こんにちは、ハワードジョイマンです。
朝から本降りの雨。こういう日、飲食店のオーナーさんは何を考えるか。たいていは「今日は暇だろうな」か「早上がりにするか」のどちらかです。
でも、来店客をLINE会員として登録する仕組みができていれば、雨の日のお昼過ぎにスマホを操作して、顧客リストに向けてクーポンを配信する、という手が打てます。
今日はその話をしたいと思います。「採用を諦めても回る店にしたい」という経営者の方に、特に読んでほしい内容です。
こんな方におすすめ
- ✅ 求人を出しても応募がなく、ホールが慢性的に手薄な方
- ✅ 雨の日・平日の集客に毎回手を焼いている方
- ✅ 新規集客にお金をかけているが、リピーターが増えている実感がない方
- ✅ スタッフを増やさずに売上を伸ばす方法を探している方
- ✅ 過去にITツールを導入したが定着せず、もう一度チャレンジしたい方
📋 この記事でわかること
- 雨の日クーポン配信を可能にする「下準備」と配信の流れ
- ホール人員を増やさずに客単価・再来店率を改善する仕組みの考え方
- 採用依存から脱却するために必要な「業務の移管」という考え方
- 同じ取り組みを自店で始めるための最初の一歩

人が採れない店で、まず考えたいこと
「人が採れない」という悩みは、地方の飲食店ほど深刻です。時給を上げても応募が来ない。ホールが1名欠けたまま既存スタッフに負担が集中し、疲れたスタッフが辞め、またそのカバーで別のスタッフが疲れていく——という悪循環に入ってしまうことがあります。
こういうとき、私が最初に提案するのは「採用活動の強化」ではありません。
「人を採るのをいったん諦めましょう。ホール1名分の業務を、仕組みに置き換える。そこから始めます」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)
モバイルオーダーを導入し、注文取りと会計の大半をお客様のスマホに移す。同時に、来店したお客様にLINE友だち登録をしてもらう導線を整える。これが下準備です。
雨の日のクーポン配信は、こう組み立てる
来店客の会員化ができていれば、雨の日の午後に管理画面を開き、たとえば「一定期間内に来店があって、まだ再来店していない人」に絞り込んで、「雨の日限定、ドリンク1杯サービス」のLINEメッセージを配信する、といった手が打てます。作業そのものは、慣れれば数分で済みます。
ドリンクを1杯サービスしても、追加注文で元が取れるかどうか。これは配信後の客数と客単価を見れば確かめられます。
そしてもう一つ大事なのが、ホールの体制です。モバイルオーダーで注文取りをお客様側に移しておけば、客数が増えた日でも、少ない人数で回しやすくなります。
✓ ここまでのポイント
- 採用を強化するより、「業務を仕組みに移管する」ことで少人数でも回せる店に近づける
- 来店客を会員化しておくと、雨の日のような「暇になりやすい日」に能動的な手が打てる
- クーポン配信はやみくもに全員に送るより、「再来店していない層」に絞るほうが反応を得やすい
「採用の諦め」を、経営の武器に変える仕組みの中身
ここで、もう少し構造的に整理してみます。
チェックポイント1:注文取りにかかっている時間を測ったことがあるか
飲食店のホールスタッフの業務時間は、「注文を取る」「オーダーを通す」「ドリンクを運ぶ」の繰り返しに多くを取られがちです。モバイルオーダーはこの部分をお客様側に移管します。スタッフは料理の提供と、顔を見た接客に集中できる。
✅ ポイント:「人が足りない」と感じる前に、今いる人の動線を見直すことが先決です。
チェックポイント2:来店客が「誰か」を把握できているか
再来店クーポンを配信するには、来た人の連絡先が手元にある必要があります。多くの店では、これが抜けています。来店してくれた方が次に来るかどうかを、完全に運任せにしている状態です。
✅ ポイント:来店=会員登録の仕組みを作ることが、集客の「貯金」になります。
チェックポイント3:クーポンの費用対効果を追跡できているか
「チラシを配った」「クーポンを出した」——でも、それが何人の来店に繋がったかを計測していない店が多い。配信→開封→予約→来店→客単価まで自動で記録できる仕組みがあれば、費用対効果をすぐに確認できます。
✅ ポイント:効果が見えない販促費は、削減の判断もできません。計測できる仕組みが先です。
「人材採用の努力をやめろ、と言っているのではないです。ただ、採用できることを前提に経営を設計するのは、地方では現実的ではない。採れなくても回せる仕組みを先に作って、そこに採用が加わったら純粋な戦力になる。その順番を変えましょう、ということです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経営コンサルタント)
客単価が上がった、という事実の意味
モバイルオーダーの導入を支援したお店からは、「客単価がアップした」という声をいただいています。
これには理由があります。スタッフが注文取りに追われなくなると、おすすめメニューの声かけや、追加注文のタイミングへの対応が自然に増えます。さらにモバイルオーダーの画面上でおすすめ商品や写真付きのメニューを見せられるため、お客様自身が「これも頼んでみようか」と動くきっかけが生まれます。
飲食店を中心に833件以上の支援をしてきた中で感じるのは、「接客の質を上げたい」という思いは皆さん同じなのに、オペレーションがそれを阻んでいるケースが多い、ということです。スタッフに接客に集中してもらいたいなら、接客以外の業務を先に取り除く必要があります。
業界経験21年、飲食店を中心に833件以上の支援。その中で一貫して思うことは、「採用できない」を嘆く前に、「採用しなくていい仕組み」を作れているか、という問いを立てることが大切だということです。
この取り組みを自店で始めるための最初の一歩
雨の日クーポンの話を聞いて、「うちでもやれそう」と感じた方もいれば、「どこから手をつければいいか分からない」という方もいると思います。
私が提案する順番はシンプルです。
省人化・CRM導入 STEP 1
来店客の会員化から始める
モバイルオーダーを導入すると、注文と同時にLINE登録の導線を作れます。まずこれだけで、来店客のデータが積み上がり始めます。雨の日に配信できる「リスト」が生まれます。
⚠️ よくある失敗:会員登録の仕組みを作っても、スタッフへの案内が徹底されずリスト数が増えない。最初の2週間は意識的に登録率を追うことが大切です。
省人化・CRM導入 STEP 2
ホールオペレーションを再設計する
注文取りと会計をお客様のスマホへ移管したあと、「空いた時間で何をするか」をスタッフと一緒に決めます。ここを曖昧にしておくと、スタッフが手持ち無沙汰になり「楽になった分だけ働いていない」という誤解が生まれます。
⚠️ よくある失敗:ツールを入れたことで満足してしまい、オペレーション設計を後回しにする。定着しないIT導入によくある原因がこれです。
省人化・CRM導入 STEP 3
クーポン・メッセージ配信を「習慣」にする
雨の日・平日の夕方・祝日前夜——集客が読みにくいタイミングに、能動的な手を打てるようになると、売上の波が穏やかになっていきます。最初は月に1〜2回の配信から始めて、効果を見ながら頻度と内容を調整します。
⚠️ よくある失敗:全員に同じ内容を頻繁に送りすぎてブロックされる。セグメントを絞った配信が鍵です。
まとめ:「採用できない」は終わりではなく、仕組みを作るサインだ
地方で飲食店を営む経営者の方に、繰り返し伝えてきたことがあります。人が採れないのは、あなたの努力が足りないからではない。構造的な問題です。だから、同じ土俵で戦い続けても消耗するだけです。
採れなくても回る仕組みができれば、求人広告費の一部を既存スタッフへの手当に回す、という選択肢も見えてきます。それが辞めないチームづくりにもつながります。
採用を諦めることは、経営を諦めることではありません。人に依存しない仕組みを作ることで、むしろ経営の自由度が上がっていきます。
モバイルオーダーの導入やCRM活用に興味がある方、あるいは「うちの店に合うか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。効果が見込めない場合は正直にそうお伝えします。それが私のスタイルです。