こんにちは、ハワードジョイマンです。
少し驚く数字をお伝えします。
飲食店にかかってくる電話のうち、約20%は応答されずに切れている——これは株式会社エビソルが「ebica」利用店舗100店の予約データをもとに算出した平均値です。10件に2件が、誰にも出てもらえないまま終わっています。
しかも恐ろしいのは、ほとんどのオーナーがその実数を把握していないことです。「うちはちゃんと出ている」と感じていても、ピークタイムに限れば話は変わります。料理を運んでいる最中、オーダーを取っている最中、厨房が火を噴いている最中——そういう瞬間に限って電話は鳴るものです。
業務効率化というと、仕入れのコスト削減やシフト管理の見直しを思い浮かべる方が多いのですが、実はいちばん手をつけやすくて、いちばん利益に直結するのは「取れていない予約電話」の問題です。今回は、この一点に絞って具体的な3つの手順をお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ ピークタイムに電話が取れず、予約を逃しているかもしれないと感じているオーナー
- ✅ 業務効率化に取り組みたいが、どこから手をつければいいか迷っている方
- ✅ スタッフを電話番から解放して、接客に集中させたい方
- ✅ 人手不足でも売上・予約数を落としたくない飲食店経営者
- ✅ 月商をさらに伸ばすための「取りこぼしゼロ」の仕組みをつくりたい方
📋 この記事でわかること
- 自店の電話不応答率と月間機会損失額の算出方法
- 取りこぼしが起きる構造的な原因と、その正体
- 24時間365日、電話を取りこぼさない仕組みの具体的な作り方

「忙しいときに電話が来る」は偶然ではない
まず前提として知っておいてほしいことがあります。ピークタイムに電話が集中するのは、偶然ではありません。
お客様が「今夜行けるかな」と思うタイミングは、当然ながら食事の時間帯と重なります。ランチ営業中の12時台、ディナー準備が始まる17〜18時台、週末の夜——まさにスタッフ全員が動いている時間に、予約の電話は集中するのです。
さらに付け加えると、株式会社エビソルの「ebica」予約データ(2023年11月〜2024年4月)によれば、予約全体の32%は当日に行われており、そのうち60分前が16%、30分前が14%を占めています。直前の予約電話は、最もホールが混雑している時間帯にかかってくる可能性が高い。つまり、取れない電話は構造的に生まれているのです。
「がんばって電話に出るようにする」という精神論では解決しません。仕組みで変えるしかない。では、どこから手をつければいいか。順を追って説明します。
手順1:まず「自店の損失額」を数字で出す
最初にやることは、現状の把握です。感覚ではなく、金額として。
計算式はシンプルです。
月間機会損失額 = 月間入電数 × 不応答率 × 予約電話の割合 × 平均グループ人数 × 客単価
たとえば、月間100件の電話があり、不応答率が20%、そのうち予約電話が70%、平均グループが3名、客単価が3,000円だとすると——
100 × 0.2 × 0.7 × 3 × 3,000円 = 月間126,000円の機会損失です。
年間にすれば約150万円。「忙しくて取れなかった」では済まない金額です。
チェックポイント1:月間入電数を把握しているか
多くの店舗は、月に何件の電話がかかってきているかを記録していません。まずは1週間だけ、電話の着信件数と、うち何件出られなかったかをメモしてみてください。
✅ ポイント:入電数が把握できていない場合は、固定電話の着信履歴を遡るだけでも目安になります。スマートフォンで受けている場合は、着信履歴から不在着信数をカウントしましょう。
チェックポイント2:予約電話の比率を把握しているか
業者からの問い合わせ、常連さんからの雑談、スタッフの連絡——電話の用途はさまざまです。しかし予約に関わる電話を逃すダメージは、他の用途とは比べものになりません。
✅ ポイント:一般的に飲食店への電話の60〜70%は予約・問い合わせが占めると言われています。自店の感覚値でも構わないので、まず大まかな割合を出してみましょう。
チェックポイント3:客単価は「1組あたり」で考えているか
客単価を1人分で計算しているオーナーが多いのですが、電話1本は通常1組からかかってきます。グループ人数をかけることで、取りこぼし1件あたりの損失が鮮明になります。
✅ ポイント:コース料理やアルコールを含む夜の業態は、1組あたりの単価が高くなります。「取れなかった電話1本=数万円」という感覚を持てると、仕組み化への動機が一気に変わります。
✓ ここまでのポイント
- 飲食店の電話不応答率は平均約20%(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。10件に2件が繋がっていない
- 直前・当日予約がピークタイムに集中する構造がある(全予約の32%が当日、株式会社エビソル「ebica」予約データ 2023年11月〜2024年4月)
- 機会損失額は「入電数 × 不応答率 × 予約電話割合 × グループ人数 × 客単価」で算出できる
手順2:取りこぼしが起きる「構造」を理解する
損失額が見えたところで、次は原因の構造を整理します。
問題の本質は「電話に出る人がいない」ことではありません。「電話に出なければならない仕組みになっている」ことです。
ピークタイムに電話番を立てるためには、余剰人員が必要です。しかし今、飲食業界の人手不足は深刻で、むしろシフトを削らざるを得ない店のほうが多い。「人を増やして解決する」という選択肢は、多くの店で現実的ではなくなっています。
加えて、電話対応には副作用があります。スタッフが電話に出た瞬間、目の前のお客様への接客が止まります。「少々お待ちください」が続く店は、在店中のお客様の満足度も下げてしまう。取っても、取らなくても、どこかで損をしている——これが電話依存の予約受付が抱える構造的な欠陥です。
「忙しい時間帯に電話が鳴るたびに、スタッフの表情が曇る店を何軒も見てきました。電話を取るか、目の前のお客様を優先するか——その二択を迫られる瞬間こそが、実は最大の業務ロスです。人を増やす前に、その二択をなくすことを考えてほしい」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)
ではどうするか。次の手順が、具体的な解決策です。
手順3:24時間365日、予約を受け取れる状態をつくる
結論から言うと、電話の取りこぼし問題は「人が出る」ではなく「仕組みが受け取る」に切り替えることで解決します。
業務効率化 STEP 1
AIによる電話自動応対の導入
当日予約・翌日以降の予約・予約確認・キャンセルまでをAIが応対し、遅刻連絡やその他の問い合わせのみ店舗に転送する仕組みがあります。ebicaの「AIレセプション」はその一例で、24時間365日、電話が鳴るたびに確実に応対します。スタッフは目の前のお客様に集中できるようになり、在店中の接客品質が上がるという副次効果も生まれます。
⚠️ よくある失敗:「AIでは温かみがない」と感じて導入をためらうケース。しかし実際には、繋がらない電話のほうがお客様の不満につながります。繋がること自体がおもてなしの第一歩です。
業務効率化 STEP 2
予約チャネルをオンラインに分散させる
電話に集中している予約の流入を、ネット予約に分散させることも同時に進めます。自社ホームページ・Googleビジネスプロフィール・LINEに予約ボタンを設置し、電話をかけなくても予約できる状態をつくります。深夜や早朝にスマートフォンで「この店、予約できるかな」と調べるお客様は、電話よりもネットで完結できるほうが圧倒的に助かります。
⚠️ よくある失敗:自社サイトに予約ボタンはあるが、空席がほとんど割り当てられておらず「リクエスト予約」止まりになっているケース。在庫を一元管理することで、自社フォームもグルメサイトと同じ条件で戦えるようになります。
業務効率化 STEP 3
月次で「自社集客率」を追う
仕組みを入れたら終わりではありません。毎月、予約全体のうち自社導線(電話以外・グルメサイト以外)から入った比率を計測します。この数字を「自社集客率」として定点観測することで、どの媒体が本当に機能しているかが可視化され、広告費の見直しにも判断軸が生まれます。
⚠️ よくある失敗:仕組みを導入しても計測しないため、改善の効果が分からず途中で止めてしまうケース。「入れた」で終わらず、「測る」まで一セットです。
「月商300万円の飲食店から、年商2億5,000万円規模へ成長した会員も」
増益繁盛クラブ 会員の声
この成長の裏には、当然ながら集客や商品力の磨き込みがあります。しかし土台として必ずあるのが、「取りこぼしていた予約を拾える状態」にしたこと。大きな数字の変化は、小さな取りこぼしをなくすところから始まっています。
❌ よくあるパターン:人を増やして電話番を立てようとする
- 採用コストがかかる
- ピークタイム以外は手が空く、人件費の無駄が生まれる
- 人が採れなければ問題は解決しない
✅ 推奨アプローチ:仕組みで24時間応対できる状態をつくる
- AIが電話を受け、必要な用件だけスタッフに転送する
- ネット予約を分散させ、電話依存度を下げる
- 自社集客率を月次で計測し、媒体コストの見直しに活かす
まとめ:効率化は「がんばり方」ではなく「仕組みの設計」で決まる
業務効率化というと、スタッフに動き方を指示したり、マニュアルを整備したりするイメージがあります。それも大切ですが、まず手をつけるべきは「構造的に発生している損失」を止めることです。
今回お伝えした3つの手順を改めて整理すると——
- 自店の電話不応答率と月間機会損失額を算出する(まず数字で現実を見る)
- 取りこぼしが起きる構造を理解する(人の問題ではなく、仕組みの問題だと認識する)
- AIと自社予約導線で24時間受け取れる状態をつくり、月次で自社集客率を追う
この3ステップは、月商規模や業態に関係なく、どの飲食店にも当てはまります。私自身、飲食店を中心に610件以上の店舗支援に関わってきた中で、電話の取りこぼしを放置したまま他の施策に取り組んでいた店が、いかに多かったか——繰り返し目にしてきました。
「今、自分の店がどれだけ取りこぼしているか」を一度、金額で確認してみてください。その数字が見えた瞬間、次に何をすべきかは自然と決まります。
ebicaの導入や、予約・集客の現状診断についてご関心のある方は、お気軽にご相談ください。現状を整理するところから一緒に考えます。
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