予約受付の効率化対策

ピーク時に電話が取れない、それは売上の話です

こんにちは、ハワードジョイマンです。

6月に入り、じめっとした空気が漂い始めましたね。梅雨前のこの時期、夏のアウトドアや同窓会シーズンに向けて幹事さんたちが動き出し、居酒屋や焼肉店、個室系の飲食店では「宴会の下見電話」がちょうど増え始める頃です。

さて、そのタイミングで一つだけ聞かせてください。

その電話、ちゃんと取れていますか?

「取れていない電話がある」という自覚はあっても、それが実際にいくらの損失になっているか、金額で把握している飲食店オーナーはほとんどいません。ピーク時に電話が取れないのは「オペレーションの問題」ではなく、れっきとした売上の問題です。今日はその話を、FAQ形式でまとめてお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ ランチや夕方のピーク時に電話対応が追いつかないと感じている方
  • ✅ 「電話が鳴っていたのに取れなかった」が週に何度かある飲食店オーナー
  • ✅ 人手が足りないが、採用にコストをかけたくない方
  • ✅ 予約の取りこぼしが売上にどれだけ影響しているか数字で知りたい方
  • ✅ グルメサイト以外の予約経路を増やしていきたい方

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店の電話不応答率の実態と、業界平均データ
  2. 月間機会損失額を自分で試算する具体的な計算方法
  3. 人を増やさずに電話の取りこぼしをゼロに近づける仕組み
  4. 「自社予約」を増やして手数料を削減する方向性
ピーク時に電話が取れない、それは売上の話です | 有限会社繁盛店研究所(飲食店向け予約管理システム「ebica」正規代理店)

飲食店の電話不応答率は、実際どのくらいですか?

飲食店向け予約管理システム「ebica」を提供する株式会社エビソルの調査(利用店舗100店平均)によると、飲食店の電話不応答率は平均約20%です。10件のうち2件は、お客様側からすれば「繋がらなかった店」になっています。

もっと言うと、これは平均です。ランチのピーク帯やディナーの入れ込み時間帯に限れば、不応答率がさらに上がる店も珍しくありません。

問題は、ほとんどのオーナーがその実数を把握していないことです。「たまに取れないことはある」という感覚と、「10件に2件が繋がっていない」という事実の間には、意識の上で大きな差があります。感覚で経営するか、数字で経営するか——この差が、利益の積み上がり方に直結しています。

「電話を取れなかった、という事実はどこにも残りません。だからオーナーは気づかない。でも電話をかけてきたお客様の記憶には、確実に残っています。次に来る店を選ぶとき、その店は候補から外れているかもしれない。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/利益倍増アドバイザー)

取りこぼしている予約を、金額に換算するにはどうすればいいですか?

抽象的な「損失があるはずだ」を、腹に落ちる数字に変えましょう。計算式はシンプルです。

月間機会損失額の試算式:
月間平均電話件数 × 不応答率 × 予約電話割合 × グループサイズ × 客単価

たとえばこんな店があるとします。

  • 月間の電話件数:200件
  • 不応答率:20%(= 40件が取れていない)
  • そのうち予約電話の割合:60%(= 24件が予約の問い合わせ)
  • 平均グループサイズ:3名
  • 客単価:3,500円

24件 × 3名 × 3,500円 = 月間252,000円の機会損失。年間に直すと約300万円です。

これは「採れていない売上」ではありません。正確には「存在すら知らなかった売上」です。電話が繋がらなかった瞬間、その予約候補は消えてしまう。その事実は、どの台帳にも記録されていません。

✓ ここまでのポイント

  • 飲食店の電話不応答率は平均約20%。10件に2件が取れていない(エビソル調査)。
  • 月間機会損失額は「電話件数 × 不応答率 × 予約割合 × 組数 × 客単価」で試算できる。
  • その損失は記録に残らないため、オーナーが見落とし続けやすい。

なぜピーク時に限って電話が取れなくなるのですか?

答えはシンプルで、「一番忙しい時間に電話が集中するから」です。

ランチのピーク帯(11:30〜12:30)は、ホールが一番動いている時間でもあります。注文を取り、料理を運び、会計をこなしながら、同時に電話に出ることは構造的に難しい。スタッフを増やせばある程度は解消しますが、電話対応だけのために人を配置できるほど、今の飲食店に余裕はありません。

また、電話予約には「深夜・早朝のニーズ」もあります。お客様が予約しようと思い立つのは、必ずしも営業時間中ではありません。「明日のランチを今夜確保しておきたい」という当日予約の需要は、ebicaのデータによると予約全体の32%が当日で、そのうち60分前が16%、30分前が14%を占めています。この直前需要に電話だけで応えようとすること自体に無理があります。

チェックポイント1:自店の電話が集中する時間帯を把握しているか

「なんとなく昼が多い」という感覚ではなく、時間帯別の入電数を記録してみてください。予約システムや電話の着信履歴から確認できる場合があります。

✅ ポイント:ピーク時間帯が特定できれば、そこだけ集中的に対策を打てます。全時間帯を一律に対策しようとすると、コストも手間も増えます。

チェックポイント2:「折り返しの取りこぼし」も計上しているか

「取れなかった電話には折り返している」という店も多いですが、折り返した時点でお客様が他店に予約を入れていることも少なくありません。電話の不応答は、折り返せば解決する問題ではないのです。

✅ ポイント:不応答の瞬間に離脱が起きています。「折り返した」ことで損失がゼロになるわけではありません。

人を増やさずに、電話の取りこぼしを減らす方法はありますか?

あります。大きく2つのアプローチです。

❌ よくあるパターン(人で解決しようとする)

  • 電話番担当のスタッフをピーク時に配置する → 人件費が増える
  • スタッフを採用して全体の余裕を作る → 採用が困難で時間もかかる
  • 「取れない電話は仕方ない」と諦める → 機会損失が積み上がり続ける

✅ 推奨アプローチ(仕組みで解決する)

  • AIが電話を受け、予約受付・変更・キャンセルを自動で対応する(AIレセプション)
  • ネット予約の受け皿を整備し、電話以外の予約導線を太くする
  • Googleビジネスプロフィールに自社予約ボタンを設置し、24時間予約を受け付ける

ebicaの「AIレセプション」は、当日・直前の予約受付から、翌日以降の予約・予約確認・キャンセルまでをAIが応対し、遅刻連絡やその他の問い合わせのみ店舗に転送するという仕組みです。スタッフは目の前のお客様の対応に専念できます。

グルメサイト対応 STEP 1

まず「取りこぼし額」を可視化する

先ほどの計算式で、自店の月間機会損失額を試算してみてください。この数字を把握しないまま対策を打つと、「何のためにやっているか」が見えなくなります。

⚠️ よくある失敗:システムを入れる前に損失額を確認せず、「入れてみたけど効果が分からない」という状態になること。数字のベースラインを先に持っておくことが重要です。

グルメサイト対応 STEP 2

ネット予約の受け皿を整備する

電話以外で予約できる導線を用意します。自社ホームページ・Google・LINEに予約ボタンを設置し、グルメサイトと同じ在庫を共有させることで、手数料のかからない自社予約が増え始めます。

⚠️ よくある失敗:自社の予約フォームに少ない枠しか割いていないため、「リクエスト予約」止まりになり、お客様から敬遠されるケース。在庫の統合が前提です。

グルメサイト対応 STEP 3

AIレセプションで24時間365日の応対体制を作る

電話が繋がらない時間帯をAIでカバーします。「人を採らずに応対品質を上げる」という発想の転換が、人手不足時代の現実的な戦略です。

⚠️ よくある失敗:AIに任せることへの心理的抵抗から導入が遅れ、その間も機会損失が積み上がること。試しに運用してみることで判断できます。

電話対応を改善した店舗には、どんな変化がありましたか?

増益繁盛クラブの会員さんの中には、予約の仕組みを整えることで、売上の構造そのものが変わった方がいます。

「月商350万円だった頃は、毎日電話に追われていました。お客様の顔を見ながら電話を取る状態が続いて、どちらにも集中できない。仕組みを変えてから、スタッフが目の前のお客様だけに向き合えるようになって、月商620万円まで伸びました。」

居酒屋オーナー(40代・男性)

また、電話対応の改善とあわせてリピート施策に取り組んだ結果、リピート率が38%から71%に改善した会員さんもいます。

取りこぼしを減らすことと、来てくれたお客様をリピーターにすること——この2つは車の両輪です。電話の問題を解決した後に、次の打ち手が見えてきます。

「電話が取れないことを『仕方ない』で片付けている間は、成長の上限が決まっています。仕組みで解決できることを、がんばりで補おうとするのは、オーナーの体力を消耗するだけです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/利益倍増アドバイザー)

まず何から手をつければいいですか?

結論から言うと、最初のステップは「自店の不応答率と機会損失額を数字で把握すること」です。

感覚ではなく数字で見たとき、初めて「これは放置できない」という判断ができます。私は21年間、飲食店を中心に610件以上の店舗支援をしてきましたが、この「自分の損失額を知る」というプロセスを飛ばして対策に入った店ほど、途中で方向を見失いやすい。

今の状況を一度整理してみたいという方は、まず現状診断から始めましょう。予約経路・電話不応答率・自社集客率・Googleの予約導線の4つを可視化することで、「どこから手をつけるべきか」が見えてきます。

静岡・清水を拠点にしながら、北海道から沖縄、さらにアメリカ・カナダ・オーストラリアの飲食店オーナーとも日々コンサルティングを行っています。場所は問いません。

ピーク時に電話が取れない。その問題を、今日の記事で「売上の問題」として捉え直してもらえたなら、書いた甲斐があります。

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