こんにちは、ハワードジョイマンです。
結論から言うと、常連客が増える店には「名前を覚える」「記録する」「連絡する」という3つの共通点があります。これは根性論でも接客マニュアルの話でもありません。仕組みの話です。
21年間、飲食店610件以上を支援してきた中で、リピート率が高い店と低い店の差は、店主の人柄よりも「お客様の情報をどう扱っているか」に集約されていました。今日はその話を、実際のケースを交えてお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 常連客が自然に増える店が共通して持っている「3つの仕組み」
- 顧客情報を属人化させてしまう「よくある落とし穴」
- リピート率を高めるために今日から動ける、具体的な一手
- 多店舗展開を考えているオーナーが特に注意すべきポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 「一見さんは多いけど、リピーターがなかなか増えない」と感じているオーナー
- ✅ 常連客の情報が自分の頭の中にしかなく、スタッフに引き継げていない方
- ✅ 2号店を出した後、1号店のようなリピーターがつかずに悩んでいる方
- ✅ 割引・クーポンに頼らずリピートを増やす方法を知りたい方
- ✅ グルメサイト経由のお客様を「自分の店の常連」に育てたい方

共通点①:「初来店」を特別扱いしている
あるカフェのオーナーが、こんな悩みを打ち明けてくれました。「週末はほぼ満席なのに、同じ顔が増えていかない。毎回新しい人を呼ばないといけない気がして、広告費が止められない」と。
お話を聞いていくと、初来店のお客様に対して何も記録をしていないことがわかりました。名前も連絡先も、何を注文したかも。そのお客様が次に来ても、「はじめまして」と接客するしかない状態です。
常連客が多い店は、初来店の扱いが違います。予約で来店されたお客様の名前を確認して「〇〇様、お待ちしておりました」と迎えるのは当然として、注文内容・アレルギー・同行者の様子など、次回の接客に使える情報を何らかの形で手元に残しています。
これは「気の利いたスタッフがいる店」の話ではありません。その情報をどこに蓄積するかを決めている店の話です。頭の中にしか入れない接客は、その人が休んだ瞬間に消えます。
「常連さんを増やしたいなら、まず『お客様の情報を誰が・どこに・どう残すか』を決めることです。記憶に頼った接客は、属人化した技術と同じ。仕組みにしてはじめて、店の財産になります」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
共通点②:「お客様の情報」を記録・資産化している
増益繁盛クラブの会員さんの中に、居酒屋を3店舗経営しているオーナーがいます。1号店はリピーターで賑わっていたのに、2号店・3号店では同じ結果が出ないと相談に来られました。
原因はシンプルでした。1号店が繁盛していた理由の一つは、オーナー自身が常連さんの顔・名前・好みを全部把握していたからです。でもそれは、そのオーナーの頭の中にしかなかった。2号店・3号店のスタッフはゼロからのスタートでした。
常連客が自然に増える店は、顧客情報を「個人の記憶」ではなく「店の台帳」として持っています。来店回数、注文履歴、アレルギー、誕生月、よく使うシーン(記念日か、仕事の接待か)——そういった情報が予約や来店と紐づいて蓄積されています。
そうなると何が変わるか。そのお客様が電話予約してきたとき、スタッフが台帳を開くだけで「前回はカウンター席をご希望でしたね」「お連れ様のアレルギーはえびでしたよね」という会話ができます。特別扱いされていると感じたお客様は、また来ます。
✓ ここまでのポイント
- 常連客が増える店は、初来店時から顧客情報を「記録する仕組み」を持っている
- オーナーの頭の中にある情報は「店の資産」にならない。台帳に移してはじめて資産になる
- 2号店・3号店のリピーターが増えない原因の多くは、立地ではなく情報の引き継ぎ不足にある
チェックポイント1:顧客情報はどこに残っていますか?
来店したお客様の名前・連絡先・注文履歴・アレルギーが、店主以外のスタッフでも確認できる場所に記録されているかを確認してください。
✅ ポイント:「自分が出勤していない日でも、常連さんへの接客品質が落ちないか」を基準に考える。できていなければ、まず予約台帳に顧客メモ欄を設けるところから始める。
チェックポイント2:グルメサイト経由の予約客は「誰」ですか?
食べログやホットペッパーから来たお客様の情報は、次の来店時に手元にありますか?グルメサイトの予約情報は、媒体が管理しています。その情報を店側の台帳に落とし込んでいない場合、そのお客様は「媒体のお客様」のままです。
✅ ポイント:媒体経由の予約でも、来店時に店側のシステムで顧客情報として記録する仕組みを作る。次回は直接予約に誘導できる土台になる。
「グルメサイト経由のお客様は、次も媒体から来ます。それはあなたの客ではなく、媒体の客です。常連化とは、その方との関係を『媒体を介さない関係』に変えることです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
共通点③:「次の来店」を自然に設計している
私が市役所を辞めて独立した直後、仕事がなくて全財産が底をつきかけた時期があります。食欲すら失い、受診した医師に「体に問題はありませんが、商売はうまくいっていますか」と心配されて、帰り道に号泣しました。あの経験があるから、資金繰りと集客に悩む店主の気持ちが、言葉を越えて分かります。
その経験を踏まえて言うと、常連客が増えない店の多くは「次の来店を設計していない」という共通点があります。来てくれたお客様に、次に来る理由を作っていないのです。
ある焼肉店のオーナーの話です。月商は350万円ほどで安定していたものの、新規客の比率が高く、広告をやめると途端に売上が下がる状態でした。常連と呼べるお客様が数えるほどしかいないことに気づいて、仕組みを変えました。
変えたのは2つだけです。①来店のたびに顧客台帳を更新し、誕生月が近いお客様には翌月に案内を送る。②グルメサイト経由で来た方には、次回はLINEから直接予約できることを伝える。たったこれだけで、半年後にはリピート率が大きく改善しました。
「次の来店を設計する」とは、特別なことではありません。お客様との接点が「今日の来店」で終わらないようにする、ということです。誕生日の案内でも、新メニューのお知らせでも、次の来店を思い出してもらうきっかけを自分たちで作っているかどうか。そこに差があります。
❌ よくあるパターン:来店後、次の接点がない
- 来てくれたことに感謝して終わり。次に来る理由は「お客様次第」
- グルメサイトが「おすすめのお店」として別の店を案内する
- 割引クーポンでしか再来店を促せず、利益が削られる一方
✅ 推奨アプローチ:来店を「関係のスタート」と捉える
- 予約時に取得した情報を台帳に残し、次回の来店で活用する
- LINEやメールなど、店が直接連絡できる手段でつながる
- 割引ではなく「あなたのために」という文脈で案内を送る
「月商350万円から620万円になった会員さんの変化は、集客媒体を増やしたからではありませんでした。来てくれたお客様との関係を丁寧に続けた結果です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
常連客を「システム」に任せる、という発想
「そんな丁寧な対応、うちのスタッフにはムリです」という声をよくもらいます。でも、実はその「丁寧さ」の多くは、人の気遣いではなく、情報とツールで補えます。
顧客台帳があれば、新人スタッフでも「〇〇様は辛いものが苦手でいらっしゃいます」という会話ができます。電話がかかってきた瞬間に過去の来店履歴が表示されれば、誰でも「先日はありがとうございました」と言えます。
接客の「温かさ」は人が作るもの。でも、その温かさを支える「情報」は、仕組みが管理するものです。この2つを混同して「全部スタッフの力量に任せる」としてしまうと、結局オーナーが現場を離れられない店になっていきます。
増益繁盛クラブの会員さんの中には、月商300万円からスタートして年商2億5,000万円規模に成長した方もいます。その方が多店舗展開を実現できたのは、常連客との関係を「属人的な接客」ではなく「仕組みとしての顧客管理」に転換したことが大きな要因の一つです。
チェックポイント3:ピークタイムに常連さんの電話を取れていますか?
常連客からの電話予約は、その店に対する信頼の表れです。でも飲食店の平均電話不応答率は約20%(株式会社エビソル「ebica」予約データ)。10件に2件が繋がっていません。常連さんが「また今日も繋がらない」と感じ始めたとき、次はグルメサイトで別の店を探します。
✅ ポイント:電話の不応答が常連離れの入口になっている場合がある。ピークタイムの電話応答体制を見直すことが、リピーター維持の意外な急所になることも多い。
まとめ:常連客が増える店は「仕組みで関係を続けている」
今日お伝えした3つの共通点を整理します。
①初来店を特別扱いし、情報を残す
②顧客情報を台帳として資産化する
③次の来店を自分たちで設計する
どれも「特別なセンス」や「天性の接客力」の話ではありません。仕組みの話です。そして、仕組みはコピーできます。2号店にも、3号店にも。
「うちの店、どこから手をつければいいか分からない」と感じているなら、まず現状を整理するところから始めてみてください。予約と集客の状況を一度棚卸しするだけで、「ここを変えれば常連が増える」というポイントが見えてきます。
個別の状況に合わせてお話しできますので、お気軽にご相談ください。
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