こんにちは、ハワードジョイマンです。
飲食店経営者の方から、「うちの店長、毎日閉店まで残っているけれど、何に時間を使っているのか正直よくわからない」という声を聞くことがあります。
そんなときにおすすめしているのが、「店長の1日」を書き出してみることです。オープン前の仕込み確認、スタッフへの指示出し、オーダー取りのフォロー、会計ミスの対応、お客様クレームへの対処、日報の手書き入力……。並べると、びっしり埋まるはずです。
結論から言うと、そのなかには「これ、店長じゃなくてもできるよね」という、仕組みで代替できる作業が少なからず含まれています。
今回は、この「業務時間の分析」を入口に、採用なしで店が回る構造をどう作るかを書いていきます。
📋 この記事でわかること
- 店長の業務時間を分析すると何が見えるか(よくある内訳)
- 「採用できない」は努力不足ではなく構造問題である理由
- ホール1名分の業務を仕組みに置き換える具体的なステップ
- 省人化によって生まれた原資を既存スタッフに還元する考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 求人を出しても応募がゼロで、ホールが1人欠けたまま数ヶ月続いている方
- ✅ 店長が現場に張りついていないと回らない状態から抜け出したい方
- ✅ 採用コストをかけずに今の人員で売上を維持・改善したい方
- ✅ 省人化ツールを検討しているが、何から手をつければいいか分からない方
- ✅ 既存スタッフのモチベーションを上げる手立てを探している方

店長の1日を書き出すと、「非店長業務」が意外に多い
私が中小企業診断士として独立して21年、飲食店を中心に833件以上支援してきた中で、繰り返し見てきた光景があります。それは、「忙しそうな店長ほど、本来やらなくていい仕事を抱えている」という現実です。
たとえば、ある店長の業務を書き出した結果が次のようだったとします(説明のための仮の数字です)。
- オーダー取りのフォロー・追加注文の声かけ:約90分/日
- 会計対応・レジ締め作業:約45分/日
- 日報の手入力・集計:約30分/日
- スタッフへのオーダー確認・伝達:約20分/日
合計すると、約3時間。この例なら、約3時間が「仕組みで代替できる業務」ということになります。
残りの時間で店長がやるのが、スタッフの育成・クレーム対応・仕入れ判断・売上の確認……。つまり、本当に店長にしかできない仕事に使える時間は、思った以上に少ないということです。
「店長が忙しいのは、店長の能力の問題ではありません。忙しくなるように設計されているオペレーションの問題です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店DXコンサルタント)
私自身、独立直後は仕事がなく、全財産が底をつく経験をしました。その経験から、資金繰りと集客に悩む店舗経営者の力になることを誓っています。だからこそ、「頑張れ」ではなく「仕組みを変えよう」という話をしています。
「店長が何に時間を使っているか、正直よくわからない」——この記事を読んでそこが一番刺さった方は、次に「どこから手をつけるか」で詰まるはずです。無料登録すると使えるレシピ原価管理ツールや増益繁盛プランナーで、自店のオペレーションと収益構造を整理するところから始められます。メールアドレスだけで登録でき、無料です。
「採れない」は努力不足ではなく、構造問題です
地方・郊外で飲食店を経営している方に、まず伝えたいことがあります。
求人広告を出して応募がゼロだったとき、「やり方が悪いのかな」「時給が低いのかな」と自分を責めていませんか。でも、それは違います。
地方の有効求人倍率は、都市部と比べて構造的に高い状態が続いています。応募が来ない理由は、募集手法の問題ではなく、そもそも地域に働き手が足りていないという現実です。
時給を上げても応募が来ない。求人サイトを変えても反応がない。これは、努力で解決できる問題ではありません。
ここで発想を転換する必要があります。「採用できないなら、採用しなくていい仕組みを作ればいい」。
これが今日の話の核心です。
なお、優秀な店長がいることがスケールの足かせになる構造についても以前に書きましたが、人手不足問題はこれと根が同じです。「人に依存するオペレーション」から脱却することが、解決の鍵になります。
✓ ここまでのポイント
- 店長の業務時間には、仕組みで代替できる「非店長業務」が少なからず含まれている
- 採用難は地方の構造問題であり、努力や募集手法の改善だけでは解決しにくい
- 「採用しなくていい仕組み」を作ることが、根本的な解決策になる
モバイルオーダーが注文点数を増やす仕組みは分かった、でも「自分の店でどう設定すればいいか」のイメージが湧かない——そこで止まる方が多いです。無料登録後に使えるハワードジョイマンAIへの相談窓口で、店舗規模・業態に合った導入イメージを具体的に確認できます。登録は無料、メールアドレスのみで完了します。
ホール1名分の業務を、仕組みに置き換える3ステップ
では、具体的にどう動くか。私が支援先に提案している流れを共有します。
省人化 STEP 1
「仕組みで代替できる業務」を書き出す
まず、店長・ホールスタッフが1日に何をしているか、時間単位で書き出します。ポイントは「誰がやっているか」ではなく「それは人でないとできないか」を問うことです。オーダーを取る、伝票を書く、注文内容を厨房に伝える——これらは、お客様のスマホと厨房のモニターがあれば代替できます。
⚠️ よくある失敗:「うちはお客様との会話を大切にしているから、タブレット注文は合わない」と最初から除外してしまうこと。会話の時間は、むしろ注文業務を仕組みに移してから増やせます。
省人化 STEP 2
注文・会計をお客様のスマホへ移管する
モバイルオーダーの導入です。お客様が自分のスマホでメニューを見て注文する仕組みに切り替えると、ホールスタッフのオーダーテイクと会計対応の負担が減ります。当事務所が導入を支援したお店からも、「モバイルオーダーの導入により注文点数がアップした」という声をいただいています。
スタッフが声をかけるタイミングを逃していた追加注文が、お客様自身のペースで注文できることで増えやすくなるためです。省人化が、同時に客単価向上にもつながる——これが「仕組みを作る」ことの面白さです。
⚠️ よくある失敗:導入してそのまま放置すること。初期設定・メニュー画像・オプション設定などを丁寧に仕上げないと、お客様が使いにくく感じて効果が出ません。
省人化 STEP 3
浮いた人件費を、既存スタッフの処遇改善へ回す
ここが最も大事なステップです。ホール1名分の採用コスト(求人広告費+時給×月間勤務時間)が不要になった分、既存スタッフの時給を上げる、または評価制度を整える原資に充てます。
人が辞める理由は「賃金が低い」ことだけでなく、「報われている実感がない」ことも大きいものです。少ない人数でお店を回してくれているスタッフに、数字と言葉でその貢献を伝える——これが定着率の改善につながります。
⚠️ よくある失敗:コスト削減の成果を利益だけに回し、スタッフへの還元を後回しにすること。既存スタッフが「仕組みが増えたのに待遇が変わらない」と感じると、離職が加速します。
「店長が動かないと回らない店」から抜け出すために
業務時間の分析をして見えてくるのは、単なる時間の内訳だけではありません。「この店は、店長個人の能力に依存して動いている」という構造の問題です。
店長が休んだら回らない。店長が辞めたら詰む。この状態は、多店舗展開のときにも同じ問題を引き起こします。
❌ よくあるパターン:優秀な店長に全部任せる
- 店長の判断が属人化し、他の店舗や後任に引き継げない
- 店長が過負荷になり、疲弊して離職するリスクが高まる
- 新店を出すたびに「次の店長候補」探しで行き詰まる
✅ 推奨アプローチ:判断の根拠をデータと仕組みに移す
- モバイルオーダーで注文・会計を自動化し、店長の手を空ける
- 売上・注文データをリアルタイムで確認できる環境を作る
- 店長が「判断する時間」を持てるオペレーションに設計し直す
店長の判断を全店に配る方法についても詳しく書いていますが、前提として「店長が判断する時間を確保できている状態」がなければ、データを見ても何も変わりません。
また、月次の数字に振り回されなくなった店長の話でも触れていますが、日々の業務に追われている状態では、数字を見ても打ち手が後手に回ります。店長の時間を「オペレーション」から「判断」へシフトさせることが、経営の質を上げる第一歩です。
まとめ:採用を諦めることは、敗北ではない
店長の業務時間を分析することで見えてくるのは、「どこを仕組みに置き換えられるか」という可能性です。
採用を諦めることは、敗北ではありません。むしろ、地方の構造問題に正直に向き合い、「仕組みで解決する」という経営判断です。
ホール1名分の業務を仕組みに移す。浮いたコストを既存スタッフに還元する。店長の時間を「判断」に使えるようにする。この3つが揃ったとき、採用なしでも回る店の形が見えてきます。
「うちの店長、何に時間使ってるんだろう」と思ったら、まず1日の業務を書き出してみてください。それだけで、次の打ち手が見えてきます。
「ホール1名分を仕組みに置き換える」という方向性は決まった。次は、自店の規模・ホール構成・既存システムとの兼ね合いを踏まえた具体的な導入設計が必要です。モバイルオーダーなどの初期設定の代行から90日間の定着支援まで行っている当事務所の窓口で、現状のオペレーションをヒアリングした上で提案を受けられます。