予約受付の効率化対策

ピークタイムの電話対応、現場の舞台裏

こんにちは、ハワードジョイマンです。

突然ですが、一つデータをお見せしましょう。

飲食店における電話の平均不応答率は約20%——つまり、10件かかってきた電話のうち、2件は誰も出ていないという現実があります(株式会社エビソル「ebica」予約データ、利用店舗100店平均)。

「うちはそんなに取りこぼしていない」と感じたオーナーも多いと思います。でも、ほとんどの店主がこの数字を「自分の店のデータ」として把握できていない。そこが問題の本質です。

今日は私・ハワードジョイマンの一日の動きを追いながら、ピークタイムの電話対応という問題がどこで生まれ、どう解決できるのかを正直にお話しします。静岡県静岡市清水区の事務所を拠点に、全国の飲食店経営者を支援して21年。その現場で見てきたことを、ありのままに書きます。

こんな方におすすめ

  • ✅ ランチやディナーのピーク時に電話対応が追いつかないと感じているオーナー
  • ✅ 「電話を取りこぼしているかもしれない」と感じているが、実際の損失額を把握していない方
  • ✅ スタッフに電話番をさせることで、接客の質が下がっていると感じている方
  • ✅ 2号店・3号店への展開を考えているが、電話対応の属人化が課題になっている方
  • ✅ 人を増やさずに予約の取りこぼしをなくしたいと考えている経営者

📋 この記事でわかること

  1. ピークタイムに電話が取れない「構造的な理由」と、実際の機会損失の計算方法
  2. 電話不応答がスタッフと店舗の品質にどんな影響を与えているか
  3. 仕組みで電話問題を解決した店が、何を変えてどう変わったか
  4. 「人を増やさずに予約を取りこぼさない」状態を作るための具体的な考え方
ピークタイムの電話対応、現場の舞台裏 | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

朝6時。一日は「現場の確認」から始まる

私の一日は早い。マラソンを続けているせいか、朝型の体になってしまって、6時前には起きています。サウナに行く日はさらに早い。

朝の時間でまずやるのは、メールとメッセージの確認です。増益繁盛クラブの会員さんから届いている相談内容を読む。夜中に送ってくる方も少なくない。それだけ追い詰められた状況で経営されているということです。

昨日も、こんなメッセージが届いていました。

「昨夜のディナータイム、ホールが回らなくて電話を4〜5回取れませんでした。コールバックしたら、2件は他の店に予約を入れていました」

増益繁盛クラブ会員・居酒屋オーナー(40代・男性)

「昨夜だけで2件」です。これが毎日続いたら、1ヶ月でどうなるか。少し計算してみましょう。

月間入電数を仮に300件とします。不応答率20%なら60件が繋がっていない。そのうち予約電話の割合を60%とすれば36件。平均グループサイズを3名、客単価3,000円とすると——

月間機会損失額 = 36件 × 3名 × 3,000円 = 324,000円

32万円です。年間にすれば約390万円。これを「仕方ない」と流している店が、全国にどれだけあるか。

午前10時。コンサルティングの前に「診断」をする理由

事務所に着いてから、その日の面談準備に入ります。私がクライアントと話す前に必ずやることがあって、それは「今、どこから手をつければ利益が伸びるか」を先に仮説として持っておくことです。

テンプレートで話すコンサルタントにはなりたくない。市役所を辞めて独立した直後、食欲を失うほど追い詰められた経験があります。あのとき私を助けてくれたのは、具体的な「次の一手」を示してくれた人でした。だから私も、抽象論ではなく「今週、何をするか」まで落とし込むことを自分に課しています。

電話対応の問題に関して言うと、多くのオーナーが最初に求めるのは「人を増やすこと」です。でも私が最初に聞くのは、「今、何件取りこぼしているか把握していますか?」という一点。

ここに答えられるオーナーは、ほとんどいません。

チェックポイント1:月間の入電数を把握しているか

ほとんどの店で、電話の着信記録は残っていても「何件取れなかったか」の記録はありません。不応答履歴を確認するだけで、初めて実態が見えてきます。

✅ ポイント:まず1週間分の着信履歴を確認し、不応答の件数と時間帯を書き出してみてください。「いつ取れていないか」が分かるだけで、対策の優先順位が変わります。

チェックポイント2:取りこぼした電話の「内容」を推定できているか

不応答の電話が「予約」だったのか「問い合わせ」だったのか「クレーム」だったのかで、機会損失の金額は大きく変わります。業種・時間帯・曜日から推定できることは多い。

✅ ポイント:ディナー予約が集中する17〜19時台の不応答が多い場合、その時間帯の不応答は高確率で予約電話です。この時間帯だけでも仕組みを入れる価値があります。

チェックポイント3:電話対応がスタッフの接客を中断させていないか

ピークタイムに電話が鳴るたびに、目の前のお客様への対応が止まります。これは数字に現れないコストです。スタッフの疲弊と接客品質の低下は、じわじわと口コミと常連離れに影響します。

✅ ポイント:「電話番と接客担当を分ける」という発想より、「ピークタイムの電話を仕組みに任せる」という発想に切り替えるほうが、根本的な解決になります。

✓ ここまでのポイント

  • 飲食店の電話不応答率は平均約20%。月間300件の入電がある店では、毎月30万円超の機会損失が発生している可能性がある
  • 「取りこぼし件数」を把握していない店がほとんど。まず実態を数字で見ることが第一歩
  • 電話対応の問題は「人手不足」ではなく「仕組みの不在」として捉え直すことで、解決の選択肢が広がる

午後1時。ランチタイムの舞台裏で起きていること

支援先の飲食店に同行することがあります。ランチのピーク帯、12時〜13時半。この時間に電話がどう扱われているかを、外から見ると面白いほどよく分かる。

よくある光景はこうです。ホールスタッフが料理を運んでいる最中に電話が鳴る。手が離せない。数秒悩んだ後、トレーを置いて電話に走る。「はい、〇〇でございます」——お客様の前に戻るまで2〜3分。席では水が空になっている。

これ、スタッフを責める話じゃないんです。構造の問題です。

「電話対応が悪いのはスタッフのせいではなく、ピークタイムに電話番を求める仕組みのせいです。人を変えても解決しない。仕組みを変えないと」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

私が市役所を辞める前、夜間と週末に無給でイタリアンレストランに修行に入っていた時期があります。あの現場で痛感したのは、ピークタイムは「情報戦」だということ。どのテーブルが何分後に空くか、次の予約が何名か、コースの進行がどこかを常に頭に入れながら動く。そこに電話対応が割り込んでくると、頭の中の地図が崩れる。

だから今、電話の問題を「接客の質の問題」として捉えているオーナーには、まず「電話を接客から切り離せる仕組みがあることを知っていますか?」と聞くようにしています。

午後3時。「人を増やす前に、取りこぼしをゼロに近づける」という発想

この時間帯、私の事務所では個別相談が入っていることが多い。最近増えているのが、2号店・3号店を持つオーナーからの相談です。

「1号店では自分が電話を管理できていたけど、2号店では無理だ」という悩みを持って来られる。そうなんです。1号店が回っていたのは、オーナー自身が現場にいたからです。その「勘と管理」は、店舗が増えた瞬間にコピーできない。

増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円から年商2億5,000万円規模へ成長された方もいます。その方が何をしたかというと、「自分にしかできないこと」を「仕組みに置き換える」作業を地道に続けたんです。電話対応もその一つでした。

❌ よくあるパターン:人を増やして電話問題を解決しようとする

  • 採用コストがかかり、教育期間中はむしろ負担が増える
  • 人が辞めたら元の問題に戻る。根本解決にならない
  • 構造的な人手不足が続く中、この方程式は長続きしない

✅ 推奨アプローチ:仕組みを先に作り、電話対応を自動化する

  • 24時間365日、予約電話に応答できる状態を作れる
  • スタッフはピークタイムに目の前のお客様だけに集中できる
  • 取りこぼしがなくなると、追加採用なしで売上が回復することが多い

電話自動化 STEP 1

現状の不応答率と機会損失額を算出する

まず「いまどれだけ取りこぼしているか」を金額で出します。感覚ではなく数字にすることで、「仕組みを入れるコスト」と比較判断できるようになります。月間入電数、不応答率、予約電話の割合、平均グループ人数、客単価——この5つの数字があれば試算できます。

⚠️ よくある失敗:「うちはそんなに多くない」と感覚で判断して、数字を出さないまま放置するパターン。実際に算出すると「こんなに損していたのか」と驚くオーナーがほとんどです。

電話自動化 STEP 2

電話対応のうち「仕組みで代替できる部分」を切り出す

すべての電話を自動化しなくていい。当日予約・翌日以降の予約・予約確認・キャンセル——この4種類で大半の電話は完結します。クレームや複雑な問い合わせだけを店舗に転送する設計にすることで、スタッフの負担を大幅に減らせます。

⚠️ よくある失敗:「全部を仕組みにしなければ意味がない」と考えて導入を先送りにするケース。まず一部だけ自動化して、効果を体感してから範囲を広げるほうが現実的です。

電話自動化 STEP 3

導線を整えて、取りこぼした分を自社予約に回す

電話を仕組みで受けながら、同時にネット予約の導線も整える。GoogleビジネスプロフィールやホームページからAの予約が入るようになれば、電話に頼らない予約体制が出来上がります。

⚠️ よくある失敗:電話対応の問題だけを解決して、ネット予約の導線を整えないパターン。電話を自動化しても、予約の「受け皿」がなければ機会損失は別の形で続きます。

夜8時。一日を締めくくりながら考えること

営業が終わった店舗から報告が届く時間。今日もいくつかのメッセージを読みながら、明日の準備をします。

どんなに忙しい週でも、月に一度は先祖の墓参りに行きます。「自分の足元を確認する」という感覚に近い。経営者の相談に乗っていると、目の前の数字に引っ張られて大事なことを見失う瞬間があります。そのたびに「何のためにこれをやっているか」に戻る習慣が、私には必要なんです。

飲食店のオーナーも同じだと思っています。毎日の電話対応に追われて、「なぜこの店を開いたか」を忘れていないか。朝から晩まで働いているのに、利益も時間も手元に残らない状態が続いているなら、何かを変えるタイミングです。

「売上を増やそうとする前に、いま取りこぼしているものを拾うほうが、ずっと確実です。電話不応答率20%を放置したままの増員より、取りこぼしをゼロに近づけるほうが先です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)

飲食店の支援実績610件以上、コンサルタントとして21年。その経験から言えることは、「仕組みがない状態でがんばり続けることほど、オーナーとスタッフを消耗させるものはない」ということです。

まとめ:「電話が取れない」は、仕組みで解決できる問題です

今日お伝えしたことを整理すると、こうなります。

  • 電話不応答率は平均20%。多くの店が実態を把握していないまま、毎月数十万円を取りこぼしている
  • この問題の原因は「人手不足」ではなく「ピークタイムに電話番を求める構造」にある
  • まず損失額を数字で出す。次に電話対応のうち自動化できる部分を切り出す。そのうえで予約の受け皿を整える、という順番で動く
  • 電話問題を解決した先に、スタッフが目の前のお客様に集中できる店が待っている

「自分の店が毎月いくら取りこぼしているか」、一度数字で見てみてください。感覚より、きっと大きな数字が出ます。

電話不応答の機会損失診断や、予約管理システムの活用について、具体的な話を聞いてみたい方はお気軽にご相談ください。どこから手をつければいいか、一緒に整理しましょう。

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