こんにちは、ハワードジョイマンです。
「親から店を継いだ。売上はそれほど落ちていないのに、なんだかうまく回っている感じがしない」——事業承継した2代目経営者の方が抱えやすい悩みです。
よくあるのは、毎月グルメサイトに払っている掲載料が複数のサイトで積み重なっているケースです。売上の見た目は維持されているのに、手元に残るお金が少ない。その理由が「どこにあるか分からない」という状態です。
これ、事業承継した2代目の方にとって、実はあるある話なんです。先代が「とりあえず入れた」グルメサイトが、そのまま固定費として残っている。でも今や、その費用対効果を誰も検証していない。
今日は、そんな2代目経営者の方に向けて「最初の1年で何をやるべきか」を、私自身の経験と、これまで飲食店を中心に833件以上を支援してきた現場の視点からお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 引き継ぎ直後に「まず見るべき数字」と、その見方
- グルメサイト依存から抜け出すための、再来店率の測り方
- 常連客に支えられる店をつくるための「会員化」の仕組み
- 2代目が最初の1年で積み上げるべきKPIの設計思想
こんな方におすすめ
- ✅ 飲食店を親族から引き継いだばかりの2代目経営者の方
- ✅ 売上は落ちていないのに手元に利益が残らないと感じている方
- ✅ グルメサイトへの掲載料が固定費になっており、効果を測れていない方
- ✅ 新規集客より常連客に支えられる店をつくりたいと考えている方
- ✅ 再来店率という数字を、まだ一度も計測したことがない方

引き継いだ瞬間に「固定費の地雷」が埋まっている
事業承継の現場で私が最初に確認することがあります。それは「今、毎月いくらの固定費が出ていますか?」という質問です。
多くの2代目経営者の方は、この質問にすぐ答えられません。なぜなら、先代が「なんとなく続けてきた」費用の全体像を、誰も整理していないからです。
グルメサイトの掲載料はその代表格です。たとえばAポータルに月5万円、Bポータルに月6万円、Cポータルに月4万円……と、複数のサービスに分散して支払いが続いているとします。それでも「どのサイトから何人来たか」を追えていない店は少なくありません。
結論から言うと、最初にやるべきことは「固定費の棚卸し」と「集客経路の計測」の2つです。この2つを押さえないまま新しい施策を打っても、穴の空いたバケツに水を注ぐだけになります。
先代が経営していた頃は「勘と経験」で回っていたかもしれない。でも2代目が引き継いだ瞬間、その勘は引き継げません。だから数字で見えるようにすることが、最初の仕事になります。
飲食店のコスト削減で最初に手をつけるべき順番については別の記事でも詳しく書いていますが、固定費の見直しは必ず最初のステップに来ます。
グルメサイトの掲載料が毎月出ていくのに、何人が再来店してくれているか分からない、というのが今の状態ではないでしょうか。無料登録すると使えるレシピ原価管理ツールや、増益繁盛プランナー(AIとの5ステップ対話でKPIを整理)が、この「数字が見えない」状態に直接使えます。メールアドレスだけで登録でき、すぐに使い始められます。
グルメサイトの掲載料は「集客費用」ではなく「機会損失」かもしれない
ここで少し厳しいことを言わせてください。
グルメサイトの掲載料を「集客費用」として計上している店は多いですが、実態を測ってみると「固定費」になっているケースが少なくありません。違いは何かというと、固定費は成果に関係なく出ていく費用です。集客費用であれば、来店数に比例して費用対効果が測れなければいけません。
では、グルメサイト経由で来た新規客が「2回目に来てくれているか」を、あなたは測れていますか?
仮に、グルメサイト経由の新規客の再来店率が12%だったとします。10人来て1人ほどしか戻ってこない計算です。その1人を獲得するために、毎月の掲載料を払い続けていることになります。
「グルメサイトをやめる勇気より、やめた後に何を仕組みとして残すかを先に考える。順番を間違えないことが大事です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
2代目が最初の1年でやるべきことの核心は、ここにあります。新規を追いかけ続ける構造から、常連客に支えられる構造へ、静かに転換することです。
✓ ここまでのポイント
- 引き継いだ店には「先代が入れた固定費」がそのまま残っている。最初に棚卸しすることが先決。
- グルメサイトの掲載料は「集客費用」ではなく「固定費」になっていることが多い。再来店率を測って初めて費用対効果が分かる。
- 新規客を追いかける構造のまま運営を続けると、利益が手元に残らない状態が固定化される。
来店客をLINE会員として登録し、再来店率を月次で追う仕組みを作る、という流れを記事で説明しましたが、「実際に何から手をつければいいか」が分からないという方も多いはずです。無料登録後すぐもらえる電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」が、その設計の入り口として使えます。無料です。
「再来店率」をKPIに置き換えると、やるべきことが見えてくる
再来店率とは、一度来てくれたお客様が再び来てくれる割合のことです。これを測っている飲食店は、実はまだ少数派です。
でも、この数字を持っているかどうかで、経営の方向性が180度変わります。
チェックポイント①:今月の来店客のうち、何人が「初回客」で何人が「2回目以降」か
これが分からなければ、何にお金をかけるべきかの判断ができません。POSだけで管理している場合、来店頻度の把握が難しいケースが多いです。
✅ ポイント:来店客を「初回」「リピート」に分けて記録する仕組みを最初の3ヶ月で整える。アナログでも構いません。まず計測を始めることが先です。
チェックポイント②:お客様に「次に来てもらう理由」を渡せているか
来店時に次回来店のきっかけを渡せていない店は、リピートを「偶然」に任せています。常連客は偶然ではなく、仕組みによって育ちます。
✅ ポイント:LINE公式アカウントへの誘導、次回使えるクーポンの配布、季節メニューの案内など、「また来る理由」を店側が設計する。
チェックポイント③:顧客情報を「資産」として蓄積できているか
グルメサイト経由の来店客は、サイト側の顧客であってあなたの店の顧客ではありません。来店客を自店の顧客として会員化することで、初めて「自分の店の言葉で集客できる」状態になります。
✅ ポイント:来店客をLINE会員として登録し、店側からアプローチできる状態を作る。これが「常連さんに支えられる店」の土台です。
再来店率の測り方と、飲食店が最初に把握すべき数字については別記事でも詳しく解説しています。まだ計測を始めていない方は、そちらも参考にしてみてください。
来店を「会員化」する仕組みが、2代目の1年目を決める
ここからが、私が2代目経営者の方に最も伝えたい部分です。
来店客を会員化するというのは、難しい話ではありません。要は「次もこの店に来てもらえるような関係を、データとして積み上げていく」ということです。
具体的な流れはこうです。
会員化 STEP 1
来店時にLINE公式アカウントへ誘導する
テーブルにQRコードを置き、来店時に友だち追加してもらう。モバイルオーダーと連動させると、注文のタイミングで自然に登録を促せます。
⚠️ よくある失敗:QRコードを置いただけで誘導の声かけをしていない。スタッフへの説明と、登録するメリットの提示がセットで必要です。
会員化 STEP 2
来店後に「次のきっかけ」を届ける
LINE経由で、来店からおよそ1週間後に季節のおすすめや限定メニューの情報を送る。お客様の来店頻度に合わせてメッセージのタイミングを調整できると理想的です。
⚠️ よくある失敗:最初だけメッセージを送って、その後が続かない。月1回程度の定期配信を最初から設計しておくことが大切です。
会員化 STEP 3
再来店率を月次で追いかける
LINE会員数の増減と、再来店してくれた会員数の割合を毎月記録する。この数字が上がっていれば、仕組みが機能しているサインです。
⚠️ よくある失敗:数字を記録せず、感覚で「なんとなく増えた気がする」で終わらせてしまう。KPIとして月次で追う習慣を最初から作ること。
「導入相談に来られた方に必ず聞く質問があります。『今の再来店率は何%ですか?』と。この数字を持っていない店に、まずやってもらいたいのは新しいツールを入れることではなく、計測を始めることです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・飲食店経営コンサルタント)
モバイルオーダーが「会員化」の入り口になる理由
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、客単価がアップしたという声をいただいています。
モバイルオーダーでは、お客様がスタッフの声かけを待たずに自分のペースで追加注文できます。「客単価が上がった」という結果の裏には、こうしたオペレーションの変化があります。
LINE連携型のモバイルオーダーには、注文のタイミングでLINE友だち登録ができるものがあります。つまり、ホールスタッフの声かけに頼らず、仕組みとして会員化の入り口を作れるんです。
2代目経営者の方がよく抱える悩みの一つに「スタッフが定着しない」があります。でも、接客の質をスタッフ個人の頑張りに依存していると、人が変わるたびに顧客体験が揺れます。仕組みで補える部分を仕組みに任せることで、スタッフへの依存度を下げながら顧客接点の品質を安定させられます。
飲食店のIT化、最初の1歩の手順も参考にしながら、何から始めるかの順番を整理してみてください。ツールを増やすことより、「何のためにこのツールを入れるか」の目的を先に決めることが大切です。
まとめ:2代目の1年目は「仕組みを設計する1年」にする
事業承継した2代目経営者の方が最初の1年でやるべきことを、一言でまとめると「数字で見える仕組みを最初に作る」ことです。
先代の勘と経験を否定する必要はありません。ただ、その勘は引き継げない。だから、勘の代わりになる「数字」を最初の1年で積み上げることが、2代目がやるべき最初の仕事です。
グルメサイトの掲載料が固定費化していないか確認する。再来店率を月次で計測し始める。来店客を会員化する仕組みを作る。この3つを1年目に整えられた店は、2年目からの経営が大きく変わります。
常連さんに支えられる店というのは、偶然そうなるのではなく、設計した結果としてそうなります。新規を追いかけ続けるのをやめたいなら、常連客が育つ仕組みを先に作ることが近道です。
私自身、独立直後に全財産が底をつく経験をしました。その経験から、資金繰りと集客に悩む店舗経営者の力になりたいと考えてきました。
2代目経営者の方が1年目にどこから手をつければいいか迷ったとき、この記事が少しでも道標になれれば嬉しいです。
モバイルオーダーを「会員化の入り口」として使い、客単価と再来店率を同時に改善したい、という方向性が見えてきたなら、次のステップは具体的な導入設計です。モバイルオーダーなどの導入・初期設定代行から90日間の定着支援まで、有限会社繁盛店研究所に直接相談できます。