こんにちは、ハワードジョイマンです。
突然ですが、こんなデータをご存知でしょうか。観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円。費目別では宿泊費36.6%、買物代27.0%に対し、飲食費は21.9%です。一般客1人当たりの旅行支出22.9万円のうち、飲食費は5.0万円となっています。
インバウンド客は「お金を使う意欲がある」お客様です。飲食店側の注文導線しだいで、その消費をもう一段引き出せる余地があります。
そして重要なのは、この問題の解決に「値上げ」は必要ないという点です。価格を据え置いたまま、注文の仕方・見せ方・タイミングを変えるだけで、1組あたりの売上を伸ばせる余地があります。今回は、インバウンド客の客単価を上げる4つのポイントを、具体的な進め方とともにお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 訪日外国人客の客単価が上がりにくい「本当の理由」
- 値上げなしで客単価を伸ばす4つの具体的アプローチ
- おすすめ表示・オプション訴求・追加注文声かけを自動化する方法
- モバイルオーダー導入を支援したお店からいただいた声
こんな方におすすめ
- ✅ インバウンド客が増えているのに客単価が上がっていない飲食店経営者の方
- ✅ 値上げをせずに1組あたりの売上を伸ばしたい方
- ✅ 外国語対応のオペレーションをスタッフに頼らず仕組み化したい方
- ✅ モバイルオーダーのおすすめ表示・オプション機能を使いこなせていない方
- ✅ 3〜30店舗規模で、店舗ごとのインバウンド売上にバラつきがある方

インバウンド客の客単価が上がらない「本当の理由」
「訪日外国人のお客さんは食べてくれるけど、なんか客単価が低いんですよね」——こういった声はよく聞かれます。
原因を探ると、たいてい同じ場所に行き着きます。「追加注文の導線がない」というシンプルな問題です。
日本人のお客さんなら「もう1杯いかがですか?」「本日のおすすめはこちらです」という声かけや、卓上POPの文章を自然に読んで追加注文につながります。しかし訪日外国人のお客さんは、日本語のPOPは読めない、スタッフの声かけも聞き取れない、メニューも文字を読むのが難しい——という状況で食事をしていることが多い。結果として「わかるものだけ頼んで終わり」という注文行動になりやすいのです。
つまり問題は「インバウンド客の消費意欲が低い」のではなく、「お店側が追加注文を促す仕組みを持っていない」ことにあります。ここを整えると、価格を変えなくても客単価は動きます。
「追加注文の導線がない」と気づいたとしても、自店のメニュー構成やオプション設計をどこから整えればいいか、手が止まってしまうことがあります。無料で使えるレシピ原価管理ツールや増益繁盛プランナーを使えば、メニューの利益構造と注文設計を5ステップで整理できます。メールアドレスだけで今すぐ無料登録できます。
ポイント①:多言語メニューの「見た目」より「導線」を先に整える
インバウンド対策といえば「まず多言語メニューを作る」という発想になりがちですが、結論から言うと、メニューの翻訳より「どの順番で何を見せるか」の設計が先です。
紙の多言語メニューは全品を羅列しているものが多く、お客さんは「なんとなく安いもの・名前を知っているもの」を選んで終わります。追加注文を促す動線がありません。
一方、モバイルオーダーであれば、カテゴリの並び順・トップ画面のバナー表示・注文完了後の「次のおすすめ」ポップアップを設計できます。英語・中国語・韓国語などで表示しながら、「今夜のおすすめ3品」や「〇〇と一緒に頼まれることが多いメニュー」をプッシュすることが可能です。
これはまさに、居酒屋の客単価を上げるポイントでも共通しますが、「見せ方」と「タイミング」の組み合わせで注文点数は変わります。インバウンド客に対しては、言語のハードルをシステムが吸収しながらこれを実現できるのが、モバイルオーダーの大きな強みです。
ポイント②:オプション・追加トッピングを「ゼロ摩擦」で提示する
客単価を上げるうえで、実は一番効果が出やすいのが「オプション訴求」です。
たとえば、焼肉店なら「タレ追加」「ご飯の大盛り」「サイドメニューのセット」、居酒屋なら「単品をセットにアップグレード」「シェア用の取り皿・鍋セット追加」——こういったオプションは、日本語が読めるお客さんには自然に伝わりますが、外国語対応がなければ完全に機会損失になっています。
モバイルオーダーにオプション設定を組み込んでおけば、注文のタイミングで多言語で自動表示されます。スタッフが説明する必要はありません。「これも頼んでみようか」という小さな意思決定が積み重なることで、1組あたりの注文点数は変わってきます。
追加注文の声かけを仕組みにする方法でも整理しているとおり、「提案のタイミングと見せ方」を整えることが客単価に影響します。インバウンド客に対しては、これをシステムが代わりに行うイメージです。
✓ ここまでのポイント
- インバウンド客の客単価が低い根本原因は「追加注文の導線がない」こと
- 多言語メニューの翻訳より、注文導線の設計(どの順番で何を見せるか)が先
- オプション・追加提案をシステムに組み込めば、スタッフなしで追加注文が生まれる
おすすめ表示・オプション訴求・追加注文の自動化を「実際にどう設定するか」は、1記事では書ききれない部分があります。ハワードジョイマンAIへの無料相談や、みんなの経営相談DBを使えば、自店の業態に合った設計の相談ができます。無料登録後すぐに電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」もダウンロードできます。
ポイント③:「追加注文の声かけ」を自動化し、タイミングを逃さない
国内客でも外国人客でも、追加注文が生まれやすいタイミングは決まっています。最初の料理を楽しんで少し落ち着いた頃です。このタイミングでおすすめを提示できるかどうかが、客単価の差に直結します。
ホールスタッフが忙しい時間帯に、全テーブルにこのタイミングで声をかけるのは現実的ではありません。しかしモバイルオーダーなら、「最初の注文から〇分後に追加提案を表示する」という設定が可能です。多言語表示で、スタッフの手を借りずに。
「声かけは"サービス"だと思われがちですが、私は"仕組み"だと考えています。タイミングよく提案できる仕組みがあれば、スタッフの経験値に関係なく客単価は安定する。インバウンド対応も同じで、語学力じゃなくて設計力の問題です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
モバイルオーダーの導入を支援したお客様からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。値上げではなく、「提案の自動化」が機能した結果と考えられます。
ポイント④:「何が売れているか」を数字で把握し、インバウンド向けに絞り込む
4つ目のポイントは、少し視点を変えて「データを使った絞り込み」です。
客単価を上げようとするとき、全メニューを均等にプッシュしても効果は薄い。重要なのは、「外国人客がよく注文するメニュー」「外国人客が頼まない高単価メニュー」の2軸を分けて把握することです。
モバイルオーダーのPOSデータを使えば、時間帯別・テーブル別の注文傾向を分析できます。ここで「インバウンド客がよく来る時間帯に、高単価メニューの注文比率が低い」という傾向が見えたとしたら、その時間帯のおすすめ表示をその高単価メニューに集中させるだけで、理論上は客単価は上がります。
感覚ではなく、日次のデータで判断できること——これが「数字で動かせる店」との最大の違いです。
多店舗展開をしている場合は特に重要で、店舗ごとのインバウンド売上の差異を比較できると、「なぜあの店舗だけ客単価が低いのか」という問いに答えが出るようになります。飲食チェーンの属人化を外す観点からも、データで判断できる仕組みが属人的なオペレーションを是正する鍵になります。
チェックポイント1:インバウンド客の注文データを取れているか
時間帯・テーブル単位で「何を・何品・いくら」注文されたかを把握できていますか?感覚での判断が続いている場合、改善の打ち手は後手に回り続けます。
✅ ポイント:モバイルオーダーのPOSと連携したデータを日次で確認できる状態を作ることが出発点。週次レビューの仕組みをまず設ける。
チェックポイント2:追加注文の「提案タイミング」が設計されているか
スタッフの声かけ任せになっていませんか?繁忙時間帯には声かけが後回しになり、結果として追加注文の機会を失っていることが少なくありません。
✅ ポイント:モバイルオーダーの「時間経過後の表示設定」や「注文完了後のおすすめポップアップ」を活用し、タイミングをシステムに任せる設計に変える。
チェックポイント3:オプション・追加提案が多言語で表示されているか
日本語専用のオプション設定のままになっていませんか?インバウンド客にはその提案が届いていない可能性があります。
✅ ポイント:オプション項目・追加提案の言語設定を確認し、英語・中国語(繁体・簡体)・韓国語の4言語で表示されているかをまず点検する。
まとめ:値上げより「導線設計」を先に
訪日外国人の客単価を上げるために、値上げは必要ありません。今回お伝えした4つのポイントを整理します。
- ①多言語メニューより「注文導線」を先に設計する
- ②オプション・追加提案を多言語でゼロ摩擦に表示する
- ③追加注文の声かけタイミングをシステムで自動化する
- ④注文データを数字で把握し、おすすめ表示を絞り込む
この4つは全て「価格を据え置いたまま、設計で客単価を動かす」アプローチです。インバウンド需要が高まる今の環境で、値上げと客離れのせめぎ合いに悩むよりも、まず注文導線を点検してみてください。
私は飲食店を中心に833件以上の支援、業界経験21年の中で一貫して言い続けていることがあります。「儲かる仕組みは、がんばりではなく設計から生まれる」ということです。インバウンド対応も、語学力でも人海戦術でもなく、設計の問題です。
「インバウンド対応を『特別なこと』として切り離して考えている飲食店経営者の方は多い。でも本質は同じです。お客さんが"次の一品"を頼みやすい状況を作れているかどうか。それだけです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
何から手をつけていいかわからない方は、まず自店の注文データと、現在の追加提案の仕組みがどうなっているかを確認することから始めてみましょう。
「価格は据え置いたまま、インバウンド客の追加注文を自動化したい」——この記事を最後まで読んだ方が次に動くべきことは、自店のモバイルオーダーの設定を見直すことです。当事務所では初期設定から定着支援まで一体で対応していますので、導入前の段階でも現状の仕組みについて具体的に相談できます。3〜30店舗規模で複数システムを併用している方、過去にIT導入で失敗した経験がある方は特に参考になる話ができます。