こんにちは、ハワードジョイマンです。
先日、焼肉店を3店舗経営されているオーナーから、こんな相談をいただきました。
「月商が合計で500万円を超えるようになったのに、手元にお金が残らない。むしろ1店舗だったころの方が、生活は楽だった気がする」
正直に言うと、この相談、珍しくないんです。年に何件も、似たような声が届きます。売上が増えているのに、利益が減っていく。これは「経営の失敗」ではなく、「構造の問題」です。
今日は、飲食店経営において利益が残る店と残らない店の間にある、具体的な構造の違いをお伝えします。感覚論ではなく、実際の支援現場から見えてきたことをそのまま書きます。
📋 この記事でわかること
- 売上が伸びても利益が残らない根本的な原因
- 利益が残る店と残らない店の集客構造の違い
- 「がんばるほど損をする」状態から抜け出すための考え方
- 利益を残すために今すぐ確認すべきチェックポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は伸びているのに、なぜか利益が残らないと感じている飲食店オーナー
- ✅ グルメサイトの掲載料・手数料が重くなってきたと感じている方
- ✅ 店舗を増やしたが、思ったほど手元にお金が残らない多店舗経営者
- ✅ 広告費を削りたいが、削ると客が来なくなるのが怖い方
- ✅ 「がんばっているのに報われない」と感じている店舗経営者

利益が残らない店に共通する「集客構造」の問題
まず最初に確認したいのは、「何で集客しているか」という点です。
利益が残らない店の多くは、食べログ・ホットペッパーグルメ・ぐるなびといったグルメポータルサイトに、集客の大部分を依存しています。掲載料という固定費に加えて、予約1件ごとに手数料という変動費が上乗せされる。店舗が増えれば、それに比例して手数料も増えていきます。
ここで一度、計算してみてください。月間の予約件数に、1件あたりの送客手数料をかけると、月に何万円が出ていっていますか? 多くのオーナーが、この金額を「なんとなく高いな」とは思っていても、正確に把握していないケースがほとんどです。
さらに問題なのは、グルメサイト経由で来たお客様は「次もグルメサイトから予約する」という行動パターンを持ちやすいことです。つまり、常連になっても手数料が発生し続ける。これが「売上は伸びるが、利益が残らない」構造の正体です。
❌ 利益が残らない店の集客構造
- グルメサイト複数に掲載し、毎月の掲載料が固定費として積み上がっている
- 予約が増えるほど送客手数料も増え、売上拡大が利益拡大に直結しない
- 自社ホームページの予約フォームはあるが、ほとんど使われていない
- どの媒体が本当に効いているか測定できず、やめる判断ができない
✅ 利益が残る店の集客構造
- 自社サイト・Google・LINEを経由した「手数料ゼロの予約」が一定比率を占める
- グルメサイトは補助的に使いながら、自社集客率を月次で追っている
- 予約の流入経路が可視化されているため、媒体ごとの費用対効果を判断できる
- 売上が増えるにつれ、手数料の比率が下がっていく構造になっている
「電話で予約を受ける」ことの見えないコスト
もう一つ、見落とされやすいコスト構造があります。それが「電話の不応答」です。
飲食店の電話不応答率は、平均で約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。10件に2件は、電話が繋がらずに終わっているということです。
ピークタイムに手が離せないのは当然のことです。でも問題は、その「取れなかった予約」の件数と金額を、ほとんどのオーナーが把握していないことです。
月間の入電数が150件あるとして、不応答率20%なら30件が繋がっていない。そのうち予約電話の割合が60%なら18件の予約機会が失われている。グループ平均2.5名、客単価3,500円とすると、月間で15万円以上の機会損失になります。これを知らずに「忙しい月は売上が高い」と思っているとしたら、実態はもっと取れていたはずなんです。
✓ ここまでのポイント
- 利益が残らない根本原因は「集客構造」にある。売上の増加が手数料の増加に直結している限り、利益は薄くなる一方
- 電話不応答は月単位で数万〜十数万円の機会損失になっている可能性がある。しかし多くの店が実数を把握していない
- 「何で予約が来ているか」を可視化していない限り、改善の糸口は見えない
利益が残る店は「仕組み」で差をつけている
チェックポイント1:自社集客率を把握しているか
グルメサイト経由と、自社経由(ホームページ・Google・LINE・電話)の予約比率を、毎月測定していますか? この数字を持っていない店は、媒体費用を削る判断も、増やす判断も、すべて「感覚」でやっていることになります。
✅ ポイント:まず「今月の予約のうち、手数料が発生していない予約は何件か」を数えるところから始めましょう。この比率を「自社集客率」として月次で追うことが、利益改善の出発点です。
チェックポイント2:Googleビジネスプロフィールの予約導線はどこへ飛ぶか
あなたの店名をGoogleで検索した人が「席を予約」ボタンを押したとき、どこへ飛ぶかご存知ですか? グルメサイトに飛んでいるとしたら、自分の名前で来た客に対しても手数料を払っていることになります。
✅ ポイント:自分でスマートフォンから店名を検索して、予約の流れを一度たどってみてください。手数料のかからない自社導線に繋がっていなければ、見直しの余地があります。
チェックポイント3:複数サイトで在庫を分割していないか
食べログとホットペッパーに同じ日時の席を別々に登録している場合、実質的に在庫を分割しています。在庫が少なく見えるため、自社予約フォームに回せる枠がほとんど残らない。結果として「自社予約ボタンはあるが、ほぼリクエスト予約しか受けられない」という状態になります。
✅ ポイント:在庫を一元管理し、すべての媒体と自社導線に同じ在庫を公開する仕組みを作ることで、この問題は解消できます。ダブルブッキングはシステム側で防ぐことができます。
「売上が増えているのに利益が残らない——それは『経営の失敗』ではなく、『仕組みの問題』です。仕組みを直さずに売上を増やすことは、赤字を複製することと同じです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
「がんばるほど損をする」状態から抜け出すために
増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円の飲食店から、年商2億5,000万円規模まで成長された方がいます。また、月商350万円から620万円へ、リピート率38%から71%に改善した事例もあります。
共通しているのは、「売上を追う前に、利益構造を整えた」という点です。集客媒体の見直し、自社予約導線の整備、電話不応答の対策——こうした「仕組みの手直し」を先にやった店が、結果として売上も利益も伸ばしています。
「月商350万円から620万円になりました。売上だけでなく、手元に残るお金が増えたことが一番うれしかったです」
飲食店オーナー(40代・男性)
私自身、独立直後に全財産が底をつく経験をしています。食欲を失い、受診した医師に「商売はうまくいっていますか」と心配されて、帰り道に号泣した。あの経験があるから、「がんばっているのにお金が残らない」という状態がどれだけ辛いか、身をもってわかります。だからこそ、精神論ではなく仕組みで解決することにこだわっています。
❌ よくある対処法(効果が出にくいパターン)
- 「もっと集客しなければ」とグルメサイトをさらに増やす
- スタッフを増やして対応力を上げようとする(採用コストが増える)
- 割引・クーポンで客数を維持しようとする(客単価が下がる)
✅ 利益が残る店が選んでいる打ち手
- まず「1予約あたり実質いくら払っているか」を算出する
- 手数料のかからない自社予約の受け皿を整える
- 電話不応答の実数と機会損失額を把握し、仕組みで補完する
- 媒体ごとの効果を数字で測定し、効いていない媒体から順に見直す
まとめ:利益を残す店は、「見える化」から始めている
利益が残る店と残らない店の最大の違いは、才能でも立地でも料理の腕でもありません。「自分の店の集客がどういう構造になっているか」を把握しているかどうか、そこです。
見えていないものは改善できません。まず自店の状況を可視化することが、利益改善の第一歩です。
当社では、飲食店の予約と集客の現状を4つの指標(グルメサイト依存度・電話不応答率・自社集客率・Google予約導線)で診断する無料の現状診断をご用意しています。診断の結果から、「今どこから手をつければ利益が改善するか」を一緒に整理しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
飲食店の集客・予約管理の仕組みづくりについて、具体的に動きたいという方はこちらからどうぞ。
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