ランチのピークタイム、テーブルはいっぱい、厨房も回っている——そんな最中に電話が鳴ります。でも手が離せない。3コール、4コール……切れてしまった。「また後でかけ直してくれるかな」と思いながら、あなたはどれだけの頻度でその「また後で」が実現しているか、確認したことはありますか?
こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、飲食店経営者の利益最大化を支援して21年になります。今回は「飲食店の電話不応答率」というテーマで、実際のデータと、そこから算出できる機会損失額の計算方法をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 飲食店の電話不応答率の実態(データ出典つき)
- 月間の機会損失額を自分で計算する方法
- 不応答が起きる構造的な原因と、解決までのステップ
- 人を増やさずに取りこぼしをゼロに近づける考え方
こんな方におすすめ
- ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃している気がする方
- ✅ 電話不応答が月にどれだけの損失になるか知りたい方
- ✅ スタッフを電話番から解放して、接客に集中させたい方
- ✅ 人手不足でも予約の取りこぼしを減らしたい飲食店オーナー
- ✅ 2号店・3号店を考えていて、電話対応の仕組みを整えたい方

飲食店の電話不応答率は「平均約20%」——10件に2件が取れていない
結論から言うと、飲食店の電話不応答率は平均約20%です。
これは株式会社エビソルが提供する予約管理システム「ebica」の利用店舗100店の予約データに基づく数値です。つまり、10件かかってきた電話のうち、2件は誰も出られずに切れているということになります。
「うちはそんなに多くない」と感じた方もいるかもしれません。ただ、ここで問題なのは「自分の店の不応答率を正確に把握しているか」という点です。実際、私がコンサルの現場でこの数字を伝えると、ほとんどのオーナーさんが「え、そんなに多いんですか」と驚かれます。なぜなら、取れなかった電話は記録に残らないからです。
鳴ったけど出られなかった——その事実は、台帳のどこにも残りません。だから「なんとなく少ないはず」という感覚になるのは、ある意味で当然のことです。
「1件の取りこぼし」が実際いくらの損失になるか、計算してみる
不応答率が20%という数字は、感覚的にはわかりにくいかもしれません。そこで、金額に換算してみましょう。私が現状診断の場面でよく使っているフレームがこちらです。
月間機会損失額の計算式
月間平均電話件数 × 不応答率 × 予約電話割合 × グループサイズ × 客単価 = 月間機会損失額
たとえば、こんな店を想定してみます。
- 月間の着信件数:300件
- 不応答率:20%(=60件が取れていない)
- そのうち予約電話の割合:70%(=42件が予約の問い合わせ)
- 1グループあたり平均人数:3名
- 客単価:3,000円
計算すると、42件 × 3名 × 3,000円 = 月間37万8,000円の機会損失です。
年換算で約450万円。これはあくまで「電話が取れなかった」分だけの試算です。かけ直してくれるお客様もいるでしょうが、外食の予約という行動は「その瞬間の気持ち」に大きく左右されます。繋がらなければ、次の候補店に電話をかける。それが現実です。
「取りこぼしている予約の数を、ほとんどのオーナーさんは知らない。知らないから怖くないし、だから手も打たない。でも計算してみると、ほぼ全員が青くなります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)
✓ ここまでのポイント
- 飲食店の電話不応答率は平均約20%(株式会社エビソル「ebica」利用店舗100店のデータより)
- 取れなかった電話は記録に残らないため、オーナー自身が気づきにくい構造になっている
- 月間機会損失額は「着信数 × 不応答率 × 予約割合 × グループ人数 × 客単価」で試算できる
なぜピークタイムに電話が取れないのか——構造的な原因を見る
「忙しいから取れない」——それは間違いではありませんが、もう少し掘り下げると、構造的な問題が見えてきます。
チェックポイント①:電話が鳴るタイミングと、店が最も忙しいタイミングが重なっている
昼の12時台、夜の19〜20時台——予約の電話が最も集中するのは、実は店が最もバタついている時間帯です。お客様は「席が取れるか確認したい」という用件で電話しますが、店側はちょうど接客の最中です。
✅ ポイント:ピークタイムの電話は「構造的に取りにくい」と認識することが出発点。運用で解決しようとするのは限界があります。
チェックポイント②:スタッフが電話対応中は、他の業務が止まる
1本の電話対応に平均2〜3分かかるとして、その間スタッフの動きが止まります。複数の席から同時に呼ばれる時間帯に、電話対応と接客を両立させることは物理的に難しい。
✅ ポイント:「電話番をつくる」という解決策は、人手不足の時代にはもはや現実的ではありません。
チェックポイント③:夜間・定休日の予約電話は、ほぼ100%取れていない
営業時間外にかかってきた電話は、基本的に誰も出ません。しかし予約の電話は営業時間中にしか来るとは限りません。特に法人宴会やグループ予約は、昼間の業務中にお客様がかけてくるケースも多いです。
✅ ポイント:24時間365日対応できる仕組みを持つことで、時間外の予約機会を拾えるようになります。
不応答ゼロに近づけるための、現実的なアプローチ
改善 STEP 1
まず「自店の不応答率と損失額」を数字で把握する
感覚ではなく、数字にして見る。これだけで、問題の優先度が変わります。「忙しいから仕方ない」という認識が「月に○○万円逃がしている」という認識に変わった瞬間、行動が変わります。
⚠️ よくある失敗:「だいたい少ないはず」という思い込みで計算を先送りにし、数年間気づかないまま取りこぼし続けるケースが非常に多いです。
改善 STEP 2
24時間対応できる予約の受け皿をつくる
電話に出られない時間帯をカバーするには、オンライン予約かAIによる電話応答の仕組みが有効です。当日予約・翌日以降の予約・予約確認・キャンセル対応をAIが応答し、遅刻連絡など個別対応が必要なものだけを店舗に転送する形が一つの解です。
⚠️ よくある失敗:オンライン予約フォームを設置しても、在庫が少なく「リクエスト予約」しかできない状態では、お客様はグルメサイトに流れます。受け皿は作っても「使われる受け皿」でなければ意味がありません。
改善 STEP 3
流入経路ごとに予約を一元管理し、損失額をモニタリングする
不応答率を改善した後は、どの経路から予約が来ているかを計測します。これにより、グルメサイトへの依存度も同時に可視化でき、「切っていい媒体」と「まだ効いている媒体」の判断が数字でできるようになります。
⚠️ よくある失敗:仕組みを導入しても、データを見ていない。システムは計測のための道具であり、見て判断してこそ機能します。
「電話不応答率20%を放置したままで採用コストをかけるより、取りこぼしをゼロに近づけるほうが、確実に利益が残ります。人を増やす前に、仕組みで拾えるものを拾い切る——それが私の立場です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)
数字が変わると、経営の見え方が変わる
不応答率という一つの数字を見るだけで、店の状態がかなり具体的に見えてきます。増益繁盛クラブの会員さんの中には、この仕組みを整えたことで電話対応の負荷が大幅に減り、スタッフが目の前のお客様に集中できるようになったという声が複数あります。
「月商350万円だったのが620万円になりました。グルメサイトへの依存をやめて、直接予約の仕組みを作ったことが大きかったです。」
飲食店オーナー(増益繁盛クラブ会員)
また、別の会員さんは月商300万円の飲食店から出発して、今では年商2億5,000万円規模まで成長しています。一足飛びに成長したわけではなく、まず自店の現状を数字で把握するところから始め、一つひとつ仕組みを整えていった結果です。
❌ よくあるパターン:「忙しいから電話が取れない」を運用改善で乗り切ろうとする
- シフトを組んでも、イレギュラーが続く
- 電話番を固定すると、接客が手薄になる
- 結局、取りこぼしは減らない
✅ 推奨アプローチ:「取れない構造」を前提に、仕組みで補う
- AIや自動応答で時間外・ピーク帯をカバーする
- オンライン予約の受け皿を「使われる状態」に整える
- 月次で不応答率と機会損失額をモニタリングする
まとめ:「20%」という数字を、自分の店に引き寄せてみてください
飲食店の電話不応答率は平均約20%——この数字は、業界全体の平均値であって、あなたの店の実態ではないかもしれません。もしかしたらもっと低いかもしれないし、もっと高いかもしれない。
大切なのは「自分の店の数字を知ること」です。知ってから判断する。知らないままでは、何も変えられません。
私たちは、予約・集客の現状診断を無料でご提供しています。電話不応答率だけでなく、グルメサイト依存度・自社集客率・Googleビジネスプロフィールの予約導線まで、4つの指標で現状を可視化します。「うちは大丈夫だろう」と思っている方ほど、一度数字で見てみることをおすすめします。
ご相談はお気軽にどうぞ。数字を一緒に見るところから始めましょう。
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