こんにちは、ハワードジョイマンです。
飲食店の人手不足に対して採用の前にできることは、確かにあります。むしろ「採用で解決しようとする前に、今の仕組みで取りこぼしている売上と利益を回収する」ことのほうが、経営へのインパクトは大きいケースがほとんどです。
「求人を出しても来ない」「やっと採れても定着しない」「人が揃わないから次の手が打てない」——こういった声を、全国の飲食店オーナーから毎月のように聞きます。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。人を増やす前に、今いる人員・今の仕組みで、どれだけの機会を取りこぼしていますか? 実は、そこに解決のヒントが隠れていることが多いんです。
こんな方におすすめ
- ✅ 求人を出しても応募が集まらず、採用に行き詰まっている方
- ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃していると感じている方
- ✅ 売上は伸びているのに、なぜか手元に利益が残らない方
- ✅ 2号店・3号店を出したいが、人の問題がネックになっている方
- ✅ 採用に頼らない成長の仕組みをつくりたい方
📋 この記事でわかること
- 人手不足を「採用」以外で解消するための具体的な発想転換
- 電話不応答・予約取りこぼしという「見えない機会損失」の正体
- 店舗数を増やしても利益が残らない構造的な原因と対策
- 採用に依存しない成長の仕組みの作り方

そもそも、なぜ人手不足は「採用」で解決しようとしてしまうのか?
長年、飲食業界では「人が足りなければ採る」が当たり前でした。でも今は、その前提が根本から揺らいでいます。
少子化による労働人口の減少、外食業での特定技能1号の受け入れ停止(2026年4月13日から原則停止と政府が発表)、そして採用コストの高騰。以前と同じ方法で採用しようとしても、かかるコストと時間は倍以上になっています。
それでも「採用」に目が向くのは、「人が来れば、今の問題が解決する」という思い込みがあるからではないでしょうか。
でも、私が21年間にわたって飲食店を中心に610件以上の支援をしてきた経験から言えることがあります。人が足りないと感じている店の多くは、「今いる人員と仕組みで取りこぼしている売上」が先に解決できる状態にある、ということです。
「人を増やして解決しようとする前に、今の仕組みで何件の予約を逃しているか、正確に把握していますか。数字を見れば、採用より先にやるべきことが見えてきます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)
ピークタイムに電話が取れないのは、どれくらいの損失になっているのか?
飲食店の平均電話不応答率は、約20%というデータがあります(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。つまり、10件かかってきた電話のうち2件は、繋がらずに終わっているということです。
「それくらい仕方ない」と思うかもしれません。でも、金額に換算すると話が変わってきます。
試しに計算してみましょう。
月間機会損失額の試算式:
月間入電数 × 不応答率20% × 予約電話割合 × グループサイズ × 客単価
たとえば、月200件の電話があり、そのうち70%が予約電話、グループは平均2.5人、客単価3,000円だとすると——
200件 × 20% × 70% × 2.5人 × 3,000円 = 月21万円の機会損失。
年間に換算すれば250万円超です。この金額を毎年捨て続けながら、採用費をかけて人を増やそうとしている——そういう構図になっていないか、一度立ち止まって確認する価値があります。
しかも、ピークタイムに電話が鳴るたびにホールスタッフが対応に追われる。その間、目の前のお客様の接客が止まる。これが続くと、既存のスタッフのモチベーションにも影響します。採用が難しいのに、離職まで招いてしまう悪循環です。
✓ ここまでのポイント
- 採用難の時代に「人を増やして解決する」前提は、もはや通用しにくくなっている
- 電話不応答率20%は、店舗規模によっては年間数百万円規模の機会損失につながる
- ピークタイムの電話対応がスタッフの負担になり、離職を招く悪循環もある
売上が伸びているのに利益が残らないのは、なぜ起きるのか?
ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。
「店舗数を増やしたのに、手元にお金が残らない」という相談は、規模が大きくなるほど増えます。月商が上がっているのに、なぜか経営が苦しくなる。直感に反するこの現象には、構造的な原因があります。
その多くは、グルメサイトへの依存構造を抱えたまま店舗数を増やしてしまっていることです。
食べログやホットペッパーなどのグルメサイトは、掲載料(固定費)に加えて、送客手数料(1予約ごとの変動費)が発生します。店舗数が増えれば、この手数料も比例して膨らみます。でも、送客力が店舗数に比例して増えるかといえば、そうではありません。
結果として、売上の伸びより手数料の伸びが上回り、利益が薄くなっていく。依存構造を直さずに店を増やすことは、ある意味で「赤字の構造を複製している」ことになります。
❌ よくあるパターン:依存構造のまま出店する
- グルメサイトに頼り切った集客構造を1号店で作り上げ、そのまま2号店・3号店に展開する
- 店舗数が増えるにつれ、送客手数料の総額が膨れ上がる
- 売上は伸びているように見えるが、利益は薄くなり続ける
- 採用費・賃料・仕入れが重なり、資金繰りが逼迫する
✅ 推奨アプローチ:出店前に集客構造を作り直す
- 「自社集客率」(有料媒体に頼らずに獲得できている予約の比率)を測定・指標化する
- 自社ホームページ・Google・LINEなど手数料のかからない導線を先に整備する
- 媒体経由の予約比率が下がった媒体から順番に整理し、コストを削減する
- その構造を1号店で確立してから、2号店以降に展開する
「グルメサイトの手数料は、店舗数が増えれば増えるほど正直に膨らみます。集客力は増えないのに、コストだけが比例して増える。これに気づかずに拡大した店が、売上規模は大きいのに経営が苦しいという状態に陥る。出店の判断をする前に、まず1店舗の利益構造を見直すことが先です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)
「最初は月商300万円だった飲食店が、年商2億5,000万円規模まで成長しました。そこで大切にしていたのは、店舗を増やす前に『1店舗で利益が残る仕組み』を先に完成させることでした」
増益繁盛クラブ 会員(飲食店オーナー)
採用の前に見直すべき「仕組み」とは何か?
チェックポイント①:電話不応答率を把握しているか
自店の月間入電数と、そのうち何件が繋がらなかったかを把握できていますか。この数字を持っていないオーナーが大半です。まず計測することから始めてください。
✅ ポイント:AIが24時間365日電話応対を代行する仕組みを導入することで、ピークタイムの取りこぼしをほぼゼロにできます。スタッフをレジ前・接客に集中させられるため、現場のオペレーションも改善します。
チェックポイント②:自社集客率を月次で追っているか
今月の予約全体のうち、グルメサイト経由ではなく自社導線(ホームページ・Google・LINE等)からの予約は何件ありましたか。この比率が「自社集客率」です。多くの店でこの数字は測定されていません。
✅ ポイント:自社集客率を月次で追うことで、「どの媒体をいつ止められるか」が数字で判断できるようになります。感覚ではなく根拠で媒体を整理できるため、恐怖で動けない状態から抜け出せます。
チェックポイント③:Googleビジネスプロフィールの予約導線はどこに繋がっているか
Googleで店名を検索したとき、「席を予約」ボタンはありますか。そのボタンは、有料のグルメサイトに飛んでいませんか。最も予約意欲の高い「店名検索」の客に、手数料を払っている状態になっていないか確認してください。
✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの予約導線を自社に設定することで、手数料ゼロの予約が増え始めます。外国語にも自動翻訳されるため、インバウンド客の予約取りこぼし対策にもなります。
チェックポイント④:顧客情報はオーナーの頭の中にだけあるか
常連客の好み・アレルギー・来店履歴が、あなたの記憶にしかない状態になっていませんか。これは、店舗が増えた瞬間に接客品質が破綻する最大の要因です。
✅ ポイント:顧客台帳に情報を蓄積し、予約時に自動で呼び出せる状態にする。新店のスタッフでも同じおもてなしができる仕組みが、多店舗展開の品質を守ります。
採用に依存しない成長の仕組みは、どう作るのか?
集客構造の見直し STEP 1
「今、1予約あたりいくら払っているか」を計算する
月の掲載料合計 ÷ 媒体経由の予約件数 = 1予約あたりの実質コスト。この数字を出したことがないオーナーは、まずここから始めてください。数字が出れば、次の行動が決まります。
⚠️ よくある失敗:「なんとなく高い気がする」という感覚で媒体を止めてしまい、受け皿がないまま集客が落ちる。順番が逆になると、売上ごと失います。
集客構造の見直し STEP 2
手数料のかからない「自社の受け皿」を先に用意する
グルメサイトを整理する前に、自社ホームページ・Google・LINEに予約導線を設置する。在庫を一元管理することで、自社フォームにも同じ空席数が表示されるようにする。これができて初めて、媒体の整理が可能になります。
⚠️ よくある失敗:自社フォームはあるのに、在庫が分割されていてほとんど埋まって見える。「空席なし」に見えるフォームには誰も予約を入れません。
集客構造の見直し STEP 3
自社集客率を月次で計測し、媒体を順番に整理する
自社集客率が上がってきたら、効果の薄い媒体から順番に掲載をやめる。「止めたら怖い」という恐怖を、数字が代わりに判断してくれます。比率が下がった媒体を止めることで、送客手数料が削減され、利益として手元に残ります。
⚠️ よくある失敗:全媒体を一気に止めようとする。1媒体ずつ、自社集客率の推移を見ながら段階的に整理することが大切です。
まとめ:人手不足の「本当の解決策」は、採用の前にある
採用が難しいのは事実です。でも、採用を諦めるのではなく、採用に頼らなくてもいい仕組みを先に作ることが、今の時代の現実的な戦略だと私は思っています。
電話不応答によって毎月取りこぼしている予約を拾う。自社集客率を測定し、グルメサイト手数料を段階的に削減する。顧客情報を台帳化して、スタッフでも同じ接客ができる状態にする。これらは採用の代替ではなく、経営の土台を作ることです。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円だった飲食店が年商2億5,000万円規模まで成長した方がいます。その方が大切にしていたのは、店舗を増やす前に「1店舗で利益が残る仕組み」を徹底的に作ることでした。拡大の前に土台を固める——それが再現性のある成長につながります。
「自分の店は今、どこから手をつければいいのか」。その答えを一緒に探りたい方は、まずは現状診断からお話しできます。どうぞお気軽にご相談ください。
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