多店舗展開事例

飲食店の多店舗管理、3店舗が最初の壁になる理由

こんにちは、ハワードジョイマンです。

8月下旬、まだまだ暑い日が続いていますね。夏の疲れが経営者にも現れてくる時期です。そしてこの時期にちょうど多いのが、「今年の売上を振り返りながら、秋以降の出店を検討する」という相談です。

2店舗目がうまく回り始めた。資金繰りも何とかなっている。だから3店舗目に踏み出したい——そう考えるオーナーさんは少なくありません。でも実際に3店舗になった瞬間、多くの方が「あれ、これはちょっと想像と違う」という壁にぶつかります。

その壁の正体は、売上でもなく、資金でもなく、「店長によって数字が違うのに、なぜ違うのか説明できない」という問題です。

今回はその構造的な原因と、具体的な解決策を丁寧にお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ3店舗目から「店舗間の数字のばらつき」が経営の本題になるのか
  2. QSCが数値化されていないと、なぜ議論が精神論に終わるのか
  3. アンケートの自動回収でQSCをスコア化する具体的な手順
  4. スコア化によって店長会議がどう変わるか

こんな方におすすめ

  • ✅ 2〜4店舗を運営していて、店舗間の業績差に悩んでいる方
  • ✅ 店長会議でいつも「気合いを入れよう」という話で終わってしまう方
  • ✅ QSCを管理したいが、どうやって数値化すればいいか分からない方
  • ✅ モバイルオーダー導入後の次の一手を探している方
  • ✅ 多店舗展開の「再現性」を高めたいと考えている飲食店経営者の方
飲食店の多店舗管理、3店舗が最初の壁になる理由 | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

3店舗になると「感覚で追う」が通用しなくなる理由

1店舗のときは、オーナー自身が毎日現場にいます。料理の出るスピード、スタッフの接客の雰囲気、席の汚れ、常連さんの顔——これらは全部「自分の目」で把握できます。だから多少数値化されていなくても、「今日は調子がいい」「あのスタッフがいると雰囲気が違う」という感覚で十分に回せる。

2店舗目になると少し怪しくなります。でも「もう一方の店に顔を出せば分かる」という感覚がまだ機能します。

問題は3店舗目です。3つの現場を毎日訪問することは物理的にできません。月に一度の数字を見て「なんかA店だけ客単価が低い」と気づいても、その理由を店長に聞くと「スタッフが変わりました」「この時期は仕方ないです」という回答が返ってくる。オーナーとしても「じゃあもっとがんばってほしい」としか言えなくなる。これが精神論の始まりです。

結論から言うと、3店舗になったときに本当に必要なのは「第3の目」です。オーナーが見ていなくても、数字が現場の質を映し出してくれる仕組み。それがQSCのスコア化です。

3店舗目になって「店舗間の数字のばらつきをどう説明すればいいか」で詰まっているなら、まず自店の数字を整理するところから始められます。無料登録で使えるレシピ原価管理ツールや、ハワードジョイマンAIへの経営相談で、QSCやコスト構造を一緒に言語化できます。メールアドレスだけで無料登録でき、すぐに使えます。

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QSCが数値化されていないと、何が起きるか

QSCとは「Quality(料理の品質)・Service(接客の質)・Cleanliness(清潔感)」の頭文字です。多くの飲食店経営者がこの重要性を理解しているのに、数値化されていないケースがほとんどです。なぜかというと、「主観的な評価を数字にするのは難しい」と思い込んでいるからです。

でも実際に起きていることを整理すると、こんな状況に陥っています。

❌ QSCが「感想」のまま運用されている場合

  • 「A店の接客はなんかイマイチ」と言っても、何がどう問題なのかが不明確
  • 店長が「うちはちゃんとやっています」と言えば反論できない
  • 店長交代や新人研修のたびに、品質の基準がリセットされる
  • 良い店長が何をしているかが「経験値」として個人に留まり、横展開できない

✅ QSCがスコアとして可視化されている場合

  • 「先月のA店の提供速度スコアが68点、B店は84点」という具体的な比較ができる
  • 低スコアの項目に絞って原因を掘り下げられる
  • 「B店が何をやっているか」を数字を起点に言語化し、A店に横展開できる
  • 店長会議がファクトベースの議論に変わる

スコアがあるだけで、会話のレベルが根本から変わります。「もっとがんばれ」から「この項目を来月5点上げるためにどうするか」という話になるのです。

「数字で語れないことは、改善できないんです。"接客が悪い"と言っても店長には刺さらない。でも"接客スコアが先月比で12点落ちています、特に提供速度の評価が下がっています"と言えば、店長は何か心当たりがあるはずです。そこから会話が始まります。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)

✓ ここまでのポイント

  • 3店舗になると、オーナーの「感覚」では現場の品質を追いきれなくなる
  • QSCが数値化されていないと、店舗間の差の原因を特定できず議論が精神論に終わる
  • スコアがあれば「何が違うのか」を起点に、実践的な改善の会話ができる

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アンケートを自動回収してQSCをスコア化する、具体的な手順

「QSCを数値化したい」と思っても、スタッフに毎日評価シートを書かせるのは現実的ではありません。スタッフの主観が入りますし、記入そのものが業務の負担になります。

一番確実なのは、来店したお客さんに直接評価してもらうことです。そしてそれを「自動」で回収する仕組みを作ることです。

チェックポイント1:アンケートのタイミングを設計する

お客さんがアンケートに答えやすいのは、来店中か来店直後です。テーブルにQRコードを設置してその場で答えてもらう方法と、来店翌日にLINEで送付して回答してもらう方法があります。どちらにも一長一短がありますが、重要なのは「回答率を一定以上に保つこと」です。月に数件しか回収できないアンケートでは統計的に意味のある判断ができません。

✅ ポイント:来店翌日にアンケートを送ることで回答率が高まる理由については別記事で詳しく解説しています。LINEを通じた自動送信の設計を検討してみてください。

チェックポイント2:スコア化する項目を絞り込む

「接客・料理の品質・提供速度・清潔感」の4項目を基本軸にすることをおすすめしています。項目が多すぎると回答率が下がります。各項目を5段階評価にして、店舗ごと・月ごとに平均点を算出します。これだけでも「A店の提供速度だけが低い」という具体的な発見ができます。

✅ ポイント:4項目それぞれに「この数字が下がったときに何を疑うか」という仮説をあらかじめ設定しておくと、店長会議での議論がスムーズになります。

チェックポイント3:データを店舗間で比較できる形に整える

各店舗のスコアを月次でまとめ、棒グラフで並べるだけで十分です。大切なのは「見た瞬間に差が分かる可視化」です。ExcelでもGoogleスプレッドシートでも形式は問いませんが、毎月誰かが集計する手間が発生しないよう、できるだけ自動集計の仕組みにしておくことが現実的な継続につながります。

✅ ポイント:モバイルオーダーシステムと連携することで、注文データとアンケートデータを同じ画面で管理できるため、「スコアが低い日の注文傾向」といった掛け合わせの分析もしやすくなります。

スコア化によって、店長会議はどう変わるか

QSCスコアがあると、店長会議の中身が変わります。「頑張ります」「やっていきます」で終わっていた会議が、たとえば「先月は提供速度のスコアが低かったので、ランチのオペレーションを見直しました。今月はこう変わりました」という報告ができるようになる。

これは単なる管理の話ではありません。店長自身が「何が評価されているか」を理解できるようになることで、スタッフへの指示も変わります。「ちゃんとやれ」ではなく「提供速度のスコアを上げるために、次の施策をやってみます」という言葉が出てくるようになるのです。

当事務所がモバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。

客単価のアップは、「注文機会の損失がなくなること」と「追加注文のタイミングが自然に増えること」から生まれます。そしてそれは、スタッフがオーダーを取りに回る回数を減らしながら、お客さんが食べたいときに好きなタイミングで注文できる環境に変えた結果です。QSCのスコアにも、提供速度と接客のゆとりという形で良い影響が出やすくなります。

QSCの可視化と、オペレーションのDXは、実は切り離せない関係にあります。多店舗展開の飲食店に必要なシステムの考え方については別記事でも整理していますので、あわせて参考にしてみてください。

「なぜ数字が違うのか」を言語化できる経営が、多店舗展開の再現性をつくる

3店舗目の壁を超えるためには、オーナーの感覚に依存しない仕組みが必要です。

QSCのスコア化は、そのための最初のステップです。アンケートを自動回収し、接客・料理・提供速度・清潔感を数値に変える。そのデータを店舗間で比較する。差がある場合に「なぜか」を仮説付きで店長に問う。この流れができると、会議は精神論を脱し、経営者としての判断の精度が上がります。

利益が残らない飲食店に共通する理由の一つに、「問題は感じているが、どこが原因か特定できていない」という点があります。QSCの数値化は、その「特定できない」を解消するための、地味だけど確実な手段です。

静岡を拠点に、全国の飲食店経営者を支援している有限会社繁盛店研究所では、飲食店を中心に833件以上の支援実績と、業界経験21年の知見をもとに、QSCスコア化プログラムと店長会議のファシリテーション支援を提供しています。「うちの場合はどこから手をつければいいか」という段階の相談から対応していますので、まずは現状を整理したい方は下記からどうぞ。

「精神論になっている店長会議をファクトベースに変えたい」という状況が、この記事で自分ごととして見えてきた方へ。モバイルオーダーなどの導入支援と、QSCスコア化プログラムをセットで提供する繁盛店研究所へ直接相談できます。3〜30店舗規模で過去にIT導入で使いこなせなかった経験がある方にも対応しています。

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