着実な多店舗展開

多店舗の管理、本部が見るべき4つの数字

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「店長会議の報告でしか、各店の状況が分からない。」

こんな声を、複数店舗を持つオーナーから何度もいただいてきました。1号店が軌道に乗り、2号店・3号店と展開を進めたはずなのに、いつのまにか自分は〝数字の火消し役〟になっている。月に一度の会議で渡される報告書を眺めながら、「これ、先月の話だよな」と苦笑いした経験のある方も、きっと少なくないはずです。

今回の記事では、増益繁盛クラブの会員さんや支援先からいただいたリアルな声をもとに、「本部が毎月追うべき4つの数字」をお伝えします。数字を揃えることで、打ち手が後手から先手に変わります。

📋 この記事でわかること

  1. 多店舗経営で「利益が残らない」原因になりがちな数字の盲点
  2. 本部が定点観測すべき4つの指標とその読み方
  3. 数字を可視化したことで経営が変わった会員さんの実例
  4. まず何から手をつければいいか、具体的な最初の一手

こんな方におすすめ

  • ✅ 2店舗目・3店舗目を出したが、1号店と同じ結果が出ていない方
  • ✅ 売上は伸びているのに、手元に利益が残らないと感じているオーナー
  • ✅ 各店の状況を事後的な報告書でしか把握できていない経営者
  • ✅ 出店の判断を、勘ではなく数字で行いたい方
  • ✅ 店長に任せたいのに、結局自分が現場に入ってしまうオーナー
多店舗の管理、本部が見るべき4つの数字 | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

「売上は過去最高なのに、なぜか手元に残らない」——よくある多店舗の落とし穴

増益繁盛クラブの会員さんから、こんな声をいただいたことがあります。

「3店舗目を出した直後から、不思議と利益が薄くなりました。売上の合計は増えているのに、月末に手元に残るお金が1店舗のときより少ない気がして……最初は気のせいだと思っていたんですが、半年続いたので相談しました。」

居酒屋オーナー(40代・男性)

これは珍しい話ではありません。結論から言うと、多店舗化すると「構造的に利益が薄くなる要因」が複数重なります。その最大の原因の一つが、グルメサイトの送客手数料が店舗数に比例して膨らむという問題です。

1店舗のときは月数万円だった手数料が、3店舗になれば単純に3倍近くになる。しかも、集客力が3倍になるわけではない。拡大しながら依存構造を持ち込んでいると、規模が大きくなるほど利益が圧縮されていきます。

この構造を放置したまま「さらに4店舗目を出す」という判断をしてしまうと、赤字を複製することになります。出店の前に、1店舗あたりの集客構造を確認することが先決です。

本部が見るべき数字①:自社集客率

まず確認してほしいのが、「有料媒体に頼らずに獲得できている予約の比率=自社集客率」です。

グルメサイト経由の予約が全体の80%を占めている店舗は、逆に言えば自社集客率が20%しかないということ。この状態で店舗を増やすと、手数料の絶対額が増え続けます。

会員さんの中には、この指標を月次で追い始めたことで、「どの媒体をいつ止めるか」の判断基準が生まれたとおっしゃる方が何人もいます。「切りたいけど怖くて動けない」という状態から抜け出せたのは、数字で現状を見られるようになったからです。

自社集客率を上げる手段は複数ありますが、まず「自社の予約導線に在庫がきちんと割り当てられているか」を確認するところから始めてください。在庫を統合して自社フォームへフル公開する仕組みが整うと、手数料ゼロの予約が増え始めます。

本部が見るべき数字②:電話不応答率と機会損失額

次に確認してほしいのが、各店舗の「電話不応答率」です。

飲食店の平均電話不応答率は約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。10件に2件が繋がっていない。そして多くのオーナーは、その実数を把握していません。

本部がこの数字を各店舗から報告させている例は、正直ほとんど見たことがありません。でも、考えてみてください。3店舗で合計月100件の予約電話があれば、20件が取りこぼされているかもしれない。グループ人数と客単価をかけ合わせると、月間の機会損失額が金額で見えてきます。

増益繁盛クラブでは、この試算を「電話不応答の機会損失診断」として無料で提供しています。「自分の店が毎月いくら取りこぼしているか」を数字で知るだけで、多くのオーナーが危機感を持ち直します。

「取りこぼしている予約を拾うことは、新しい客を集めるより確実に利益に直結します。すでに来ようとしている人を、仕組みの問題でお断りしているわけですから。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)

本部が見るべき数字③:予約経路別の比率

3つ目は、「どこから予約が来ているか」の経路別比率です。

食べログ経由、ホットペッパー経由、自社サイト経由、Google経由、電話、LINE——それぞれの比率が店舗ごとに出せていますか?

この数字を追い始めると、「A店では食べログが効いているが、B店はほとんど自社サイト経由だ」という事実が見えてきます。媒体ごとの効果が店舗によって異なるのは当然のことなのに、本部がまとめて「全店で同じ媒体を使う」という判断をしていると、無駄なコストが積み上がっていきます。

予約を一元管理し、経路別に計測できる状態を作ること。それだけで「切っても大丈夫な媒体」と「まだ効いている媒体」を数字で切り分けられるようになります。恐怖ではなく、根拠で意思決定できるようになる。これは多店舗経営者にとって、非常に大きな変化です。

✓ ここまでのポイント

  • 多店舗化で利益が薄くなる主因の一つは、グルメサイト手数料が店舗数に比例して膨らむこと
  • 「自社集客率」と「電話不応答率」は、毎月定点観測すべき最優先指標
  • 予約経路別の比率を把握することで、媒体の取捨選択が感覚ではなく数字でできるようになる

本部が見るべき数字④:リピート率

4つ目の指標は、リピート率です。

新規集客にかかるコストは、リピーター集客の5倍以上と言われます。多店舗展開が進むほど、この差は利益に直撃します。にもかかわらず、リピート率を毎月数字で追っている多店舗オーナーは少ない。

こんな声もいただきました。

「リピート率が38%から71%になったとき、広告費を削っても客数が落ちませんでした。そのとき初めて、自分が今まで穴の開いたバケツに水を注いでいたんだと気づきました。」

飲食店オーナー(50代・男性)

リピート率を上げるには、顧客情報を資産として使える状態にすることが前提です。常連さんの好みやアレルギーが自分の頭の中にしかない状態では、店舗が増えた瞬間に接客品質が崩れます。来店履歴・好み・アレルギーを顧客台帳に蓄積し、スタッフ全員が参照できる状態を作る。これが多店舗でリピート率を維持する土台です。

4つの数字を本部で可視化するための「最初の一手」

チェックポイント1:自社集客率は測定できているか

自社の予約のうち、有料媒体に頼らず獲得できているものの比率を出せていますか?予約を一元管理できる仕組みがないと、この数字は出ません。

✅ ポイント:まず「1予約あたり実質いくら払っているか」を媒体別に算出し、比率が低い媒体から順に見直す検討を始めましょう。

チェックポイント2:電話不応答率を各店から報告させているか

月に何件の入電があり、何件が繋がらなかったか。この数字を本部が把握していなければ、機会損失は見えないまま積み上がります。

✅ ポイント:不応答率に月間入電数・予約電話割合・グループサイズ・客単価をかければ、月間機会損失額が試算できます。この金額を見てから「仕組みを入れるかどうか」を判断してください。

チェックポイント3:予約経路が店舗別に分かるか

「どこから来た予約か」が店舗ごとに把握できていますか?報告書に「食べログ〇件、自社〇件」という内訳がなければ、媒体の取捨選択はできません。

✅ ポイント:予約管理を一元化し、経路別に集計できる状態を作ることが先決です。

チェックポイント4:リピート率を月次で追っているか

新規客とリピーターの比率を、月次で各店から上げさせていますか?この数字がなければ、広告費削減の判断もできません。

✅ ポイント:顧客台帳に来店履歴を蓄積し、2回目・3回目の来店を促す施策の効果を数字で確認する習慣をつけましょう。

「数字が事後的にしか届かない組織では、打ち手は必ず後手に回ります。リアルタイムで見える状態を作ることが、本部経営の第一歩です。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)

まとめ:数字は「管理するため」ではなく「判断するため」に見る

本部が見るべき4つの数字を、改めて整理します。

❌ よくある多店舗の管理パターン

  • 月1回の会議でしか各店の状況を把握できない
  • 媒体ごとの費用対効果が分からず、惰性で契約を続けている
  • 電話不応答の実態を知らず、機会損失が積み上がっている

✅ 本部が月次で追うべき4つの指標

  • 自社集客率(有料媒体依存の構造を測る)
  • 電話不応答率と機会損失額(取りこぼしの実態を金額で知る)
  • 予約経路別比率(どの媒体を残し、どれを止めるかを決める根拠にする)
  • リピート率(広告費に依存しない集客基盤の健全度を測る)

この4つの数字が手元に揃うだけで、経営判断の質は変わります。支援実績21年、飲食店だけで610件以上の支援を重ねてきた立場から断言できます。数字がなければ、どれだけ現場が頑張っても「なぜうまくいっているのか・いないのか」が分からない。分からなければ、再現もできない。

月商300万円だった飲食店が年商2億5,000万円規模へと成長した会員さんも、最初の変化は「自分の店を数字で見る習慣」を持ったことでした。

まず現状を確認するところから始めたい方は、お気軽にご相談ください。自店の数字を一緒に整理するところからお手伝いします。

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