モバイルオーダーシステムの活用について

実は、常連さんは勝手に増えているわけではありません

こんにちは、ハワードジョイマンです。

「常連さんが、気づいたら来なくなっている。特に何があったわけでもないのに」——そんな悩みを持つお店は少なくありません。

よくあるのが、スタッフの入れ替わりが激しいお店です。お気に入りのスタッフが辞めるたびに、常連さんも一緒にいなくなる——という現象が繰り返されてしまうんです。

常連さんは、お店のファンである前に、「あのスタッフのいる店」のファンだったりします。そしてそのスタッフが「報われていない」と感じて辞めていく。この連鎖を止めないかぎり、常連さんは増えません。勝手に増えていく、なんてことはないんです。

今日は、「辞めないチームを作る」ことが、なぜ常連さんを増やすことに直結するのか、そしてその仕組みをどう作るかを、具体的にお話しします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 時給を上げてもスタッフが定着しないと感じている方
  • ✅ 常連さんが増えている実感がなく、新規集客に費用をかけ続けている方
  • ✅ スタッフの離職が続き、ホールのオペレーションが安定しない方
  • ✅ 育てた人材に長く働いてほしいと思っている飲食店経営者の方
  • ✅ お客さまとスタッフの関係づくりに何か手を打ちたい方

📋 この記事でわかること

  1. 「常連さんが増えない」と「スタッフが辞める」が同じ根っこの問題である理由
  2. 時給を上げても定着しない本当の原因と、その診断チェック
  3. お客さまの「ありがとう」をスタッフに直接届ける具体的な仕組み
  4. スタッフ定着→常連化の好循環を作る具体的なステップ
実は、常連さんは勝手に増えているわけではありません | 有限会社繁盛店研究所(モバイルオーダー・店舗DX導入支援)

「時給を上げても辞める」の本当の理由、診断してみましょう

まず正直に言います。スタッフが辞める理由の1位は、賃金ではありません。

飲食店を中心に833件以上の店舗支援をしてきた私の実感として、賃金以外の理由で辞めていくスタッフはとても多いんです。

じゃあ、何が足りないのか。結論から言うと、「自分の仕事が誰かの役に立っている、という実感」です。

以下のチェックリストで、あなたのお店の状態を確認してみてください。

チェックポイント①:スタッフへのお客さまからの声、届いていますか?

お客さまが「あのスタッフさん、感じよかったね」と言っても、それがスタッフ本人に届く仕組みはありますか? オーナーが耳にしたとしても、翌日の朝礼で伝えるだけ、あるいはそれすらできていない、というお店は少なくありません。

✅ ポイント:お客さまの声をリアルタイムでスタッフ個人に届ける仕組みがあるかどうかを確認し、なければ導入を検討してください。

チェックポイント②:スタッフの「名前」がお客さまに伝わっていますか?

「いつもの店員さん」で終わっていませんか? スタッフの名前がお客さまに伝わることで、「あの人に会いに行く」という動機が生まれます。これが常連化の起点になります。

✅ ポイント:名札の工夫だけでなく、デジタルでもスタッフと顧客をつなぐ接点を設計しましょう。

チェックポイント③:スタッフの頑張りが、数字に見えていますか?

「あなたのおかげで注文が増えた」「あなたの接客でリピーターが生まれた」という事実を、スタッフ自身が確認できる状態になっていますか? 感謝されているのに、それが見えないまま働き続けるのは、想像以上に消耗します。

✅ ポイント:スタッフが自分の貢献を数値として確認できる仕組みを作ることで、内発的な動機が生まれます。

チェックポイント④:評価の基準が「オーナーの主観」だけになっていませんか?

「よく頑張っている」「最近ちょっと元気ない」——これが口頭の評価だけで終わっているお店は、スタッフから見ると「評価が不透明」と映ります。特に若い世代ほど、この不透明さに敏感です。

✅ ポイント:お客さまアンケートや接客スコアなど、第三者の評価を評価基準に組み込む設計を検討しましょう。

✓ ここまでのポイント

  • スタッフが辞める根本原因は「報われている実感の欠如」であることが多い
  • お客さまの感謝がスタッフ本人に届く仕組みが、定着率を左右する
  • スタッフの名前がお客さまに伝わることが、常連化の起点になる

お金だけでは止まらない。では、何が人を引き止めるのか

「時給を上げてもスタッフが辞め続けて、もう手の打ちようがない——そう感じているお店でも、原因が賃金ではないことはよくあります。スタッフが『自分はお客さまに喜ばれている』と実感できていない。そこに手を打つ必要があるんです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

飲食の現場は、消耗が大きい仕事です。忙しい時間帯に怒鳴られることもある。理不尽なクレームを受けることもある。それでも続けられる理由は、「誰かに喜んでもらえた」という体験の蓄積です。

ところがほとんどのお店では、その「喜ばれた瞬間」がどこかに消えていきます。お客さまが笑顔で帰られても、スタッフはその翌日には次のシフトが始まる。感謝の言葉は空気に溶けてしまう。

この問題を解決するために有効なのが、お客さまからの「ありがとう」を、名指しでスタッフ本人に届ける仕組みです。

具体的には、モバイルオーダーのシステム上でお客さまが担当スタッフに直接メッセージや評価を送れる機能(いわゆる「推しエール」)を活用する方法があります。お客さまが「この人の接客がよかった」と思ったとき、スマートフォンから直接そのスタッフを指名して感謝を届けられる。これが通知としてスタッフのデバイスに届く。

たったこれだけのことが、スタッフが定着するきっかけになることがあります。

スタッフが定着すると、常連さんが増える。この順番が大切です

ここで冒頭の話に戻ります。常連さんは「お店」ではなく「人」についてくることが多い。だとすれば、スタッフが安定して働き続けることが、常連さんを増やす最大の施策のひとつです。

これは感覚論ではありません。スタッフが同じお客さまを複数回接客することで、好みを覚える。名前を呼ぶ。「今日は〇〇はいかがですか」と提案できる。この積み重ねが、「また来たい」という理由を作るんです。

モバイルオーダーの導入を支援したお客様からは、「LINE友だちが増えて、再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」という声をいただいています。

この声が印象的なのは、「新規客が増えた」ではなく「再来店客数が伸びた」という点です。LINEで繋がることで、お店からの情報がお客さまに届く。でもそれが機能するのは、「また行きたい」と思われているお店であることが前提です。その「また行きたい」を作るのは、スタッフの接客です。

システムと人、この両輪が噛み合ったときに、常連さんは初めて「自然に増えているように見える」状態になります。

スタッフ定着→常連化の好循環を作る、具体的なステップ

定着の仕組みづくり STEP 1

お客さまの声をスタッフに届ける接点を設計する

アンケート機能やスタッフ指名型の評価機能を、注文フローの中に組み込みます。難しく考える必要はありません。「今日の接客はいかがでしたか?」という一問を、会計画面に入れるだけでも変わります。ポイントは「匿名でなく、スタッフ個人に届く」設計にすること。

⚠️ よくある失敗:アンケートを導入しても集計がオーナーだけに届き、スタッフ本人には共有されないまま埋もれてしまう。

定着の仕組みづくり STEP 2

スタッフの貢献を「数字」で見えるようにする

「あなたが担当したテーブルの注文点数は、平均より〇品多い」「あなたへのポジティブなコメントが今月〇件届いた」——こういった情報をスタッフが自分で確認できる状態を作ります。評価が可視化されると、自己効力感が生まれます。

⚠️ よくある失敗:数字は出ているのに、スタッフへのフィードバックの場が月1回の全体ミーティングだけ。タイムラグが大きすぎてモチベーションに繋がらない。

定着の仕組みづくり STEP 3

LINEでお客さまとの関係を継続させる

来店をLINE友だち登録に繋げる導線を作ります。ポイントは「登録してもらうこと」より「登録後に届くメッセージの質」です。一斉配信のクーポンより、「先日ありがとうございました。また〇〇さんにお会いできる日を楽しみにしています」という温度のある言葉が、再来店を促します。そしてその言葉に説得力を持たせるのは、スタッフへの信頼感です。

⚠️ よくある失敗:LINE登録を増やしても、配信内容が「今月のお得情報」だけ。お客さまとの関係を深める視点が抜け落ちている。

私が支援してきた中には、月商300万円規模から年商2億5,000万円規模へと成長した会員さんもいます。売上だけを追いかけるのではなく、スタッフが定着し、常連さんが増える仕組みを作る。その結果として売上がついてくる、というのが私の考えです。

まとめ:常連さんを増やしたいなら、まずスタッフに「報われる仕組み」を

今日お伝えしたことを整理します。

  • 常連さんは「人」についてくる。だからスタッフの定着が常連化の前提になる
  • スタッフが辞める本当の原因は、「報われている実感の欠如」であることが多い
  • お客さまの「ありがとう」を、名指しでスタッフ本人に届ける仕組みが突破口になる
  • LINEによるお客さまとの継続的な接点が、再来店を生む

「時給を上げても辞める」という状況は、お金の問題ではなく、仕組みの問題です。仕組みで解決できることは、仕組みで解決する。これが私の言う「がんばらない経営」の核心です。

モバイルオーダーの導入は、省人化の話だけでなく、スタッフとお客さまをつなぐ接点を設計するという観点でも非常に有効です。モバイルオーダーの中には、スタッフへの評価やLINE連携など、こうした「人が定着する仕組み」を支える機能を備えたものもあります。

まず自分のお店の現状を把握するところから始めたい、という方は、お気軽にご相談ください。どこが課題でどこから手をつけるべきか、一緒に整理します。

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