こんにちは、ハワードジョイマンです。
「CRMって言葉はよく聞くけれど、うちの規模にも必要なのか?導入するにしてもコストが気になる。補助金が使えると聞いたけれど、申請の方法がよくわからない」——飲食店経営者の方から、こうした疑問をよくいただきます。
飲食店にCRMが必要かどうか——結論から言うと、「来店客が誰か分からないまま販促費を使っている店」には必要です。そしてその導入コストは、条件次第で補助金によって大幅に圧縮できます。今回はこの2点を軸に、具体的にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 飲食店にとってCRMが必要な店・不要な店の見分け方
- CRM導入で実際に何が変わるのか(具体的な効果)
- IT導入補助金・省力化投資補助金の仕組みと申請の流れ
- 補助金申請で失敗しないための注意点と伴走支援の活用法
こんな方におすすめ
- ✅ 新規集客に費用をかけているのにリピーターが増えない飲食店経営者の方
- ✅ CRMに興味はあるが自店に必要かどうか判断できない方
- ✅ システム投資に補助金を使いたいが申請方法が分からない方
- ✅ 過去にITツールを導入したが使いこなせず解約した経験がある方
- ✅ 3〜30店舗規模で多店舗展開を考えている飲食店オーナーの方

飲食店のCRMとは何ですか?
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語にすると「顧客関係管理」です。飲食店の文脈でシンプルに言えば、「誰が、いつ、何を食べて、また来てくれたか」を記録・分析して、再来店につなげる仕組みのことです。
「顧客管理なんて大企業がやることでは?」と思われるかもしれません。でも実態はちがいます。むしろ、客単価が低く来店頻度で売上を積み上げる飲食店こそ、CRMの恩恵が大きい業態なんです。
たとえば、仮に1回5,000円使ってくれるお客さまが月1回来店するのと月2回来店するのでは、年間売上が6万円変わります。これが100人いれば600万円の差です。CRMは、この「もう1回来てもらう」を仕組み化するための道具です。
CRMが必要な店と不要な店の違いは何ですか?
正直に言うと、CRMが「今すぐ必要」ではない店もあります。一方で「早急に手を打つべき」店もあります。その違いを整理してみます。
❌ CRMを入れても効果が出にくい状態
- 月間来店客数が50人以下で、常連さんの顔と名前を全員把握できている
- 商圏内に競合がほぼなく、来店動機が「近いから」だけで成立している
- そもそも料理の質・提供スピードなどQSCに課題がある(器を整える前に中身の問題)
✅ CRMを入れるべき店の条件
- 月間来店客数が100人を超えており、「来た人が誰か」を把握できていない
- グルメポータルへの掲載料が月3万円以上かかっているのにリピート率を測っていない
- 新規集客の費用は年々上がっているのに、売上が積み上がらない
- LINE公式アカウントを持っているが、来店との紐づけができていない
- 複数店舗を運営しており、店ごとの顧客状況が比較できていない
「うちは常連さんが多いから大丈夫」と思っていても、データで確かめてみると、常連だと思っていたお客さまがしばらく来店していなかった、ということは起こりえます。「なんとなく来ている気がする」と「データで確認できている」はまったく別物です。
✓ ここまでのポイント
- CRMとは「誰が・いつ・何を・また来たか」を記録し再来店につなげる仕組みのこと
- 月間100人以上が来店し、誰が来たか把握できていない店には導入を検討する価値がある
- 「なんとなく常連がいる」と「データで把握している」は経営判断の精度がまったく異なる
CRMを入れると何が変わりますか?
抽象的な話より、実際に何が変わるかをお伝えします。
チェックポイント①:来店客の「見える化」が変わる
来店のたびに自動で顧客データが蓄積されます。「このお客さまは3ヶ月来ていない」「先月初来店した方が今月また来た」という事実をリアルタイムで把握できます。
✅ ポイント:離脱しそうな顧客に先手を打てるようになる。「最終来店から60日経過した方にLINEを自動送信」といった設定が可能になります。
チェックポイント②:販促費の使い方が変わる
今まで「とりあえずクーポン配信」だったものが、「3回以上来店した方だけに特別オファーを送る」など、対象を絞った施策に変わります。無駄打ちが減り、費用対効果が上がります。
✅ ポイント:配信数・開封率・来店数・売上の4つを連動して追跡できれば、「この施策は効いた・効かなかった」が数字で判断できるようになります。
チェックポイント③:注文データと顧客データがつながる
これが特に重要です。モバイルオーダーとCRMが連携すると、「このお客さまはいつも焼肉定食を頼む」「このテーブルは平均3品追加注文している」という行動パターンが蓄積されます。
✅ ポイント:データに基づいたおすすめ表示やオプション訴求が可能になり、押し付けがましくなく客単価を上げられます。
モバイルオーダーの導入を支援したお客様からは、「注文点数がアップした」という声をいただいています。これは「注文しやすい環境を整えた」ことの結果だと考えています。スタッフが忙しくてなかなか呼べない状況がなくなり、お客さまが自分のペースで追加注文できるようになる。その結果として注文点数が増える。CRMとモバイルオーダーの連携は、押し売りでなく「自然な売上増」を生み出します。
「システムを入れて終わり、という支援は私はしません。導入から3ヶ月、数字が動いているかどうかを一緒に確認しながら走るのが私のやり方です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
補助金でCRM・モバイルオーダーのシステム導入費用を賄えますか?
ここからが、「補助金」の話です。
結論から言うと、条件を満たせば、IT導入補助金や省力化投資補助金を活用して、CRM・モバイルオーダーシステムの導入費用の一部を補助してもらうことができます。
ただし、ここに大事な前提があります。補助金の申請は、IT導入支援事業者との「共同申請」が必要です。つまり、単独では申請できない仕組みになっています。これを知らずに「自分で申請しよう」と動き始めて、途中で挫折するオーナーさんも少なくありません。
補助金申請 STEP 1
対象要件の確認
まず自社が補助金の対象かどうかを確認します。業種・従業員数・直近の賃上げ計画など、採択要件は補助金の種類によって異なります。IT導入補助金であれば中小企業・小規模事業者が対象で、飲食店は基本的に適用されます。省力化投資補助金は人手不足解消を目的とした設備投資に対する補助で、モバイルオーダーのような省人化システムが対象になるケースがあります。
⚠️ よくある失敗:「対象だろう」と思い込んで申請を進め、実は対象外だったというパターン。最初の要件確認を省略すると、後工程がすべて無駄になります。
補助金申請 STEP 2
IT導入支援事業者との共同申請準備
IT導入補助金では、導入するITツールがあらかじめ「IT導入支援事業者」として登録されたベンダーの製品である必要があります。私(ハワードジョイマン)はIT導入支援事業者として登録しており、申請書類の作成・提出・実績報告まで一貫してサポートしています。
⚠️ よくある失敗:「補助金が使えるシステムです」という営業トークを信じて進めたが、実際にはそのベンダーが登録事業者ではなかったというケース。事前確認が必須です。
補助金申請 STEP 3
申請書類の作成と提出
申請書には、導入するシステムの概要・費用・期待される効果・賃上げ計画などを記載します。採択されやすい申請書には「なぜこのシステムが必要か」という経営課題との紐づけが明確であることが重要です。「とりあえずシステムを入れたい」では審査を通りにくい。
⚠️ よくある失敗:書類の不備や、事業計画との整合性が取れていないことで差し戻しになるケース。第三者の目でチェックしてもらうことが有効です。
補助金申請 STEP 4
採択後の導入・実績報告
採択されたら実際の導入を進め、完了後に実績報告書を提出します。ここで「実際に使っていること」を証明できなければ補助金が受け取れないケースもあります。「入れたけど使っていない」が一番もったいない。
⚠️ よくある失敗:実績報告の期限を見落として補助金が不支給になるケース。スケジュール管理も含めてサポートを受けることをおすすめします。
「以前IT導入で失敗した」という方はどうすればいいですか?
「タブレット入れたけど誰も使わなくなった」「アプリ契約したけど解約した」——この話、本当によく聞きます。
失敗の理由は、ほぼ共通しています。「導入がゴールになってしまった」ことです。ツールを入れた後の現場定着の設計と伴走がなかった。
私が提供している90日伴走型導入プログラムでは、初期設定の代行から始まり、スタッフへの操作説明、導入後の数字確認、改善提案まで3ヶ月間一緒に走ります。補助金申請の支援も含めて、「入れて終わり」にしない体制を整えています。
飲食店を中心に支援実績833件以上、業界経験21年のなかで見てきた「失敗するIT導入」のパターンは、ほとんどが「現場に合った運用設計のなさ」に起因しています。ツールの問題ではなく、伴走の有無の問題です。
まとめ:CRM導入と補助金活用、何から始めればいいですか?
整理すると、こうなります。
- 月間100人以上来店しているのに来客データを持っていない店は、CRM導入を真剣に検討するタイミングです
- CRMとモバイルオーダーを連携させると、注文点数・客単価・再来店率の改善が期待できます
- IT導入補助金・省力化投資補助金は、IT導入支援事業者との共同申請が前提。単独では申請できません
- 補助金申請は「対象要件の確認→共同申請準備→書類作成→実績報告」の流れで進みます
- 導入後の定着支援がなければ、補助金を使っても同じ失敗を繰り返す可能性があります
「うちの店はCRMが必要か、補助金は使えるか、まず確認したい」という方は、お気軽にご相談ください。対象要件の確認から一緒にやります。