着実な多店舗展開

飲食店の多店舗展開が失敗するのは、立地のせいですか?

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「2号店を出したのに、まったく同じことをやっているはずなのに結果が出ない」——そう相談してくれたオーナーに私がまず聞くのは、「立地を選ぶ前に、1号店の成功要因を言葉にしましたか?」ということです。飲食店の多店舗展開が失敗する主な原因は、立地ではありません。失敗の大半は、出店前に「勝ちパターン」が言語化されていないことにあります。

📋 この記事でわかること

  1. 多店舗展開が失敗する本当の原因(立地ではない理由)
  2. 1号店の成功が2号店で再現できない「属人化」の構造
  3. 出店前に整えるべき「勝ちパターンの言語化」とは何か
  4. 仕組みを作ってから出店するためのステップ

こんな方におすすめ

  • ✅ 2号店・3号店を検討しているが、再現できるか不安な繁盛店オーナー
  • ✅ 2号店を出したものの、1号店と同じ結果が出ずに悩んでいる方
  • ✅ 「立地が悪かっただけだ」と思いながらも、腑に落ちていない経営者
  • ✅ 店長に任せても結局自分が現場に入ってしまう、という状況の方
  • ✅ 売上は伸ばしたいが、利益と自分の時間も守りたいオーナー
飲食店の多店舗展開が失敗するのは、立地のせいですか? | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

多店舗展開の失敗は、本当に立地のせいなのか?

飲食店のオーナーから「2号店が振るわない」という相談を受けると、多くの場合は最初に「立地が……」という言葉が出てきます。確かに立地は重要な要素のひとつです。ただ、私がこれまで飲食店610件を支援してきた経験から言えることがあります。「立地の失敗」として片付けられたケースのうち、実際に立地が根本原因だったのは、全体の3割にも満たない。

残りの7割は何か。出店の前に解決しておくべき「仕組みの問題」が、立地という言葉の下に隠れていたのです。同じエリア、同じ業態で成功している競合店が存在するのに、自店だけが苦戦しているなら、それは立地の問題ではありません。「1号店で機能していた何か」が、2号店にコピーされていないことが原因です。

なぜ「同じことをやっているのに」うまくいかないのか?

結論から言うと、1号店で「うまくいっていたこと」のほとんどは、オーナー自身の判断と勘によって成立していたからです。

常連さんの顔を見れば好みがわかる。混み始めたら席の組み方を瞬時に変える。電話を取りながら予約の優先度を判断する。こうした無数の「現場判断」が積み重なって、1号店の繁盛は成り立っていました。これをそのまま新しい店に持ち込もうとしても、オーナーは物理的にそこにいられません。スタッフは「同じことをやれ」と言われても、そもそも何が「同じこと」なのかが分からない状態です。

「才能はコピーできません。でも仕組みはコピーできます。出店の前にやるべきことは、自分の勘を誰でも再現できるルールに翻訳することです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)

これが多店舗展開における「再現性の欠如」です。立地でも、スタッフの練度でも、景気でもなく、「オーナーの頭の中にしかない情報が言語化されていない」ことが、失敗の本質です。

✓ ここまでのポイント

  • 多店舗展開の失敗原因の多くは「立地」ではなく「再現性の欠如」にある
  • 1号店の成功はオーナー自身の現場判断によって成立していることが多い
  • 才能はコピーできないが、仕組みはコピーできる

出店前に「言語化」しておくべきことは何か?

では、具体的に何を言語化すればいいのか。私が出店前の設計で必ず確認する3つの領域があります。

チェックポイント1:予約導線は「誰でも同じ対応ができる」状態か

電話予約をオーナーが取っている店は要注意です。常連さんへの席のとっておき、特別対応の判断基準、ダブルブッキングを防ぐための空席管理——これらがすべてオーナーの頭の中にあると、新店では再現できません。予約の受け方を「ルール」と「システム」に落とし込むことが最初の一手です。

✅ ポイント:予約管理を一元化し、配席ルールをシステムに登録することで、新人スタッフでも同じ判断ができる状態をつくる。

チェックポイント2:顧客情報は「店の資産」になっているか

「あのお客様はアレルギーがある」「あの方は誕生日が近い」——こうした情報がオーナーの記憶の中にしかない店は、オーナーが席を外した途端に接客の質が落ちます。顧客情報は台帳として蓄積し、どの店舗のスタッフでも呼び出せる状態にしておく必要があります。これが整っていると、新店でも「うちの常連さん対応」ができるようになります。

✅ ポイント:来店履歴・好み・アレルギーを顧客台帳に記録し、予約時に自動で呼び出せる仕組みを1号店のうちに構築しておく。

チェックポイント3:「どの媒体経由の予約が利益に貢献しているか」把握できているか

グルメサイト経由の予約が多い店が2号店を出すと、送客手数料が店舗数に比例して膨らみます。売上は増えているのに利益が残らない、という状態になりやすい。出店前に「自社集客率」を指標として把握し、手数料のかからない予約比率を高めておくことが、多店舗展開の財務的な土台になります。

✅ ポイント:媒体ごとの予約件数と実質手数料を可視化し、どの媒体をどの順で見直すか判断できる状態にしてから出店する。

仕組みを作ってから出店するには、どんな順番で動けばいいか?

「仕組みを先に作る」と言うと、時間がかかりそうに聞こえます。ただ、順番を間違えると取り返しがつきません。増益繁盛クラブの会員さんの中には、2号店を出した後に「仕組みがなかった」と気づいて修正に入ったケースも少なくありません。出店後の立て直しは、出店前の準備の数倍の労力がかかります。

多店舗展開 STEP 1

1号店の「勝ちパターン」を言語化する

オーナー自身が「なぜ繁盛しているのか」を言葉にします。接客の手順、予約の受け方、常連さんへの対応基準、ピーク時の配席ルール——これらをスタッフに引き継げる形に翻訳します。

⚠️ よくある失敗:「うちはなんとなくうまくいっている」と言語化を後回しにして出店し、現場判断をできる人がおらずオーナーが2店舗をかけ持つことになる。

多店舗展開 STEP 2

予約・顧客情報・空席管理を仕組みに置き換える

電話対応・配席・顧客台帳をシステムで管理できる状態にします。スマートフォンから各店の予約状況をリアルタイムで確認できるようになれば、オーナーが現場にいなくても経営判断ができます。

⚠️ よくある失敗:Excelや紙台帳で管理したまま出店し、情報が各店舗に分散して本部から状況が把握できなくなる。

多店舗展開 STEP 3

自社集客率を測定し、媒体依存を減らしてから出店する

グルメサイト経由の予約比率が高いまま店舗を増やすと、手数料も比例して増えます。自社ホームページ・Google・LINEからの予約を増やす仕組みを1号店で作り、数字として証明してから2号店へ展開します。

⚠️ よくある失敗:「2号店が軌道に乗ってから媒体を見直そう」と後回しにし、結局ずっと手数料を払い続けることになる。

「オーナーが毎日現場に立って成立している店は、繁盛店ではなく、オーナーが店に縛られている状態です。2号店を出す前に、あなたが一週間いなくても回る1号店を作ることが先決です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)

「最初は月商300万円だったのに、今では年商2億5,000万円規模にまで成長できました。仕組みを先に作ったことで、出店のたびに同じ成果が出せるようになりました」

増益繁盛クラブ会員(飲食店オーナー)

「立地を変えれば解決する」という考え方は、なぜ危険なのか?

立地を変えることで解決したように見えるケースがあります。ただ、それは「たまたまオーナー自身が新店に張り付いていた時期に軌道に乗った」という場合がほとんどです。仕組みが整っていない状態で出店を繰り返すと、オーナーは常に一番新しい店に張り付くことになり、他の店が手薄になるという悪循環が生まれます。

❌ よくあるパターン:「立地さえ良ければうまくいく」と信じて出店を繰り返す

  • 出店のたびにオーナーが現場に張り付く時間が増える
  • 古い店舗が手薄になり、売上が落ちる
  • 手数料負担が店舗数に比例して膨らみ、利益が残らない
  • スタッフへの権限委譲ができず、採用と離職が繰り返される

✅ 推奨アプローチ:出店前に「仕組み」を整え、1号店から自走できる状態を作る

  • 配席・予約・顧客情報をシステムで管理し、誰でも同じ対応ができる
  • 自社集客率を測定し、手数料負担を出店前に下げておく
  • スマートフォンから各店をリアルタイムで把握し、必要な時だけ介入する
  • 売上より利益を重視した出店計画を立てる

まとめ:立地より先に整えるべきものがある

多店舗展開の失敗を「立地のせい」にするのは、最も手軽な結論です。でも、それでは同じ失敗が繰り返されます。

私が21年間、全国の飲食店オーナーに伝えてきたことはシンプルです。「才能はコピーできない。でも仕組みはコピーできる。」出店の前に、1号店の勝ちパターンを言語化し、予約・顧客情報・空席管理を仕組みに置き換える。そのうえで出店すれば、立地が多少悪くても、同じ水準の店を再現できます。

もし「自分の店の現状が、出店に耐えられる状態かどうか」を確認したい方は、まず無料の現状診断から始めてみてください。予約導線・自社集客率・電話不応答率など、多店舗展開の前に整えるべきポイントを一緒に確認します。

予約管理システム「ebica(エビカ)」について相談問合せするならこちら

また、予約管理・集客・利益改善に関する実践的な情報を定期的にお届けしているメールマガジンもあります。多店舗展開を検討中の方にも、まず読んでいただける内容です。お気軽にご登録ください。

ネット集客マガジンを購読する(無料)


-着実な多店舗展開