飲食店DX

飲食店のメニュー分析のやり方|売れているのに利益が出ない品目に気づいていますか

この仕事を21年続けてきて、つくづく感じることがあります。「売上が取れているのに手元に残らない」という悩みを持つ飲食店経営者の方には、メニュー単位での利益を把握できていないという共通点がよく見られる、ということです。

月次の数字を見て「先月は悪くなかったよな」と思っていても、実際にどの品目が利益を作っていて、どの品目が利益を食い潰しているかを答えられる方は、正直なところ多くありません。そこに気づかないまま、頑張って売り続けている——それがいちばんもったいない状態だと思っています。

今回は、メニュー分析のやり方を、現場で使える視点から整理してお伝えします。特に「外国語対応で手が回らない」「インバウンドのお客様への注文対応に時間がかかっている」という課題を抱えている方にも、具体的な解決の方向性をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. メニュー分析の基本的な考え方と、利益が出ない品目の見つけ方
  2. 売れているのに利益を圧迫する品目が生まれる原因
  3. インバウンド対応が属人化してメニュー分析の効果を台無しにするメカニズム
  4. モバイルオーダーを使って注文データとメニュー分析を連動させる方法

こんな方におすすめ

  • ✅ 月次売上は安定しているのに、利益が残らない原因を掴めていない方
  • ✅ どのメニューが本当に儲かっているか、品目単位で把握したい方
  • ✅ 外国語メニューの作成・更新に手間がかかっていると感じている方
  • ✅ スタッフの語学力に注文対応が左右されている現状を変えたい方
  • ✅ 3〜30店舗規模で、各店のメニュー構成を統一・管理したい方
飲食店のメニュー分析のやり方|売れているのに利益が出ない品目に気づいていますか | 有限会社繁盛店研究所

メニュー分析とは何をする作業か?

メニュー分析とは、一言で言えば「各品目の売上数量・売上金額・原価・利益を組み合わせて、メニュー全体の中での位置づけを判断する作業」です。よく使われるのがメニューエンジニアリング(ABC分析×利益貢献分析)という手法で、各品目を以下の2軸で分類します。

  • 人気度(注文数が多いか少ないか)
  • 収益性(1品あたりの利益額が高いか低いか)

この2軸の組み合わせで、メニューは大きく4つのグループに分かれます。「人気があって利益も高い(スター)」「人気はあるが利益が低い(プラウホース)」「人気は低いが利益が高い(パズル)」「人気も利益も低い(ドッグ)」——この4分類を見るだけで、「売れているのに利益が出ない品目」が浮かび上がってきます。

特に問題になりやすいのが「プラウホース」、つまり注文数は多いけれど1品あたりの利益が薄いメニューです。単価が低い、原価率が高い、あるいは仕込み工数がかかる、といった理由でここに落ちてくる品目は、売れれば売れるほど厨房を圧迫し、利益を削ります。

品目ごとの原価を把握できていないまま、なんとなくメニューを売り続けている——そういう状態を「どこから手をつければいいかわからない」と感じている方は少なくありません。無料でダウンロードできる資料の中に、食材費計算ツールとレシピ原価管理ツールがあり、メニュー分析の第一歩に使えます。メールアドレスを入力するだけで受け取れます。

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売れているのに利益が出ない品目はなぜ生まれるのか?

結論から言うと、「売価の設定時点で原価や工数を正確に計算していなかった」ケースと、「仕入れ価格の変動に対してメニューの見直しが追いついていない」ケースの2パターンがよくあります。

たとえば、開店当初に看板メニューとして設定した品目が、食材の仕入れコスト上昇によって知らぬ間に利益薄になっている——こういうことは珍しくありません。原価を製品・商品・サービス単位で把握している事業者は約4割にとどまる(中小企業庁「2026年版中小企業白書」)というデータがありますが、これは裏を返せば、過半の事業者が商品単位の原価をつかまないまま価格を決めている可能性があるということです。

もうひとつ見落とされがちなのが、スタッフが接客に時間を取られることで発生する「機会損失コスト」です。特にインバウンドのお客様への注文対応。仮に英語やその他の言語でのやり取りに1テーブルあたり5〜10分かかるとすると、その時間、他のテーブルへの目配りが止まります。回転率への影響は、品目単位の原価計算と同様に、利益構造に直結します。

飲食店の利益率が低い原因をFL・人件費・ロスの順番で診断する方法についても合わせて読んでいただくと、メニュー分析との連動がイメージしやすくなります。

✓ ここまでのポイント

  • メニュー分析は「人気度×収益性」の2軸で品目を分類し、利益を圧迫している品目を特定する作業
  • 「売れているのに利益が出ない」品目の原因は、原価計算の甘さと仕入れ変動への対応遅れが多い
  • インバウンド対応でスタッフの手が止まることも、見えにくい利益の漏れ口になっている

インバウンド対応がスタッフの語学力に依存していて、回転率やメニューの注文点数がブレている——この構造的な問題は、モバイルオーダーの画面設計と運用の仕方で変えられます。モバイルオーダーなどの導入から初期設定・定着まで一体で支援している窓口で、自店の状況に合った進め方を確認できます。

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インバウンド対応の属人化が、メニュー分析の効果を台無しにするのはなぜか?

メニューを整理して収益構造を改善しようとしても、現場のオペレーションが崩れていれば意味がありません。その崩れの大きな原因のひとつが、外国語対応の属人化です。

「英語ができるAさんがいる日はインバウンドのお客様がスムーズに注文できるが、Aさんが休みの日はホールが混乱する」——こういう状況は、複数店舗を運営している経営者の方からよく聞きます。翻訳対応がひとりのスタッフに依存しているということは、そのスタッフの出勤状況でテーブル回転率が変わるということ。つまり、メニュー分析で「この品目を売ろう」と決めたところで、そもそも注文を受けるオペレーション自体が不安定なのです。

チェックポイント①:外国語メニューの更新はいつ、誰がやっているか

紙メニューや手書きの外国語メニューは、メニュー改定のたびに更新が必要です。担当者が決まっていなければ、古い情報のまま放置されます。

✅ ポイント:外国語メニューの更新権限と担当者を明確にし、更新の手間を最小化できる仕組みへの移行を検討すること。

チェックポイント②:注文のやり取りにかかっている時間を測ったことがあるか

「なんとなく時間がかかっている気がする」ではなく、インバウンドのテーブルとそれ以外のテーブルで、注文受け付けから料理提供開始までの時間差を計測してみてください。

✅ ポイント:時間差が3分以上あれば、オペレーション改善で回転率を上げられる余地があります。

チェックポイント③:語学対応ができないスタッフが「注文を取りに行くのを避けている」ことはないか

これは数字には出てきませんが、現場でよく起きていることです。スタッフが萎縮してしまい、インバウンドのテーブルへの声がけが遅れる——結果として、注文点数が落ちます。

✅ ポイント:スタッフの語学力に頼らない注文の仕組みに切り替えることで、この問題はそもそも発生しなくなります。

「メニュー分析で品目を整理しても、注文が取れていなければ意味がない。現場のオペレーションと数字は、必ずセットで見てください」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

モバイルオーダーでメニュー分析と注文オペレーションを連動させるにはどうすればいいか?

ここまでの話をまとめると、メニュー分析を「利益改善」につなげるには2つのことが同時に必要です。

  1. 品目ごとの注文データをリアルタイムで取れる仕組み
  2. スタッフの語学力に依存しない注文の受け付け方

この2つを同時に解決するのが、お客様自身のスマホから注文するモバイルオーダーです。お客様のスマホの言語設定に応じて注文画面が自動翻訳されるシステムであれば、英語・中国語・韓国語などの多言語メニューを別に用意する手間を減らせます。スタッフが翻訳する必要がなく、外国語メニューを別途印刷・更新する手間も減ります。

さらに重要なのは、モバイルオーダーで入った注文データがそのまま品目別の注文数・金額として蓄積されるという点です。これがメニュー分析の精度を大きく上げます。「先週の金曜夜、インバウンドのお客様が多かった時間帯にどの品目が何品出たか」を後から集計できるのは、データが自動で記録されているからこそです。

❌ よくあるパターン:スタッフが口頭で注文を受けてPOSに手打ち

  • 入力ミスが起きやすく、品目別データの精度が下がる
  • インバウンドのお客様への対応でスタッフの手が止まり、他テーブルのフォローが遅れる
  • 外国語対応スタッフの有無で回転率が変動する

✅ 推奨アプローチ:お客様のスマホからモバイルオーダーで注文

  • 言語設定に応じた自動翻訳で、スタッフの語学力に関係なく注文が完結する
  • 注文データが品目単位でリアルタイム蓄積され、メニュー分析に直結する
  • スタッフは料理の提供・接客に集中でき、注文点数・客単価の改善につながる

実際に、モバイルオーダーの導入を支援したお店からはこんな声をいただいています。

「モバイルオーダーの導入により注文点数がアップした」

モバイルオーダーの導入を支援したお店

これは偶然ではないと考えています。スタッフが注文を取りに回る必要がなくなったことで、お客様が自分のペースで追加注文しやすくなった——その結果、1テーブルあたりの注文点数が増えるのは構造的な話です。メニュー分析で「売りたい品目」を特定したら、次はその品目がお客様の目に止まりやすい画面設計にする。これがモバイルオーダーを使ったメニュー戦略の核心です。

飲食店の利益を増やすために売上より先に見直すべき数字の話も参考にしながら、品目単位の利益と注文データを組み合わせた分析を進めてみてください。

メニュー分析の結果をどう活かせばいいか?

分析の結果、品目を4つに分類したあとの打ち手は以下のとおりです。

モバイルオーダー活用 STEP 1

「プラウホース(人気高・利益低)」の品目を整理する

売価を見直すか、原価を下げる工夫(仕入れ先の変更・食材の見直し)をするか、あるいは思い切って廃番にするか。判断の軸は「この品目が売れることで、他の利益の高い品目の注文が減っていないか」です。

⚠️ よくある失敗:「人気メニューを外したらお客様が離れる」という恐れから、何も変えられず利益が出ないまま続けること。まず1品だけ実験的に見直すところから始めてみてください。

モバイルオーダー活用 STEP 2

「パズル(人気低・利益高)」の品目の露出を上げる

モバイルオーダーの注文画面では、品目の並び順・写真の有無・おすすめバッジの表示などを調整できます。利益の高い品目を画面の上位に表示するだけで、注文が入りやすくなります。

⚠️ よくある失敗:利益の高い品目を「隠れた名品」として埋もれたまま放置すること。データで価値がわかっているなら、見せ方を変えるだけでいい。

モバイルオーダー活用 STEP 3

週次・月次でデータを確認する習慣をつくる

メニュー分析は一度やって終わりではありません。季節や仕入れ状況によって原価は動きますし、インバウンドのお客様が増える時期には注文傾向も変わります。月次でデータを確認し、必要に応じて品目構成や画面表示を調整する——これが「数字で判断できる店づくり」の基本です。

⚠️ よくある失敗:月次の数字が出るのが翌月中旬になってしまい、打ち手が常に後手に回ること。日次でデータが見られる環境をつくることが先決です。

飲食店のQSC低下を数値化して兆候を早期に掴む方法と合わせて、メニュー分析の数字とQSCのスコアを並べて見ると、「なぜあの品目の満足度が下がっているか」が見えてくることがあります。

まとめ:メニュー分析は「気づき」ではなく「仕組み」で回すもの

今回の記事でお伝えしたことを整理します。

  • メニュー分析は「人気度×収益性」で品目を分類し、売れているのに利益を食い潰している品目を特定する作業
  • インバウンド対応の属人化は、メニュー改善の効果を現場レベルで台無しにするリスクがある
  • モバイルオーダーを使えば、注文データの自動蓄積と多言語対応が同時に解決できる
  • 分析結果は「STEP」で実行し、週次・月次で繰り返す習慣が利益構造の改善につながる

「分析はしたことがない」という方も、最初の一歩は品目ごとの原価を書き出すだけで構いません。そこから始めて、注文データと突き合わせることで、自分の店の利益構造が少しずつ見えてきます。

何か具体的な相談があれば、お気軽に電話でもどうぞ。0543518655(有限会社繁盛店研究所)まで。平日10時〜15時(昼休憩あり)で対応しています。

メニュー分析で「売れているのに利益が出ない品目」を特定しても、注文データが蓄積されていなければ分析は毎回手作業になります。モバイルオーダーで注文データを自動で記録し、かつ多言語対応で現場のオペレーションを安定させる——この2つを同時に進める支援を、モバイルオーダーなどの導入支援をしている当事務所が、導入から定着まで行っています。過去にITツールの導入で失敗した経験がある方も、まず相談だけでも構いません。

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