらない方
- ✅ リピーターが増えない原因を特定したい方
- ✅ 来店客が誰なのかを把握できていない方
- ✅ 数字で判断できる店づくりに取り組もうとしている方

原価が「感覚値」のままだと、何が起きるのか
たとえば、3店舗を運営する居酒屋チェーンのオーナーが、こんな悩みを抱えていたとします。
「売上はちゃんと上がってるんですけど、月末になると資金がギリギリで。どこで何が起きてるのか、自分でも説明できなくて」
こうしたお店でPOSデータと仕入れ伝票を広げてみると、よくあるのは、人気メニューの多くで原価率をきちんと計算しておらず、「たぶんこれくらいだろう」という感覚値で動いている状態です。
しかも、その感覚値が実態より低く見積もられていると、「原価が高いメニューほど注文されやすい価格設定」になってしまいます。売れれば売れるほど、利益が薄くなる。売上が上がっているのに手元にお金が残らない理由が、ここにあります。
ただ、私が「一番怖い」と考えているのは、原価率のズレそのものではありません。
「売上は出ているのに利益が残らない」という感覚の正体が、少し見えてきたのではないでしょうか。ただ、原価把握と再来店率の測定を同時に動かすには、手元に判断の軸になるツールが要ります。飲食店コストダウンガイド(63ページ)やメニュー工学・原価計算ツールが無料で手に入ります。メールアドレスを入力して届いたURLをクリックするだけで受け取れます。
「誰が来ているか」がわからない店が、なぜ危ないのか
原価が把握できていない状態で、新規集客に費用をかけ続けるとどうなるか。
答えは単純で、「採算の合わないメニューで新規客をもてなし続ける」ことになります。新規客は来る。食べてもらえる。でも利益が残らない。そして翌月また新規集客に費用をかける——この繰り返しです。
問題はさらに根深いところにあります。このサイクルの中では、「そのお客さんが2回目に来たかどうか」を誰も測っていません。来店客が誰なのかを把握していないから、再来店したのかどうかを確認する術がない。
結論から言うと、リピーターが増えない本当の原因の多くは、「来店客を会員化していないこと」にあります。原価の問題と、リピーターの問題は、実はひとつながりの話です。
「原価が見えていない店に共通しているのは、お客さんの顔も見えていないことなんです。どのメニューで利益が出て、どのお客さんが戻ってきてくれているのか。どちらも『測定していないから分からない』という同じ構造です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
私が「メニューごとの原価を把握できていないことが一番怖い」と考えるのは、原価の数字そのものよりも、「その状態のままリピーター戦略を考えようとしても、砂の上に家を建てるようなものだ」からです。
ちなみに、利益率をメニュー構成から改善する具体的な手順については、メニュー改定で利益率を改善する手順でも詳しく解説しています。原価把握と合わせて参考にしてください。
✓ ここまでのポイント
- 原価が感覚値のままだと、売れるほど利益が薄くなるメニュー構成が生まれやすい
- 来店客が誰かを把握していないと、再来店率を測る土台がそもそも存在しない
- 新規集客コストをかけ続けても、リピーター化できなければ売上は積み上がらない
「来店=会員化」の仕組みをどう設計すればいいか、自店の規模感でイメージが湧かない方もいるかと思います。モバイルオーダーを顧客データ収集の入口として活用する具体的な設計は、導入前の相談段階から一緒に考えることができます。当事務所では初期設定から定着支援まで対応していますので、現状のシステム構成を教えていただくところから始められます。
「来店=会員化」を仕組みにすると、何が変わるのか
では、具体的にどう動けばいいのか。私がコンサルティングの中でまず提案するのは、「来店した瞬間に顧客データが蓄積される仕組み」を作ることです。
チェックポイント1:来店客の2回目来店を測定しているか
「先月来てくれたお客さんが、今月また来たかどうか」を数字で把握できていますか。グルメポータルの予約データだけでは、この測定は事実上できません。来店時にLINE登録や会員登録を促す導線が必要です。
✅ ポイント:来店=会員登録の流れを最初に設計する。テーブルのQRコードからLINE登録ができる仕組みを用意するだけでも、顧客データの蓄積は始まります。
チェックポイント2:再来店率をKPIとして設定しているか
「今月の新規客数」は多くの店がモニタリングしています。でも「先月の新規客のうち、今月戻ってきた割合」を追っている店は、実感としてかなり少ない。まずこの数字を定義して、毎月追いかける体制を作ることが先決です。
✅ ポイント:再来店率のKPI設定は「業態平均と比較する」ことから始めると動きやすい。増益繁盛クラブの会員さんの中には、再来店率を38%から71%まで改善したケースもあります。最初の数字がどこにあるかを知ることが、改善の出発点です。
チェックポイント3:モバイルオーダーが顧客データ収集の入口になっているか
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。
客単価が上がる理由はいくつか考えられますが、その一つが「おすすめメニューの自動表示」です。スタッフが口頭で提案しなくても、画面が「このメニューと相性のいいドリンク」を自動で提案してくれる。結果として、原価率の低い利益商品が売れやすくなります。
さらに重要なのは、モバイルオーダーの導入が顧客データ収集の入口になるという点です。注文データが蓄積されることで、「このお客さんは何回来ているか」「何を頼んでいるか」が可視化され、次の来店を促すLINE配信に活用できます。
✅ ポイント:モバイルオーダーを「注文を取る道具」としてだけ見るのではなく、「顧客データを集める入口」として設計することが、リピーター戦略の土台になります。
「数字で判断できる店」になるための最初の一手
ここまで読んでいただいて、「やることが多い」と感じた方もいるかもしれません。でも実際の順番はシンプルです。
リピーター戦略 STEP 1
メニューごとの原価を把握し、利益貢献度でランク分けする
まずは全メニューの原価を洗い出す。感覚値でなく、実際の仕入れ価格と使用量から計算する。「利益が出ているメニュー」と「売れているだけで利益薄いメニュー」を分けて把握する。
⚠️ よくある失敗:原価計算を「一度やれば終わり」として更新しないケース。仕入れ価格は季節や仕入れ先によって変動するため、定期的な見直しが必要です。
リピーター戦略 STEP 2
来店時の会員登録フローを設計する
QRコードからLINE登録、もしくはモバイルオーダーの初回操作時に顧客情報が蓄積される仕組みを作る。「来てくれたら自動的にデータが貯まる状態」を目指す。
⚠️ よくある失敗:スタッフが口頭でLINE登録を促す運用にすると、声かけムラが出る。ツールと導線で自動化することが継続の鍵です。
リピーター戦略 STEP 3
再来店率を毎月モニタリングするKPIに設定する
新規客数ではなく「前月新規客の再来店率」を毎月確認する習慣を作る。この数字が動き始めると、施策の手応えが初めて見えてきます。
⚠️ よくある失敗:「何となく繁盛している感覚」で満足してしまい、KPIを設定しないこと。感覚は裏切りますが、数字は裏切りません。
私がコンサルティングの最初の面談で必ず聞く質問があります。「今の再来店率は何%ですか」という問いです。この数字をすぐに答えられる経営者は、驚くほど少ない。でも、この数字を知っているかどうかが、利益が残る店とそうでない店の分かれ目になっていることが多い。
「売上を上げるより先に、来てくれたお客さんをちゃんと迎えに行く仕組みを作る。それが一番早くて、一番コストがかからないリピーター戦略です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
まとめ:原価と再来店率を「測る」ことから始める
やることを整理すると、まずメニュー全品の原価を洗い出し、利益貢献度の高いメニューを中心にモバイルオーダーの表示順を組み替える。同時に、来店客のLINE会員化フローを整備し、再来店率を月次のKPIとして設定する。この順番です。
私が「メニューごとの原価を把握できていないことが一番怖い」と考えるのは、それが単なる計算の問題ではなく、リピーター戦略の土台を崩す根本原因になるからです。
数字が見えていない状態で、新規集客コストをかけ続けることは、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けることに似ています。まずバケツの穴を塞ぐこと。それが、利益が残る店づくりへの最初の一歩です。
何かご相談があれば、お電話でも気軽にどうぞ。
📞 0543518655(有限会社繁盛店研究所/平日10:00〜12:00・13:00〜15:00)
再来店率をKPIに置き、来店客を会員化する仕組みを動かすには、データが自動で貯まる環境が必要です。今使っているシステムがバラバラでも、どこから整理すればいいかを含めて相談に乗ります。飲食店を中心とした支援実績833件以上の経験をもとに、あなたの店の規模と現状に合った入口をご提案します。