飲食店DX

飲食店のコスト削減、最初に手をつけるべき順番

こんにちは、ハワードジョイマンです。

年が明けて光熱費の請求書を見て、思わず二度見した——という話を、最近立て続けに2人の飲食店オーナーから聞きました。エネルギーコストの上昇は今に始まった話ではないのに、いざ数字を突きつけられると「どこから手をつければいいんだ」と頭を抱えてしまう。その気持ち、よくわかります。

ただ、正直に言います。多くの飲食店が「コスト削減」と言ったとき、真っ先に手をつけるべき場所を間違えています。食材の見直しや人件費の圧縮より先に、もっと「取り戻しやすいお金」が眠っている場所があるからです。

今回の記事では、ある焼肉チェーン(5店舗)のケースを軸に、コスト削減で最初に手をつけるべき順番と、その理由をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店がコスト削減で最初に見直すべき意外な「盲点」
  2. システムがバラバラのままだと毎月どれくらいの損が発生しているか
  3. ベンダー集約の具体的な進め方と、陥りやすい失敗
  4. 実際にシステムを整えた飲食店で起きた変化

こんな方におすすめ

  • ✅ POS・勤怠・予約・販促ツールをそれぞれ別会社から契約している方
  • ✅ 毎月のシステム費用の合計を即答できない方
  • ✅ 原価や人件費より先に削れるコストを探している飲食店経営者の方
  • ✅ 複数店舗を運営していて、管理コストが増え続けている方
  • ✅ 過去にITツールを導入したが定着しなかった経験がある方
飲食店のコスト削減、最初に手をつけるべき順番 | 有限会社繁盛店研究所(Dinii正規代理店:モバイルオーダーシステム)

「コスト削減」と聞いて、最初に何を思い浮かべましたか?

食材の仕入れ先を変える。アルバイトのシフトを見直す。電気代の契約プランを変更する——おそらく多くの方はそういったことを思い浮かべるはずです。どれも間違いではありません。ただ、私が21年間コンサルティングの現場で見てきた経験から言うと、その前に必ず確認してほしいことがあります。

それは、毎月のシステム費用の総額を把握しているか、という点です。

静岡市内の焼肉チェーン(5店舗、オーナー40代・2代目)の案件でのことです。最初にご相談を受けたとき、「原価率が上がっているのに、どこが原因かわからない」とおっしゃっていました。利益構造を一緒に整理していくと、驚くことが起きました。毎月のシステム費用の合計が、オーナー自身も把握していなかったのです。

POSレジ(A社)、勤怠管理(B社)、ネット予約(C社)、Webチラシ配信(D社)、さらに各店舗ごとに旧式のタブレット端末のリース料……。一つひとつは「月1〜2万円程度」のつもりが、全部合わせると5店舗で月額38万円超になっていました。年間に換算すると456万円。この金額、仕入れの削減努力で取り返そうとしたら、どれほどの苦労が必要か、想像してみてください。

なぜ「システムのバラバラ問題」は放置されてしまうのか

このオーナーが特別に無頓着だったわけではありません。飲食店のシステムが乱立する構造には、理由があります。

開業時にまずPOSを入れる。しばらくして勤怠が手書きでは回らなくなり、勤怠ツールを追加する。グルメサイトが電話予約を勧めてきて、予約システムを入れる。SNS運用が面倒になって代行会社に頼む——。このように「必要に迫られたとき、その場しのぎで追加してきた」結果、全体最適の視点がないまま複数ベンダーが積み重なっていくわけです。

しかも問題はコストだけではありません。ベンダーが違うと、データが連携しない。POSの売上と勤怠の人件費を突き合わせるのに、担当者が毎月手でExcelを作らなければならない。集計に数日かかり、月次の数字が出るのが翌月の中旬——という悪循環が生まれます。

「コスト削減の前に、まずシステムの棚卸しをしてください。食材の値下げ交渉より先に、毎月自動で出ていくお金の全体像を把握することが先です。多くの場合、そこが一番取り戻しやすい場所です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

ベンダー集約、具体的にどう進めるか

先ほどの焼肉チェーンのオーナーと一緒に進めたのが、次の手順です。「難しそう」と思うかもしれませんが、やることはシンプルです。

システム集約 STEP 1

契約中のすべてのシステムと月額費用を書き出す

まず請求書・クレジットカード明細・口座引き落としの履歴を3ヶ月分引っ張り出して、「名称/月額/契約先/契約更新月」を一覧にします。このとき「あれ、これ何のサービスだっけ」と止まってしまうものが必ず出てきます。それが既に「使っていない死にコスト」です。

⚠️ よくある失敗:「あとで調べよう」と後回しにし、結局やらないまま半年が経つ。棚卸しは「今日の30分」でやり切る気持ちで。

システム集約 STEP 2

「使っているか・使えているか」で仕分けする

一覧ができたら、各ツールに「①使っている ②使ってはいるが効果不明 ③ほぼ使っていない」の3段階でラベルを貼ります。③に分類されたものは即解約候補です。②は「このツールがなくなったら困るか」を問い直してみてください。

⚠️ よくある失敗:「せっかく導入したから」「いつか使うかもしれないから」でズルズル続けるケース。使っていないツールに支払い続けるのは、封を開けていない食材を廃棄するのと同じです。

システム集約 STEP 3

統合可能な機能をひとつのプラットフォームに寄せる

POS・モバイルオーダー・顧客管理・勤怠・決済・予約・経営管理がひとつに統合されているシステムに移行できれば、月額の削減と同時に「データが繋がる」メリットが生まれます。私が正規代理店として導入支援しているDiniiは、まさにこのAll in One型のシステムで、先ほどの焼肉チェーンでも採用しました。

⚠️ よくある失敗:「移行が面倒だから」と先延ばしにする。実際には、初期設定の代行と定着支援がセットであれば、移行の手間は想像より少ない。

✓ ここまでのポイント

  • 飲食店のコスト削減は「システムの棚卸し」から着手するのが最も回収が早い
  • バラバラのベンダー管理はコストだけでなく、経営判断の遅れも招いている
  • 棚卸し→仕分け→統合の3ステップで、まず「見えているコスト」を取り戻す

システムを整えたら、現場で何が変わったか

焼肉チェーンのケースに戻ります。Diniiへの統合後、まず変わったのは「数字を見る速度」でした。それまで翌月中旬にしか出なかった各店の売上・人件費・原価が、翌日の朝には確認できるようになった。オーナー曰く「今まで後手に回ってた打ち手が、先手で打てるようになった」と。

そして、もうひとつ嬉しい誤算が起きました。モバイルオーダーの導入により、注文点数がアップしたのです。

「モバイルオーダーの導入により注文点数がアップした」

増益繁盛クラブ 会員(焼肉チェーン経営者)

これはよくある話で、テーブルにいながらスマートフォンで追加注文しやすくなると、「もう一品頼もうか」のハードルが下がります。スタッフを呼んで注文を伝える手間がなくなると、お客さま側が自然と頼む点数が増えるんです。コスト削減を目的として入れたはずのシステムが、売上向上にも寄与した——という例は増益繁盛クラブの会員さんの中には珍しくありません。

また、月額費用については、統合前の月38万円超から月21万円台へ削減できました。単純計算で年間200万円近い差です。この分を、残ってくれているスタッフへの処遇改善に回すことができました。

コスト削減の「正しい順番」をまとめると

結論から言うと、飲食店のコスト削減で最初に手をつけるべき順番は次のとおりです。

❌ よくある間違いのアプローチ

  • 食材の仕入れ価格交渉から入る(時間がかかり、成果が小さい)
  • アルバイトのシフトを削る(現場が回らなくなり、サービス品質が下がる)
  • 広告費を一律カットする(リピーターが育っていない状態だと売上が急落する)

✅ 推奨するアプローチ

  • まず「システム費用の棚卸し」で、使っていないコストを可視化する
  • ベンダーを集約して、月額・連携コスト・窓口対応を一本化する
  • 空いたリソース(お金・時間・人)を、現場の改善とスタッフ定着に再投資する

食材コストや人件費の見直しは、その後で十分です。「取り戻しやすいところから取り戻す」——これが最短距離のコスト削減です。

「節約は、削れる順番に削るのではなく、取り戻せる順番に取り戻すものです。飲食店の場合、その一番手はほぼ間違いなくシステム費用です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所)

まとめ:まず今日、システムの請求書を全部並べてみてください

コスト削減の話をすると、多くのオーナーが「仕入れ」か「人件費」に意識が向きます。でも、その前に毎月静かに出ていっているシステム費用の総額を、一度でいいから全部並べてみてほしいのです。

私の経験では、飲食店610件以上の支援を通じて、複数店舗を持つ飲食店オーナーの多くが「合計を聞かれたら即答できない」状態にあります。それはサボっていたのではなく、順番に必要なものを足してきた結果です。ただ、気づいたときに整理するのが最善です。

棚卸しのやり方がわからない、どのシステムを残してどれを捨てるべきか判断に迷う——そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。システム棚卸し診断から始めて、統合可能な部分を一緒に整理します。

まずは気軽に話を聞いてみたい方は、こちらからどうぞ。お待ちしています。

Dinii導入相談・問合せはこちらから

システムの活用方法から知りたい方は、こちらの無料資料もあわせてご覧ください。

モバイルオーダーシステム活用法はこちら(無料)

-飲食店DX