こんにちは、ハワードジョイマンです。
突然ですが、少し衝撃的な数字をお伝えします。
飲食店における電話の平均不応答率は約20%です(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。つまり、あなたの店に10本電話が鳴ったとき、そのうち2本はつながらずに切れている、ということです。
「うちは忙しい時間帯だけだから、そこまでひどくない」と思ったオーナーさんほど、実は要注意です。なぜなら、電話が取れていないのはまさにピークタイム——お客様が一番予約を入れたいと思っている時間帯だからです。
そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。電話に出られなかったそのお客様が、次に何をするか。グルメサイトを開いて、別の店を探すのです。せっかく「あなたの店」に電話をかけてきたのに、結果として手数料を払って他店に送客している——こういう構造になっていることに、多くのオーナーさんが気づいていません。
この記事では、電話の機会損失を「金額で」把握する方法と、その先にある「常連客を自分の店の客にする仕組み」まで、順を追って解説します。
📋 この記事でわかること
- 電話不応答が毎月いくらの機会損失になっているか、自店で計算する方法
- 「電話に出られない」がなぜ常連客の流出につながるのか
- グルメサイト経由の客を「自分の店の客」に変えるための具体的なアプローチ
- 顧客情報を資産として運用するための仕組みとは何か
こんな方におすすめ
- ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃していると感じているオーナー
- ✅ 客は来ているのに手元に利益が残らず、その原因が見えていない方
- ✅ グルメサイト経由の予約に依存しており、直接つながる常連客を増やしたい方
- ✅ 電話対応でホールスタッフの手が止まり、接客の質が落ちていると感じている方
- ✅ 顧客情報が自分の頭の中にしかなく、スタッフに引き継げていないと悩んでいる方

まず自店の「機会損失額」を計算してみてください
漠然と「電話が取れてないな」と感じているのと、「毎月〇〇万円を捨てている」と数字で把握しているのでは、経営判断のスピードがまったく違います。
私がコンサルティングで使っているフレームはシンプルです。
月間機会損失額の計算式:
月間入電数 × 不応答率 × 予約電話の割合 × グループ人数 × 客単価
例えば、月間入電数が200件、不応答率が20%、予約電話の割合が60%、グループ人数が3名、客単価が3,000円で計算してみましょう。
200 × 0.2 × 0.6 × 3 × 3,000 = 216,000円
月に21万円以上が、電話をつなぐだけで取り戻せる可能性のある数字です。年間に換算すると250万円を超えます。この金額を見て「想像より大きかった」と感じたオーナーさんは、ぜひ自店の実数で計算してみてください。
チェックポイント①:月間入電数を把握しているか
多くの店では、電話が何件かかってきているかを記録していません。まず「入電数」という指標を持つこと自体が、改善の第一歩です。
✅ ポイント:固定電話やスマートフォンの着信履歴を1週間集計するだけでも、月間の概算が出ます。まず計測することを優先してください。
チェックポイント②:不応答率を測定できているか
「そんなに取りこぼしていないはず」という感覚は、ほぼ例外なく実態とずれています。なぜなら、取れなかった電話はそのまま消えるからです。誰も報告してくれません。
✅ ポイント:着信履歴で「折り返しをしていない番号」の数を数える方法が、低コストで現状把握できる最初の手段です。
チェックポイント③:ピークタイムの電話対応ルールがあるか
「忙しいから仕方ない」で終わらせていませんか。出られない時間帯を特定し、そこに限定した対策を入れるだけで、不応答率は大きく改善できます。
✅ ポイント:ランチピークの12〜13時台、ディナーピークの18〜20時台を可視化し、その時間帯のみの対策を検討してください。
✓ ここまでのポイント
- 電話不応答率は平均20%。10本中2本がつながらずに切れている
- 機会損失は「入電数×不応答率×予約割合×人数×単価」で金額化できる
- 計測していない店は、毎月いくら失っているかすら把握できていない
電話を取りこぼした客は、グルメサイトに流れていく
ここで考えてほしいのは、電話をかけてきたお客様の「その後の行動」です。
あなたの店の名前を調べ、電話番号を確認し、実際にダイヤルした——それだけ来店意欲が高いお客様が、3回コールして切れたとします。そのとき、「また後で電話しよう」と待ってくれるでしょうか。
答えはほとんどの場合、Noです。スマートフォンでグルメサイトを開き、同じエリア・同じジャンルの別の店を探します。
そしてその別の店の予約を、食べログやホットペッパーが受け付ける。——つまりあなたの店が電話に出られなかったことで、競合他店の送客をグルメサイトが担い、その店に手数料が発生します。
「電話に出られないことは、競合店への無料送客です。グルメサイトに払っている手数料より、取りこぼしているこの金額のほうが、多くの店では実は大きい」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
私がよく確認するのは、「グルメサイトへの支払いと、電話取りこぼしの機会損失を合算したことがあるか」という点です。多くのオーナーさんは片方しか見ていません。両方を足すと、初めてその大きさに気づきます。
「グルメサイト経由の客」と「自分の店の客」はまったく別物です
ここからが、この記事の核心です。
電話の取りこぼし対策を考えるとき、多くのオーナーさんは「どうすれば電話に出られるか」という方向に思考が向きます。でも、私が本当に伝えたいのは、もう一段先の話です。
グルメサイト経由で来たお客様が再来店するとき、どの経路を通りますか。
多くの場合、またグルメサイトを経由します。なぜなら、そのお客様の「この店に予約する」という行動導線が、グルメサイトの上に乗っているからです。あなたの店のLINEを登録してもらっていなければ、電話番号を知らなければ、自社ホームページを覚えていなければ、次もグルメサイトからやってくる。
それはあなたの常連客ではなく、グルメサイトの常連客です。
「グルメサイト経由のお客様は、次も媒体から来ます。それはあなたの客ではなく、媒体の客です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・利益倍増アドバイザー)
では、どうすれば「自分の店の客」にできるのか。答えはシンプルです。予約時に取得した顧客情報を、店舗の資産として蓄積・活用することです。
来店履歴、好みのメニュー、アレルギー情報、記念日。これらを顧客台帳として整えておけば、次回予約の際に「先回はハウスワインをお気に召していただきましたね」という一言が生まれます。その一言のために、お客様はもうグルメサイトを経由する必要がなくなります。なぜなら「あなたの店」に直接連絡すれば、自分のことを覚えてくれているとわかるからです。
❌ よくあるパターン(グルメサイト依存)
- 予約はすべてグルメサイト経由で受け付けている
- 顧客情報はグルメサイト側に蓄積され、店側に残らない
- 再来店時もグルメサイトから予約が入り、都度手数料が発生する
- 常連客の顔は覚えていても、データとして資産化されていない
✅ 推奨アプローチ(顧客情報の自店蓄積)
- 予約時に取得した顧客情報をすべて店舗側の台帳に記録する
- 来店履歴・アレルギー・好みを次回予約時に呼び出せる状態にする
- LINEや自社導線でお客様と直接つながる仕組みを持つ
- オーナー不在でもスタッフが同じおもてなしを再現できる
「仕組み」に変えたオーナーの結果
私が主宰する増益繁盛クラブの会員さんの中に、こういう事例があります。
「入会前は月商350万円でしたが、今は620万円まで伸びました。売上が上がっただけでなく、グルメサイトへの依存が減って手元に残る利益の割合が変わりました」
増益繁盛クラブ会員(飲食店経営者)
この会員さんが取り組んだことの一つが、まさに「電話の取りこぼし対策」と「顧客情報の資産化」でした。売上が増えたことと同じくらい、あるいはそれ以上に重要だったのが、「媒体経由ではなく直接予約してくれる客の割合が上がった」という変化です。
売上は上がっているのに利益が残らない——その原因の多くは、売上が増えるほど手数料も増える構造にあります。自社集客率を高めることが、利益を改善する最も直接的な手段の一つです。
今日から始められる3つのステップ
電話不応答の改善 STEP 1
自店の機会損失額を計算する
上述の計算式で、今月の損失額を数字で出してください。感覚ではなく金額にすることで、「いくら投資してでも解決する価値があるか」が初めて判断できます。
⚠️ よくある失敗:「だいたい月に数万円くらい」と感覚で見積もるケース。実際に計算すると10倍以上の金額になることがよくあります。必ず数字で出してください。
電話不応答の改善 STEP 2
24時間対応できる予約の受け皿を用意する
電話に出られない時間帯に、オンラインで予約が入る導線を作ります。自社ホームページ・Googleビジネスプロフィール・LINEに予約ボタンを設置し、グルメサイトと同じ在庫を見せる状態が理想です。
⚠️ よくある失敗:「ホームページに予約フォームはある」というケース。在庫をグルメサイト側に多く振っているため、自社フォームは「満席」または「リクエスト」しか表示されないことがほとんどです。
電話不応答の改善 STEP 3
予約時に取得した顧客情報を台帳として蓄積する
電話が入った際、または予約完了時に、顧客情報を記録する仕組みを整えます。来店履歴・アレルギー・好み・記念日を蓄積することで、次回予約時の接客が変わります。この台帳が、常連客を「自分の店の客」にするための基盤です。
⚠️ よくある失敗:「自分が全部覚えているから大丈夫」というケース。オーナーが休んだ日、2号店を出した日、そのノウハウは再現できません。
まとめ:数字で把握することが、改善の出発点です
電話の機会損失は、見えないだけで確実に存在しています。飲食店610件以上の支援実績の中で、「電話取りこぼしの金額を計算したことがなかった」というオーナーさんに何度もお会いしてきました。
大切なのは、まず「自分の店はいくら取りこぼしているのか」を金額で知ること。そしてその次に、取りこぼした客が次にどこへ行くのかを考えること。
電話に出られない問題を解決するだけでなく、その先の「顧客情報を資産化して直接つながる常連客を増やす」という視点まで持てたとき、経営の手応えが変わります。
もし「自分の店の機会損失額が気になった」「顧客情報の仕組みを整えたい」と感じたなら、まず現状を数字で確認するところから始めましょう。診断は無料で受けていただけます。
お気軽にご相談ください。一緒に「数字で見える化」するところから始めましょう。
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