こんにちは、ハワードジョイマンです。
「うちは料理の質には自信がある。でも、なぜかリピーターが増えない」
「新規集客にお金をかけているのに、売上が積み上がらない」
「グルメサイトからの集客が頭打ちで、掲載料だけが固定費になっている」
こういった声を、飲食店経営者の方からよくいただきます。料理の腕も、サービスの丁寧さも、どこにも負けない。なのに、エリアでナンバーワンに選ばれているのは、正直そこまで料理がすごいわけでもない別の店だったりする。
結論から言うと、差がついている理由は「商品力」ではありません。顧客データを資産として持っているか否か——ここです。
この記事では、顧客データを持たない店がこれから直面するリスクを整理しながら、エリアで抜きん出るための具体的な道筋をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 顧客データを持たない店が直面する、3つの構造的リスク
- 「来店客が誰か分からない」状態がいかに経営を脆くするか
- 顧客データを資産化し、他店が真似できない関係性を作る方法
- リピーター売上比率50%を現実的な目標にするためのステップ
こんな方におすすめ
- ✅ 新規集客にコストをかけているが、2回目の来店率を測ったことがない方
- ✅ グルメポータルへの依存から脱したいと感じている飲食店経営者の方
- ✅ エリアで一番選ばれる店を目指している3〜30店舗規模のオーナー
- ✅ 顧客データの活用に興味はあるが、何から始めればよいか分からない方
- ✅ 事業承継や多店舗展開を見据え、再現性のある経営基盤を作りたい方

「来た客が誰か分からない」——これが、最大のリスク
飲食店の多くは、毎日お客さまを迎えて、料理を出して、会計をして、「ありがとうございました」で終わります。でもその後、そのお客さまがまた来てくれたかどうかを、把握できている店はどれほどあるでしょうか。
私が支援してきた飲食店を中心とした833件以上のお店を振り返っても、来店客を個人として認識し、再来店を追跡できていた店は多くありません。毎日来てくれるお客さまが「一見さん」なのか「5回目の常連さん」なのかを、データとして把握していないお店がほとんどでした。
これが何を意味するかというと、誰に何を届ければ再来店につながるか、まったく打ち手が立てられないということです。
来てくれたお客さまにもう一度来てもらう手を打たないまま、グルメサイトの掲載料やSNS広告に毎月お金を投じ続けている。これは構造的に「水の抜けたバケツに水を注ぎ続けている」状態です。
「再来店率を測っていない店に、新規集客の予算増額を勧めたことは一度もありません。穴を塞がないまま水を注いでも、バケツは満たされない。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所)
商品力だけでは「選ばれ続ける店」にはなれない、という現実
静岡県清水区のような地方エリアでも、都市部でも、構造は変わりません。エリアの中で「あの店、また行こう」と思ってもらえる店と、「そういえばあんな店あったね」で終わる店の差は、料理のクオリティよりも関係性の深さにあります。
ではなぜ顧客データが「関係性」に直結するのか。
たとえば、来店時にLINEで会員登録をしてもらっている店の場合、その後「先日はありがとうございました。今週末、新メニューが出ます」と個別に連絡できます。一方、データを持っていない店は、来てくれたお客さまに次の来店を促す手段が何もない。次に思い出してもらえるかどうかは、完全にお客さまの記憶頼みです。
モバイルオーダーの導入を支援したお客様からも、「LINE友だちが増えて、再来店客数も含めた来店者総数が伸びた」という声をいただいています。新規の集客コストを増やさずに、来店者の総数が増えていく——これが顧客データを資産化したときの本質的な効果です。
✓ ここまでのポイント
- 顧客データを持たない店は、再来店を「偶然」に頼っている状態にある
- 穴を塞がずに新規集客で水を注いでも、利益は残りにくい
- 顧客データを資産化すると、コストをかけずに来店者総数を伸ばせる可能性がある
顧客データを持たない店が直面する、3つの構造リスク
チェックポイント1:グルメポータル依存の「賃貸型集客」になっていないか
グルメサイトからの集客は、掲載を止めた瞬間に流入がゼロになります。自社で顧客データを持っていないということは、集客のインフラをまるごと外部に預けている状態です。プラットフォーム側の仕様変更や掲載料の値上げに、経営が振り回されるリスクは年々高まっています。
✅ ポイント:来店客をLINEやメール等で自社会員化し、「自分の畑で育てる」集客基盤を並行して構築する。
チェックポイント2:来店客の「誰が・何回目か」を把握できているか
初来店のお客さまと、10回来ている常連さんに、まったく同じ接客・同じ情報提供をしていませんか。顧客データがなければ、この2人を区別することすらできません。結果として、本来は特別扱いすべき常連さんが「また一見客と同じ扱いをされた」と感じ、離れていくケースが起きます。
✅ ポイント:来店履歴を蓄積し、来店回数や注文傾向に応じたコミュニケーションを設計する。これがCRM(顧客関係管理)の基本です。
チェックポイント3:販促の効果を「来店」まで追跡できているか
チラシを配った、SNSで投稿した、クーポンを出した——その後、実際に来店につながったかどうかを確認できている経営者はどれくらいいるでしょうか。データがなければPDCAが回らず、毎回「なんとなく効いた気がする」で終わります。販促費が固定費化し、削れない状態になっていく。
✅ ポイント:配信した情報と来店データを紐づける仕組みを作り、効果検証を常態化する。
「顧客データを資産化する」とは、具体的に何をするのか
難しく考える必要はありません。出発点はシンプルに「来てくれた人を、次も来てもらえる仕組みに乗せる」ことです。
リピーター戦略 STEP 1
来店時に会員化する接点を設ける
モバイルオーダーのQRコードや卓上POPを通じて、来店中にLINE友だち追加や会員登録を促します。注文・会計という自然な流れの中に組み込むことで、特別な声かけをしなくても会員数が積み上がっていきます。
⚠️ よくある失敗:「登録してください」とスタッフが口頭でお願いするだけで終わり、仕組みとして回らない。導入初日に運用ルールを決めておくことが重要です。
リピーター戦略 STEP 2
来店履歴に応じたメッセージを届ける
「最後の来店から30日以上経った方」「誕生月の方」「特定のメニューを注文した方」——こうしたセグメントに分けて、自動でメッセージを送れる状態にします。全員に同じ情報を送るのではなく、その人の来店文脈に合った言葉を届けることが、関係性を深める鍵です。
⚠️ よくある失敗:セグメントを細かく設定しすぎて、配信が止まる。最初はシンプルに「未来店30日」「誕生月」の2軸だけで始めるのが現実的です。
リピーター戦略 STEP 3
再来店率をKPIとして経営会議の議題にする
「今月の新規客数」ではなく「初回来店から30日以内に再来店した比率」を毎月追うようにします。この指標を追うようになると「どこで離れているか」が見えるようになり、打ち手の精度が上がっていきます。
⚠️ よくある失敗:数字を取り始めても、会議で使わない。データは意思決定に使って初めて意味を持ちます。
システムを選ぶときは、POS・モバイルオーダー・CRMが一体になっていて、こうしたデータの連携が最初から設計されているかどうかも一つの観点です。「別システムで取ったデータをExcelで突合する」という手間が発生しない構造は、多店舗展開している経営者にとって特に大きなメリットです。
❌ バラバラなシステム管理(よくあるパターン)
- POS・顧客データ・LINE配信がすべて別会社のシステムで、データを手動で突合している
- 配信と来店が紐づかないため、どの施策が効いたか分からない
- 月次レポートの作成に数日かかり、打ち手が常に後手に回る
✅ 一体型のデータ基盤(推奨アプローチ)
- 注文・会計・顧客データが自動で連携し、日次で再来店率・客単価・粗利が確認できる
- LINE配信の開封から来店・売上まで自動で追跡し、PDCAが回る
- 新店立ち上げ時も既存店の設定を複製して、初日から仕組みが動く
まとめ:データを持つ店と持たない店の差は、これから加速する
人口減少・人件費上昇・食材原価高騰という環境の中で、飲食店経営はこれまで以上に「一人ひとりのお客さまとの関係性をどれだけ深く作れるか」が勝敗を分ける時代に入っています。
商品力はもちろん大切です。ただ、同じエリアで同じクオリティの料理を出す店が増えている中で、「また行きたい」と思わせる力の源泉は、料理の記憶だけでなく「あの店は私のことを覚えていてくれる」という体験にあります。顧客データを持つとはすなわち、その体験を仕組みとして設計することです。
私自身、独立直後に全財産が底をつく経験をした身として、「繁盛している店とそうでない店の差はどこにあるのか」をずっと考えてきました。21年間・飲食店を中心に833件以上の支援を通じて感じているのは、「顧客データを自社の資産として持ち、再来店率をKPIに置いている店は、広告費に頼らずに強くなっていく」ということです。
リピーター売上比率50%を一つの目標として、まず「来てくれた人を会員化する」ことから始めてみてください。難しい技術は必要ありません。仕組みとして回るかどうかが、すべてです。
顧客データの活用やモバイルオーダーの導入について、具体的にどう進めればよいかをお伝えする無料の情報もご用意しています。お気軽にのぞいてみてください。
また、自店の顧客データ活用の現状診断や、モバイルオーダー導入の詳細についてはこちらからご相談ください。
一緒に、エリアで一番選ばれる店を作っていきましょう。お待ちしています。